以下は夏に書いたまま放置していた記事を、NBAの世界拡張の件で思い出したので手を入れてアップしてみます。
MLBのBud Seligコミッショナーがこの1月にぶちあげたGlobal World Series構想。悲しいかな当時の私の予想通りそのまま、日本側が完全放置しているようです。長年、日米のビジネスセンスの違いを見てきている私個人の経験からすれば驚きはしませんが、あまりの日本側の動きの鈍さセンスのなさには落胆を感じずにはいられません。最初の提案以降半年以上経過して進展ゼロ。なぜこうなんでしょうか?
リンク先の記事でも書きましたがSeligコミッショナーは元球団オーナーであるのにオーナーの利益ばかりを優先せず、大所高所からの判断で様々な改革を達成してきた名コミッショナー。アメリカで最も保守的なプロスポーツであるMLBのその特質を壊すことなく、その上で必要な改革を続けて第三次野球黄金期とも呼ばれる近年のMLBの隆盛を築いた功労者です。2012年の退任を迎えるにあたって最後の改革としてGlobal World Seriesとして日米決戦をぶちあげてくれたのに、残りの在任期限のうちの半年以上をまったく無駄にすごした日本側。
アメリカというのはトップが変われば方針はがらりと変わります。Selig氏の後任がもっと保守的な人物であればGlobal World Series構想は簡単に消えます。Selig氏が在任中でなければ二度と進まない可能性がある。それどころかWBCですら存続できるかどうかわからないということすら日本側には想像できないのかな、と不思議に思うんですが…できないんでしょうね…
もちろんSelig氏の後任が保守派であるとは限りません。外部のやり手ビジネスマンが就任する可能性もあり、その人物が野球のグローバル化の部分に積極的である可能性もないことはないですが、MLBのシーズン構成を変えないままでGlobal World Seriesを実施することは難しく新任のコミッショナーにそこまでの荒技が就任早々可能とは考えにくいです。ビジネスマンであればあるほど日本側の話せない態度、特にスピード感のなさにはいらつきを感じざるをえないはずで、やはりSelig氏在任中にずばり実施までこぎつけるほかないのに。
Selig氏は他にも精力的に動いている案件があり(2011年の労使協定更改、薬物テスト実施、Oakland Athleticsのプエルトリコ移転案、ビデオ判定導入など)、特に労使協定の改定更改はかなりの大問題ですから来年の期限が近づけばGlobal World Seriesどころではなくなるわけですし、もっと言えばGlobal World Seriesのように公式試合が増えることに対しては労使協定に盛り込まなければ実現自体が不可能な可能性がある。労使協定がテーブルに乗る前に形にしておかなければいけないのに、そういうビジネスセンスはNPB側にはなさそう。Selig氏の退任へのスケジュールを考えれば今年こそが余裕のある年だというのに、日本側はそんなことを知ってか知らずか無駄に半年経過という状態。知らないなら恥ずべきことでしょう。私なんかでも知ってるわけですから。
最近の日本は国VS国じゃないとメディアも世間もあまり盛り上がってくれませんし
日本シリーズの注目度も増しそうですしね
MLBと比べてNPBのコミッショナーの存在感の無さや行動力、発言力の無さは
MLBにも興味ある自分としてはひしひしと感じます