昨日のMLLの話の続きです。そのMLLの毎年の動員頭と言える独立記念日のDenver Outlawsのホームゲームの放送があったので録画観戦。公式動員は30,128人と発表になっています。場所はNFL Denver Broncosのホーム=Sports Authority Field at Mile High(収容76,000人強=フットボール使用時)。試合を見ているとフィールド上にも特設席を設けていたり、一方のゴール裏側は全部空にしてあったり(後述の仕掛けの理由)など工夫をこらしているので目測がちょっと難しいのですが、後半時点での客席は一階席二階席とも8~9割埋まっていたように見えましたので公式発表の30,000人超の動員は実際に達成していそうに見えました。

試合経過はホームチームのDenver Outlawsが第1Qから一気にスコアラッシュで大量リード。その後ビジターの拡張新チームOhio Machineが追い上げて二点差まで追いすがり、終盤に再びホームチームが鮮やかなゴールを決めて突き放して終了。見せ物として考えた場合、理想に近い得点経過になったように思います。ルール上の工夫もあってカレッジラクロスよりよくできていると言えると思います。


この試合はMLLの12シーズン中で最大の観衆を集めた試合となったわけですが、もちろんトリックはあります。毎年恒例のこの建国記念日の試合の試合後には花火大会が催されるという観客増強策付き。アメリカでは建国記念日当夜やその直前の週末に花火大会があるのは全米各地の恒例ですが、それとセットでこの試合は設定されていたんですね。つまりはラクロスの試合を見に来た人ばかりではなく、花火大会が見たくてスタジアムに足を運んだ人もいるというわけ。試合前半より後半の方が人が多かったのはこのせいもあるのでしょう。

このパターンはこの時期には珍しいことではなく、サッカーMLSの動員不成績チームであるSan Jose Earthquakesも毎年花火と試合のセットの試合を企画して年間の平均動員の数字を跳ね上げています。MLBでも同様のことが行われています。いわばこの時期のアメスポ定番の動員策。MLBの場合は普段の動員の足腰がしっかりしているので花火の日の動員が極端な動員アップとしては現れませんが、MLSやMLLだと普段の試合の何倍もの動員として記録されることになるようです。花火の内容の比較まではしきれませんが、MLBの花火は過去の私の経験からすると15分程度の、日本人の感覚からすると大いに物足りないものだったです(アメリカの花火大会全般が日本のスケールからすると短くて量も足りない。日本の花火はいいですねー。この時期になると日本の花火大会が恋しくなります)。昨晩のDenverでの花火がどのようなものだったかは詳細不明。

なにはともあれ普段足を運ばない人をスタジアムに呼び込む策としてこの花火とセットの試合設定はマイナープロスポーツにとっては大事なイベントと言えるのでしょう。やはり多くの人と共に見るスポーツはその楽しさが増すのは明らかですし。そしてその試合がこの日のようにホームチームの魅力を伝えるのに絶好の試合展開となったのはMLLとDenver Outlawsにとってはよろこぶべきことでしょうね。相手のOhio Machineが大量点差にめげずに中盤に粘って連続ゴールで盛り返してくれたことで試合として盛り上がったし、後半戦だけ来場したお客さんにも接戦から終盤の鮮やかなゴールで突き放す、といいところが見せられてよかったのでは。これがどれだけリピート客の獲得につながるのかはわかりませんが、マイナープロリーグのサバイバルとしてなんでもやるというその意気は買うべきだと思います。