アメリカスポーツ三昧

アメリカ永住コースか、または第三国に出国か!?スリルとサスペンスの人生とは別にアメスポは楽しい。

Lacrosse

最後の最後にがっかりのラクロス世界選手権

残念なものを見てしまいました。4年に一度のラクロスの世界大会である世界選手権の決勝戦が行われ、恥ずかしい審判の誤審およびタイムキーパーの三度ものアシストで米代表が逆転勝ちで優勝しています。好大会だったのに、こんなフィニッシュは見たくなかったです。

8−7とカナダがリードした試合の最終盤にカナダがポゼションを得たのですが、ここで審判がカナダ側にオフサイドがあったとしてポゼションをアメリカ側にわたす。ESPN2でのアナ・解説者も即座に誤審を指摘しましたが、ボールを得た米代表側は即座にリスタート。そのまま同点弾。これはマズい。マイナースポーツではビデオレビューがないことは仕方ないとして、この大会を左右する大事な場面での明瞭な誤審をやってのけるのは。
これだけならまだ誤審というだけで済んだのですが、それに続いて同点で米代表がラストショットを打とうかという試合時間が残り12秒から米代表は4本のシュートを打つ機会を得て最後の4本目が1秒残りで決まって逆転優勝。え?12秒から3本もシュートを打ってその3本はすべて外れてアウトバウンドになったのにまだ4本目のシュートを打ったのが入ってなお1秒残り?どうやってそんなことが起こりうるのか。
タイムキーパーが時計を止めまくり、インバウンドのたびに時間を足したからです。そんな馬鹿な。2本目が外れたときには2秒とかだったのを5秒に増やし、さらにもう一本シュートを打って0.7秒になったのを2秒に増やし、決勝ゴールの機会を確保。カナダ側には抗議の機会もないまま米代表側に有利な変更が何度も加えられての勝利。決勝点後にカナダ側は猛抗議するものの後の祭り。残念というのは抑えた表現で、正直言ってしまえばこんなことまでして勝ちたい、勝たせたいか?という感じ。がっかりですね。

連想したのが第1回WBCの日米戦、米メキシコ戦。またはロンドン五輪での女子サッカー準決勝での米カナダ戦での6秒ルール適用→インダイレクトキック→ハンドボール→PKのコンボプレゼント。なぜこんなことをしてまでアメリカに勝たせなくてはいけないのかなという場面が何年に一度か露見するときがあります。やれやれであります。

ラクロス 3強に続く各国および日本代表

前項でも書いたラクロスの世界選手権ですが、ここアメリカでは米代表とイロコイ(地域としては米加の国境線を跨いでいる)の試合を中心にTV放映しているので、日本代表戦はたぶんイロコイとの対戦となる準々決勝まで見られる機会はないかと思いますが、ここまでは日本代表は順調に3戦全勝となっているようです。次戦はドイツとプエルトリコの勝者との対戦。プエルトリコにはNCAAの現役選手がかなりいるそうなので難敵。過去の実績では日本に分がありますが、どうなることか。勝てば最上位カテゴリの青組3位との対戦が次戦となり、これがイロコイ戦となるはず。
今大会はESPN系列で主要な試合は放送されていますが、TVで放映されない試合はESPN+で視聴可能。ESPN+というのは過去ESPN3.comで無料(正確には完全無料ではないですが)でウェブ公開していたものを有料化したもの。月額$5。先日のボクシングManny Pacqiaoの試合もESPN+で放映していました。

ラクロスの世界選手権は4年毎開催で、大会での成績が次回大会(2022年カナダ西部開催予定)の予選シードも兼ねる仕組みとなってますので一戦一戦が重要。日本代表は前々回2010年英国大会の4位から、前回2014年デンバー大会で8位へと下降したため今大会では最上位カテゴリ6カ国から外れています。今回のイスラエル大会での順位戦は正念場でもあります。前回のデンバーでは新興のイスラエルに先を越され、スコットランドとのダブル延長戦で敗戦したことで8位まで下がって迎えた今大会。
日本に前回大会で勝ったスコットランドは最上位青組に入ったものの全敗で落ちてくる模様であり、日本代表にとっては3位イロコイに敗戦した後で対戦するであろう対スコットランド、イングランド、イスラエル戦などが次回カナダ大会での最上位青組復帰への最重要な試合となります。前回大会同様にこの4カ国の実力が拮抗しているのか、そこへプエルトリコなど新顔が割って入れるのか、もしそうなった場合にどこがさらに下位のグループで落とされるのか、というのが興味となります。

各種スポーツの国際大会は一極でない方がワールドを表現できて良い。サッカーW杯が歴史上成功したのは欧州に対する南米という遥か彼方の強豪国が初期から存在したからでしょう。だから三週間の船旅をしても開催してみようという意欲につながったはず。ラグビーもまた西欧対南半球という明確な地理的にも遠い対立軸があったからワールドワイドな大会という形になれた。野球のWBCにおいてはなんと言っても日本という存在があったのが良かった。アメリカとその近所の衛星国だけでの大会では地方大会のようになってしまい締まらなかったはずです。アイスホッケーなら北米対ロシアですね。その点ではバスケはいまだにアメリカ一強なのが良いのか悪いのか。
そういう視点でいうとラクロスではオーストラリアと日本が国際大会らしい地理的な遠さを演出してくれる存在だったのですが、オーストラリアがイロコイに差を付けられはじめ、北米2強が北米3強になってしまいそうな風向き。さらには米国との二重国籍選手、アメリカNCAA育ちの選手が多くを占めるイスラエルやプエルトリコが上位を占めるようになってくると北米偏重になってしまいそうで、国際色が薄くなってしまうのはちょっと残念な傾向かもしれません。そういう意味で日本やイングランド、スコットランド、オーストラリアには踏ん張って欲しい今大会の順位戦なわけです。

ラクロス世界選手権 米代表が激戦制してカナダに競り勝ち

イスラエルで行われているラクロスの2018 World Lacrosse Championshipのグループリーグ戦が佳境。最上位カテゴリである青組(6カ国総当たり)で優勝候補同士の米 x カナダの一戦があり、最後までわからない熱戦を制して米代表が11−10で勝利しています。
試合内容は常にリードしていた米代表をカナダが後半に入っての3連続ゴールで捉え、10−10の同点から激しいボールの奪い合いがあって米代表がリード。最後のカナダのポジションを得るところでカナダ側が米代表選手の用具違反を指摘。審判が検査したところ違反が見つかりペナルティとなって、カナダが1人多い状態で同点を目指して攻め立てたのですが米代表が逃げ切り。
これ、勝ちたかったからというのはわかりますが、なぜこんなグループリーグでの一戦で用具違反を言い立てたのかちょっとわからないです。試合の勝負どころで言い出したということは試合中に既にその用具違反には気づいていて(少なくとも疑っていて)、最後残り1分弱の1点ビハインドの時点まで申し立てを避けていたのでしょうが、グループリーグでの勝ち負けがそんなに重要でしょうか?この二カ国の実力は抜き出ていると考えられるので、順当にいけばどのみち決勝で対戦する。そのときまでそのネタはとっておけば良かったのに、と思えます。

それともカナダ側がどうしても1位通過がしたかったのかもしれません。というのは第3位の実力と思われるイロコイ族チームとの実力が接近している可能性があるからでしょうか。イロコイは今大会初戦で米代表相手に好試合を展開。前半を7−5、2点リードで折り返す大健闘。米代表を大いに慌てさせました。第3Qに一気に米代表のオフェンスが爆発して逆転、最終スコアは17−9(つまり後半だけなら米代表の12−2)で順当勝ちしてますが、イロコイの健闘は間違いない。さらに米代表は4位候補のオーストラリアには19−1と圧勝してます。どうも3位と4位の差はかなり大きそうなのです。
またその大会初戦の日はイロコイチームは11時間のフライト後にイスラエルに入国したばかりでそのまま試合、体調万全ではなかったのに米代表を相手に健闘をしている(後半スタミナ切れで失速したものの)。その後も3位をイロコイと争うと見られていたオーストラリア相手の直接対決にも快勝している。イロコイの実力は米加を除くとはっきり上のようだと。つまり米加のうち2位で通過した方は準決勝で一発アップセットを狙ってくる実力のあるイロコイを相手に全力投球の試合をせねばならない。対して1位通過なら比較的余裕のある試合で決勝進出が見込めるという状況と考えれば、カナダのこの段階での用具違反の申立=1位通過狙いには意味があったのかもしれません。
そんなことがありましたが試合結果は変わらず、米代表が勝利、1位通過をほぼ確実にしています。

ラクロスの世界選手権はついついイロコイを応援してしまいます。所属選手にはカレッジ時代に大活躍した華麗なプレーのLyle Thompsonを筆頭にしたThompson兄弟が所属。大型選手が米代表のディフェンダーをふっ飛ばしてのゴールなど、エキサイティングな場面も多々です。
その他では過去話題になることがなかったプエルトリコやフィリピンが下位ディビジョンで活躍しており、今後が期待されます。前回大会で急にイスラエルが注目を浴びたのと似た形でしょうか。

ラクロス米代表壮行試合 vs MLLオールスター

4年に一度のラクロスの世界選手権が二週間後からイスラエルで開幕。それを前にして米代表の壮行試合を兼ねたMajor League Lacrosseのオールスター戦がESPNUで放送されていました。通常年はMLL内で戦うオールスター戦ですが、世界選手権年とあって2014年に続いて米代表対MLLオールスターの対戦。

ラクロスの世界は米代表とカナダ代表が圧倒的に強く、この二強から優勝国が出る。カナダ以外で米代表が試合全編を通して本気を出してかからねばならない相手はイロコイだけ。他の国の実力と二強との差は相当に大きいです。その下にオーストラリア、そして前回2014年のDenver大会で躍進したイスラエルやイングランド・スコットランドなどが追うという構図です。日本は世界選手権での最高成績が4位、前回8位。他国が実力を伸ばしているのが見えた前回大会から巻き返せるのかどうか。
そういう構図のラクロスの各国の実力とあって、このMLLオールスターとの壮行試合は実は米代表にとっては全力を開放して臨める大事な腕試しの機会なのです。MLLオールスターの方が世界選手権の本番で当たる各国より強いからです。

実際に試合も好試合となりました。第4Q、米代表が連続ゴールで圧倒、14-8としたところからMLLオールスターが巻き返し。試合自体はMLLルールで行われているため、世界選手権では存在しない2ポイントゴールなども含めてMLLオールスターが一気に追い上げ。最後は13秒残りで同点ゴールを決めて延長戦へ。サドンデスの延長戦もMLLオールスターが決めて大逆転勝ちで米代表を下しています。
米代表にとっても良い経験となる敗戦になったんじゃないでしょうか。

試合中には米ラクロス協会の会長がアメスポ市場でラクロスが地位向上していく上での課題なども述べていたりとなかなかに良い番組になっていたと思いました。現状のラクロスの最大の課題はリクリエーションとしてのラクロスクラブの増加が進んでいないこととしていました。技量を重視するタイプのクラブは過去10年間で大いに増えたけれど、もっと気楽に子どもたちが加われるような環境の整備がラクロス人口の伸長のためには必要だという点が強調されていました。
ラクロスはアイスホッケーほどではないにしても装備で親の負担がほかのスポーツ比で大きいのが不利という認識。ラクロスシーズンは春。アメスポ的には野球・ソフトボールやサッカーとシーズンがかぶる中、一時期もてはやされたラクロスのプレー人口の伸びも踊り場に入った模様。次なるステージにステップアップするための時期になっているようです。

17年目のMLL

先週末にプロラクロスリーグのMajor League Lacrosse (MLL)の決勝戦がありました。場所はNFL Dallas Cowboysのインドア練習施設であるThe Ford Center at The Starで。練習施設と言ってもCowboysのそれ、立派な観客席もある美麗な施設です。フィールドの真ん中にはCowboysのロゴのローンスターも描かれてそこでフェイスオフ。ちょっと残念なのはフェイスオフのボールが置かれる位置がスターの中心じゃなかったことですが。

試合の方は最終第4Qに7連続ゴールで試合をひっくり返したOhio Machineが17-12でMLL初制覇。MLLの常勝チームであるDenver Outlawsとの二年連続の優勝戦での対決、昨年の借りを返しています。Ohio Machineは創設6年目の後発チーム。ラクロスが盛んとは言えない中西部Ohioをホームに観客動員では苦戦しながらもチームを存続させて遂にMLLの頂点へたどり着きました。

試合内容は良かったです。私がラクロス観戦馴れしたから、という可能性もあるので確たる事は言えないですが、見所の多い楽しめる試合。最後のOhio Machineの7連続ゴールラッシュではフェイスオフでボールを勝ち取ったフェイスオフ専門選手がそのままDenverゴールへ突進して真正面からスコア!なんてこともあり勝ったOhio側は大盛り上がり。


今季のMLLはTV露出が落ちて、観客動員数もリーグ全体で約10%低下という数字が出てます。全9チーム中Ohioを含む過半数の5チームが試合当たりの観客動員が2,500人以下。よくこれでリーグが維持できてるなあという数字。MLL創設17年目。後発プロスポーツリーグということで比較されるサッカーMLS(22年目)、女子バスケWNBA(21年目)の17年目と比べると彼我の差は大きい。動員規模だと創設5年目の女子サッカーNWSLの動員力と近い線ですか。NWSLは露出は低いですが女子サッカー全体というくくりだと全米規模でかなりの露出が確保できているNWSLと、それに類するものがほぼ皆無、国内での普及地方が偏っているというMLLラクロスではファンベースの厚みがまったく違うので簡単には論ぜられませんが、17年目、そろそろ黒字転換できるチームが増えてきて欲しいところか。

Ohio Machineの地元となるオハイオ州ではカレッジスポーツの総合商社The Ohio State Buckeyes(及び所属先のBig Ten)が重い腰を上げて2015年からやっと正式種目としてラクロスを採用。採用するとなったら勝たないと気が済まないのがOhio Stateという学校で、大いに力を入れて学内でもプッシュしているようです。今季はNCAAトーナメントで躍進、全米準優勝。プロでOhio Machineが優勝、地元の大人気Ohio Stateが全米準優勝と、決してラクロスが盛んでないオハイオ州のチームが気を吐いているという展開となります。

MLL 7チームが8勝6敗で並ぶ大混戦のままフィニッシュ

野外プロラクロスMajor League Lacrosse(MLL)のレギュラーシーズンが終了しています。今季は9チーム(過去最大)が参加して行われたリーグ戦(各14試合)の結果、なんと7チームが8勝6敗の同成績でシーズンを終える混戦。二週間前には首位から2ゲーム差に7チームがひしめいていたのが、上のチームがことごとく負けてそのプレーオフ圏内の7チームが完全に並ぶということに。タイブレーカーの規程では3チーム以上がタイだった場合はそのチーム同士での勝敗、得点差で決着云々とあるんですが、なにせ7チームでの比較なので計算が大変で結局のところ全試合が終わるまで誰もどこがプレーオフ(4位以内)に当選したのかさっぱりわからないということになりました。おもしろいと言えばおもしろいですが、混乱もかなりした模様です。マイナースポーツでスポーツマスコミの専門家の解説なんていうものもないですからMLL公式が発表するまでよくわからないまま。

結果は同一勝敗ながら上からOhio Machine、New York Lizards、Denver Outlaws、Charlotte Houndsの4チームがプレーオフに進出。今季はMLLは準決勝と決勝をそれぞれ中立地で行うという試みのため順位で上位になったOhioやNew Yorkにもホームフィールドアドバンテージなし。Ohio x Charlotte戦はミネソタ州で、New York x Denverはコネチカット州で。それぞれの試合の勝者がジョージア州アトランタで決勝に臨むというスケジュールになってます。New Yorkが近場のコネチカットで試合ができるのがほぼ唯一の地縁のポストシーズン。MLLはオールスター戦やプレーオフを所属チームの地元以外で開催するという試みをここ数年続けていて、それらの試合をMLLの将来の拡張宣伝にしているというわけ。拡張意欲が旺盛なのはマイナースポーツにしては積極的で意気良しというところですか。

今季はMLLはシーズン中の試合放送が激減。プレーオフの3試合はCBS Sports Networkで放送予定なんですが、3試合とも中立地での試合でTVに映るのがガラガラのスタジアムだったり、地元の応援が見込めない状態だったりするのはマイナスじゃないのかなあと心配になります。

ラクロスMLLの曲がり角シーズン

8月になりました。アメスポの各種マイナープロスポーツ・春夏型リーグが結末を迎える月です。9月のフットボールシーズン開幕を前に、または各種学校の夏休みの終わりとともに店じまいをする感じであります。先日お伝えした新設15人制ラグビーPRO Rugbyもその一つ。最大規模のものはマイナーリーグベースボール各レベル。他にもArena Football League、野外ラクロスのMLL、女子サッカーのNWSL、女子室内フットボールLFLなどなど。かつてはメジャースポーツにほど近かったIndyCarシリーズも昨今は9月にシーズンを終了する春夏型のスケジュールでマイナーの側に寄ってきています。

そのひとつ、ラクロスのMLLについて少し。過去当ブログではMLLについては何度も取り上げています。今季はMLLにとって創設16年目。チーム数が過去最大の9チームによるシーズンで過去数シーズン続いていた二回総当たり制でのスケジュールが組めなくなっています。各チームの試合数は昨年までと同じ14試合。現時点で各チームが2~3試合を残して首位から2ゲーム差内に7チームがひしめく大混戦となっています。上位4チームによるプレーオフが待っていて、レギュラーシーズンの最終盤の生き残り戦からファンにとっては大いに盛り上がるところかもしれません。(2チームだけ脱落しているのは今季新設されたAtlanta Blazeと2014年に設立のFlorida Launch。健全です)

ただ気になるのが今季MLLの試合放送が昨年から激減したように我が視聴環境からは見えるところです。カレッジラクロスの放送が今年は大幅に増えたのと比べるとこの激減は目立つ。但しこれはそうは見えない家庭もあるはずではあります。MLLの放映権を地元のケーブル専門局が積極的に購入している余波でそうなっているようです。我が家ではケーブルではなくサテライトなので全国一律の数百チャンネルが見られるわけです(それに各種スポーツパッケージを追加)。そのサイズメリットに対抗すべく地域限定型のケーブルTV運営会社は近年地元のマイナースポーツ(プロ・カレッジ問わず)を積極的に放送するようになっています。つまり全国型サテライトと地域型ケーブルの顧客の取り合いの武器としてマイナースポーツ放送の囲い込みが進んでいて、その流れにMLLも巻き込まれ、その結果全国型のプロバイダと契約で見ている我が家ではMLLの試合を見る機会が激減したという流れです。

MLLのような一般的人気が微妙なプロリーグにとってはこの争奪戦は有り難い収入なはずです。先日見に行ったPRO Rugbyの試合にも地元のケーブルTime Warnerの放送車が横付けされて、ああ地元ケーブルではPRO Rugbyの放送があったんだなと感心。アメリカ市場経済・競争原理の結露だなあと思って眺めていました。全国放送には向かないけれど地域ならそれなりに人的地域的につながる人たちが見る(かもしれない)ものを他にもいろいろ細かく囲い込んで全国型TVプロバイダに対抗している。このビジネス戦略パターンは極マイナーなものが大半ですが、マイナーとメジャーの中間というべきサッカーMLSやさらにその上のホッケーNHLや野球MLBにも食指を伸ばそうかという勢いがある。人目に触れ易い時刻・チャンネルでの全国放送がしっかりとあるメジャー級のスポーツはそうなっても全国レベルの露出はあまり落ちませんが、ラクロスMLLのように全国放送が脆弱(今季はCBS Sportsnetworkでプレーオフ3試合など極僅か)だと一気に露出が落ちちゃうんだなあと。これからまだ伸ばしていかなければならない立場のマイナープロとしては痛し痒し。当面は地域チャンネルからのお金で財政立て直しという感じでしょうか。せっかく大激戦になっているリーグ戦終盤が露出が落ちているのはもったいないかも。

なお私の視聴環境でも試合を積極的に見ようと思えばESPN系のネットストリームであるESPN3を通じてほとんどの試合は見ることはできます。単にTVでたまたまという露出機会の喪失という話です。カレッジラクロスが大幅に露出を伸ばしたタイミングでプロがそれを上手く拾う機会を逃しているのはもったいないですが、経済的体力を養っている時期ということになるのかもしれません。

NCAAラクロスはノーシードのNorth Carolina 男女ともに制覇

アメリカでは月曜日はMemorial Dayの祝日、三連休。アメスポでこの毎年の三連休というと中日の日曜日にIndy 500が行われるのが恒例。注目度は大きく劣りますがカレッジスポーツの方では男子ラクロスの全米準決勝戦二試合が土曜日に、決勝が月曜日に同じ大会場で行われるのももうひとつの恒例です。激戦が多く楽しめた今年のNCAAラクロストーナメントはノーシードから勝ち上がったACC所属のNorth Carolinaが、元ACC所属・現Big Ten所属となったNo. 1シードのMarylandを熱い延長戦の末に破って優勝。カレッジラクロスの世界では新参となるBig TenからNCAA初制覇となりそうな瞬間もあったのですがそうはならず。

North Carolinaは準々決勝から三試合連続となる試合開始直後からの連続ゴールでMarylandを攻め立てポゼッションを明け渡さないままの4−0での発進。序盤にNorth Carolinaのロングショットがズバズバ決まるのは前の二試合と同じで、前の二試合ではそのまま相手を圧倒して大差で勝利していた(それぞれ終盤に相手が点差を詰めましたが最終スコア以上の圧勝)だけに、この決勝戦もNorth Carolina一辺倒になるのかと思われたのですが、そこからMarylandが逆襲して4-4。Marylandの逆襲はラッキーな面もあったのですが(シュートのリバウンドがMarylandの選手にきれいに収まってそのままセカンドチャンスゴールが4点のうち3本)、それで息を吹き返したMaryland。それ以降は一進一退の熱い試合となり大変楽しめました。過去のNCAA決勝観戦歴の中でもトップクラスの試合となったと思います。終盤のターンオーバーや反則でポゼッションが激しく入れ替わるどんでん返しの連続もラクロスではなかなかない白熱の最終盤につながりました。レギュレーション終了間際に犯したMarylandの反則(1分間1名退場)が延長戦開始時に続いてそのまま決勝ゴール。North Carolinaは前日に女子ラクロスでもMarylandを破って全米制覇で男女同時全米王者の快挙。過去Brownも男女同時制覇したそうです。

ラクロスに詳しくない友人と準決勝ともに観戦していたのですが「なぜアメリカではラクロスは人気がないの?」という質問が出るほど楽しんでくれたようでした。ちなみに準決勝の土曜日は同時刻にUEFA Champions Leagueの決勝があって、二画面で見ていたんですが、ご存じの通りCL決勝の方はあまりおもしろいと言える試合ではなく、かつ例によって恥ずかしいニセケガで審判を騙そうというサッカー界の大一番を汚すような行為まで出てました。その裏で双方が攻めまくる熱いラクロスの試合を見ていたラクロスバージンのような人がサッカーよりも野球よりもラクロスおもしろいかもという感想を漏らしていたのは(単に私の個人的な経験とは言え)ラクロスの人気スポーツ化に光明なのかなという気もしました。以前から書いてますが20世紀の人気スポーツだったサッカー、野球、ボクシングはともに何かが起こるまでファンを待たせる面が強く、アクションが続くラクロスも提示の仕方をさらに工夫すればメジャースポーツに互していける隙はあるのかもしれません。

カレッジスポーツの方では月曜日に野球のNCAAトーナメントの組合せの発表がありました。カレッジの春スポーツの本命はまだ野球の方だと思いますが、ラクロスが急速に春スポーツのナンバー2の地位を固めつつあるのが印象的な2016年シーズンだったかと思いました。

Belichickは両刀

NFL New England Patriotsの名将Bill Belichickが学生時代にラクロスもプレーしていたという話は過去に当ブログでも何度か書いています。今週末からカレッジラクロスのNCAAトーナメント(18校出場)が始まっており、それに合わせてラクロスメディアがBelichickのインタビューを公開、試合中継中に宣伝をしていました。YouTubeで見られます。なにがおもしろいと言って、フットボールの話をするときとはまるで違う笑顔が素敵というところがすごい。話を聞いていてもラクロス、好きなんだねえというのがひしひしと感じられました。Belichickの子供さんたちもラクロスをプレーして育ったという話をしていました。Clevelandに住んでいた頃はプレー環境は良くなかったけれどNew England、New Yorkとラクロスの盛んな東海岸に移住してからは子供達の環境もアップしていったという話なんかもしてくれました。

ビデオの後半には実際にキャッチボールをしながらの場面があるんですけれど、おもしろいのは右利きなのか左利きなのかBelichickは誰にも明かしたことがない、と言ってキャッチボールも右左両方でさらりとこなしていたのです。「たぶんうちの子供たちも自分がどっちが利き手か知らない」と言うほどで、それが現役時代のBelichickの武器だったとか。お歳になった今でもインタビュワーに利き腕を何度も訊ねられても口を割らないという徹底ぶり。その辺の裏をかくという考え方、普段から、そして長い時間をかけてその裏をかく準備の周到さなんかはPatriotsでのプレーコールに通じるものがあるかななんて思いました。


NCAAトーナメントの一回戦も好試合が続いていて楽しんでます。Dukeの大型フォワードMyles Jonesを見事に封じたMaryland-Loyolaの好ディフェンスが光った一戦はカレッジラクロスのレベルがここ数年で一気に高まっているのかなということを感じさせる試合でした。Jonesについては二年前にも少し書いています。これでJonesはカレッジでのプレーを終えてプロリーグMLLに加入していくんでしょう。


Belichickのインタビューの話に戻りますが、現行のラクロスのルールをひとつ変えられるとしたら何を変えたいですかという問いに、攻守両方に参加できるミッドフィールダーをルール上でもっと許して攻守分断を弛めたらどうかという話をしていました。

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