アメリカスポーツ三昧

アメリカ永住コースか、または第三国に出国か!?スリルとサスペンスの人生とは別にアメスポは楽しい。

ベンガルズ勝てるんでしょうか

あまりにも長くダメチームだと周りの目もそのように見る。シーズン前から期待されない。ちょっと勝ち続けてもそのうち負けるんじゃないかと思われる。かなり勝ってもプレーオフ初戦で消えるんじゃないかと誰もが予想する。

何年も負け続けるとそういう目でみられることになるのはある種当然。1990年以来のプレーオフ進出。15年ぶりの勝ち越しって、それじゃあ大学生年齢の人間でもCincinnati Bengalsは激弱チーム以外であった記憶がほぼないわけですね。

地区優勝を飾ったBengalsはプレーオフ初戦は同地区のPittsburgh Steelersを迎えます。シーズン中の直接対戦では1勝1敗。
でも当然のようにSteelersが勝つとほぼどこのメディアでもサイトでも予想されています。

まあそういうもんですよ。あまりにも弱かった時期が長過ぎた。
こういう扱われ方みていてなんとなく似ているかな、と思い出すのは1999年当時にSuperbowlまでたどりついたけどまるで評価が低かったAtlanta Falconsですかね。いまでこそMichael Vickというスーパースターを擁してそれなりに目立ちますが、当時までは弱いだけではなくどこにいるのかすら見えないようなまさにいるだけチーム。同じディビジョンにこれもドアマットのNew Orleansがいたので毎年地区最下位というわけでもなかったのでしょうが、どっちもどっちで、どっちが下だったかも認識する必要のないレベルの弱さ。
突如と言う感じでプレーオフにたどりついたあとも、プレーオフの各ラウンドでも常に負ける負けると予想されて、勝っても次のラウンドではきっと負けると思われ続けたFalcons。なかなか痛々しいものがあったんですが、あのSB以降もパッとしなかったですね。

なんとなくBengalsもあれになりそう...と思わせるのが常敗チームというものでしょう。


シーズン中の対戦結果もCincinnati から見てホームで13-27で完敗、アウェイで接戦をものにして38-31。互角。
その上Pittsが調子をあげてプレーオフに突入しているし、Pittsが強いというのはもうNFLファンの頭には固定的に刷り込まれていることですし。

Pittsを破った場合、次はアウェイで@Denver Broncos。まあそこでも負けると予想されるでしょう。
シーズン中互角の戦いをしてBengalsの株を上げた対Indianapolis Colts戦はAFC決勝でしかあり得ないんですよね。ここまで行くとさすがに評価も少しは高くなっているんじゃないでしょうか。

Bengalsの運命ばっかり気になって、まったく試合展開予想に触れてないですね>今回w

BCS優勝戦  Texas !!

Texas勝ちましたね。BCS優勝戦史上ベストゲームで。

シーズン前からミスの多いQB Vince Youngをいまひとつかっていないと言い続けてきた私ですが、この大事な一戦を見事ノーミスで乗り切っての快勝。
レギュラーシーズン戦ではそこここにミスをしでかしていたYoungですが、強力Dと圧倒的な得点力でそれを問題にさせなかったTexas。USC相手にはそういうごまかしは効かないと予想されましたが、この一戦でノーミスは大きい。



勝因はなんといってもTexasディフェンスでしょう。試合のほとんどの部分でRB/WR/PR/KR & ハイズマン賞ぶっちぎり獲得のReggie Bushに仕事をさせなかった。
Reggie Bushの必殺のパターンはRB位置でセットして、そのまま敵陣深くへ走りパス。通常RBをマークするのはラインバッカー(LB)ですが、LBではBushのスピードにまったくついていけずあっという間にオープンになったBushにLeinartからパスがずばり決まって30ヤード!とかそういうパターンですね。

Texasは周到に準備してきていました。布陣を変えてLBのポジションに小柄でスピーディなセイフティ(S)の選手を配置、決してBushをフリーにさせなかった。前半これでほぼ完封。
これでBushは必殺パターンを封じられてWRとしてセットすることが多くなり、それもTexasのDBがスピードにはスピードで対抗して大きなゲインを与えません。ここで目立ったのはTexasディフェンス陣のタックルの技術の高さですね。追い付いているのにミスタックル発生というのはBushを相手にすると頻発する事態ですが、これがとても少なかった。



前半16-10でTexasリード。USCを10点に抑え込んだのはまず快挙。しかしUSCは後半に圧倒的に強いチーム。予想通り後半は最初から全開、4回ポジションをとってすべてTDでTexasを抜き去りました。

Texasがスピード重視の守備陣を敷いたその点を突いてきたのが後半のUSC。Bushがだめなら重量級装甲車LenDale White。Whiteを多用して真正面から力で勝負、Texasのラインを割って次々とファーストダウンをたたき出します。この辺がUSCの強み。これだけ強力な選手が控えRB。
TexasはLBに小柄な選手を入れているのも響いて真正面からのプレーで10ヤード以上の前進をたびたび許してしまいます。その結果、USCの後半の3ポジション連続TD。

ここでTexas我慢しきったのがコーチ陣の好判断でしょう。
慌ててLBのサイズを上げたりすればBushの必殺パターン炸裂が目に見えている。USCもそれを望んでいるから徹底してLenDale Whiteにボールを集中、パスもJarretやKirtmanに散らしてあきらかにBushへのマークを緩めることを目指していた。

結果的にはその次のUSCの攻撃ではBushのTD(後半4連続目)を許すことになるのですが、あくまでもBushへのマークはゆるめることなく戦前の準備に従って戦い抜いたTexasディフェンスの健闘が光る部分だと思います。
ボウルゲームならでは準備万端で臨んだその成果で勝った一戦ですね。

またこの時間帯、Texasの選手が次々負傷で抜け、野戦病院状態になってきており、いわば魔の時間帯に差し掛かったかと見えたのですが耐えきりました。
なんでもハーフタイム時点でも4~5人が点滴を受けるなどそうとうに消耗していた様子。


TexasがBush封じの作戦を見事に成功させたのと対象的に、USCディフェンスは試合を通してVince Youngを止める策がみつからないままとなりました。
TexasがうまかったのはYoungの外へのランを活かすためにRBに徹底してインサイドを突かせたことでしょう。TexasのRBは小柄な選手が多く、インサイドのランはタイミングを外してラインが作った穴を抜けるプレーが多いのですが、USCがYoungのスクランブルを警戒するばかりにこれが意外なほど効果的。


さて第4QにUSCにReggie Bushの右隅へのダイビング追加TDが入ってUSC12点リードとなったところではこれはUSCの史上初3連覇濃厚かと思われましたが、最後はまさにVince Youngの独り舞台で2TDをたたき出しての逆転勝ち。最後はゴール前、試合は20数秒残り、4thダウン、からやはりYoungの右へのランで決勝TD。Youngが右へ走るのが大好きなのは誰もが知っているのに。決まったあとのYoungの恍惚とした表情。ボールを抱えて勝ったぞというオーラを発したあの姿。しびれます。


試合を分けたキーポイントは2つ。
残り2分13秒残りほぼフィールド真ん中でのUSCが4th and 2に勝負に行ったのだけれどLenDale Whiteが止められてしまったこと。
そしてUSCがタイムアウトを3つともムダに消費してしまったこと。

前者に関しては判断ミスとは言えないでしょう。そこまでのWhiteの走りぶりから見て2ヤードぶち抜くことは十分に可能だと判断できたし、あそこでもうひとつ1stダウンを重ねておけば、Texasをタイムアウトを消費せざるを得ない状況(その時点でTexasはタイムアウト全部=3つ残し。USCは1つだけ)に追い込むことができる。大きく勝利に前進する決断であり間違いではない。
ただ力と力の勝負でTexasディフェンスが勝ったということです。

迎えたTexasの最終攻撃では、USCは最初から総掛かりのブリッツの連発。最初はコーナーブリッツ、次はセーフティブリッツと超攻撃的守備でYoungを追い込む作戦。
たぶんこれ、私がくどくどYoungを批判する「大事なところでのVince Youngのミス」を誘発させるための勝負手だったのでしょう。
しかしYoung少々のとまどいは見せたものの次々とミドルパスを通して、結局はUSCのセカンダリは走り回るばかりとなって消耗、最後Youngに追い付けずに決勝TDを許す結果に。
これも力と力の勝負でTexasがしのぎ切ったということでしょう。

ただしUSCのタイムアウトの無駄遣いはあきらかなミス。
最初の2つは完全にムダ(Delay of the gameを避けるための消費)と、接戦では絶対にやってはいけない貴重なタイムアウトの浪費をしてしまった。
それでも1つだけ残っていたタイムアウト。あれが最後の最後、16秒残りの最後の攻撃のときに残っていれば攻撃の幅も広がったはずなのに、なんと、その最後のタイムアウトをTexasのTD後のPAT前に消費。まさにムダ!

あの時点でTexasは39-38と逆転に成功しており、キックではなく2点プレーを選択。それが入ろうと入るまいとUSCは(1点差でも2点差でも3点差でも)FGで追いつけることには変わりはないのに、最後のタイムアウト消費。
これで最後の攻撃はサイドラインへのパス以外はあり得ない展開となりそのまま終了。
あれでは最後の最後のUSCミラクルが期待しづらい展開となりそのまま時間切れ。そこだけちょっと残念。


それにしてもBCS優勝戦史上ベストゲーム。USC@Notre Dameのようなサスペンスではなかったものの。

これでUSCの連勝は34でストップ。期しくも3年前にMiamiの連勝が同じくBCS優勝戦(@Fiesta Bowl、対Ohio State戦)で止まったのも同じ34連勝。35勝目は鬼門でしょうか。

Orange Bowl

史上最多勝コーチ=Florida StateのBobby Bowdenとそれを6勝差で追う二位=Penn StateのJoe Paternoの直接対決ということで戦前から注目されていたOrange。やはりこの二人が並んでにこにこしながら腹の中では「こいつには負けねえぞ」と思っているかというショットを見せられると両校のファンでなくとも盛り上がりますね。

試合内容はキックのはずし合いという展開ながらも緊張した接戦を展開して、3OTの末にPSUがやっとフィールドゴールを決めて逃げ切り。試合終了時は午前1時回ってました。
試合後にはBowdenコーチの方は「もし史上最大のフィールドゴール外しのコーチを選んだら私だね。名人級だ。」というコメントまで出しております。Bowdenコーチ独特のユーモアなんでしょうが、ライバルの対Miami戦で6回も試合終了間際のフィールドゴールミスで敗戦、今回の注目の一戦もこの幕切れ。さすがにちょっと耐えきれない感じでしょう。ここまでネガティブな方向で注目が集まるとFSUのキッカーになりたいという優秀な高校生キッカーもいなくなってしまいますよね。心理的なプレッシャで入るものも入らなくなるのがフィールドゴールですから。

Miami Hurricanes 早くも来季に向けて

12月30日のPeach BowlでLSU相手に3-40と大敗を喫したMiami、三日後、年明け早々に一気に立て直しモード突入の荒療治開始しました。

コーチを4名解雇。内訳はオフェンス側の責任者トップ2名とランニングバックコーチをクビ、さらに全米1のパスディフェンスを誇ったディフェンス側でもラインバッカーコーチを解雇という厳しい内容になっています。かなりの危機感をもってのテコ入れと言っていいでしょう。

二年連続で全勝でBCS優勝戦に駒を進めた絶頂期の後、ここ3年間は計8敗。それもNorth Carolina, Clemson, Georgia Techと言った中程度の相手を攻めきれずに取りこぼしというパターンが多かったのは確か。
現在所属の選手たちはMiamiの絶頂期に入ってきた連中でMiamiの過去の歴史でもベストの素材が入ってきているはずでそれにしては昨シーズン、今シーズンと迫力不足、スター選手不足だったのは確か。

Miamiは過去25年ほどの間にトップチームとしての地位を確立。25シーズンでレギュラーシーズン終了時点で全米制覇争いにからむこと11シーズン、うち5回は全米制覇を遂げています。(その間にNCAA規則違反で制裁を受けて低空飛行を余儀なくされた3シーズンを含んでこの成績)
ほぼ二年に一度、最終ボウル戦まで優勝にからむというのは大変なことで、そういうエリートチームのMiamiとしては過去三年の内容は見過ごせないということでしょう。

Larry Cokerヘッドコーチにしても最初の全米制覇は前のButch Davis(MiamiからNFL Cleveland Brownsへ転出)ヘッドコーチ時代に育てられた選手たちで勝った優勝。
今回、思いきってオフェンスコーチ陣を総入れ替え、自分でリクルートした選手たちでどこまで上に行けるかで真価が問われるということになるのでしょう。


また同日、Miamiのスターキックリターナの二年生Devin HesterがNFL行きを発表しました。Miamiで定位置を確保できなかった選手がNFL行きというのもなんですが、それでも専門家の予想ではドラフト3巡目以内に入るという予想が出ています。抜群のスピードが売り物。ほぼ素材としてだけの選手をNFLがどれほど高く買うものか興味の沸くところです。s

Alamo Bowl

ボウルシーズンというのはBCS優勝戦を除けば緊張感がない。
もうシーズンは終わっているわけでいまさら1勝しようがしまいが各チームにとっては大勢に変わりがなく、そのおかげで実にまったりとカレッジフットボールを見られます。
シーズン中は一試合だって無駄にできない、と緊張の連続のレギュラーシーズンとは打って変わって、のんびりムードでひいきのチームを応援し、今シーズンを振り返り、誰がNFLドラフトにかかるかを考え、来シーズンの陣容の想像を楽しむといった感じになります。


というわけで今年のボウルシーズンで初めて最初から最後まで見たのが昨夜のAlamo Bowl。San Antonioは市内中心部にストリートレベルのひとつ下に運河街があり、なかなかに情緒のあるところで私も好きです。

Alamo BowlはBig TenとBigXIIの中位チームが対戦するボウルで、例年はあまり好カードは望めないのですが、今年はMichigan x Nebraskaという常勝校同士、人気校同士の対戦となりました。どちらも7勝4敗とぱっとしなかったシーズンではありましたが、それでもMichigan x Nebraskaと聞くと見る気が湧きます。これがネームバリューと言うものでしょう。

試合はMichiganのQB Chad Henneの鋭いパスが要所要所で決まりMichigan優勢で進みますが点差はさほど離れない。Henneはプロ向きですね。サイズもあり小さいモーションから球筋のいいパスを投げてきます。まだ二年、来年はBig TenのナンバーワンQB。MichiganもBig Ten最有力で間違いないでしょう。

第4Qに入ってHenneのラッシュでのTDで11点差としたところで勝負ありか?というムードだったのですが、ここからNebraskaが一気に盛りかえします。
RB Corey Rossの左へランで31ヤードTD。この時点で5点差ですので2点コンバージョン狙いで、これはエンドゾーン後方へのパスが決まって2点追加、3点差。
続くMichiganのポジション、最初のプレーでHenneのパスはきれいに決まったのですがレシーバーが後方からタックルされた際にボールを弾かれファンブル、Nebraskaボール!
もうここで試合の流れは完全にNebraska。ボウルゲームへの動員では全米有数のNebraskaファンが埋めたスタンドが揺れる揺れる。
しかしこのNebraskaのポジションは3アンドアウト。

続くMichiganの攻撃は3rdダウンのときHenneが投げようとする腕からNebraskaディフェンダがボールを叩き落とし、微妙でしたが判定はファンブル、またもNebraskaボール。今度はMichigan陣内深く、17ヤード。そしてパスでTD。32-28と逆転に成功。
終わってみればこれが最終スコアなのですが、この後もHenneの鋭いパスでNebraska陣最深部まで前進。4thダウンまで投げ続けたものの及ばず再逆転ならず。2:34残り。

Nebraskaは残り時間を潰して勝ちたかったのですが、まったく策なくラン3回の後、パント。Michiganに最後のチャンスが回ってきました。

残り7秒で自軍37ヤードからのMichiganの攻撃。7秒ということはエンドゾーンを狙えば1プレーの一発勝負、約80ヤードの超ロングパスを狙うことになります。Henneはそこまでの距離が出せるのか?
または1本サイドライン際に20ヤード程度の早いパスを投げてフィールド中央まで動かして、その後に勝負のワンプレー、のどちらかだと思われました。

ところがMichigan、ひと味違う。そのどちらでもないプレーを念頭にプレーしてきたのです。1stダウンのときNebraskaディフェンスからブリッツがかかり倒れながらパスを出してincomplete。残り2秒。この1stダウンのときHenneが見ていたレシーバーの方向が変だった。フィールドやや右方向ですがライン際ではなかった。でもだれも気付かない。

2ndダウン=試合最後のプレー。ここでもHenneはさっきと同じ方向をみています。そして15ヤードほどのミドルパス。
え?なぜ??これが最後なのに、とだれもが思ったはず。レシーバーはボールを受けるとすぐに後方パス。受けた選手も後方パスの連続。つまり最初からMichiganはこの後方パスのつなぎで最後のTDを狙う作戦で1stダウンから臨んでいたということです。

途中2度大きくフィールドのサイドを変えるパスも含め5本のラテラルパスをつなぐ。まだボールは生きています。
ですが途中で一か所、ファンブルがあり、そのときに両チームの選手が交錯。
ここでNebraskaベンチがボールデッド=試合終了と勘違いしてフィールドに全員走り込んできます。が、ボールを拾ったMichiganの選手は立ったままで拾っており、プレーは終わっていません!選手の半分ほどもプレーは終了したと思ってタックルを止めています。そのままMichiganの選手が50ヤードほど前進、Nebraska陣深くでついにサイドライン際でストップされてやっと試合終了。

でも本当に終了?Nebraskaベンチの選手がプレー中にフィールドに入っているわけですから12 men on the fieldの反則のはず。本来なら、サイドラインを割った場所からMichiganにはもう1プレーする権利があるはずです。(ディフェンス側の反則プレーでは試合は終了しないというルールがあります)
が、まあボウルゲームでもありそのまま終了。真剣勝負の試合だったらMichigan側から大抗議が出て紛糾必至のエンディングでした。

レギュラーシーズン終了後、ふぬけになっていましたがやはりカレッジフットボールは盛り上がりますね。ナイスゲーム。

天才少年Freddy AduはW杯に行くのか?

Freddy Aduがついに米国代表に召集される見込みです。W杯本戦の話ではなく。

二月の対日本のフレンドリーが16歳の天才Freddy Aduの米国代表デビュー戦になりそう。U-17, U-20ではすでに米代表としてプレーしているものの本代表ではいまだプレー経験なし。召集されたこともありません。

Aduは生地はガーナ。そう米国と同じE組のガーナ。ここへきてガーナの代表監督がAduのガーナ代表としての召集を表明してからきな臭くなってきました。

米側からみればタイミングはかなり悪い。
今年9月に3試合を残して早々に最終予選突破、W杯本戦進出決定。その後の消化試合にすら米代表Arena監督はAduを召集せず、Aduは代表へ召集されないことに不満を表明していたところ。さまざまな選手をMLSから召集した消化試合にもAduを召集しなかったということは、アメリカサッカー協会はAduを2006に使う意志がほとんどなかったということでしょう。

そこへW杯本戦で同組と決まったガーナがAdu引き抜きに来たという事態。ただでさえ強豪が集まったE組でこれ以上相手チームが強化されるのは阻止したいところでもあるし、これでAduがガーナ代表として目立った活躍でもすればUSサッカー協会面目丸つぶれということになります。


アメリカサッカーではDaMarcus Beasleyぐらいしか類するもののない華麗なボールハンドリングを見せるAdu、米代表としても2006はともかく2010では中核選手にという腹づもりであったのは間違いなく、ガーナの横やりはかなりめんどうなものです。
たしかに体格的にはまだ発展途上で、MLSでの試合などみてもフィジカルな当たりには強いとは言えない。ただしボールさばきのセンスは他の選手にないものを持っているのも明か。
他方、米国代表は最終予選やフレンドリーを通じてチームとしてかなり固まっているという事情もあり、この時点でAduを入れていじるのか、というのはなかなか難しい判断になります。


ただAdu個人にはマーケティングチームがついているはずです。商品としてのAduの価値を高めるのがマーケティングチームの仕事。将来コマーシャルに出てなんぼなどなどスーパースターに仕立てるつもりでチームもマーケティングしているはずでここは米代表になるのがもちろん最善。

普通にそのチームが考えればここで「米国の敵」になるのを積極的に目指すことは考えにくいです。特に別の組ならともかく米国に立ちはだかる形になる同組のガーナ代表となれば敵のイメージになってしまう。

が、それでもW杯に出場できないよりはいいという判断もありえないとは言えない。ゼロではない。米代表では、最終メンバー入ったところで先発まで望むのはかなり高いハードルだと思われるから。
それに対してこの綱引きで劣勢のガーナの方はまちがいなくAduに先発メンバー確定を条件提示することでしょう。17歳の新星としてW杯先発、世界的な注目度を高めることができるならサッカー不人気の米国市場で多少マイナスでもかまわないというマーケティングもあり得るでしょう。
それに同組で米国との直接対決が確定しているので米国市場に対する露出も確保できる。ただし三戦目なので試合として無意味な試合になっている確率もありますが。


いずれにせよ2月の日本戦はAduにとっては初の米国代表としての試合、早くも大一番のオーディションということになりそうです。
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