アメリカスポーツ三昧

アメリカ永住コースか、または第三国に出国か!?スリルとサスペンスの人生とは別にアメスポは楽しい。

「IInside the NBA」がESPNに移籍へ

ESPN、前項に続いて動きが怪しいというかなかなか柔軟だなというそういう話題です。昨夏の段階で書きましたがNBAのTNTでの放送が今季を最後に終了します。TNTでのNBA放送は1989年から続いていたようですから長い。それがAmazon Prime VideoやNBCとの放映権獲得競争で敗退してNBA放送からはじき出されました。TNT側には既得権として新参入になる放映局のオファーとの条件マッチの権利があったのですが、それで条件マッチに失敗。失敗の詳細の公表はされてませんがたぶんTNT陣営のストリーミングサービスであるMAXの契約者数の少なさまたはケーブル局としてのTNTの視聴者減がマッチングで劣った可能性がありそうです。

でTNTでのNBA放送が終わるのでその放映日の試合前後・ハーフタイムのスタジオ部分だった「Inside the NBA」もそのまま解体かと思われていました。Inside NBAはShaquille O'Neal、Charles Barkely、Kenny Smithの元NBA組と司会者のErnie Johnsonで構成。Barkleyの脱線ぶりとShaqとの口論で人気はあったのでしょう。

それが次期のESPNのNBA放送のスタジオ部分にInside NBAをそのまま採用するというニュースが出てます。制作はTNTのまま、メンバーも同じ4人で、撮影するスタジオもTNTの現行のスタジオを継続使用。TNTが制作して、ESPNへライセンシーとして番組を供給するのだそうです。
制作状況を一切変えないというのですから現行のスタジオショーの雰囲気を一切変えたくないというのがESPN側の意向ということになります。

ということは現在のESPNのスタジオショーが来季からInside the NBAに置き換えられるという意味です。つまり今のESPNのスタジオの面々は首のようです。まあ確かにESPNのスタジオショーは面白みがなかったです。でも今のスタジオショーの出演者はESPNの放映権が継続するから安泰だと思っていたのがいきなり全員首ですか。ざっくりですね。
くしくも今夜はPlay-inの早番の試合(Miami Heat@Atlanta Hawks)はTNTでの放送でInside NBAが担当、遅番のDallas Mavericks@Memphis GrizzliesはESPNが担当。早番の試合ではShaqやSir Charlesがはしゃいでるでしょうし、下手をすると遅番担当のスタジオ解説の面々はお通夜状態かもしれないです。テレビに映る解説のメンバーだけでなく、番組担当の制作スタッフもInside the NBAの外注化で首の可能性が高いですから全体の士気も上がらなさそう。

ただInside the NBAのメンバーの顔認識力は強かったですが、個人的な意見ではBarkleyは近年喋りもはっきりおかしい(認知低下を疑うべきレベル)し滑舌も低下してきてる。何年契約か存じませんがどこかで限界はくるんじゃないかなとは思います。

Banana Ballの生放送の放映権をESPNが獲得

うむぅと唸ってしまう様なESPNの動きが続いてます。ESPNは今季を最後にMLB放送から撤退することは書きました。その代わりとはとても言えないのですが別の野球放送を開始します。Savannah Bananasがスタジアムツアーをしていてその放映権を獲得したとか。つまりどういうことかと言えばMLB放送からは撤退するけれど野球とのつながりは維持していくのかあという、微妙な動きです。

Savannah Bananas。過去に書いたような気がしたのですが今当ブログ内を検索したら記事にはなっていなかったようです。コメント欄のどこかに書いたのかもしれませんが、コメント欄は検索できません。
なので基本的なところから押さえると元々はSavannah Bananasは全米の各地にある群小のマイナーベースボールチームでした。Savannahは南部ジョージア州の大西洋岸にある小都市です。特に旅に行って見るべきものもないところ。それがショーマン派のオーナーが次々と奇策で盛り上げ、地元で毎試合満員になる名物化。その後それはBanana Ballという特別ルールに昇華され確立。各種のTVで取り上げられるようになりました。

昔からバスケットボールにはHarlem Globetrottersというサーカス的な存在があって長年全米をツアーしてます。1926年から存在するのでもうじき100周年です。きっとGlobetrottersの100周年記念特番みたいなのも来年は見られそう。
BananasはほぼGlobetrottersのベースボール版と言ってよい。ただバスケはトリッキーな動きを長年開発していて、興行を維持する盛り上げの技術があって、予定調和でも成り立ってたんですが、ベースボールにはそういう前例はなかった。それを今のオーナーが一から立ち上げて、遂にこの度ESPNでの全国放送までたどり着いちゃったということです。起業家精神というのはアメリカにおける経済活力の源ですが、Savannah Bananasはアメスポ版のその成功例でしょう。

私は以前にも何度かBanana Ballの通しの試合をTV観戦しているので中身は知ってるつもりでした。元々は地元Savannahや以前にマイナーベースボールチームとして所属していたリーグで敵地で試合をしていたのが、今はBanana Ballルール専門で、それが昨今はスタジアムツアーでどこも売り切れまくり。以前からBanana Ball World Tourと称して、しかしながらWorldって言ってるだけで国内ツアーなんですけどとにかくそういう大げさな表現もお茶目のうちというそういう興行です。

最近はMLBのスタジアムや巨大フットボールスタジアムとかでも興行をしていてそれでも売り切れ続出の状態。Banana Ballでの試合自体もそうですが、それ以外の演出も手が込んでる。マイナー時代に鍛えたカネをかけてなくても楽しませる工夫は立派。ここまでエンタメに振り切ってそれで毎試合成立させてしまうその熱意とアイデアは素晴らしいです。あまり単純に類型化すべきではないですがアメリカ人の明るさをここまで引き出したのは美徳の域かと。

さらに今回それをESPNが放送する、それも1試合ではなく今季10試合も放送するというのです。ESPNも馬鹿じゃないですから毎回同じの予定調和だけならそんな回数を放送するわけはない。ESPNの視点で見て繰り返しての中継に耐える中身だと認定されたという意味に私はとってます。それもまたすごいかなと思います。

Banana Ballの試合に行ってみようと思う家族連れ客はベースボールファンとは微妙に属性は異なるのでしょうが、しかしながら野球への親和性がゼロということもないはずです。Savannah Bananasが成立するのはまだまだアメリカ国民のベースボールへの愛着と親和性が基礎にあってこそサーカス的な野球がこれだけ人気になりうる理由ではあるはず。
野球の人気が停滞・低下している云々という話はここ30年ぐらい継続してあって、それはそれで事実でもある。ただそういう低下傾向の話はそれとして、野球が意識から消えているわけでもないからBanana Ballという野球のバリエーションでも広く楽しく見てもらえているという意味でもあると思います。

わざと引っ張りましたがBanana Ballの中身については、私が口で四の五の言うよりもYouTubeでたくさん上がってると思いますからその様子は見ていただく方が良いかと思います。公式サイトからつながってる紹介のビデオはまだマイナースタジアム時代の映像ですね。

Warriors & Playoff Jimmy勝ち上がり

平日のレイトゲームの観戦はなかなかしんどい。プレーオフも深まれば無理して最後まで見るし、TV側も試合数も減るし気を使ってあまり遅い終了の試合はやらなくなるんですが、Play-in開幕時は仕方ない。昨夜のMemphis Grizzlies@Golden State Warriorsの西カンファレンス7位対8位の試合を第4Q途中まで見てました。そこまで見たんなら最後まで見ろよというご意見もあるでしょうが離脱しました。

結果はGolden Stateが逃げ切って第7シードでのプレーオフ当選を決めてます。一回戦の相手はHouston Rockets。プレーオフの経験値の低いメンバーでの構成のRocketsにとっては難敵といえるでしょう。
昨夜の試合ではStephen Curryが37得点、Jimmy Butlerが38得点。Playoff Jimmyと異名を取るButlerがその勝負強さをいきなり発揮して勝利に貢献してます。Heat時代から闘将ぶりは異様なまでの迫力のあるButlerですが、シーズン途中で移籍したWarriorsで見事にハマってます。Butlerの攻守での安定ぶりと気迫でStephも安心してベンチに座っていられる。Warriors王朝が後期に入ってSplash Brothersが片肺になってしまった。Stephが入れなければ勝てないチームになっていた時期を経てのJimmy Butler加入。

この試合、序盤はGrizzliesが飛び出したのですがそれを第1Q中にあっさり抜き去るとその後はほぼリードを維持して勝ちきってます。Grizzliesも悪いチームじゃないですがButlerは相手が悪い。空中の当たり合いでの体勢の維持の力が抜群の上に出てるオーラがすごい。熱いというのとはまた違うようにも思います。なにかが出てるって感じ。まだ正式にはプレーオフに入っていないPlay-inの試合なのでこの38得点もButlerのプレーオフレジュメには加わらないんですが、もし数えられるならJimmyのプレーオフ記録上9番目に高い得点だったようです。
記録上はJimmy ButlerはまだWarriorsの一員としてはプレーオフの試合に出場していない、という前項でも書いた変な状態です。


早番の試合の方はOrlando Magicが高さを活かしてAtlanta Hawksを一蹴。Paolo Bancheroが試合中に目の上を大きく切って出血。試合後にはその長い切り跡が映画のメイクみたいに大きく見えていて、おとなしめの顔つきのBancheroには似合ってました。
Orlandoは勝つ時はこんな具合のやたら強そうな勝ち方をするチームですよね。2シーズン前からそう
プレーオフ一回戦の相手は優勝候補でディフェンディングチャンピオンのBoston Celtics。Celticsは3ポインター比率が高くて勝ってるのですから批判には値しないでしょうが、試合は正直あまりおもしろくないと思ってるチーム。Orlandoの方に弱肩入れして見ることになりそうです。

Play-inという名前がよくないのでは

NBAは日曜日にレギュラーシーズン最終戦が各地で戦われて最終順位が決着。Jimmy Butlerをシーズン中に加えて強化されたと思われていたGolden State Warriorsは最終戦でのLos Angeles Clippersとの直接対決に敗れてPlay-inに回っています。勝っていれば逆転でWarriorsがPlay-in行きを回避のはずでしたが。

現行のPlay-in制度が採用されたのは2021年から。今年で4回目となり定着はしてきたのだと思います。火曜日にTNTでAtlanta Hawks@Orlando Magic、Memphis Grizzlies@Golden State Warriors戦で開始、翌水曜日にESPNでMiami Heat@Chicago Bulls、Dallas Mavericks@Sacramento Kings戦。火曜日の方の試合は勝った方が第7シードとしてプレーオフに進出。敗戦すると水曜日の勝者との試合が金曜日に。

Play-inと呼んでますが、これ、NFLやMLBだとワイルドカードと呼ばれているものにほど近い。勝者が一回戦に進むのですから。
ただワイルドカードの勝敗やスタッツはプレーオフの一部として認識されるのに対して、Play-inでのチームの勝利やその試合での選手の得点その他のスタッツはプレーオフでのスタッツとして認められていないはずです。なので名称が異なるのはそれなりに意味があるんですが、微妙な隙間になっているとも言えます。

極端な話、Play-inの試合で記録的な数字が出た場合(例えば101得点した選手が出たり)した場合に、その得点記録はレギュラーシーズンの記録にもプレーオフの記録にもならないという不思議な数字となることになってます。

この手の追加ラウンドの取り扱いは微妙です。例えばNCAAはMarch MadnessのFirst Fourの試合を一時期むりやり「一回戦」と呼んで、従来の64校で争う一回戦を「二回戦」と呼ばせようとしたことがあります。まったく定着せずに今は元通りで64校のラウンドを一回戦と呼ぶように戻りましたが数年だけFirst Fourが公称一回戦だった時期があったはずです。
なぜそんなことをしたかというと最弱のNo. 16シード同士が対戦するFirst Fourの試合での勝利をMarch Madnessでの勝利数にカウントすることが不適当ではないかという感覚があったからでしょう。その後at-large校同士(No. 11シード近辺)の試合もFirst Fourに含まれるようになってFirst Fourの試合もMarch Madnessの試合だと自然に認められるようになって定着、無理に一回戦と呼ぶ必要が減ったからでしょう。


なお最終順位が決着してCooper Flaggをドラフト指名できる全体1位の指名権を最良の確率(14%)で獲得できるリーグ全体で下から3つのチームは、2ヶ月ほど前のままでUtah Jazz、Washington Wizards、Charlotte Hornetsとなってます。3チームともしっかり負けまくって下位を維持しました。

カナダに遠征に行くと帰ってこれない選手が出るかも

日本でもアメリカの関税政策に振り回されてどうなるのかと思われているかと思います。関税はアメリカ国内にいると株式市場のダウンがいきなり効いてます。現在アメリカの住人の60%以上が退職後資金運用その他何らかの形で株式市場に個人資産を預けているとされます。貧困層(統計によりますが10-15%前後)を除けば大多数がなんらかの運用を行っているわけで、よって市場の大幅下落は多数の有権者にとっては人ごとではない。
私個人ではこの秋のiPhoneを買おうと思っていたのがこの騒ぎで発売される頃にどんなすごい価格になるかも気になります。

さて当ブログのテーマであるアメスポへの影響ですが、基本的にはアメスポには関税は関係ないからそれはどうでも良いかと思ってましたが、それとは別アングルで新政権の政策に注意すべきことがあるようです。各リーグからチームへカナダに遠征に行った場合、遠征先から米国に再入国できない外国籍の選手が出る可能性を指摘して注意を促しているようです。特にトランプ政権が敵性国家とみなした国籍の選手はまずい可能性が高い。具体的にはMLBのベネズエラ人選手やコロンビアの選手があぶないはずです。

アメスポメジャーではNFLはカナダのチームはないし、カレッジスポーツ各種も無関係でしょう。NBAはカナダToronto Raptorsがありますがいわゆる敵性国家からの選手が少ない。NHLも外国人選手は多いですが主に欧州の選手。ロシアとベラルーシを敵性国家とすると人数はかなりいます。NHLは在カナダのチームが多いので国境を行き来する機会が多いのが他と異なります。

女子プロスポーツでは2026年から女子バスケWNBAに初のカナダのチームToronto Tempoが参入予定でその後は米加国境を超えることが発生します。WNBAはトランプ支持層とはまったくそりが合わない。2026年もトランプ政権下なので外国人選手は国境を超えるときは確実に帰ってこれる保証はありません。

敵性国家国籍選手が多いのはどのプロスポーツよりMLBでしょう。今のスケジュールでは全30チームがすべての相手と戦うことになっています。ホームかアウェイだけになる場合もありますが、その翌年は反対側のホームでプレーするので2年に一度は全MLB球団がカナダに行くことになります。なのでシーズン途中での移籍などイレギュラーな場合を除きMLB所属のベネズエラ人やコロンビア人選手は少なくとも2年に一度は仕事でカナダ国境を超えます。トランプ政権下4年間では各チーム少なくとも2度はカナダ遠征となります。
バスケNBAならToronto遠征で1試合してすぐにアメリカに戻る予定になるでしょうからもし再入国に不安があればその選手の1試合の遠征とりやめ欠場という手があります。今どきはシーズン中にケガでもないのに休みを取る選手も多いしカナダ遠征試合は休む前提でその日を休養にしてカナダ行きを避けたほうが良い。しかしMLBは行ったら3連戦。その選手が中心選手であれば3試合全部を休ませるのはチームの負担になります。

具体的に誰がそうかというとJose Altuve (Houston Astros)、Luis Arraez (San Diego Padres)、 Ronald Acuña Jr. (Atlanta Braves)、 Gleyber Torres (Detroit Tigers)などがベネズエラ人の有名選手たち。この辺の選手があぶない。日本の疑似ホームチームのLos Angeles DodgersだとMiguel Rojas がベネズエラ人。今季はDodgersはカナダ遠征は予定されてません。
AcunaのBravesは来週Toronto遠征ですが現在Acunaは欠場中なので米国外に出なくてよい。その後は5月中旬にTigersが、AltuveのAstrosのカナダ遠征は9月。
ただトランプ政権はMLBとはさほど仲は悪くない。目の敵にされるとしたらNBAやWNBAの方が可能性は高そうにも思います。

ところでMLB Toronto Blue JaysはVladimir Guerrero Jr.との大型契約延長を決めたばかり。曰くGuerreroはカナダ国籍(父親のVladシニアがMotreal Expos在籍時に誕生)なので地元カナダ人の看板選手を維持したいという意向がBlue Jaysに強かったとされます。
それは良いんですがトランプ政権はカナダに「51番目の州になるべき」と就任当初から言っていて、カナダ側の対米感情は悪化している。自動車関連の関税と報復関税が発動されたところ。NHLの試合前の米国国歌にブーイングが出る試合もある。わざとカナダの気に障る口撃をしかけているトランプ政権は今後の展開次第ではどこかのタイミングでカナダ国籍の選手に足止めしてニュースづくりをする可能性も否定できません。つまり敵性国家でなくてもカナダ人選手でも絶対安全はないという意味です。

MLSシーズンの秋春移行問題

サッカー国内リーグのMLSのシーズンを秋春制に改めようという動きがあります。世界の多くのリーグに合わせて移籍市場、特に夏の市場がMLSのシーズン中になるのを改めようという意味があります。

他には現行の2月開幕、レギュラーシーズン10月終了 & プレーオフは12月まで続くという現行スケジュールではもう伸びしろがないという理由もとなえられてます。アメスポ最強のNFL&カレッジフットボールシーズンに丸かぶりに重ねられるMLSの現行のプレーオフの時期では今後も露出強化は困難という認識からでもあります。

元々MLSが春開幕だったのは弱者の発想から。創設時の1990年代のサッカーは現在よりずっとマイナーな存在で、寒い時期に集客できるとは思っていなかったからです。当時は4月中旬、ちょうど今頃のシーズン開幕でした。当時見ていた感想では4月初旬から始まる春開幕のメジャースポーツのMLBの開幕がホーム&アウェイで一巡して落ち着いたタイミングでMLSはニッチ狙いで開幕していた。当時の状況下ではそれはそれで間違っていなかったと思います。MLSの初期の経営はコンパクトな予算と一攫千金の夢は見ない経営で徹底していました。リンク先は当ブログが2006年ほぼ20年前に書いたMLSの経営の話です。

さらに当時はMLSには自前のスタジアムなんてないですからカレッジやプロのフットボールスタジアムを間借りしてシーズンを戦っていた。よって秋に入るとフットボールシーズンが開幕、特に急に決まるプレーオフの試合をMLS側の都合の良い日に組むことはできなかったという事情もあり秋は早々にシーズンを終えていたわけです。

それが地道なリーグ拡張とサッカー専用スタジアムの建設という新しいマーケティング手法が都市再開発という市政のテーマとうまく噛み合って今となってはMLSチームは新スタジアム建設とほぼ一体となってリーグ経営の安定化に成功しています。

但しサッカー専用スタジアムは2万人前後の収容とすることでフットボールスタジアム(6万人規模またはそれ以上)と棲み分けできており動員には自己で作った動員の天井が存在するという固定事態も引き起こされています。上で出したリンクでも初期のMLSのサッカー専用スタジアムの素晴らしさに触れていますが、あれはリーグ創設時には想定していなかった大ヒット運営方針となって今はもうMLS拡張には欠かせない要素となってます。

経営危機や失敗フランチャイズが出て何チームか離脱など紆余曲折ありましたが今はもう潰れる心配はないレベルに成長したMLS。それでシーズンの時期の見直し問題が出てきた。以前はFIFAからシーズンの秋開始を強要されても完全に無視していたのがなぜここに来てシーズン移行問題が表にでてきたのか。

初期からMLSのコミッショナーを務めるDon Garberは秋春シーズンについてはずっと否定的だったのが急展開となってます。なぜかというと2024年になって匿名でMLSのオーナー達への意向の聞き取り調査をしたところ29チームのオーナーが秋春制を考えても良いと回答したという話が公になったからです。この調査結果はコミッショナーにとっては寝耳に水だったらしいのですが結果はそうなった。
誰がどう回答したかはわからないという場においてはオーナーたちの大多数が秋春でもかまわないと回答、しかしコミッショナーの目がある場では彼らはそうは言っていなかったらしい。他人の目があると発言できないという心理が働くオーナー会議は風通しが悪そうですが、それはまあ今回は良いとしましょう。

そもそもが匿名での意向調査をしようという話なったところからして内々にMLSのコミッショナーが常々対外的に言ってることに同意していないオーナーが存在するということを知っていた誰かが匿名調査をすべきと言い張ったからなんでしょう。
そういう調査が実際行われて、その結果もファンの耳に入るようになっているというのはそれなりに自浄作用があるとは言えます。

その聞き取りでは、いつもサッカーのコアなファンが言い募る昇降格制も質問になっていた。それにはオーナーたちはシーズン移行ほどには同意していないようですからMLSでは起こらなさそうです。他方シーズンの移行はありとなって、コミッショナーも軌道修正して議題として検討することになってます。

2月から12月まで現行やってるんですからプレーオフの深くまで行くチームにとってはオフシーズンはたったの2ヶ月。今どきのアメスポとしてはやたら長いシーズンですが、欧州などに合わせればそんなものでしょう。アメリカの学校の夏休みの時期も考えると7月開幕5月にプレーオフ終了という意味になるのだと思います。5月だと気候も良い。NBAやNHLのポストシーズンとかぶりますが、フットボールシーズンと丸かぶりの秋の週末開催よりは良いという認識かと。5月の野外のスポーツ観戦は気持ちが良さそうでもあります。室内競技のNBAやNHLよりも開放感があるだろ、と元米サッカー協会の会長候補者だったEric Wynalda(弱い頃の元代表ストライカー)辺りも言ってます。

但し積極的に秋春制が良いと言ってるわけではなく、鼻っから否定はしないという話です。後から入ってきたオーナーたちは海外のビリオネアなんかも多いのでそちらの人たちはアメスポの常識に縛られていないし欧州リーグのスケジュールに慣れているからNFL出身のコミッショナーのように思考が現状のMLSの仕組みに縛られていないんでしょうね。
移籍期間という仕組みが定着してしまったのでシーズン中にそれがあってもMLSの監督は獲得可能な選手を吟味する暇がないのでチームのニーズで補強という活動がほとんどできないという問題があります。




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