労働争議を先日終えたNBAはクリスマスの開幕に向けてやっとキャンプ入り目前、Chiris PaulのトレードおよびそれをNBAが阻止した話が走っています。が、まだ試合はない。カレッジバスケが期末試験期間で静かなのが目立つのは、例年ならNBAがこの隙間をちゃんと埋めていたということなんでしょうね。カレッジフットボールは既にレギュラーシーズン終了、ボウルを残すのみ。NBAがないためアメスポシーンはかなりガランとした感じです。この時期他にシーズン中といえばNHLなんですが、ESPN系はNHL放送を持っていないせいもあってSports CenterもNHL報道には力入らず、放送するにも報道するのもネタが足りない状態ですね。一年中常に混み合っているアメスポとしては珍しいぐらいです。(NHLはひとつ語りたいネタがあるのでまた近く書きます)

細かいところでは秋学期分の大学スポーツ(男女サッカー・女子バレーボールなど)が決勝トーナメントの最中。先週女子の大学サッカーの優勝戦が、今週は男子大学サッカーの優勝戦がありますが、注目度ほぼゼロに近い。大学サッカーは…観戦スポーツとしてはつらいですね。特に男子の方は。SECやBig XIIなどでは男子サッカー競技自体が存在しないし、Big TenやPac-12、ACCでも男子サッカーは全メンバー校が参加しているわけでもない。Pac-12などは通常メンバー校からの参加僅か五校(他カンファレンスのSan Diego Stateを足して六校で運営)。男女同権法=Title IXという障壁もあるため今後も男子サッカーがこれらのメジャーカンファレンス所属の大学でサッカーチームが増える可能性は薄い。つまりは男子はサッカー奨学金ではメジャー校に進める可能性が他の競技より狭いという問題を抱える構造になっています。少年レベルでのサッカーの競技人口は多いのが大学のことを考えるとサッカーをやっていたら不利という判断ができてしまうんですね。

ここ20年ほどのアメリカでのサッカー人気の漸増をあてこんで大学の準決勝・決勝は男女とも「College Cup」と銘打たれて開催されています。昨夜あまり見るものがなかったのでチャンネルサーフィンの合間に少し見ました(準決勝UCLA x North Carolina)その他にはLingerie Footballぐらいしかやってなかったので。実況はMLSの放送を以前担当していたアナウンサーとTaylor Twellman(元代表・New England Revolution FW・MLS得点王/MVP)だったんですが、途中でTwellmanが「なんで大学の最高レベルのはずのこの試合でこんなに反対足が使えない選手が何人もいるんだ?そんなの高校一年までにマスターしてるべきことだろ!」と怒り出したのがおもしろかったです。Twellmanはまだ引退して間もない=放送側としての経験が足りないから言っちゃいけないことを言ってしまった感はありますが、実際のところ、サッカー国ではあり得ないテクニック不足はアメリカサッカー文化の底の浅さの現れでもあるのでしょう。人口の大きさや移民選手を取り込める国としての強みもあるので一概には言えませんがそう簡単にアメリカのサッカーのレベルが上がると考えるにはまだ道は遠そうです。

ちなみに昨日初めて知ったのですが、NCAAサッカーのPK戦はベンチの選手を含めて誰が出てもいいそうです。えーっ?って感じですがそういうルールらしい。計時や選手交代のルールなど国際ルールからかけ離れているルールでNCAAサッカーが運営されているのは知っていましたがPKまでそんな別ルールとは初めて知ったです。GKもベンチのGKを使っていいそうで、UNCの方は控えの「PKのスペシャリスト」のGKを起用してPK戦へ。そんなのアリか、という感じですがアメリカらしい(アメフトっぽい?)とも言えるかも。UNCが勝って決勝へ。


他には早い時間帯には大学女子バレーのトーナメント放送が。女子バレーボールというのは実に地味ながら競技人口は多く(男子バレーの10倍とされます)地味に人気もあるのか、大学スポーツ専門局ESPNUでは準々決勝レベルから放送されます。大学女子バレーはシーズン中毎週水曜日をWednesday Night Volleyballと銘打って定時放送しており、例の女子スポーツ専門のESPNWのからみもあり意外にも将来性を見ているのかも。進行もサクサクしていてサッカーよりはせっかちな現代人をTVの前に引き留められそうではあります。たまたま私が見た試合は全米トップシードのTexasを開催地地元のKentuckyが各セット大接戦で追い込むエキサイティングな試合でとても楽しめました。