アメリカスポーツ三昧

アメリカ永住コースか、または第三国に出国か!?スリルとサスペンスの人生とは別にアメスポは楽しい。

Lacrosse

Big Tenの威力か

NHL/NBAのプレーオフやMLB/NASCAR/PGA/MLSのシーズンがメニューとなるこの母の日の週末ですが、私はこそこそとまた別のものを見ていたりするわけです。ラクロスのNCAAトーナメントが今週末から開始。土日で一回戦八試合を消化中なのですが、土曜日にショッキングな試合がありました。昨年のチャンピオンだったDukeがOhio Stateに惨敗しています。Dukeは昨年優勝したときのエース級を複数名維持。対するOhio Stateは今季がBig Tenカンファレンスとしてはラクロスを正式種目とする初年度。それが最終スコア16-11で快勝。途中追いすがるDukeを叩きのめす3連続ゴールなどでスコア以上の快勝だったと思います。

他にもBig Ten所属ではJohns Hopkinsが現時点で19-6とACCの強豪Virginiaを圧倒リード中。Johns HopkinsはラクロスのみがDiv-Iスポーツで、それが今回BIg Tenに参加しています。もう一校のBig Tenからのトーナメント参加校Marylandも一回戦突破。次週の八強戦に新参Big Tenから三校登場ということになります。  

Big Tenはカンファレンスとしては一年目でもJohns Hopkinsはラクロスの世界では強豪ですし、Maryland, Ohio Stateにしても別のカンファレンス所属として過去の戦歴はあるわけで創部いきなり勝っているとかそういう話ではないんですが、それにしてもDuke、Virginia(共にACC所属)というカレッジラクロスの強豪校をそれぞれ完勝で葬っての一回戦突破はカレッジラクロスの地図をいきなり大きく書き換える快挙と言えるでしょう。Ohio Stateなんかは昨年はNCAAトーナメントに進めなかったのですし、今季のNCAAトーナメントのシード順でもACC校の方が明確に優遇されていて、Johns HopkinsもOhio Stateもノーシードで今大会登場しながらシード校を破ってしまったわけでです。

なぜこうなったか。Big Tenでの正式種目化を機に有力高校生のリクルートを活発化させたことや予算増加が効いているのでしょう。元々Big Ten校にはスポーツインフラは整っているわけで、そこにBig Tenのブランド力が加わったということか。

この先どれほどBig Ten校が勝ち進むかにもよりますが、一気に有力リクルート生がBig Ten各校に行くようになるとこれまで伝統的に強かったACC校(カンファレンス再編でACCに移籍してきたSyracuseを含む)とのせめぎ合いが激しくなりそうです。  

またラクロスというスポーツにとっては人口も多いBig Ten圏でラクロスが盛んになるのは大きなメリットでもあります。

ラクロスのNo. 1 x No. 2対決はNotre Dame

現在カレッジスポーツでは冬シーズンの競技のプレーオフ大会が盛ん。先週末にはレスリングの決勝大会があったことを書きました。バスケは言うまでもなく男子のMarch Madenssが現在全アメスポの中心ですが、同時に女子バスケ、アイスホッケーもNCAAトーナメントが進行中です。それと重なりあって春シーズンの競技も既に始まっています。春スポーツの代表的なものは野球、陸上、そしてラクロスでしょう。そのラクロスの現在ランキングNo. 1でラクロスの伝統校であるSyracuseが@No. 2 Notre Dameで対戦した試合がESPNで放送になっていました。これが好試合で楽しみました。結果は二度目の延長戦で地元Notre Dameがゴールデンゴールを決めて13-12で勝利。ラクロス的には満員の3,600人の観衆も大満足の試合だったんじゃないでしょうか。

私が個人的にラクロス観戦に馴れてきたということもあるかと思うので、この試合をちらりと初見の人が見ておもしろいと思えるのかどうかは判断しかねますが、それはともかく新緑のピッチと明るい太陽の日差しの下でのスポーツはやっぱり良いですね。これは毎年のように言いますがMLBの開幕とともに長かったアメリカ大陸の大半の冬が終わるという季節感とともに開幕するMLBとあの球場の緑の芝というのはスポーツ以外の部分で大いに観衆にアピールすると思うのです。それと似た感慨を今日のラクロスの試合を見ていて思いました。一般にアメスポ春夏型のスポーツはTVの視聴率が伸びない傾向が強く、様々言われるところですがそれとは別に動員は悪くない。一種のピクニック需要というものがMLBを始め他の春夏型のスポーツ観戦にはあるんだよなあと改めて思わされます。

たまたまSyracuse@Notre Dame戦の直後にFOX Sports 1でもカレッジラクロスをやっているのに遭遇。今年からはFS1でもラクロスの放送をするんだ?とちょっとびっくりしました。残念だったのはその試合は寒空の試合で芝も全然緑じゃなかったこと。それで改めて上記の試合をなぜ私が気持ちよく観戦できたのかを思いつかされたわけでもあります。カレッジラクロスにはショットクロックがないのでまま試合が停滞する場面もありTV番組として考えた場合まだまだ開発途上という感じもあるのですがESPNやFS1まで参入してくるようだとラクロス観戦に馴れた人もこれから徐々に増えてくるのかもしれません。TV放送していたRutgers@Johns Hopkinsの試合なんかはこれBig Tenの試合として行われています。Big Tenはカンファレンスとして新たにラクロスに参入してきていて、ラクロスの名門であるJohns HopkinsをラクロスのみでBig Tenに迎えてその新参の地位を補強しています。Big Tenはその地理的条件からカレッジベースボールでは弱小の域を出られずこれからもそれは変わらさそう。そうなるとBig Tenではラクロスを春スポーツのメインに据えてくる可能性があります。カレッジスポーツの人気の高いBig Tenがラクロスに力を入れる、そしてそのメンバー校の地元の高校で奨学金狙いでラクロスが普及していく可能性がここにあるわけです。

アメスポ春夏シーズンの終わりの三昧

この時期は新学年の始まりであり夏の終わりです。アメスポで言えばフットボールシーズンの開幕です。アメスポジャンルNo. 2人気のカレッジがNo. 1にNFLに一週間先行して今週木曜から開幕。そのフットボールシーズンの到来前にニッチを狙って運営されている各種マイナープロスポーツがシーズンを終了しようとしています。野外ラクロスMajor League Lacrosse (MLL)は土曜日に南部アトランタ郊外で優勝戦開催しました。MLLの強豪Denver Outlawsが悲願の初のMLL制覇を遂げています。試合を通して劣勢でまた負けるのかーという展開だったのを終盤に一気に追い上げての大逆転勝ちで初優勝。Outlawsは集客の面でもフィールド上の成績でもMLLの最優良チームですが、レギュラーシーズン14戦全勝で臨んだ昨年もリーグ拡張でできて間もないCharlotte Houndsに苦杯を舐めさせられました。チーム創設以来全てのシーズンでプレーオフに進出し、四度も優勝戦にも進出しながらどうしても優勝に届かなかったのが五度目の優勝戦で遂に初制覇となりました。好試合で大変楽しめました。動員は8000人超、MLLの決勝としては史上二位の動員を記録。場所が中立地で出場チームの地元から遠く両チームのファンの動員が多く望めない状況でこれだけのラクロスファンを集めたのは立派でしょう。MLLがここアトランタに新チームを作りたがっているのを大きく後押しする興業になったと思われます。放映はCBS Sports Network。  ちなみにアトランタは大都市圏ながら男子サッカーMLSが参入を決断しきれない都市。女子サッカーでは過去のリーグではチームがあったのですが、現行のNWSLはアトランタを諦めています。そういうところにラクロスが先に入り込めるのかどうか。

その女子サッカーNWSLはこの週末にプレーオフ準決勝を開催。昨年創設年の優勝チームであり、各国のエース級を揃えたPortland ThornsはFC Kansas Cityに完敗で決勝戦進出ならず二連覇失敗。この試合は実によかったです。Kansas Cityの方は前線にAmy RodriguezとLauren Holiday(旧姓Cheney)と米女子代表を二枚揃えています。とは言ってもAbby WambachやAlex Morganといった米代表の顔、さらには若手のSydney LerouxやChristen Press辺りの生きの良いFW陣やCarli Lloyd辺りにすら代表での存在感では下回るRodriguezとHoliday。この二人がクラブでは実に伸び伸びと活躍していて良いです。Holidayの方は昨年NWSL創設年のMVP。代表ではAbbyその他へのお膳立て役が多かったのが自分のチームを得て開花した感じでした。A-Rodの方は昨年は出産で全休、今年から現場復帰なんですが二人とも、そしてチーム全体もよく走ります。ピッチ上は華氏100度(38℃)を超える中、よく走れるなあと感心するぐらい走ります。先制点となったA-Rodのゴールも中盤ピッチの右端からゴール反対側まで一気に斜めに走りきってフリーになってのもの。そこへきれいにスルーパスがつながりました。またチーム全体もパスがつながって後ろからのビルドアップも何度も見られたりチームとしてこなれてるなあという感想。スター軍団のPortlandをチーム力で蹴散らした形に。酷暑の中、前後半とも給水タイムがとられていましたが、ちょっとやそっと休んでも暑いだろコレという状態でも他の場面でも手を抜かない。立派です。プロ根性あるなと。決勝は次週。ESPN2での放送でのなかなかの好試合。どれぐらいのスポーツファンにアピールできたでしょうか。  

女子バスケのWNBAは通常年は10月までプレーオフが続いて、男子NBAの開幕直前まで試合があるんですが、今年は女子バスケ世界選手権があるそうでそれに合わせて早めのスケジュール消化でいまプレーオフたけなわです。シーズンは短いのですが試合数は例年と同じ。

以前に紹介したLFLランジェリーフットボールは経営の混乱があり米国内のリーグ戦はほぼ崩壊状態です(話すと長くなるので省略)。  

アメスポ最強フットボールシーズン前に手じまいするこれらのニッチプロスポーツとは別にNASCARやゴルフはフットボール開幕後もシーズンを継続します。アメスポ最激戦の時期でも興業を維持できる故にゴルフやNASCARは準メジャーと認識されるという面があると思います。男子サッカーMLSもその準メジャー型のシーズン構成。週一のESPN系での定時放送は次週はカレッジフットボール開幕週の煽りで一試合も放送がないなどTV放映は報道での扱いは大きく低下しますが、地歩を固めています。扱い低下する直前となる今週末はMLSの最大のライバル対決であるSeattle Sounders@Portland TimbersがESPN2で放映。これも良い試合で見て大満足。現在西でトップ争いのただ中であるSeattleは米代表エースClint Dempseyとナイジェリア代表Obafemi Martinsの二人が見事にかみ合って今季はゴールを量産していますが、この日もこの二人の息がぴったり合っての好機多数。そして必殺カウンターではSoundersは4人も5人もフルスピードで自軍ゴール前から相手ゴールまで殺到するなどでエンタメ度の高いサッカー。アウェイでライバルPortlandを4-2で叩きのめしての快勝。Timbersも敗戦濃厚な中でも奮戦して意地のゴールが出るなど好試合でした。MartinsはMLSにとっては大変な拾い物になった好選手ですね。Dempseyとの息の合方は出色です。MLSプレーオフの時期はフットボールシーズンたけなわの上にNHL、NBA、カレッジバスケと次々と強力コンテンツがシーズン開始してくる時期でMLSを見ているのはマニアだけになるでしょうが、それでもSeattleが今年どこまでやれるのかは楽しみです。ということは私はマニアなんでしょうか。

ラクロス世界選手権終了 カナダが常勝地元米代表を下して優勝

ラクロス世界選手権デンバー大会が土曜日の決勝戦を最後に終了しました。優勝はカナダ。序盤から時間を使い米国のポゼションを減らし点の取り合いになることを避けたカナダの戦術でロースコアリングゲームに引きずり込み前半3-1とリード。第3Qにさらにスパートしてリードを広げ、第4Qに米代表の意地の3連続ゴールでの追い上げがありましたが時既に遅くカナダの逃げ切り、最終スコア8-5。カナダが三度目の優勝となりました。カナダの時間つぶし戦術に会場からブーイングが湧く展開。プロのMLLではショットクロックが採用されていますが、この世界選手権ルールではショットクロックがない。ルール内ではあるものの第3Qから早くも時間つぶししまくりというのは観戦スポーツとして欠陥と言えるところ。近々大学ラクロスもルール変更でショットクロック採用が議題に上っているそうで、過去のアマチュア的な状況から見て貰うことを考える位置に上がってきたラクロスのさらなる浮上のためには国際ルールでもなんらかのショット強制は必要になるのでしょう。その昔、マイナースポーツ時代のバスケットボールもショットクロックがなく、一旦十分なリードをしてしまうと勝っている方は今日のラクロスの試合のようにポゼッションキープということをしていたと聞いています。それをそのまま放置していたらいまのバスケットボールの隆盛も世界への広がりもなかったことでしょう。ラクロスもバスケが通った道に何十年遅れでやっとたどり着いたところということか。

決勝戦以外ではイロコイ代表がオーストラリアを16-5と大差で破って初の3位獲得。イロコイの勃興はラクロスならではの色合いを添える(ちなみにイロコイのテーマカラーは薄紫)なかなかに魅力的な活躍ぶりでした。6位に入ったスコットランドは過去最高成績。7位となったイスラエルは初出場で好成績。同国代表がどういう選手選抜になっているか知らないですが、イスラエルが強いスポーツって他にありましたっけ?日本代表は躍進したスコットランドとイスラエルに敗れて8位に後退。次回2018年英国大会の形式次第ですがトップカテゴリから外される可能性のある成績に終わりました。スコットランド、イングランド、オーストラリアとはそれぞれ延長戦にもつれての1点差の試合を展開、力量差は小さい中、最終結果は残念な順位になってしまったという感じです。

下位グループリーグから勝ち上がったスコットランドの上位への食い込みは次回大会の運営にとってはちょっとした朗報か。次回ホスト国イングランドとともに隣国スコットランドがトップグループリーグで戦うことはほぼ確定的でしょう。アメリカでもまだまだマイナースポーツであるラクロスが英国でどれほど人目に触れているのかまったく想像もつきませんが、次回イングランド大会ではホストイングランドとともに準ホスト国のスコットランドも代表をトップグループに送り込めることになります。

ひとつ気になったのはESPN.comのラクロスのポータルページでの今回大会の報道が地味というか、まったく力が入っていなかった事です。今日の決勝戦があっても同ページのトップ記事はプロリーグMLLの試合結果を載せています。今大会中ずっとこんな具合で文字だけの一行リンクが世界選手権の結果報道につながっているだけでした。同系列のESPNUが今大会はかなりの試合数を放映したのになぜかESPN.comは同大会にまったく冷たいというよく事情の掴めない取り扱い方の齟齬になっています。せっかくおもしろかった大会だったのに、残念な盛り上げ不足です。四年に一度しかない機会なのに。まあメジャースポーツを網羅するスポーツ放送の一大総合商社であるESPNにとってはラクロスが取るに足らないジャンルであるのは十分承知しているものの、せっかく今年になってESPN.comにラクロス専用ポータルのページを作ったんだから、地元開催の世界選手権ぐらいちゃんとフォローしてくれても良かったように思います。

ラクロス世界選手権の大会方式にみるマイナースポーツの普及活動

個人的にプチ盛り上がっているラクロス世界選手権デンバー大会は準決勝を終え、あと二日を残すのみ。三位決定戦と決勝だけでなく、順位戦もまだ多く残っており上位国だけでなくほとんどの参加チームがまだ試合を残しています。日本代表はスコットランドに延長戦で敗れて7位決定戦に回ってイスラエルとの対戦が最終戦に。スコットランド、イスラエルとも今大会は過去の成績を大きく上回りイロコイやオーストラリアという3位を目指すチームを脅かす試合を展開。日本代表は次回大会で最上位ディビジョンから転落する(今大会と同じ形式なら)ことになるのか。米加に迫るチームはそう簡単には出てこないでしょうが、その下の3位争いのできるチームはこれから激戦になっていきそうです。日本代表にとっては次の四年間は踏ん張り所か。

この大会に私が惹かれるきっかけになったのは四年前の前回英国大会の決勝戦の放送を見たからです。それが気になっていたところに、その後プロラクロスのMLLの試合放送が急に増えたこともあって試合を見る機会が増えました。見慣れてくると徐々に見やすくなってくる。ときどき当ブログにもラクロスネタを書いていると意外にも反響があり続けて見ていくことになり、四年後の今、楽しくデンバー大会を見ているというわけです。このようにしてファン層というのは広がっていくものなんですね。前回大会は決勝のみ放映だったのが今回は放映試合も多く、私がハマったようにふーんラクロスもおもしろいかも?と思った人が今大会でも人知れず増えたことでしょう。今大会は米国での開催ということもありESPNUが放映に手数をかけてくれましたが2018年次回大会はまたイングランドでの開催。どういう放映態勢になるのか。

それはともかく表題の件です。マイナースポーツの世界大会の順位戦というのはなかなか良いものだなと思ったという話をしてみたいと思います。これはラクロスに限らず、セブンスラグビーなどでも採用されている大会形式です。女子サッカーのAlgarve杯もそういう機能をもっていますし、少年野球のLittle League World Seriesも少し形式は違いますが既に敗戦したチームに追加の試合の機会が与えられています。

スポーツの世界大会が世界一のチームを決めるという単一目的で開催される場合、次々と敗れたチームは大会を去ることになります。いわば弱者排除型です。私もそれが普通だと思っていました。が、順位戦を多く組むというやり方をすることで世界大会が世界一決定戦として以外に、下位のチームに多くの強化試合の機会を提供するという機能を持つことになっているわけです。弱者への機会提供型とでも言いましょうか。ラクロスの場合は特にトップチームとその他のチームの力の差が極端に大きく、まともに総当たりのような事をすると虐殺試合が多発してスポーツの普及どころか負けた方の競技への意欲を失わせるマイナスの機会となってしまうわけです。その点を鑑みて現実的に勝負にならないレベルの違うチームは別枠に入れて、下位チーム同士は優勝と関係ないところで切磋琢磨してください、という運営形式にしたのがこの順位戦型の世界大会です。マイナースポーツであるため各国代表は予算も少ないし国際試合を組む機会もめったにない。その事情をカバーするためにせっかく皆が集まる大会を排除型ではなく機会提供型にしたというわけですね。機会提供型にすることで大会への参加国枠も増やすことができるようになっています。今大会は過去最多の38カ国の代表が参加。アフリカから初の参加となるウガンダ代表が元気と思い切りの良いプレーぶりで現地での人気者チームとなっているそうです。ウガンダ代表というとLittle League World Seriesにやってきた少年野球団のことを思い出します。あの子達もとにかく明るいのがとても良かったのですが、今回のウガンダ・ラクロス代表もやたらと明るい選手達で、明るさと積極性というのは人をひきたてる魅力だなあと思わされますし、全く違う野球とラクロスチームでどちらもこれだけ明るい選手たちがやってくるのだからウガンダという未知の国への好感も増します。

話を元に戻して世界大会の運営方式としての順位戦があるゆえに最下位に近い国の対戦も続いており、ウガンダ代表も昨日初勝利をあげ、明日33位決定戦に臨むようです。こういう形の世界大会なら参加各国が楽しめるし同じレベルのチームと戦って競技の魅力に触れられる。同時に強いチーム同士の試合も隣のグラウンドでやっているからそれを見て、ああこうやるのかという発見もできる。参加国が大会の最後まで一緒にいられるのも良いじゃないですか。どのスポーツが最初にこの手の世界大会の運営方式を編み出したのか知りませんがラクロスの現状に合ったとても良い形式だと言えると思います。

ラクロス世界選手権 Denver大会

ESPNUとESPN3.comでラクロスの世界選手権が今週から放送されています。米国対日本、イロコイ対カナダを観戦。前者は米国の圧勝でしたが、後者は最後19秒で決勝ゴールが決まる熱戦でこれはとても楽しめました。TV放映にはなっていない(ESPN3.comのみ)ですが日本代表はイングランドに延長戦の末勝利、オーストラリアを相手に二度の延長戦の末13-14で敗れると奮戦している模様です。オーストラリア対イングランドも接戦で勝負が決まっており、今回は日豪英三カ国は力が拮抗しているようです。

ラクロスの世界選手権については四年前には決勝のみ見ています。歴史的にはアメリカとカナダが頭抜けているという構図で米国が優勝9回カナダが2回でこの両国からしか優勝国はなく、その下にオーストラリアが3位常連で、この三カ国で常に上位を占めます。そういうオーストラリアを相手に日本代表が延長戦を戦い抜くだけ力が接近したというのはラクロスの世界では大きな変動と言えるんだろうと思います。日本は四年前は4位と過去最高の成績を残しています(イロコイ代表の入国トラブルからの不参加という理由もありましたが)。

今大会のここまでの最大のニュースはイロコイ代表が若い好選手を擁して一気に3位常連のオーストラリアを押しのけて米加二大勢力の次の位置に入ってきたことでしょう。イロコイというのはアメリカ先住民の部族連合であるイロコイ連邦(連邦という訳が適切かどうか自信ナシ)のチームです。ラクロスはその起源を欧州人入植前のアメリカ先住民の競技に持つというルーツがあり、その関係から先住民部族連合に独立した代表チームを組織することを認めているのです。地域としてはカナダ・オンタリオ州とアメリカ側ニューヨーク州に跨る地域。

今回のイロコイ代表の中心選手はAlbany大を今季ラクロスのNCAAトーナメントで大躍進させ、1シーズンの得点記録を塗り替えたThompson兄弟。特にLyle Thompsonの方はNCAAトーナメントでも変幻自在のショットの連続で盛り上げてくれた選手です。イロコイ代表はカナダ戦で最終クォーターまで5点差をつけられていたのを一気に盛り返して8-8。その後も攻め続けたのですが、最後にとられた反則が痛く、カナダの逆襲を許して試合終了19秒前に決勝ゴールが決まってイロコイ代表は対カナダの史上初勝利を逃しています。私も、そして現場の観衆もアップセット期待でイロコイ応援(たぶん日本代表の選手もユニフォーム姿で応援していたような)が大いに盛り上がり、うーん国際試合+ジャイアントキリングは盛り上がるなあ、見て良かったと思いました。上に述べたようにイロコイ代表は若手を中心に選手を組んでおり、そのスタミナの差がこの試合の後半の猛烈な追い上げにつながった可能性があります。トーナメントの仕組みが上位2チームに一日休みが与えられる有利な仕組みなのですが、それでも若さとスタミナに勝るイロコイ、そして空気の薄い高地であるDenverでの大会。イロコイ対カナダの準決勝での再戦が楽しみです。

次にマイナーから浮上するのは 独立記念日バージョン

サッカーの方は米代表が敗退したことで一段落。個人的には今日二試合目のコスタリカをCONCACAFつながりで応援しようかなと思ってます。コスタリカには旅で行ったこともあり親近感があります。良いところです。首都San Joseのパブリックビューイング会場として写る場所は私が旅行当時にうろついていたところだと見ていてすぐにわかったので、おおあそこじゃん!と無関係に盛り上がりました。まあそれを言い始めるとアルゼンチンにも行ったことがあるわけですが、まあアルゼンチンは私なんかが応援しなくても十分強いですし。


昨日7月4日はアメリカ独立記念日。独立記念日のアメスポ恒例といえば正午のホットドッグ早食い競争と決まっています。今年はESPNEWSでの生放送と扱いが後退しました。ESPN本局ではウィンブルドンテニス男子準決勝を、系列ナンバー2であるESPN2ではサッカーW杯ドイツ x フランス戦をやっていたのでホットドッグは普段はニュース番組を24時間やっているESPNEWSでの生中継と格下げになってしまいました。同じチャンピオン=Joey Chestnutが今年も勝って八連覇、さすがに飽きられた面があるのかな?そしてサッカーが終わったあとのESPN2で午後2時から時間をずらせてホットドッグコンテストの再放送がされました。ESPNEWSだと配信家庭数が限られますからESPN2での再放送が必要だったのでしょう。

ホットドッグの格下げはともかく、ドイツ x フランス戦がESPN2送りになったのはどうでしょう。確認したわけではないですが今回のブラジルW杯は全試合生中継で地上波ABCまたはESPNでここまで放送していた(同時開始のグループリーグ最終戦以外)と思うんですが、たぶん初めてESPN2行き。テニス放送との兼ね合いで道を譲ったことに。


ホットドッグほどにはまだ一般には知られていませんが独立記念日の恒例試合というと野外ラクロスのプロリーグMLLが毎年独立記念日に@Denverで試合を開催。花火大会とセットではありますが毎年のように同リーグの動員記録を更新するのがこの試合です。ラクロス世界選手権が同市で来週から開催になることもあって相乗効果での動員記録の大幅更新も期待されたのですが、結果としては今年は3万人に僅かに届かない動員で動員記録更新ならず、MLL史上三番目に多い動員試合となりました。相乗効果よりは世界選手権の方にチケットを買った人が来なかった共食い効果なんてこともあったのかも知れません。試合の方はMLLの強豪である地元Denver Outlawsがこの日はなぜか見るからに冴えず、二年ぶりにホームでの敗戦を喫しています。一緒に見ていたアメリカ人から「あまりおもしろくないな」とダメ出しを喰って試合途中でチャンネル離脱。いまは各家庭に大型スクリーンTVが普及したわけですがそれでも一般にはまだまだ見にくいという評価になりがちなようです。相手の裏をかいた好ゴールがいくつかあって私は割と楽しんでいたんですが。

同時刻には国内サッカーMLSの試合が何試合か中継中。New York Red Bulls@Houston Dynamo戦をしばし観戦。W杯で早々に敗退したオーストラリア代表FW Tim CahillはすでにRed Bullsに復帰済みで元気そうな動きをしていました。米代表の面々は来週からMLS各チームに順次復帰予定。W杯で連日熱戦を見ているその流れでこうやってMLSの試合を見ると…うーんというプレーがどうしても多いです。特に中盤1/3のプレー。W杯の勢いをMLS動員・人気に取り込みたくて海外で活躍中だった米代表メンバーをMLSに移籍させたのが最近の移籍市場でのMLSの戦略だったわけですが、実際のプレーが素人目にも差がこれほどあるとどれほど効果があがるものか。

おもしろいなと思ったのはMLS放送の合間のコマーシャルで秋から始まるEPL放送の宣伝をしていたところ。EPL Everton所属の米代表GK Tim Howardのファインセーブを次々と見せて「こんなゴールセーブを見るのに四年に一度待つ必要はありません!EPL!」という決めぜりふ。なるほど。先日の米代表のベルギー戦でのHowardの活躍を早速番宣に利用しているわけですね。この秋はEvertonの試合放送を増やすんでしょうか?

MLLラクロス、MLSサッカーとどうもどちらも同伴者を退屈させてしまったようで、曰く「マイナースポーツだったらこの前のラグビーの方がおもしろかったなぁ」とのこと。この前の試合というのはPacific Nations Cupの第三戦=15人制ラグビー米代表 x カナダ代表の試合のこと。38-35で最後粘るカナダを自軍ゴール前で押しとどめてギリギリ逃げ切った試合で、これが絶妙なさじ加減でミスや得点が発生する好ゲーム。ラグビーは強いチーム同士できっちりプレーされてあまりにもミスがないと膠着して退屈な試合になってしまうことがままありますが、この試合は適度な山あり谷ありの見ていて実におもしろい試合で、たまたまこれを見た我が同伴者はラッキーと言えます。現時点でのアメリカ国内での力関係はサッカー・ラクロス・ラグビーの順でラグビーは大きく劣るわけですが、ラグビーの方がTVでは迫力を出しやすい面もあり、コンタクトスポーツを好むアメリカスポーツファン気質も考えるとラグビーがフットボールのオフシーズンにうまく嵌って伸びる可能性が否定しきれません。まあ夏場にラグビーってのもやる方はつらいかもしれませんが。

Dukeラクロス連覇に向けて好調 動員政策には異論噴出中

カレッジラクロス準決勝が開催。毎年準決勝決勝の二日間は東部各地のNFLスタジアムで試合が行われ、今年はNFL Baltimore RavensのホームM&T Bank Stadiumでの開催。

試合の方は昨季のチャンピオンであるNo. 1シードDuke Blue Devilsが15-12でラクロス界の西の雄=Denver Pionnersを振り切って二年連続の決勝へ駒を進めました。一時点では大差だったのをDukeの反則連発を突いて盛り返したDenverが1点差まで詰め寄った辺りはかなり盛り上がりましたが、態勢を立て直したDukeが貫禄の終盤の戦いで快勝です。月曜日=祝日の決勝は同じACC所属のNotre Dameと。

先日コメント欄で教えてもらったフェイスオフのスペシャリストのことなんですが、Dukeの背番号3 Brendan Fowlerという重心の低い選手。フットボールとレスリングをラクロスとともにやってきた選手なんだそうです。フットボールは秋スポーツ、レスリングは冬スポーツですね。そしてラクロスは春スポーツという組合せで育った選手。一般的には冬スポーツの花形はバスケットボールなんですが、背の面で大成できそうかの可不可がかなりの部分が決まってしまいます。レスリングは強い州とそうでない州はかなり差がある(例えば地味な大陸中央部のアイオワ州はレスリング熱が異様に高い、総じて東海岸はレスリングが弱く人気も低い)のですが、冬スポーツの二番手はレスリングという州も多いはずです。ラクロスのフェイスオフでのあの低い体勢での対峙しての押し合いとレスリングは共通する点は確かにありそうです。このFowlerはフェイスオフだけでなくディフェンスでも試合に出ていたので完全なフェイスオフ専門ではないようです。試合の解説を聞いているとDukeのGKは野球のピッチャー出身者だったり、やはり運動能力の高い選手で若い頃からラクロス専門というという選手は少ないのかなという印象です。

放送内容なんですがSkyCamに類似(そのもの?違う名称をアナウンサーが使っていたような)のフィールド中空のカメラからの画像も交えて番組作りは健闘していたと思います。たぶん10台以上カメラがあったはず。ESPN2での中継でした。同じ時間帯の本局ESPNはソフトボールのSuper Regionalの試合中継。サッカーのUEFA Champions League決勝(地上波FOX)とは一部Duke x Denverの試合は重なっていました。(CLは当ブログの守備範囲外なので触れませんがおおおおおぅという試合になりましたね)

今年の視聴率はまた次週出てくるでしょうが2013年は前年比較で27%の視聴率アップと好調だったようです。アメリカの視聴率傾向としては春の日を野外で楽しむことの多いこの時期の昼間のスポーツ番組は基本的に低視聴率で、NBAもNHLもそれを避けてプレーオフの試合放映は週末でも夜です。そういう好枠とは言えない時間帯での昼間の放送となるカレッジラクロスなので絶対値としての数字は大したことはないですが上昇基調は確保しているのはラクロスという上昇機運のスポーツにとっては良いこと。

ただし動員の方は漸減中。数年前は意外なぐらいの観客動員(二日間の興業でピークの2008年に12万人超、その後も10万人超を三年連続記録)をしていたものですが、その後は動員はチケット価格の上昇などもあって低下傾向。この日も上部デッキは完全に空。スタジアム下部はほぼ埋まっていたのでスタジアムの収容(71,000人)から推し量って35,000人強といったところか。一時期のピークの試合当たり6万人規模からはかなり下がったのをどう考えるか、というのはラクロス陣営のサイトでは活発に討議されています。私のような傍観者スポーツファンからするとマイナースポーツのラクロスなんだから下がったとは言え35,000なら上出来、数年前の6万というのが出来過ぎだったんじゃないの?という気がしますがどうなんでしょうね。例えば比較でラクロスと同じアメスポミッドメジャーと言えるサッカーのNCAA準決勝・決勝は通称College Cupとして同様に中一日の週末三日間(興業日は二日間)のスケジュールで開催されていますが例年動員は試合日当たり1万人も入れば大成功。昨年は決勝でも5,000人強の動員にとどまっています。それと比べればピークで6万人、昨今の3.5〜4万人規模では少なすぎるという議論は随分レベルの高い話ということがわかります。

ラクロスに関心のない一般スポーツファンの目にラクロスが最も触れる試合となるこのNCAAトーナメントの準決勝・決勝は満員のスタジアムでやるからディスプレイ効果が上がるのだ、マイナースポーツだからこそメジャーさをアピールできるときにはしておくべきだという意見がある。関連して12万枚を売った数年前に味をしめてチケットの大幅値上げに走った経営判断が動員連続低下を招いているという批判も出ています。プレー人口が現在進行形で大きく拡大中のラクロス。この時期の経営舵取りは将来のこのスポーツの発展に大きく関わるわけで、アメスポ業界の新勢力としてラクロスがどれぐらい伸びていくかはこれからも興味を持ってみていきたいと思っています。

やっぱりコンタクトスポーツではでかい方が得なのか

ラクロスのNCAAトーナメント二回戦=準々決勝が土日に開催。日曜には二回戦の最大の好カードと個人的に見込んでいたNo. 1シードDuke対ラクロスの伝統校Johns Hopkinsの一戦を観戦。ESPNUで放映。得点経過だけだとDukeが終始3点以上のリードを保って、最終スコアは19-11で勝利。試合内容の方はJohns Hopkinsが何度も離されかかりながらも盛り返して最終第4Qまで試合を分からないものにしてくれましたが、勝負所でDukeがスパート、連続ゴールで勝負を決めました。激しい当たり合いが多く、第2Q終盤の一撃などはきっと今夜のSports CenterのTop 10に選ばれるのではないかという豪快なクロスチェックでした。これでDukeのシューターは吹っ飛ばされて立ち上がれずロッカールーム送りに。ルール上はこれがOKなんですねえ。相手選手の前面から胸に向けてのスティックの両手クロスチェックはOKとの解説付き。ここまできれいに決まったノックアウトクロスチェックは初めて見ました。やられた選手には気の毒ですがラクロスの宣伝にはもってこいの映像になってしまったような。

さて表題の件です。全米ランクNo. 1にして昨季のチャンピオンでもあるDukeは全体的にでかい。Man-to-manディフェンスで並ぶとほとんどのポジションでDukeの方が大きい。Johns Hopkinsもラクロスの世界では名門でそれなりに良い選手をリクルートしているはずなのに、です。そしてDukeの15番Myles Jonesは現状のカレッジラクロス界では桁外れにでかいです。公称198cm 109kg。現在二年生。高校時代はバスケ及びフットボールでも活躍。但しバスケとフットボールでは有力校からは声がかからず(中堅校ならバスケ奨学金オファーはあったそう)ラクロスに注力することになった選手とか。ただでかいだけでなくスピードもある。運動能力も目に付きます。そしてこの選手をJohns Hopkinsが1-on-1では止められずどうしてもダブルチーム(時にはトリプルチーム)に行かざるをえない。その結果空いたインサイドのディフェンスを突いてDuke加点。以前に経験者の方に教えていただいた通りでバスケのそれと似たミスマッチを作り出してディフェンスを崩すというのが基本戦術ですがこのMylesにボールを持ち込まれると誰が付いていてもミスマッチなのですから苦しいです。またフェイスオフの選手も明かにDukeの方が体格が良く序盤Dukeが圧倒。その後はJohns Hopkinsの方も工夫してフェイスオフでは何度もポゼッションを奪っていましたし、試合全体としても健闘して試合にしたのですからJohns Hopkinsは賞賛されるべき試合ぶり。ただDukeの体格に裏打ちされた強さは否定し難いことのようです。シーズン中は見ていませんがTV解説によればACCでのシーズン中もDukeは多くの試合を圧勝してきたらしいです。

ここで先週やっていた体格の話とつなげます。リンク先の記事の末尾で「ただサッカーとラクロスはもしそれがメジャースポーツになっていくとサイズがある選手が参入してきて大型化しそうな種目でもありますね」と書いたんですが既にそれがDukeのラクロスチームでは現実化していたようです。これだけはっきりMyles Jonesがサイズとスピードで圧倒できるのが誰にでも見える形なのです。現状はラクロスのプロが儲かる職業ではないのでまだ雪崩を打って最優秀アスリートがラクロスに参入してくるとは思えませんが、バスケやフットボールで奨学金に届かない(しかし十分にサイズと運動能力の高い)選手が他のスポーツに目を向ける場合にラクロスは候補の一つになりうることになるでしょう。特にバスケ(冬シーズン)とフットボール(秋シーズン)を両方やるような学校の最優秀大型アスリートたちにとっては三つ目のスポーツは春スポーツから選ぶことになるわけです。全ての州で同じパターンかは確認していませんが基本的に春スポーツの代表格は野球・ソフトボールのはず。そこへラクロスが同じ春スポーツで、いま全米各地で人気・参加を伸ばしている。春スポーツは最優秀高校生アスリートを得るのに有利なシーズンだと言えます。例えばサッカーは高校・大学では秋スポーツなのでフットボールを選ぶ子はシーズンの重なるサッカーと掛け持ちはできません。それがラクロスならできるのです。よってラクロス選手の大型化や優良素材の流入はラクロス人気の上昇とともに一気に加速する可能性があります。サッカーでは起きなかったことがラクロスでは起きうるということになります。

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