今日はなぜかアクセス数が跳ね上がっている。こういう日はしばしばあって、それはどこか人通りの多いところにリンクが張られたときなのです。今日は日本で大学スポーツに特化した情報番組がスタートする、というマスコミ記事に当ブログの記事がリンクされていたようです。いわく
>プロデューサーは「米国のように大学スポーツをもっと身近な存在にしたい。
>そして、楽しんでもらいたい。『すぽると!』とともに当番組を続けていく中で、大学生や大学スポーツファンが、
>ネット上などで、大学スポーツのコミュニティを形成し、大いに盛り上がってほしいと思っています。
とのこと。私は日本に住まなくなってかなりになります。よって日本の大学スポーツに関する現状認識はズレ切っていると思いますので特にコメントできないのですが、確かにニッチ市場としてはかなり大きいのではないかと思います。取り上げ方次第でしょうから健闘を期待したいものです。アマチュアリズムを強調する日本の大学スポーツがプロ的な手法でアメリカのカレッジスポーツのようにビッグビジネスとなっていく可能性があるのかどうかはまたいつか別途論じてみたい気もします。
さて話は飛びます。大統領選と同日の住民投票で嗜好品としての大麻の解禁が問われた件ですがコロラド州とワシントン州で解禁が多数、オレゴン州では否決の結果となりました。大麻の解禁問題そのものはなかなかにおもしろい問題。賛否両論を検証する壮大な社会実験になると思っているのですが、その全体を議論しはじめると収拾が付かなくなりますので大学スポーツに限って今回の問題を議論していこうと思います。
今回、全米50州のうちの2州が嗜好品としての大麻消費が可能になる。大学名で言うとワシントン州ならWashington Huskies, Washington State Cougers(ともにPac-12所属), Gonzaga Bulldogs(バスケの強豪)などがスポーツの有名校。コロラド州ですとColorado Buffaloes(Pac-12), Colorado State Rams(Mountain West), Air Force Falcons(空軍士官学校), Denver Pioneers(WAC所属, アイスホッケーとラクロスの強豪)と言った学校が今回のマリファナ解禁の影響を受けることになります。
それぞれの州の法律が大麻解禁となっても、アメリカという国全体=連邦法では違法物質であることには変わらない。また法律違反か否かを別として大学スポーツを統括するNCAAや大学自体がその使用を禁止したままになることは(少なくとも当面は)確実なため、即座に大きな動きになることはないはずです。また飲酒と同じく21歳から合法となる模様ですから大半の大学生にはそれは関係がないはずです。
ただし運動部に所属しない一般学生たちが合法化により酒を飲むのと同じように大っぴらに自宅でぷかりとやっているのがはっきりしているのに自分らはできない運動部の子たち… 誘惑の多いなかなかに難しい状況になるはずです。入手経路の合法化・簡便化で心理的・物理的にハードルも下がるでしょう。または大麻使用の反応が出てもルームメイトが吸っていたものの副流煙です、という言い訳だって通りかねない。それをどうNCAAなり学校なりが切り分けるのか。課題は多そうです。
一般的に言って大麻の効果は運動選手にとってプラスになるものではありません。反応速度の大きな低下を招くためパフォーマンスの邪魔になるわけです。よってスポーツでの成功へのモチベーションの高い選手は使用するとは思われませんが、そういう選手ばかりではない。若い頃は誰しも好奇心旺盛なものでもあります。またシーズン制ゆえオフシーズンには学校側の選手への管理も行き届きません。その時期にどっぷり大麻使用の習慣化があった場合にどう対処するのか。まだ州法の整備詳細もNCAA側のルール改正の行方も見えない段階で深く議論はしにくいですが、当該州の学校を選ぶ優秀高校アスリートやその親御さんたちにとっては先行きが見えないだけに難しい面がありそうです。