今週はいろいろと動いたカレッジフットボール第9週。上位の全勝からNo. 2 Floridaが脱落したわけですが、このタイミングがNo. 5のNotre Dameにとって絶好なんではないでしょうか。
全勝校を順に見ていきます。
No. 1 AlabamaはNo. 11 Mississippi Stateとの全勝対決でしたが、これまでの対戦相手のグレードが低く偽の全勝と言ってもよいMississippi Stateを無風一蹴。
No. 2 FloridaはNo. 10 Georgiaに9-17で敗戦。まあ敗戦とは言うもののほとんどここまで毎週やってきた試合と同じとも言えるごてごてした試合内容。これが今季初敗戦ですが勝っても負けても試合内容がイマイチの上に、この敗戦でSEC東の主導権もGeorgiaに明け渡してしまったのでSEC優勝戦も遠い。全米優勝戦線からは消えたと考えていいでしょう。
No. 3 Kansas Stateは試合出だしこそ少々もたつきましたがその後はラン・パスに好バランスで巡航速度で得点を重ねて終わってみれば55-24の大勝。投票ランキングの方でKansas Stateの上にいたFloridaが敗れたので順位は上がるはずですが、後述のNotre Dameの勝ち方がKansas State以上に良かった+目立ったためFloridaに行っていた票を十分にかき集められるかが明日の第三回BCSランキング発表での鍵になりそう。
No. 4 Oregonは前半だけで56-0。56点を取るのにボールポジションは僅か13:05。タコ殴り状態です。これは先週Oregonが大勝しながらBCSランキングでNo. 4に順位を落とされたことが影響しているのでしょう、一切手を緩めず。BCS優勝戦進出がKansas Stateとの全勝同士でのタッチの争いとなったときにこうして強さを誇示し続けることはただ勝つことよりも意味があります。最終スコアは70-14。
No. 5 Notre Dame 30 - 13 No. 8 Oklahoma
この試合がこの日の最大のニュースでしょう。そして今季のカレッジフットボールシーズンの流れを大きく変えるNotre Dameにとっての大勝利と言っていいと思います。この試合前の展望でも語っていますが、全勝なのに期待感や強いというイメージがカレッジフットボールファンの間で決定的に欠けていたNotre Dameが難敵Oklahomaを完全に自己のペースの試合に引きずり込んだ上での快勝劇。それも終盤に一気にスパートして最終スコアの点差以上の完勝という印象を見た人に与えた試合になったと思います。戦前の評判はここ数週間オフェンスの迫力を取り戻したOklahomaがNotre Dameのディフェンスを撃破するとの予想が多かった試合を、見事に抑えきっての試合というのはNotre Dameが全勝を守ったという以上の価値があります。ランキングで上に位置するOregonやKansas Stateほどの得点力はないのもまた明らかですが、そのディフェンス力は上位各校に対抗しうるのではないのかという想像をファンにさせることに成功した勝利と言えます。
Oklahomaの方は序盤に左右にパスを振り分けて順調に1st ダウンを重ねていたのをスナップ失敗でドライブを自ら途切れさせ、すぐ次のドライブでも順調にレッドゾーンまで詰めながらFGに終わったのが痛かった。あの序盤のうちに得点を重ねていれば試合展開は相当に変わったはず。
印象点を大きくアップさせたNotre DameがFloridaが抜けて浮く票を大量に集めるのは必至。元々コンピュータランキングではNotre Dameは大変に高い評価を集めており、明日発表のBCSランクではKansas Stateとコンピュータランク部分での1位の位置を争う結果になるはず。投票ランクの方は相当に票が振れるので今夜の時点では予想しきれませんが、Notre Dameの全盛期を知る年配の投票者はこのNotre Dameの印象度の強い勝ち方に興奮してしまい大きくNotre Dame有利に票が振れる可能性も否定できません。当面のNotre Dameの競争相手となるOregonもKansas Stateもそれぞれケチのつけようのない試合で勝っているだけに、この三校の間でどういう票の配分になるかは予断を許さないところでしょう。先にも書いた通りNotre DameとKansas Stateはコンピュータ部分でOregonに対して優勢。但しコンピュータランキングでOregonより上位にいたFloridaが今季初敗戦で下がるのでコンピュータランキングでの三校の差は先週よりは詰まるはずです。
No. 7 Oregon StateはWashingtonを相手にレイトゲームで現在も10-10で全勝を守るべく奮戦中、大変な試合になってます。大変なエンタメ度の高い試合に。今年のPac-12は粒ぞろいで拮抗した好試合が多く見ていて楽しいです。
裏決戦として注目していたNo. 15 RutgersはKent Stateに敗れて初黒星。これでMAC対Big EastはまたもMACが勝ち。しかしながらこの裏決戦の受益者として想定していたMACの全勝校No. 24 OhioがMiami-OHに痛恨のミスで敗戦、MACからの初のBCSボウル進出の夢はこの時点で潰れたか。あまりにももったいない負け方でした。試合終了間際の同点FGを選択せず、勝負に行って失敗、20-23で敗戦。1stダウンは取っていたのですからボールスパイクして落ち着いてプレー選択に行けばよかったと思うんですが…RutgersがMACの同僚校Kent Stateにやられて敗戦、前夜金曜日には同じくBig Eastの全勝校=LouisvilleがOTに追い込まれ(結局逃げ切って全勝キープしましたが、終盤のTDの取り合いが大変にエキサイティングな好ゲーム)、想定すべきOhioのBCSボウルへの条件が次々と実現して望みが大きく膨らんだところで、当のOhioが冒険に出て敗戦。あまりにももったいないギャンブルの選択だったように思います。
謹慎ボウルではOhio Stateが快勝して9戦全勝。APランクでは先週段階で9位を維持、今週も勝って7位以上に浮上してきそう。BCS優勝争いには無関係ではありますが、もし全勝でこのまま今季を駆け抜ければ来季(ポストシーズン復帰)はプレシーズンから良い位置につけて発進することになるやもしれません。
以上の結果で今週は全勝校が四校敗戦(まだ試合中のOregon State含まず)。いよいよ絞られてきました。