MLBドラフトの話を先日書きました。MLBドラフトは大学野球のシーズンがまだ終了していない時期、今年は6月5~6日に予定されています。
今年のドラフトのかかってくる大学球界の選手には超目玉まで言える選手はいないんですが(有望な選手はもちろんいますが。そのうち紹介するかも)、実はその先、来年=2009年ドラフトの超目玉はすでに決まっているのです。

San Diego State AztecsのエースSthephen Strasburgがその人。名前覚えておいて損はないと思いますよ。
先々週に対Utah戦で先発、三振23個を奪って一安打完封1-0の勝利を飾って一躍注目を集めました。が、その前からStasburgはすごいよと言っていたMLBスターがいたのです。昨年殿堂入りした元San Diego Padresの安打製造機Tony Gwynnですね。タネを明かせばGwynnはいまSan Diego Stateのヘッドコーチやってるんです。自軍のエースがStrasburgというわけで。それにしても23はすごいでしょう。

この23奪三振のとんでもない試合を目撃した試合後、Gwynnのコメントがおもしろかった。彼がメジャー現役時代に出場した1998年のNLDSでのP Kevin Brownの16奪三振のLDS記録の試合を引き合いに出して「あの試合のKevinはまあすさまじかった。けど今日のStephenはとんでもない。今日のピッチングは俺は死ぬまで忘れないだろうな。」と。十九年をメジャーのトップレベルで過ごしたGwynnにとって忘れられない試合が大学の試合になったというわけです。

Utah戦の翌週も一安打完投勝利13奪三振。おそるべきことはこの選手、先発に転向したのがなんと今年からということ。昨年はクローザーだったのです。二年生ですので規定により今年のドラフトでは対象外。来季の超目玉候補ということになるのです。


さて問題は、MLBドラフトは他のプロリーグと違ってドラフト指名権の譲渡が認められていません。NBAのように指名順をくじ引きということもありません。ということはいま行われてるMLBの2008シーズン、最下位に沈みさえすれば、ドラフト全体一位指名権を確保してこの剛球投手を指名できるというわけですよ。逆に言えば最下位に沈まない限りこの超有望株を指名できるチャンスはないということ。

まだ五月。まだまだ最下位目指して、というチームはさすがにいないでしょうが、夏場にかかったら「若手に切り替えてチームの再建を目指す」とかなんとか言っちゃって早々にStrasburg指名権目指して負け街道を突っ走り始めるチームがでるかもしれませんよ。ここ数回の登板での最高球速99マイル=159.3km/hで、120球完投可能なこの投手。来季のドラフト、そしてその後のMLBでの将来がたいへん楽しみ。そしてその指名権争いになるMLBの最低成績の争いがシーズン終盤に激しくなってくるのも楽しみかな。

いやその前にもうひとつ。今シーズン、マイナーカンファレンス所属のSan Diego State(現在25勝20敗)がNCAAトーナメントに殴り込んできたら(出場はカンファレンストーナメントでの成績次第)、NCAAトーナメント一回戦でここを迎え撃つことになる上位シードは戦々恐々の事態になりますよ。今年だけじゃなくて来季も大学野球のスターとして大いに盛上げてくれそうです。