カレッジフットボールの四校によるプレーオフが決定しました。ESPN.comなどは「進歩を祝おう」なんていうタイトルでこの四校プレーオフ方式決定を伝えています。

私は過去に何度も当ブログで表明していた通りプレーオフには反対です。レギュラーシーズンのたったの一試合がカレッジフットボール以上に重要なスポーツはあり得ない。そのレギュラーシーズンの毎週毎週の緊張感がカレッジフットボールファンを熱狂させるからです。いままでのBCS方式は二校によるプレーオフ方式と言え、枠が極端に狭いためレギュラーシーズンの最後まで気を抜くことはできなかったのでプレーオフという感は少なかったのですが、四校となるとシーズン最終戦を前に当確のチームが複数発生しても不思議ではないことになりそうです。

但しいままでは二校に限定されるために全勝ながら優勝戦に臨むことがかなわなかった学校が多くの場合プレーオフでの決着を目指せるという意味で健全ではあります。全勝のメジャーカンファレンスチャンピオンであるAuburnが優勝戦から外されたケース(2004-05シーズン)の論議は発生しなかったとは言えます。


ただその2004-05シーズンは特殊で、ボウルカード決定時で五校の全勝校がいた年でもあり、四校のプレーオフでも実は問題が解決できなかったシーズンでもあります。BCS優勝戦で戦ったUSC x Oklahomaに加えてAuburn、Utah、Boise Stateが全勝でした。AuburnとUtahは他のBCSボウルに出場して勝利=シーズン全勝。Boise Stateは非BCSボウルに送られてて惜敗しています。つまりボウルを含む全試合を終了してもまだ三校の全勝校が残ったということです。

ちょっと考えてみて欲しいのですが、いまのSECの天下の時勢ならば全勝のUSC/Oklahoma/AuburnでAuburnが落とされる可能性は限りなく低いでしょう。逆に当時のUSCの勢いならUSCは落とせない。つまりは実に主観的な理由でプレーオフにどこが選ばれるかが決まっていた。この問題がまず一つ。

もう一つは毎度問題となるマイナーカンファレンスのスケジュール強度をどう評価するのかという問題があります。こちらも実に主観的な、見方次第でどうとでもなる問題です。

この二つの問題が今回採用が決定した四校のプレーオフで解決するのかというと前者はおおむね解決しそうです。2004-05シーズンを除けば通常年の五校以上の全勝校はないわけですから。直接対決で決着を付けるならそれでよいとは言える。

問題として残るのは後者の問題。具体的にはメジャーカンファレンスの全勝校に負けただけの一敗校と全勝のマイナーカンファレンス所属校の比較の方で、こちらは主観での切り捨て繰り上げが当然に絡むわけです。この点を議論すると議論できる面がいくつもあるので今回は避けますが、この問題を避けようとすると「じゃあ八校でのプレーオフにすれば」というプレーオフ拡大推進派の罠にはまる感じにもなりますし、なかなかに難しいところです。