この話題はもう少し先に例の新女子サッカーリーグの詳細が発表されてからでもいいかと思っていたんですが、そういうことを言っていると忘れてしまうので軽く。
来年2013年春に開幕する対極の二つの女子プロスポーツ興業である女子サッカープロリーグ(名称未定、本稿では以下新リーグ)とLingerie Football League(LFL)。先日新リーグの方のチーム所在地が発表になっている中で一点気になるところがあります。新リーグ8チームとLFL12チームを見比べると本拠地都市が重なるのはわずかに二都市であることがわかります。
新リーグの方はSeattle, Portland, Kansas City, Chicago, Western New York, New Jersey, Washington DC, Boston。
カナダを独立の別リーグとして新装開店となるLFLの方は Seattle, Los Angeles, Las Vegas, Chicago, Green Bay, Minnesota, Atlanta, Omaha, Jacksonville, Baltimore, Cleveland, Philadelphiaとなっています。
重なっているのはSeattleとChicagoです。新リーグが前身のWPSの当時にチームを持っていたAtlanta, Philadelphia, LAといった都市にチームを当面持たないことを決定したためLFLとの直接のバッティングとなる都市が最小限となっています。事業の発表はLFLの方がずっと早かったので新リーグ側がLFLとのバッティングを避けたのかもしれませんし、単に偶然かも、それはわかりません。
Seattleに関してはLFL Seattle Mistはホーム興業をアリーナで開催することを発表済なのでいいのですが、問題となるのがChicagoの方。LFL Chicago Blissはそのホーム興業を男子サッカーMLSのChicago FireのホームフィールドであるToyota Park(野外)で開催すると既にスケジュールまで発表済なんですね。男子MLSも春開幕、LFLの開催試合数は多くはないですが同じく春開幕。実は女子プロサッカーの前身WPSに参加していたChicago Red StarsもこのToyota Parkでホームゲームを開催していた実績があります。まだ新リーグのChicagoのチームの詳細は発表になっていないのですが、たぶんToyota Parkに戻ってきたいはず。となるとメインテナントのMLSの合間にLFLと新リーグの女子「フットボール」の二つのサブテナントが入って同所はスケジュールがかなり混み合うはず。そしてそれよりもChicagoでLFLと新リーグが真正面から同じ条件で動員対決することになるのが興味を惹きます。数字比べを意識すると新リーグがChicagoのチームにスター選手を持ってこられるかにもよるでしょうが、どうか。以前のWPS Red Stars時代はブラジル代表のストライカーCristianeや米代表だとMegan Rapinoe、Carli Lloydなどが所属したことがあります。女子サッカーファンの間では人気のあるRapinoeですがそれで十分かどうか。
根本的にはLFLはアリーナで開催の方が商品性に向いていると思うのですが、Chicagoの場合はNBA Chicago BullsとNHL Blackhawksが使用する「Jordanが建てた家」United Centerは全米有数の巨大アリーナで収容数ならToyota Parkとほとんど同じで使用料が高い、かつスケジュールが混み合うのでUnited CenterでのLFLはないということのようです。2013年春に限定して言えばNHLがこのまま労働争議でシーズンキャンセルになる可能性もあるのでスケジュールは空きが出るかもしれませんが。他の都市ではNBAが使用する最新アリーナの利用もあり。あと目立ったところではChicagoとともにPhiladelphiaでもLFLは野外サッカー専用スタジアム(男子MLSのホームPPL Park)で開催予定です。もし将来新リーグがPhiladelphiaに進出するならばここでもバッティングする可能性があることになります。WPSの頃のPhiladelphia Independenceは試合終盤の追い上げで試合をおもしろくしてくれる好チームでしたが、地元大学のスタジアムを借り受けて地味にやっていました。