アメリカスポーツ三昧

アメリカ永住コースか、または第三国に出国か!?スリルとサスペンスの人生とは別にアメスポは楽しい。

Lacrosse

Belichickは両刀

NFL New England Patriotsの名将Bill Belichickが学生時代にラクロスもプレーしていたという話は過去に当ブログでも何度か書いています。今週末からカレッジラクロスのNCAAトーナメント(18校出場)が始まっており、それに合わせてラクロスメディアがBelichickのインタビューを公開、試合中継中に宣伝をしていました。YouTubeで見られます。なにがおもしろいと言って、フットボールの話をするときとはまるで違う笑顔が素敵というところがすごい。話を聞いていてもラクロス、好きなんだねえというのがひしひしと感じられました。Belichickの子供さんたちもラクロスをプレーして育ったという話をしていました。Clevelandに住んでいた頃はプレー環境は良くなかったけれどNew England、New Yorkとラクロスの盛んな東海岸に移住してからは子供達の環境もアップしていったという話なんかもしてくれました。

ビデオの後半には実際にキャッチボールをしながらの場面があるんですけれど、おもしろいのは右利きなのか左利きなのかBelichickは誰にも明かしたことがない、と言ってキャッチボールも右左両方でさらりとこなしていたのです。「たぶんうちの子供たちも自分がどっちが利き手か知らない」と言うほどで、それが現役時代のBelichickの武器だったとか。お歳になった今でもインタビュワーに利き腕を何度も訊ねられても口を割らないという徹底ぶり。その辺の裏をかくという考え方、普段から、そして長い時間をかけてその裏をかく準備の周到さなんかはPatriotsでのプレーコールに通じるものがあるかななんて思いました。


NCAAトーナメントの一回戦も好試合が続いていて楽しんでます。Dukeの大型フォワードMyles Jonesを見事に封じたMaryland-Loyolaの好ディフェンスが光った一戦はカレッジラクロスのレベルがここ数年で一気に高まっているのかなということを感じさせる試合でした。Jonesについては二年前にも少し書いています。これでJonesはカレッジでのプレーを終えてプロリーグMLLに加入していくんでしょう。


Belichickのインタビューの話に戻りますが、現行のラクロスのルールをひとつ変えられるとしたら何を変えたいですかという問いに、攻守両方に参加できるミッドフィールダーをルール上でもっと許して攻守分断を弛めたらどうかという話をしていました。

カレッジラクロス戦国時代到来か

男子カレッジラクロスで昨年の全米チャンピオンだったDenver Pioneersが所属のBig Eastトーナメント決勝で敗戦しています。相手はMarquette Golden Eagles。このBig East決勝戦@DenverをFOX Sports 2が放送していました。少し前に当ブログでも書きましたが今シーズンは多数のスポーツ専門局がカレッジラクロスの放送を積極的に展開しています。この試合、地元開催となった王者Denverが前半リード。それが後半に入ってMarquetteが怒濤の6連続ゴールで逆転。第4Qに入って激しい争いとなりましたが最後は1点差を追うDenverの攻撃を振り切ってMarquetteのBig East初優勝。DenverはBig East加入以来3年目でBig Eastの学校に敗戦するのは初。この両校はともにNCAAトーナメントに進出することが決まっています。試合自体は激戦。前半に今季全勝・昨季王者で地元のDenverが4点差で折り返したときはこのままあっさりDenverかなと思ったのがMarquetteがフェイスオフで主導権を握って連続で得点を重ねたところの迫力はなかなかにエキサイティングでした。

Big Eastカンファレンスがラクロスを正式種目としたのは2014年からで今季が3年目。Big Eastカンファレンス自体がフットボールの都合で完全に分裂したのが2010年。その後は名称は昔ながらのBig Eastですが、現在はカソリック校10校(フル所属)を集めた小規模カンファレンスになっています。フットボールはFBSから消え、バスケでもその存在感を大きく減退させたBig East。その後のカレッジスポーツ界での生き残り策の一環としてラクロスの採用が進んだということのようです。但しBig Eastの所属校でラクロスを持つ学校は5校しかなく、外部のラクロス有力校だったDenverを招いて6校制としてスタートしたのが2014年。Big East新王者となったMarquetteが創部したのが5シーズン前。初優勝したチーム内にも5年目のシニアも数名残っており、まったくの新興チーム。つまりはカンファレンスもできたて、Denver以外は歴史のあるチームもないというのがBig Eastラクロスということです。それが中西部ウィスコンシン州ミルウォーキー市の新興Marquetteがカレッジラクロスの西の雄=Denverを下してNCAAトーナメントに登場するわけです。

ラクロスは伝統的にアメリカの東部で人気です。そのひとつの現れとしてカレッジラクロスの全米分布について過去に書いたことがあります。当時掲げた分布図で見ると明らかですが、西に大きく飛び地となったDenverを除くと、カレッジラクロスのDiv-I校のテリトリーの西の果てはインディアナ州のNotre Domeでした。それが新興でつい最近になってDiv-Iに昇格したMarquetteが単にラクロスのテリトリーを広げただけでなく、全米チャンピオンを堂々破ってカレッジラクロスの勢力図を中西部に持ち込んだことに意義があります。カレッジスポーツの最大カンファレンスであるBig Tenが昨季からラクロスを正式種目としたのと併せて、東部に極端に偏っていたラクロスがいよいよカレッジスポーツの一大根拠地である中西部に実力校を持つに至ったというのはラクロスが全米規模のスポーツに展開していく過程として大きな一歩なんだろうと思います。

春スポーツでラクロスが攻勢に

カレッジスポーツでは現在冬シーズンのバスケットボール、アイスホッケーがシーズンのフィナーレを迎えています。バスケのFinal Four、ホッケーのFrozen Four、と最終局面に向かうところ。その裏で春スポーツである野球、ラクロス、男子バレーボールなどがシーズン前半を戦っているところでもあります。

先週バスケのMarch Madnessの熱戦があった週末の昼間にラクロスの試合の放送を見ていました。No. 3 Syracuse@No. 5 DukeというACCの試合。ラクロスの世界では両チームともに名門と言えます。試合は双方のガッツを感じさせる大激戦でかなり楽しめました。その日の前後の時間帯や、その前週もカレッジラクロスの試合が多数放送されていて、え、最近はこんなにたくさん放送するんだ、という感じでした。

春スポーツというとアメスポ・学校スポーツの伝統的な流れでは野球だったわけです。秋はフットボール、冬はバスケ、春は野球というローテがある種の王道。もちろん自由主義のアメリカですから個々の興味と体格と才能に合わせて自由に選んで秋にサッカー、冬にレスリングなりホッケー、春にテニスや陸上をやる人も多くいるわけですが、ことステレオタイプな王道パターンはいわゆるプロの三大スポーツとマッチしたその三種目だったのです。その春スポーツでどうもTV放送の予定を見ているとスポーツ専門局は野球からラクロスに大きくシフトしているように見える。これはけっこうな新味であろうかと思います。

各種データからアメリカの子供達が「やるスポーツ」としての野球を選ぶことが減っている(それでもまだ上位ですが)という点は過去に何度も指摘されているところ。では何にシフトしているかというと学校スポーツの春シーズンに限定するとどうも現時点でのその答はラクロスになりそうなのです。他にもサッカーやラグビーという解答もありうるのですが、「見るスポーツ」としての当面の解答としてはスポーツ専門各局はラクロスを選んでみたようです。

以前から指摘しているとおり「待たせるエンタメ」である野球は、我慢強くなくなった21世紀の視聴者にとっては少々問題のあるコンテンツになってきている可能性がある。カレッジであればCollege World Seriesやその前段であるNCAAトーナメント序盤はESPN系列がしっかりと囲い込んで放送してまずまずの視聴率を確保するものの、そうではないレギュラーシーズンの試合は視聴者が待ってくれない。今回、ラクロス放送の攻勢に置き換えられた状態のように見えるのもその文脈上の変化のように思えます。各カンファレンスやTexasは独自の専門局を持っておりそちらでは野球やソフトボールは放送されているのでカレッジベースボールを積極的に見たいという人が見ることのできる試合数はそこそこあるのですが、一般的なスポーツ放送のESPN系などでの放送ではラクロスが優勢になったのかもということです。

ジャンルとしてはまだまだ一般への馴染みはラクロスは野球に大きく劣る現状においては、一般のスポーツファンがたまたまラクロスの試合の放送にぶつかるという機会はラクロスにとっては最良のものでありましょう。まだまだ小さな変化ですが、今季のカレッジラクロスの露出がどういう視聴率を記録していくのか、また将来にどうつながっていくのか興味があるところではあります。

ラクロスMLLは拡張主義に耐えうるのか

前項でサッカーMLSがMLBを始めとするメジャー興業との競合になったときに耐えうるのかという話をしてみました。MLSに関しては興業実力はまだまだメジャーとは言えないものの、創設20年を経てビジネスの足腰は強くなりこの5年ほどはもはや潰れることは心配のないところまで来ています。初期の赤字続きの時期からすれば長足の進歩です。発足当初のスロー成長に賭けた戦略がうまくいったと評価していいはずです。

今回のテーマはさらにMLSのもう一つ下の人気と規模となる野外ラクロスプロリーグであるMLLについて。前項の内容およびコメント欄で述べてきたようにMLBが再び攻勢に転じてチームの移転や新設を通じてMLSのマーケットに圧迫を加える可能性というのを少し考えてみたわけですが、その影響を受けるのはMLSだけでなくMLLでも大いに影響を受ける可能性があります。

MLBの拡張先の候補としてCharlotteがあります。ここにはMLLの新興チームCharlotte Houndsがあります。2012年からリーグ参加で4シーズン目を終えたところ。同市にはメジャースポーツとしてはNBA Charlotte Hornetsがあり、マイナーリーグベースボールはありますが春~秋は人口の大きさと比較してスポーツエンタメ市場の空きが大きいと言える都市圏ということでMLLが新興チームを配置したんですが今季の試合平均動員は2,282人でMLL8チーム中6位。苦しい数字です。これで黒字はまずない。そのCharlotteはMLBの将来の拡張または移転先として語られることが多く、その場合シーズンがかぶるMLLがチームを維持できるのか疑問もあります。まだいつMLBが来るとも決まったわけではなく来ないかも知れませんからいまから手じまいモードになる必要はありませんが、将来MLBがやってくる前にいまの2000人級の動員力からは抜け出していたいところでしょう。

MLL 2015 Attendance
MLLの2015年の動員記録を見るとラクロスの競技人口が多い東部の各都市(Boston, New York, Chesapeake)とラクロスの楽園飛び地であるDenverが上位で事業として及第点かと思われる数字を出しているのと、確実に赤字であろう下位4チームとの隔絶が目立ちます。尚、Denverが突出しているように見えますが、その数字には毎年30,000人を動員する独立記念日の花火大会込みの試合の動員が平均に含まれているのでそれ以外の日の動員だと2~3位のチームと動員力はほとんど変わりません。Cheasapeakeは日本からは馴染みがないでしょうが海軍基地の街です。

リーグの半分が苦しい状態で運営されている中、MLLは来季Atlantaに新チームを作ると発表しています。Ohio, Charlotte, Floridaと新興チームが軒並み動員が苦しく軌道に乗っていると言えない中、また新チームを作るのかと聞いたときに思いました。それもラクロスの競技人口の多い東部ではない、南部か、と。場所はAtlantaと言っても以前に女子サッカーWPSのAtlanta Beatが本拠地を置いたのと同じ郊外。マイナープロスポーツが使いやすいスタジアムがあるのでマイナープロがなびくみたいです。Atlantaは男子サッカーMLSも拡張先として既に計画が進行中。元々NFL/MLB/NBAと揃っている街(NHLは不振で2011年に転出済)で、MLSも進出してくる土地にMLLが侵攻して勝算があるのか。MLS Atlantaは2017年にリーグ参加予定なのでその前に機先を制してMLLが来季から活動開始なんでしょうがどうなることか。リーグ全体の経営が傾かないか心配になります。リーグとして体力のないMLLがこうい積極拡張策に走るのは危険な気がしますが、投資家からカネを集めるには勢いも大事なのも事実でしょう。

カレッジラクロス準決勝 西へ進むラクロス地平線

NBA/NHLのカンファレンスファイナルが進む週末です。但しNBAの方は…西も東も下手をすると四タテで終わってしまいかねない勢いです。東のトップシードAtlanta Hawksがホームで二連敗でClevelandに移動。その上Kyle Coverをケガで今季残り戻って来られないことが確定して戦力ダウン。意気消沈、ここから盛り返せそうな気がしません。Clevelandの方は第二戦余裕でKyrie Irvingを休ませても快勝してしまっているわけで。Love、Irvingと二枚欠いてもノープロブレム。Finalが始まるまでNBAは良いかなぐらいの勢いです。西も第三戦もGolden Stateの圧勝ですか。終わってますね。

NHLはただいまChicago x Anaheimが撃ち合いで延長戦に突入するところ。それ以外では明日のIndy500がアメスポのメインメニューです。

そういう中で私の今日の注目競技はカレッジラクロスNCAAトーナメントの準決勝二試合でした。ともに最後まで行方のわからない激戦で楽しませてもらいました。第一戦はNotre Dame x Denverというラクロスの西の果て対決。インディアナ州にあるNotre Dameは他のスポーツでは西の果てとなることはありえないんですが、ラクロスに関してはそうなるんですね。下の地図はDivision-Iのラクロス部を持つ学校を示したものですが、ラクロスは東部偏重でDenverは飛び地のような西の最果て、Notre Dameですらラクロスの行われる地域では西の端ということになります。正確には今季からBig Tenがラクロスを正式種目として採用したためこれから数年でBig Ten所属各校がラクロス部を整備することでNotre Dameよりも西にもDiv-I校ができることになります。(現時点ではBig Ten所属14校のうちMaryland, Michigan, Penn State, Ohio State, RutgersプラスJohns Hopkinsの6校)


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その西の果て対決はNotre Dameが終盤猛烈な追い込みで4分残りで4点を立て続けに叩き込んで9秒残りで遂に同点。Notre Dame二年生のSergio Perkovicが最終第4Qだけで5ゴール。最後の同点ゴールはそのPerkovicを囮にして空いた隙を突いた攻撃がものの見事に決まって延長戦へ。Denverが悪い流れを断って最後は勝利をものにしましたが両軍とも健闘。最終スコアは11-10。DenverのSports Center Top 10級の鮮やかな背中越しで相手ゴーリーの股を通したゴールなんかもあっていろいろ楽しめました。

もう一試合は新設されたBig Tenからの二校=MarylandとJohns Hopkinsがこれも最後の最後までわからないデッドヒートを展開。Marylandが12-11で逃げ切り。Big Tenと言っても今季ラクロスだけでBig Tenに参加したHopkinsと、昨年から加入したばかりのMarylandなのでBig Tenぽくはないのですが、それでも上で述べた通りラクロスの勢力圏が西へ拡大していく大きな動きの中心でもあるBig Tenの代表ではあるわけです。

Denverは過去五年間で四度目の四強進出で初の決勝へ。デンバーはDenver大がカレッジでも毎年コンテンダー。プロのMLLでは動員力最高のDenver Outlawsがあり、また昨年のラクロス世界選手権も行われアメリカラクロスでも象徴的な都市。そのDenverと対するのがこれからの10年、ラクロス西進の推進力になるであろうBig Ten代表のMaryland。ラクロス人気の全国化の進展の象徴になるような組合せと言えましょう。月曜日=祝日の決勝での好試合を期待します。

Big Tenの威力か

NHL/NBAのプレーオフやMLB/NASCAR/PGA/MLSのシーズンがメニューとなるこの母の日の週末ですが、私はこそこそとまた別のものを見ていたりするわけです。ラクロスのNCAAトーナメントが今週末から開始。土日で一回戦八試合を消化中なのですが、土曜日にショッキングな試合がありました。昨年のチャンピオンだったDukeがOhio Stateに惨敗しています。Dukeは昨年優勝したときのエース級を複数名維持。対するOhio Stateは今季がBig Tenカンファレンスとしてはラクロスを正式種目とする初年度。それが最終スコア16-11で快勝。途中追いすがるDukeを叩きのめす3連続ゴールなどでスコア以上の快勝だったと思います。

他にもBig Ten所属ではJohns Hopkinsが現時点で19-6とACCの強豪Virginiaを圧倒リード中。Johns HopkinsはラクロスのみがDiv-Iスポーツで、それが今回BIg Tenに参加しています。もう一校のBig Tenからのトーナメント参加校Marylandも一回戦突破。次週の八強戦に新参Big Tenから三校登場ということになります。  

Big Tenはカンファレンスとしては一年目でもJohns Hopkinsはラクロスの世界では強豪ですし、Maryland, Ohio Stateにしても別のカンファレンス所属として過去の戦歴はあるわけで創部いきなり勝っているとかそういう話ではないんですが、それにしてもDuke、Virginia(共にACC所属)というカレッジラクロスの強豪校をそれぞれ完勝で葬っての一回戦突破はカレッジラクロスの地図をいきなり大きく書き換える快挙と言えるでしょう。Ohio Stateなんかは昨年はNCAAトーナメントに進めなかったのですし、今季のNCAAトーナメントのシード順でもACC校の方が明確に優遇されていて、Johns HopkinsもOhio Stateもノーシードで今大会登場しながらシード校を破ってしまったわけでです。

なぜこうなったか。Big Tenでの正式種目化を機に有力高校生のリクルートを活発化させたことや予算増加が効いているのでしょう。元々Big Ten校にはスポーツインフラは整っているわけで、そこにBig Tenのブランド力が加わったということか。

この先どれほどBig Ten校が勝ち進むかにもよりますが、一気に有力リクルート生がBig Ten各校に行くようになるとこれまで伝統的に強かったACC校(カンファレンス再編でACCに移籍してきたSyracuseを含む)とのせめぎ合いが激しくなりそうです。  

またラクロスというスポーツにとっては人口も多いBig Ten圏でラクロスが盛んになるのは大きなメリットでもあります。

ラクロスのNo. 1 x No. 2対決はNotre Dame

現在カレッジスポーツでは冬シーズンの競技のプレーオフ大会が盛ん。先週末にはレスリングの決勝大会があったことを書きました。バスケは言うまでもなく男子のMarch Madenssが現在全アメスポの中心ですが、同時に女子バスケ、アイスホッケーもNCAAトーナメントが進行中です。それと重なりあって春シーズンの競技も既に始まっています。春スポーツの代表的なものは野球、陸上、そしてラクロスでしょう。そのラクロスの現在ランキングNo. 1でラクロスの伝統校であるSyracuseが@No. 2 Notre Dameで対戦した試合がESPNで放送になっていました。これが好試合で楽しみました。結果は二度目の延長戦で地元Notre Dameがゴールデンゴールを決めて13-12で勝利。ラクロス的には満員の3,600人の観衆も大満足の試合だったんじゃないでしょうか。

私が個人的にラクロス観戦に馴れてきたということもあるかと思うので、この試合をちらりと初見の人が見ておもしろいと思えるのかどうかは判断しかねますが、それはともかく新緑のピッチと明るい太陽の日差しの下でのスポーツはやっぱり良いですね。これは毎年のように言いますがMLBの開幕とともに長かったアメリカ大陸の大半の冬が終わるという季節感とともに開幕するMLBとあの球場の緑の芝というのはスポーツ以外の部分で大いに観衆にアピールすると思うのです。それと似た感慨を今日のラクロスの試合を見ていて思いました。一般にアメスポ春夏型のスポーツはTVの視聴率が伸びない傾向が強く、様々言われるところですがそれとは別に動員は悪くない。一種のピクニック需要というものがMLBを始め他の春夏型のスポーツ観戦にはあるんだよなあと改めて思わされます。

たまたまSyracuse@Notre Dame戦の直後にFOX Sports 1でもカレッジラクロスをやっているのに遭遇。今年からはFS1でもラクロスの放送をするんだ?とちょっとびっくりしました。残念だったのはその試合は寒空の試合で芝も全然緑じゃなかったこと。それで改めて上記の試合をなぜ私が気持ちよく観戦できたのかを思いつかされたわけでもあります。カレッジラクロスにはショットクロックがないのでまま試合が停滞する場面もありTV番組として考えた場合まだまだ開発途上という感じもあるのですがESPNやFS1まで参入してくるようだとラクロス観戦に馴れた人もこれから徐々に増えてくるのかもしれません。TV放送していたRutgers@Johns Hopkinsの試合なんかはこれBig Tenの試合として行われています。Big Tenはカンファレンスとして新たにラクロスに参入してきていて、ラクロスの名門であるJohns HopkinsをラクロスのみでBig Tenに迎えてその新参の地位を補強しています。Big Tenはその地理的条件からカレッジベースボールでは弱小の域を出られずこれからもそれは変わらさそう。そうなるとBig Tenではラクロスを春スポーツのメインに据えてくる可能性があります。カレッジスポーツの人気の高いBig Tenがラクロスに力を入れる、そしてそのメンバー校の地元の高校で奨学金狙いでラクロスが普及していく可能性がここにあるわけです。

アメスポ春夏シーズンの終わりの三昧

この時期は新学年の始まりであり夏の終わりです。アメスポで言えばフットボールシーズンの開幕です。アメスポジャンルNo. 2人気のカレッジがNo. 1にNFLに一週間先行して今週木曜から開幕。そのフットボールシーズンの到来前にニッチを狙って運営されている各種マイナープロスポーツがシーズンを終了しようとしています。野外ラクロスMajor League Lacrosse (MLL)は土曜日に南部アトランタ郊外で優勝戦開催しました。MLLの強豪Denver Outlawsが悲願の初のMLL制覇を遂げています。試合を通して劣勢でまた負けるのかーという展開だったのを終盤に一気に追い上げての大逆転勝ちで初優勝。Outlawsは集客の面でもフィールド上の成績でもMLLの最優良チームですが、レギュラーシーズン14戦全勝で臨んだ昨年もリーグ拡張でできて間もないCharlotte Houndsに苦杯を舐めさせられました。チーム創設以来全てのシーズンでプレーオフに進出し、四度も優勝戦にも進出しながらどうしても優勝に届かなかったのが五度目の優勝戦で遂に初制覇となりました。好試合で大変楽しめました。動員は8000人超、MLLの決勝としては史上二位の動員を記録。場所が中立地で出場チームの地元から遠く両チームのファンの動員が多く望めない状況でこれだけのラクロスファンを集めたのは立派でしょう。MLLがここアトランタに新チームを作りたがっているのを大きく後押しする興業になったと思われます。放映はCBS Sports Network。  ちなみにアトランタは大都市圏ながら男子サッカーMLSが参入を決断しきれない都市。女子サッカーでは過去のリーグではチームがあったのですが、現行のNWSLはアトランタを諦めています。そういうところにラクロスが先に入り込めるのかどうか。

その女子サッカーNWSLはこの週末にプレーオフ準決勝を開催。昨年創設年の優勝チームであり、各国のエース級を揃えたPortland ThornsはFC Kansas Cityに完敗で決勝戦進出ならず二連覇失敗。この試合は実によかったです。Kansas Cityの方は前線にAmy RodriguezとLauren Holiday(旧姓Cheney)と米女子代表を二枚揃えています。とは言ってもAbby WambachやAlex Morganといった米代表の顔、さらには若手のSydney LerouxやChristen Press辺りの生きの良いFW陣やCarli Lloyd辺りにすら代表での存在感では下回るRodriguezとHoliday。この二人がクラブでは実に伸び伸びと活躍していて良いです。Holidayの方は昨年NWSL創設年のMVP。代表ではAbbyその他へのお膳立て役が多かったのが自分のチームを得て開花した感じでした。A-Rodの方は昨年は出産で全休、今年から現場復帰なんですが二人とも、そしてチーム全体もよく走ります。ピッチ上は華氏100度(38℃)を超える中、よく走れるなあと感心するぐらい走ります。先制点となったA-Rodのゴールも中盤ピッチの右端からゴール反対側まで一気に斜めに走りきってフリーになってのもの。そこへきれいにスルーパスがつながりました。またチーム全体もパスがつながって後ろからのビルドアップも何度も見られたりチームとしてこなれてるなあという感想。スター軍団のPortlandをチーム力で蹴散らした形に。酷暑の中、前後半とも給水タイムがとられていましたが、ちょっとやそっと休んでも暑いだろコレという状態でも他の場面でも手を抜かない。立派です。プロ根性あるなと。決勝は次週。ESPN2での放送でのなかなかの好試合。どれぐらいのスポーツファンにアピールできたでしょうか。  

女子バスケのWNBAは通常年は10月までプレーオフが続いて、男子NBAの開幕直前まで試合があるんですが、今年は女子バスケ世界選手権があるそうでそれに合わせて早めのスケジュール消化でいまプレーオフたけなわです。シーズンは短いのですが試合数は例年と同じ。

以前に紹介したLFLランジェリーフットボールは経営の混乱があり米国内のリーグ戦はほぼ崩壊状態です(話すと長くなるので省略)。  

アメスポ最強フットボールシーズン前に手じまいするこれらのニッチプロスポーツとは別にNASCARやゴルフはフットボール開幕後もシーズンを継続します。アメスポ最激戦の時期でも興業を維持できる故にゴルフやNASCARは準メジャーと認識されるという面があると思います。男子サッカーMLSもその準メジャー型のシーズン構成。週一のESPN系での定時放送は次週はカレッジフットボール開幕週の煽りで一試合も放送がないなどTV放映は報道での扱いは大きく低下しますが、地歩を固めています。扱い低下する直前となる今週末はMLSの最大のライバル対決であるSeattle Sounders@Portland TimbersがESPN2で放映。これも良い試合で見て大満足。現在西でトップ争いのただ中であるSeattleは米代表エースClint Dempseyとナイジェリア代表Obafemi Martinsの二人が見事にかみ合って今季はゴールを量産していますが、この日もこの二人の息がぴったり合っての好機多数。そして必殺カウンターではSoundersは4人も5人もフルスピードで自軍ゴール前から相手ゴールまで殺到するなどでエンタメ度の高いサッカー。アウェイでライバルPortlandを4-2で叩きのめしての快勝。Timbersも敗戦濃厚な中でも奮戦して意地のゴールが出るなど好試合でした。MartinsはMLSにとっては大変な拾い物になった好選手ですね。Dempseyとの息の合方は出色です。MLSプレーオフの時期はフットボールシーズンたけなわの上にNHL、NBA、カレッジバスケと次々と強力コンテンツがシーズン開始してくる時期でMLSを見ているのはマニアだけになるでしょうが、それでもSeattleが今年どこまでやれるのかは楽しみです。ということは私はマニアなんでしょうか。

ラクロス世界選手権終了 カナダが常勝地元米代表を下して優勝

ラクロス世界選手権デンバー大会が土曜日の決勝戦を最後に終了しました。優勝はカナダ。序盤から時間を使い米国のポゼションを減らし点の取り合いになることを避けたカナダの戦術でロースコアリングゲームに引きずり込み前半3-1とリード。第3Qにさらにスパートしてリードを広げ、第4Qに米代表の意地の3連続ゴールでの追い上げがありましたが時既に遅くカナダの逃げ切り、最終スコア8-5。カナダが三度目の優勝となりました。カナダの時間つぶし戦術に会場からブーイングが湧く展開。プロのMLLではショットクロックが採用されていますが、この世界選手権ルールではショットクロックがない。ルール内ではあるものの第3Qから早くも時間つぶししまくりというのは観戦スポーツとして欠陥と言えるところ。近々大学ラクロスもルール変更でショットクロック採用が議題に上っているそうで、過去のアマチュア的な状況から見て貰うことを考える位置に上がってきたラクロスのさらなる浮上のためには国際ルールでもなんらかのショット強制は必要になるのでしょう。その昔、マイナースポーツ時代のバスケットボールもショットクロックがなく、一旦十分なリードをしてしまうと勝っている方は今日のラクロスの試合のようにポゼッションキープということをしていたと聞いています。それをそのまま放置していたらいまのバスケットボールの隆盛も世界への広がりもなかったことでしょう。ラクロスもバスケが通った道に何十年遅れでやっとたどり着いたところということか。

決勝戦以外ではイロコイ代表がオーストラリアを16-5と大差で破って初の3位獲得。イロコイの勃興はラクロスならではの色合いを添える(ちなみにイロコイのテーマカラーは薄紫)なかなかに魅力的な活躍ぶりでした。6位に入ったスコットランドは過去最高成績。7位となったイスラエルは初出場で好成績。同国代表がどういう選手選抜になっているか知らないですが、イスラエルが強いスポーツって他にありましたっけ?日本代表は躍進したスコットランドとイスラエルに敗れて8位に後退。次回2018年英国大会の形式次第ですがトップカテゴリから外される可能性のある成績に終わりました。スコットランド、イングランド、オーストラリアとはそれぞれ延長戦にもつれての1点差の試合を展開、力量差は小さい中、最終結果は残念な順位になってしまったという感じです。

下位グループリーグから勝ち上がったスコットランドの上位への食い込みは次回大会の運営にとってはちょっとした朗報か。次回ホスト国イングランドとともに隣国スコットランドがトップグループリーグで戦うことはほぼ確定的でしょう。アメリカでもまだまだマイナースポーツであるラクロスが英国でどれほど人目に触れているのかまったく想像もつきませんが、次回イングランド大会ではホストイングランドとともに準ホスト国のスコットランドも代表をトップグループに送り込めることになります。

ひとつ気になったのはESPN.comのラクロスのポータルページでの今回大会の報道が地味というか、まったく力が入っていなかった事です。今日の決勝戦があっても同ページのトップ記事はプロリーグMLLの試合結果を載せています。今大会中ずっとこんな具合で文字だけの一行リンクが世界選手権の結果報道につながっているだけでした。同系列のESPNUが今大会はかなりの試合数を放映したのになぜかESPN.comは同大会にまったく冷たいというよく事情の掴めない取り扱い方の齟齬になっています。せっかくおもしろかった大会だったのに、残念な盛り上げ不足です。四年に一度しかない機会なのに。まあメジャースポーツを網羅するスポーツ放送の一大総合商社であるESPNにとってはラクロスが取るに足らないジャンルであるのは十分承知しているものの、せっかく今年になってESPN.comにラクロス専用ポータルのページを作ったんだから、地元開催の世界選手権ぐらいちゃんとフォローしてくれても良かったように思います。

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