六月第一週、どうもアメスポのエアポケット週のようでビッグイベントに欠けてます。学期末で期末テストで忙しかったり、既に学期を終えて引越で忙しかったり、そうでなくても良い季節ですから皆外に出て家でTVを見る季節ではないとは言えます。NBAプレーオフカンファレンスファイナルが土日各一試合、NHL Stanley Cup Finals第二戦などは週末ながら夜の放送なのも昼間は人が家にいないという意味合いなのでしょう。またボクシングでManny Pacquiaoの防衛戦対Tim Bradley戦がありますが、こちらはPPVでもあり一般的には大きな話題でもない。テニス全仏オープン中盤戦、あとはMLB、MLS、ゴルフやNASCAR、IndyCarなどがそれぞれシーズン中の一戦。ないないと言ってもこれだけあるわけですが。

そういうアメスポエアポケットの週末を利用して地上波NBCが大学の七人制ラグビーの16校によるCollege Rugby Championship(CRC)が堂々放映中。以前から何度か書いている通り、NBCが五輪の独占放映権を持っており、四年後から正式種目となる七人制ラグビーを米国内で人気競技に育てたいという目論見から戦略的にラグビーを推しているという事情があって、昨年に続いて地上波での放送を含めて系列で大々的に放送しています。場所はフィラデルフィア市PPL Park。つい先日女子サッカー代表が満席にしていた真新しく美しいスタジアムです。普段は男子プロサッカーMLSのPhiladelphia Unionのホームグラウンドでサッカー専用として建てられたもの。これも以前に少し触れたことがありますが、日本だとサッカーのスタジアムは芝が荒れるからという理由で本拠地のJリーグチームが他に貸すのを拒否するという日本とは真反対で、シーズンの真っ最中でも女子サッカーに貸すだけでなく、荒れ方ではサッカーの比ではないラグビーの大会にも貸出。いくら七人制でスクラムがない試合が短い(前後半それぞれ7分、決勝のみ10分)とは言え二日間で39試合が行われるのですから荒れる荒れないを言ったら荒れないわけがないわけですが、昨年に続いて同所で開催。


つい先日15人制の大学選手権があったばかりなので比較してしまうんですが、個人的にはやっぱりフォワード戦のある15人制の方がおもしろく感じてしまうのですが、ラグビーに関してまっさらな状態の普通のアメリカ人にとってこのセブンス選手権がどう受け止められているのか気になるところではあります。出場している学校を列記すると、Arizona, Army, Cal, Dartmouth, Delaware, Florida, Life, Maryland, Navy, NC State, Notre Dame, Oklahoma, Penn State, Temple, Texas, Wisconsinの十六校。昨年のCRCは地上波部分で0.6%とまあラグビーの認知度相応というか、ニッチな数字でしかなかったわけですが今年は昨年の放送に続いてがっちり地上波で放送ということはNBC的には昨年の0.6%という数字でも手応えがあったという判断なのか、それとも視聴率度外視での将来の五輪への布石継続ということか。ラグビーについてまっさらのアメリカ人がセブンスでラグビーのおもしろさを感じたり、またはおもしろくないと感じるのは、15人制が好きだった私からするとちょっと残念な気もするのですが、これだけ混み合ったアメスポという市場や最近のインスタントな結果を求める消費者の気質を考えるとサクサク進むセブンスでの普及活動というのは一つのテストケースとしてはアリなのだと考えるべきなのでしょう。