まずひとつ過去記事を紹介してみたいと思います。「アメスポ第四位NHLと第五位MLSの実力差はどんなものか」というタイトルで2008年に書いたものです。細かいことですが表題のMLS五位という表現ですが、ツアー型のプロスポーツ興業(NASCAR、ゴルフ、テニス、Xスポーツなど)やカレッジスポーツを除いてのことであります。巨大産業となっているカレッジスポーツを別ジャンルとして数え始めるとNHLはアメスポ第四位のジャンルではないし、MLSも第五位ではありません。アメスポ内ジャンル順列の話は別途何度も取り上げているので今回は深く追求しません。注釈のみ。

リンク先の過去記事は内容はつたない部分もありますし状況の変化もありましたが6年後の今読んでみてもほぼそのまま通用するように思います。当時の結論部分を再録すれば「長期的にはNHLに追いつき追い越す可能性はあると考えた方がいいと思うのです。あくまでも長期的ですが。」ということになります。この記事を書いた時点では先日取り上げたMLSの動員力最強チームであるSeattle SoundersはまだMLS参入を果たしていません。SoundersがMLSでプレーし始めたのは2009年のことです。つまりあの記事を書いた時点ではSoundersのような突然変異の人気チームがMLSに登場するとは想像もしていなかったわけです。また当時はMLSがリーグ新規参入オーナーからの加入金が入ってくるようになって資金的にやっと一息つけるようになり、MLSの経営崩壊・解散の可能性がやっと払拭でき始めた時期でもあります。そのほんの少し前までは現実的にMLSが潰れて存在がなくなる可能性がありました。そういう時期に書いた記事です。

一方サッカーが追いついていくべき対象としてのアイスホッケーNHLに関してはその後も労働争議でオーナー側の実質勝利が続いて経営が安定化。2008年から新年の巨大スタジアムを使っての野外試合であるWinter Classicを開催して成功、露出を拡大。2010年2014年の冬季五輪でのホッケー代表の健闘でとてつもない高い視聴率(15.2%, 2760万人視聴)を獲得ということもありました。サッカーが追いつくべき対象であるNHLもけっして黙って後発競技に追いつかれるつもりはない。様々な経営努力をしているわけです。

ちなみに日曜日のサッカーW杯ブラジル大会決勝戦の米国内での視聴者は英語・スペイン語放送を合わせてアメリカサッカー放送の最大視聴者数を記録しました(速報値、後日数字は少々変わります)。その数字は2650万人(英語1730万人、スペイン語920万人)。ホッケーの方がまだ高いのです。英語話者で言えばまだまだ圧倒的にホッケーの方が見られているのが現実なのです。ホッケーの数字は五輪ブランドのせいだろ、というツッコミは可能ですが、サッカーの方もW杯ブランドだから出た数字であってそれ以外のサッカーイベントでこういう数字は出せないわけでお互い様というところでしょう。メジャーかマイナーかという表題の件に戻れば、そういう特別な試合だけでなくて普段の大量生産される試合で安定してTV視聴・動員・売上が出せるようにならないとメジャービジネスとは言えない、そういう高いレベルでアメスポメジャースポーツは競っているという点にご注意ください。