アメリカスポーツ三昧

アメリカ永住コースか、または第三国に出国か!?スリルとサスペンスの人生とは別にアメスポは楽しい。

そしてすぐにドラフト

昨夜Finalsが終了したばかりですが、3日後にはもうドラフト。

優勝したOklahoma City Thunderは1巡目に全体15位と24位の指名権を持ってるんですね。ドラフト予想サイトを眺めると15位分でまた長身の選手を取るという予想があります。Marylandの三年生C Derik Queenが具体名ですが、今季のメンバーが来季全員戻って来るのでそこは必要なのかなという疑問はあります。
OKCのプレーオフの戦いぶり、あのチーム戦術を崩さない即戦力補強の方が大事だと考えると伸びしろの大きい1&Doneタイプよりは上級生という方が合ってるというのはそうなんだろうなと思います。

全体1位のCooper Flaggは揺るぎないので議論の余地なし。全体2位のSan Antonio Spursは良いくじ順を引き当てました。今ドラフトにはフランス人選手が2名ロッタリー指名に該当するとされ、もしSan Antonioが元の確率通りで6-7-8位ぐらいの指名権だとVictor Wembanyamaから同じフランス人選手を獲って欲しい的なネゴが入ったかもしれない。変にチーム内にフランス人クランができるのはあまり良いことではないように私には思えます。で2位指名権だとその2人のフランス人候補選手(Nolan Traore、Noa Essengue)には高価過ぎて使えない。Wembyも納得せざるをえない指名順ですからSpursの首脳もその部分で気を使わずに指名選択ができる。
具体的にはコンボガードのDylan Harper(Rutgers)が有力。Wembyの初年度からSpursは純然たるPGがいないチーム編成だったのでニーズに合った指名になるんだと思います。今季のRutgersはトップ10指名に2人も送り込むのにチームの勝ち星はあがらなかったチームだったのでクローザー的な素養はちょっとわかりません。

各種予想ではトップ10指名にDukeから3人指名が出るという予想。Cooper Flaggの全体1位とKon Knueppel、Khaman Maluach。3人とも一年生(Flaggは高校が飛び級扱いなのでさらに1歳若い、通常なら高校生年齢)。Khaman Maluachは多分大丈夫でしょうが、プロでどうなるかがブレそうなのがKnueppelの方です。March MadnessではFlagg以上に活躍したと言っても良い場面も多かったKnueppelですがどう育つか。スポーツ一家の選手で血統遺伝子的にはかなり良い選手となる上振れの可能性もありますがどうか。

ThunderがOklahomaに優勝をもたらす

Tyrese Haliburtonが第1Qにアキレス腱をやってそのまま戻ってこれず。第5戦の前にも脛近辺を痛めていたということになってましたが、それと関係あるのかないのか。今日のケガの直前まで3本連続で3ポインターを決めていた好調だったところでHaliburton無念の退場。残ったIndiana Pacersのメンバーは健闘して前半を1点リードで終了しましたが、そのあとは今季何度もあった第3QでのOklahoma City Thunderのスパートが決まって逆転。

PacersはHaliburtonの代役であるT.J. McConnellが第3Qに次々と12得点を決めたことでなんとか離されきらなかったですがMcConnell以外のPacersからまるで得点が入らない。シュートが入らない前にターンオーバーを連発してシュートまでいけない。OKCのディフェンスが冴えまくったという表現が正しい。第4Q開始時点でOKCの13点リード。

このまま押し切られるとせっかくの良いFinalsのフィナーレとしては寂しいかなという展開。リードが2桁となったことで余裕のできたOKC側はこのFinalsで当たっていなかった3ポイントシュートも積極的に打ちにいける。そしてそれが入ると手がつけられない。点差は20点差を越え、Pacersは第4Qに入って初得点するまでに4分以上かかりました。

ここに至ってはPacersはもう無理でも強引に打ちにいくしかない。それが次々と反則判定されてPacersがフリースローでリードを12点まで削ることに成功。後付で言えばOKCのペリメタでのディフェンスに付き合わずにもっと早くから強引に行くべきだったんじゃないかなという感想になります。ファールトラブルに追い込めたかもしれない。

Finals MVPはShai Gilgeous-AlexanderがレギュラーシーズンMVP、西決勝MVPに続いて獲得。得点王がレギュラーシーズンとFinals MVPを総なめなのは25年ぶり(Shaquille O'Neal/Lakers)。メジャープロスポーツのない州だったOklahomaに初めて来たThunder。現在においてもNFL/MLB/NHLチームのないOklahomaのチームが初めてのプロ優勝チームを持ったことになりました。41年ぶりの選手の平均年齢の若いNBAチャンピオンだそうです。

Finalsが始まる前にはThunderが圧倒的優位と言われてましたが、Pacersはよくやってくれた。おかげで良いFinalsが見られたと思います。

一つだけ苦情を書いておくと優勝インタビューの女性アナがいろいろ気の利いたことを言いたかったんでしょうけど、長いひねった質問が多くてHCや選手たちをしらけさせていたのを今後はやめて欲しいです。

LSU8度目のCWS制覇

NBA Finalsが最終第7戦にもつれこんだせいでメニュー豊富な日曜日のアメスポになってます。Finals第7戦は夜8PMから。Kevin Durantのトレードの話はまた別途やります。

今日のメニューはまずはカレッジベースボールのMCWSの決勝シリーズ第2戦。北米大陸の大半が灼熱になってる中での試合で大変です。
2戦先勝制で前日の試合はLSUのエースKade Andersonが130球での完封勝利。隅1の1点差を守りきって1-0でLUS TigersがCoastal Carolina Chanticleersを破って今日の第2戦で優勝を狙います。暑い中での130球3安打10奪三振完封での1−0勝利は甲子園的な快感のある気合の入った投球でした。アメリカ人もやればやれるんじゃんの130球。
Kade Andersonは今年のMLBドラフトで投手としてトップ2以内の指名が予想されてます。この活躍で全体1位指名に自身を押し上げたかどうか。全体1位の指名権はWashington Nationalsが持ってます。

Coastal Carolina Chanticleersは他の競技ではあまりカレッジスポーツファンにもおなじみではない学校でしょうが、CWS制覇経験のあるベースボールでは有力校です。先発はCoastal Carolina側のエース大型右腕Jacob Morrison。サイズの大きさがあるのでこの投手も将来MLBで見られるようになるかも。
今日の第2戦はこの暑いのに現地1:30PM一番暑くなる時刻からの試合開始。もしCoastal Carolinaが勝つと月曜夜に決着第3戦というのがスケジュールです。月曜夜はアメスポ習慣的にはまずまずの放映枠です。

試合が荒れていて1回裏にCoastalの監督と一塁コーチが退場。確かに主審のストライクボール判定は怪しかったので文句を言いたくなるのもわかりますが一回裏ですか。これもしCoastalが勝っても翌日の第3戦も監督はベンチ入りできない。
試合の中身はボールになる変化球を早いカウントから振りまくるCoastalの打線が相手投手Anthony Eyanson(これもドラフト上位指名見込み)を助けて投球数も少なく試合深くまで続投。で次に出てきた救援が100マイル以上を連発。LSU 5-3 Coastal Carolina。SEC校が6連覇、8年間で7度優勝となってます。


CWSが終わる頃の時刻にはサッカーのGold Cupのグループリーグ最終戦米代表対ハイチ戦があります。そちらは会場がインドアのAT&T Stadium。熱波は関係ない。巨大スタジアムなので入りは寂しい入りになるのは確実ですが、放映をする地上波FOXは来年のW杯をあてこんで「W杯への道はここからはじまる!」とやけにハイテンションな番宣を打ってます。米代表は既に2戦2勝(対トリニダード・トバゴ &対サウジアラビア)で準々決勝進出決定済みの第3戦。意義のある試合ではないです。ノックアウトラウンド初戦はコスタリカかメキシコが相手なので勝てるかどうかは怪しいですが、見る分にはそちらの方が楽しみはあります。

Gold Cupもそうですし、同時に米国内各地で開催中のFIFA Club World Cupもチケットの値段を下げたのに入りが悪いという話ばかりが聞こえてきます。CWCの方はある種の実験イベントでの32チーム化の初回。ホストとしてカネも一部ふところに入る米サッカー協会からすると一回限りのイベントなのでチケットが売れていないとなってからは宣伝告知に力が入らないのも仕方ないか。FIFAが欲の皮をつっぱらせて大会場を好んだのでしょうが、開催会場が11スタジアムで同じ都市で複数の試合が予定されているのも一般サッカーファンの買い控えを起こすスケジュールだと思います。そのクラブのファンでなくても見たいような好カードはノックアウトラウンドに入らないと見られないのですし。来年のW杯も同じ都市での開催が多いのも買い控えに繋がってると思えます。

あとはあてこんでいたであろう海外からのサポーターが昨今のアメリカ入国管理の厳格化を嫌気、大きく減った可能性もありそうです。入国審査時に当局によりスマホの中身を全部抜かれる(合法)ことがあるという評判もありがたくないですよね。私だって嫌です。スマホ解除を拒否すると自動的に入国拒否とか。ざっとで入国者1万人に1人程度が入国プロセスで別室送り、スマホ全抜きや中身の書き込みの内容でしぼられるのはさらに少ないらしいんで確率は高くないですが、わざわざ遠くアメリカまで行って嫌な目にあったり追い返されるかもと想像したら旅費も試合のチケットも無駄になるし行くのやめとこうかというのは合理的な思考と思います。

この問題はCWCに限らず来年2026年のW杯本番や2028年のロス五輪でも同じになりそうです。2029年初頭まではトランプ政権下なので大きく入国管理が緩んだり、または積極的に入国管理を緩めたよ!と公言宣伝することはなかなか難しいように思えます。国際情勢からしても外国人によるテロには敏感にならざるをえないでしょうし。
たぶん今年の夏が終わる前に旅行者の減少でアメリカの旅行産業が多大な打撃を受けた云々のニュースが出回るのは確実でしょうが、それでも政権の支持基盤を考えると現政権は方針を変えられないような。

そういえば来年はまたWorld Baseball Classicの開催年ですが、野球はイスラム国家は参加しないので比較的に平和なんでしょうか。ただしイスラエルはD組でMiamiでのグループリーグに出場予定です。他にトランプ政権下で敵性国家扱いとなっているベネズエラ・ニカラグアもD組。わざと集めてる‥んですかね?

カレッジベースボールで移籍違反問題

カレッジベースボールでWisconsin大が所属する選手に対して違反行為で転校を勧めたとしてMiami-FLを訴えてます。大学が学生アスリートに直接報酬を払って良くなったのがつい最近。早くもその仕組みを使っての選手の取り合いが始まったってことでしょうか。
カネを生むスポーツであるフットボールや男子バスケならともかく、少なくとも現在では大きな利益を生んでいるわけではないカレッジベースボールでもこれをやってるのかという意味でこのニュースにはおもしろみがあります。

女子のソフトボールでNILで$1 Millionを支払ってるという話を先日書きました。ソフトボールでそんなカネが動くのかという驚きはありましたが、ベースボールとは事情が異なる。ベースボールではカレッジでもプロ風に先発投手はローテを組んで出場するので、ざっとの話週1でしか先発しません。ソフトボールではエース投手は週2ぐらいは楽に投げます。トーナメントになれば連投も厭わない。つまり1人の圧倒的なエース投手の戦力としての割合がベースボールのエース投手より2倍3倍の戦力であるからその1人に大きな金額を投入できるわけです。

ベースボールはそうではない。カレッジの強豪校のエースならMLBを目指している選手たちで、カレッジが最大の舞台であるスポーツとは意味が異なります。MLBへ到達する可能性を考えてプロ風のトレーニングもしたいし、プロのスカウトの目で見られて評価される投球がしたい。それに加えて目立つステージにも出場したいという意欲もあるので強豪校に移籍できるならしたいという意欲もあるでしょう。だいたいそういう学校は練習施設も整っている。

カレッジベースボールはビジネスとして伸びる余地はある競技ではあるのでしょう。フットボールやバスケは既にビッグビジネスですが、カレッジベースボールは一部の学校のみ黒字。プロMLBという巨額の収入が望める「その先」があるカレッジスポーツにしては地味です。
ざっとの話ですがWisconsinの所属するBig Tenはベースボールは弱い。いまはBig TenにUCLAとかUSCという温暖な土地の学校も加わったのですが根本的にはBig Ten校のある土地はカレッジベースボールシーズンには寒すぎるのです。カレッジベースボールシーズンは1月から5月(College World Seriesを勝ち進めば6月まで)。
なので伝統的に南部や西海岸の学校がベースボールは強い。よってカンファレンスで言うとSEC、ACC、過去のPac-12などがBig Tenよりも進学先として優先されたし、いわゆるマイナーカンファレンス校でも温暖地の方がBig Ten校より優位でもあった。それが近年のカンファレンス再編でSECとBig Tenの二強化が進んでベースボールでもBig Tenが徐々に盛り返してきていたという流れがありました。

一方Miami-FLはここ最近戦力が低下してベースボールのエリート校とは言えなくなったのですが、10年ぐらい前までは全米でも有数のベースボール校でした。そういう経緯があるので、今回のニュースを聞いてああMiami-FLが復興に向けて活発に動いているのかなという感想を持ちました。一昔前に読んだマスコミ記事だとカレッジベースボールで恒常的に黒字なのは最多動員のLSU(Paul Skenesの出身校)を筆頭に10に満たないとされMiami-FLはその数少ない黒字校でした。

今年のカレッジベースボールシーズンを見てると雰囲気が変わってきていて、例のSavannah Bananasまで行かないもののベンチの選手たちが楽しそうにしてる様子がうかがえる。Bananasの影響が感じられて以前よりも非ストイックになってきてるのを感じます。あの方向性でカレッジベースボールがよりエンタメ寄りになって地域のファンを築いていくのかなという可能性を感じました。カネを払ってプロ向きのプロスペクトを集め、雰囲気も良くしてベースボールのエリート校復活を目指しているってところでしょうか。

Haliburtonのケガ情報は意図的なガセ誇張だったかも

NBA Finals第6戦。第3Q終了時点でのブザービーターでIndiana Pacersの3ポインターが決まって30点差。第4Q開始時点でOklahoma City Thunderは先発メンバーをベンチに座らせてタップアウト。早い。あっさりと敗戦を受け入れてホームでの最終第7戦に備えました。

試合前の最大の話題はPacersのスターTyrese Haliburtonが出場できるのかという点でした。足をやって全治2週間だという話で、レギュラーシーズン中なら確実に欠場。プレーを満足にできるかどうかではなくまともに歩けないのではなどなど言われていました。実際に試合が始まってみるとほとんど気にする様子もないプレーぶり。序盤こそPacersのシュートが入らない試合の入りになりましたがその後はPacersペースで試合は進み大勝となりました。
ベンチメンバーで点差が20点差以下まで削れたらスターターたちの再出場もあったんでしょうがそうはならず。ベンチ対ベンチならIndianaの方が強い。

Haliburtonが元気で表情も明るく、ケガの事前情報はガセ、Thunderの側に手負いのHaliburtonを狙い撃ちする作戦を練らせるPacers側の陽動作戦だったのではとすら思えます。

LakersがDodgersのオーナーに売却の方向

最初にこのニュースを聞いた第一印象はセンスの良いタイミングだなというものでした。長年NBA Los Angeles Lakersを保有してきたBuss一族がLakersを$10 Billionで売却するというもの。Buss一族はLakersの小株主に後退してそのつながりは維持するものの経営・意思決定からは退くということです。買うのはMLB Los Angeles Dodgersのオーナーだとか。

NBAのフランチャイズの資産評価ランクだとGolden State Warriorsがトップ、続いてNew York Knicks、Lakersは第3位とされます。第4位にはBoston Celticsで、Celticsは最近に$6.1 Billionで売却された事実があります。Celticsが$6.1Bで、Lakersが翌年に$10B。アメリカ経済はインフレ傾向が止まっていないのですが4割の価格差。それでもLakersならこの価格はアリだろうなという気がします。

Lakersの人気は高い。地元および全国区でもそうでしょうし、たぶん米国外でもそうでしょう。単年の経常収入だとLakersがNBAトップです。資産価値ランクでWarriorsやKnicksに遅れをとっているのは別の事情からです。Warriorsは現ホームのChase Centerおよびその周辺のオフィスビル群などを資産として持っている。KnicksはMadison Square Gardenを所有している。LakersのホームのCrypto.com ArenaはLakersの所有ではないのでそこから発生する利益がない。この差があるのでフランチャイズ組織の資産価値比較になるとLakersが3位になるというからくりです。純粋にバスケフランチャイズ単体としての人気とセールスということならLakersがNBA随一、アメスポ全体でもNFL Dallas CowboysとMLB New York Yankeesと並ぶアメスポの象徴的なフランチャイズです。

そういうチームが売りに出る事自体が稀なわけで、買う側はカネに糸目はつけられない。欲しければこれが一生に一度のチャンスというモノなので価格は高騰するのは当たり前。特に買い手が同じLos AngelesでDodgersを所有してるというのですからなんらかの相乗効果も見込めるのもあるでしょうから行くのは理解できる。

売る側のBuss一族からすると遺産として受け継いでいたわけです。63歳。Phill Jacksonと親密交際していたりなんのかんのがあったり、また数年前には現社長のJeanie Bussは元Lakers選手・HCだったKurt Rambis夫妻の「進言」に強く影響されていてLakersの経営が実質Rambis夫妻の操り人形状態だという批判が湧いたり、経営者としての素養には若干の疑問があった。
その辺のごたごたがここ数年は聞こえてこなくなった。いろいろ取扱いのむずかしいLeBron JamesのLakers定着にも成功。新たなスーパースターとしてLuka Doncicの獲得にも成功してLakersの未来図も示している状態です。ただの名門なだけでなく、チームの基盤も整備された状態での売却であり、買い手にとって再建を覚悟して買うという物件ではない。良いタイミングだと思います。
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