アメリカスポーツ三昧

アメリカ永住コースか、または第三国に出国か!?スリルとサスペンスの人生とは別にアメスポは楽しい。

ドーピング・PED

Curt Schillingが殿堂投票対象から除外を希望

今年の野球の殿堂の投票結果が発表されています。今年は2013年以来の当選者なしの年となっています。記者投票で決まる殿堂入りは、最多得票のCurt Schillingが71%(75%以上で当選)、ステロイド期のスーパースターだったBarry BondsおよびRoger Clemensがそれぞれ62%の得票となってます。3人とも来年が投票対象の最終年となります。

こと成績だけならBondsとClemensの成績はSchillingを大きく上回っており、この2名に関してはPED使用の是非が殿堂入りを阻んでいると言えます。以前から何度か書いてますがBondsに関してはPED使用に走ったのはキャリア後半のはずで、キャリア前半のPittsburgh Pirates時代に既にMVPを獲得(計7度)しており、入れてあげてもいいのではないかという気はします。
但しこれを許すとその後のPED使用選手(Alex Rodriguezが最有力)の評価にも関わってくるので否定したいという投票者がいるのもまた理解はできます。

Schillingについては一応PEDではクリーンってことになってます。時代がそういう時代だったので完全にクリーンな選手がどれほどいるかというと大変疑わしい。そもそもがボーダーライン上の選手は全員落とした方が良いというのが私見なのでSchillingのような選手は落として良いのではないかと思ってます。既に当選した落としておいた方が良かったレベルの選手が殿堂入りしているのはもう仕方ないですが。


歴史的には一旦70%の得票をした候補選手はほとんど最終年までに75%の投票を得て殿堂入りするので、来年が資格最終年となるSchillingには当選の望みがあり、BondsとClemensは無理というのが予想される未来だったわけですが、その有望なはずのSchillingが自ら来年の投票から自身を除外して欲しいと殿堂組織側に申し出ています。

除外希望の理由は声明で長々といろいろご本人は言ってますが、要は来年の投票で得票がガタ落ちするのが見えている、その過程でさんざん晒し者になるのも嫌だという話かと。10年の記者投票による殿堂入り投票の期間を過ぎるとベテラン委員会と呼ばれる過去の選手の殿堂入り審査機関による殿堂入りの道があり、Schillingは記者ではないベテラン委員会の審査を経ての殿堂入りなら受けたいと言ってます。つまり言外に記者投票の対象にはなりたくないと言っているのです。

1月6日にトランプ支持者が連邦議会に突入するというテロ事件が起こったわけですが、Schillingはそれを支持する発言をしていたようです。支持する方、非難する方、個人がどう思うかはまったくそれぞれ自由ですが、さすがにあの事件だとトランプ支持者御用達チャンネルFOX News辺りでも支持までは表明できない。それをSchillingは支持すると表明していたらしいです。引退した一野球選手の意見などあの事態でさしたる意味があるとは思えませんが、ことが殿堂入りという野球人としての最高レベルの名誉に関わっているとなるとただの一野球選手ではないことに。

殿堂入り投票はあの事件の前に締め切りになっており、議会突入事件とSchillingの支持発言は今回の結果に反映されていません。一部投票者がSchillingの議会襲撃支持発言を知った後に、投票を撤回したいと申し出たという話もありますが、それは今回発表された結果では認められていないはず。今回Schillingは落選したので大事にはなりませんが、Schillingが唯一の当選者だったりしたら今頃、投票撤回要求が高まったりかなりの騒ぎになっていたんじゃないですかね。

そんな事情なので歴史的には当選見込み圏内の70%超の得票となったSchillingですが、来季の得票の上積みには期待しにくい情況となった、というかたぶん下がる。その過程で必ず議会襲撃支持発言が何度も取り上げられて晒し者になるのも見えているので、自分から投票対象から撤退申し入れをするということと理解してます。

個人的には殿堂は名前を並べただけでドリームチームになるような選手だけ入れるのが良いのではと思ってるので、ひたすら成績だけでもSchillingは要らないだろとは思いますので、議会突入支持だろうがどうだろうがそれは関係ないような気もしますが、それを大いに気にする投票者がいるのも理解できます。

Schillingが言うベテラン委員会というのは時代の変遷を鑑みて、当初は受け入れられなかった名選手を救済する使命があります。ニグロリーグの選手など人種的マイノリティが再評価されたという場合もありましたし、慈善活動が後世で当時より評価されたというケースもあり、未来で言えば打撃成績の指標が過去20年で大きく変わったことで、その昔の選手の見過ごされていた成績が見直されるという可能性もあるでしょう。
PED使用についても将来正当化されていく可能性はゼロではない。実際BondsやClemensへの投票はこの10年間でかなり増えました。Bondsの成績の数字自体は否定しようのない抜群の成績なので再評価の可能性はあるんでしょうね。PED自体は悪ではないということは当ブログも何度も議論してきています。

一方Schillingは…ないかな。そもそもの成績がボーダーラインなのに、PEDでも灰色だと認識してますし、暴力革命支持では三重苦ぐらいですからベテラン委員会から再評価を受けるのは苦しいように見受けます。
殿堂投票資格者から実際に外されるかどうかは次回の殿堂の運営会議で決まるそうです。

UFCがマリファナ解禁

UFCが使用禁止薬物についての運用を今年始めに遡って変更、マリファナの主成分であるTHCについて条件付きで取り締まりをやめると発表したようです。条件としてはTHCを運動能力向上に使用した場合は処罰対象のままですが、少量の喫煙摂取などは禁止からはずすということです。

2020年12月時点でNBAがマリファナ検査の廃止を宣言。そのときの記事でも説明したのですが、アメリカ連邦法上のマリファナの合法化の可能性が高まっています。記事を書いた時点ではジョージア州の上院戦2議席の再投票前で、マリファナ合法化支持の民主党候補が2議席とも勝つかは不透明だったのですが結果は僅差ながら民主党候補が2議席とも確保したため連邦議会がマリファナ合法化を可決できる情況となりました。

ジョージアの2議席が確定後の連邦上院は与野党50議席同士。誰か一人でも欠けると事情が変わるという緊張感のある情況となりました。また大統領の弾劾訴追も現在俎上に上がっている局面でもあります。平穏な時期ならともかく、いまは過激派が上院議員を狙って暗殺を企てる可能性を排除できませんし、そうでなくてもコロナ疫禍で年配の議員が突然欠ける可能性も否定できない。実際つい先日連邦下院議員でコロナ感染で死亡した方も出てます。その方の場合は41歳と若いのに11月の選挙で当選して、年を越す前に死亡してしまってます。なにが起こるかわからない。

そういう緊張感のある中、マリファナ合法化のような不要不急の案件の優先度はかなり低いので早急に審議されるとは想像できず、その順番を待ってるうちに民主党上院議員が数名暗殺されたらマリファナ合法化が霧散する可能性は十分なのですが、それはともかくもし何事もなければ1−2年のうちに連邦レベルでは合法化される可能性は高まったわけです。各州の州法はまた別ですが。

NBAは連邦上院の先が見通せない時点での検査廃止でしたが、今回のUFCはNBAよりは政治的なアジェンダの見通しが良くなった今の時点での禁止物質からの削除ということになってます。今後これに続くスポーツ団体は増えていきそうだなと推測できます。
マリファナの効用として鎮痛効果が謳われているため格闘技のUFCとは比較的相性が良いのか。そうだとすると他のコンタクトスポーツであるフットボールやホッケーでもOKになっていく可能性はありそうです。既にカナダでは娯楽使用が合法化となっており、カナダ人選手の比率、在カナダのチームの比率の高いホッケーNHLが次に続く可能性が高いかなと想像したりもします。

NBAが大麻使用検査を廃止

なるほど頭の良い人がいるもんだなと感心するタイミングでこの話題が急浮上しています。2つのニュースが別々にほぼ同時に発表になってます。まずNBAで今月開幕する2020−21シーズンで選手の大麻使用のランダム検査を取りやめるというニュースが出ています。それとはまったく別の話題としてアメリカ連邦下院で急に連邦法レベルで大麻の合法化を議決をしています。これ、リンクしているのかしていないのかは現時点ではわかりません。
ただこの話題が今の時期に急浮上したというところには意図があるだろうなあと感じるわけです。

連邦下院は民主党が多数で、アメリカの議員には党議拘束というような(たぶんアメリカ的思想では憲法違反行為でしょう)ものはなく、単純に党の勢力図で決まるようなことではないですが、とにかく急にいま持ち出してきて議決した。
しかし二院制のもう一方の連邦上院は現時点では共和党が多数を維持しており上院が現実的に同法案を可決する可能性はほとんどありません。当面上院で議論することすらまずない。上院下院がともに可決しないと法案として通過しませんので、下院が前のめりになって議決してもそれ自体では事態は変わりません。

ではなぜ下院が上院で成立の見通しのない大麻の合法化を急に言いだしたのか。こっからは完全に私の個人的な読みですのでそのように読んでください。

先月11月に大統領選と同日で各地で投票された連邦上院議員選の結果、現時点では連邦上院は定員100名のうち50議席が共和党、48議席が民主党(及び無所属)、2議席が欠員となってます。この欠員の2議席は1月に再投票が行われるのですが、どちらも南部のジョージア州の議席です。この2議席は11月にも投票されたのですがいずれの候補者も過半数を制することができず再選挙になってます。
もし民主党がこの2議席を獲れれば50対50。もし上院が賛否同票となった場合、副大統領が最後の1票を投ずるルールになっており、既に大統領選は民主党勝利となっているためタイブレーカーは民主党側。よって1月のジョージアの結果はアメリカという国のこれから数年の行き先を大きく変える可能性がある大事な選挙なわけです。

しかしながら場所は南部ジョージア州。共和党の有利は動かないのではというのが一般の読みでした。大統領選ではジョージア州は民主党のバイデン候補が勝利してますが、それは僅かな差。11月の激しい選挙の疲れもあり1月の再選挙の投票率は下がるのはほぼ確実。投票率が下がれば元々の地盤の共和党の勝ちだろうなというのが私の観測でした。

そこへ今回の連邦レベルでの急な大麻解禁への下院の動きです。これ、私には、「もしジョージア州で民主党が2議席とも獲れたら全米規模で大麻解禁になりますよ!」というキャンペーンに聞こえるんですよね。
つまりですね11月の段階では存在しなかった別の投票に出向く動機を作って、ジョージア州での投票率をあげようとしてるんじゃないかなと。今回の下院の議決では将来の大麻の娯楽使用・医薬品としての利用を非犯罪化するだけではなく、過去に大麻関連で有罪判決を受けた人たちの犯罪歴も全部消去しようというもので、過去大麻で有罪となったことのある人たちにとってはメリットのあるものとなってます。政治的な右左に関わらず大麻愛好家や犯罪履歴を持つ人はかなりいると考えられ、固い南部の地盤を割りにかかるにはこの法案は意外と効くかもなとは思えます。民主党の選挙戦略としてはかなりひねった変化球ですが、これを考えついた人はなかなかの策士で頭が良いなと思えます。
以上すべて私の解釈で、こういうことを今の時点で言ってるマスコミはないと思います。


そこで最初のNBAの話に戻ります。同日に急に連邦下院とNBAが大麻解禁方向の動きを起こしたのは本当に偶然なんだろうか、という疑問を感じるわけです。連邦下院の民主党の動きと、NBAは示し合わせている可能性があるのかもしれない。NBAがこの話題を持ち出すことで政治ニュースに疎い層へも連邦下院の動きの宣伝になるのではないかということを感じます。大統領選のときもトランプ大統領が「NBAは政治団体みたいだ」と非難していたのですが、確かにそういう面はあるのかもなーというところです。

現状、全米の既に半数以上の州で医療大麻がどういう形でか合法、およそ1/3の州が娯楽大麻を合法化の方向。但し連邦レベルではいまも違法なため医療目的で用いられても医療保険の対象になりえず、また購入する際もほぼ現金のみ。クレジットカードは連邦法で違法のものを購入することができないからです。キャッシュレス化が進んでいる中、これは不便ではありましょう。また合法州から合法州に大麻を持って移動する場合でも連邦法では違法という微妙な状態です。これらの問題が全部消失するってことです。大麻好きが嵩じてNFLを追われていったRicky Williamsが懐かしいですね。

Texansの2選手がPED違反

NFLでは昨日Houston TexansのWR Will FullerとCB Bradley RobyがPED違反で6試合の出場停止処分になっています。今季は残りが5試合なので今季の出場ができないとともに、来季の冒頭1試合も出場不能となります。Fullerは今季後にFAとなる予定でしたので次の契約を目指してPEDを利用して評価アップを狙ったのかもしれませんが、違反・処分となったこと、さらに出場停止が来季にも及ぶことでFAでの評価も落とす結果になりそうです。

少し前にMLBでNew York Mets所属のRobinson CanoがPED違反を問われて2021年シーズン丸1シーズン出場停止処分になったのは記憶に新しいところでした。
MLBにしてもNFLにしてもちゃんとドーピング取締活動をしてるんだなというのは地味ながら評価すべき点ではないかと思いました。今年4月の時点で「2021年五輪はドーピングの無法地帯かそれとも」という記事を書きました。コロナ疫禍の影響で国際機関によるドーピング検査が無力化されるのではないか、ドーピングやり放題になるのではということを指摘した記事でした。
国際機関によるものと、国内機関によるものはヒト物の流れも違いますので同列には語れませんが、MLBもNFLもコロナ蔓延の今年もちゃんとドーピングへの取り組みは続けているのだなというのはけっこうなことかと。特にNFLではチーム施設内への出入りを厳しくし、かつ施設内では選手スタッフ全員の動きをトレースする追跡デバイス着用を義務付けるなどで感染者が発生した場合に濃厚接触者や経路重複などを瞬時に判別できるしくみを導入するなど、真剣度の高い防疫予防措置をとっているのは過去にも報告しています。
そういう中へ、ドーピングの検査機関からの人員を(その訪問の性質上)予告なく入れているということであるはずで、ということはドーピング検査機関自体もその検査職員にNFL並の頻度でコロナ検査をしてるということかなと想像できます。本当にそうならば相当にカネも手間もかかることをドーピング検査員にも課しているわけで、そのカネはどっから出てるんだろうなといらぬ心配をしてしまったりもします。並の組織では真似ができない態勢になっていそうです。

娯楽大麻が3州で合法化へ

大統領選挙がヒートアップしていたのであまり話題になってませんが、今回の選挙日にニュージャージー州、アリゾナ州、サウスダコタ州で娯楽大麻の合法化が住民投票の対象となっていて、3州とも賛成多数で合法化となるようです。

アリゾナ州とマリファナと言えば、セドナを始めとしてヒッピーな方が多く住む同州なので賛成が多くなるのは予想されていたところ。遅かれ早かれという。それよりも全米的に影響が大きいのは東部ニュージャージー州での合法化賛成多数の方でしょう。全米最大都市のニューヨーク市の川向うはもうニュージャージー州。なし崩しにニューヨークやその他のニュージャージー州と州境を持つ東部の大都市周辺でも娯楽大麻の合法化はもう止められないことになりそうです。

今回の大統領選挙のサイクルでは両候補とも大麻には関心を示してなかったので争点になりませんでしたが、民主党の候補選びの段階では娯楽大麻合法化を明言する候補も何人もいましたし、4年後の次のサイクルまでには連邦法での合法化がアジェンダに乗るかもですね。トランプもバイデンもまったくお酒を飲まないとされていて、トランプさんなんかは大麻なんて解禁しても大したカネにならなさそうと思ってそうでしたが、4年後は共和党側もトランプじゃない候補になりますから(可能性だけなら今回トランプが敗戦したら2024年も立候補は可能ですけど)この問題への党内コンセンサスが必要になるかもしれません。

合法州と違法州が入り混じり、州法で合法でも連邦法だと違法というねじれ状態だったため、全国区で活動をするプロスポーツでは選手の大麻使用を違法ドラッグ使用扱いせざるをえなかったのが、これから数年で様変わりするかもしれません。大麻が大好きでシーズンオフに合法の国に渡ってヘロっていたRicky WilliamsがNFLからクビになったりとすったもんだしていた時代がありましたが、そんなのが昔話笑い話となるんでしょうか。

追記: 同じNew Yorkを名乗るプロスポーツチームでもMLBのYankeesやMets、NBAやNHLチームはニューヨーク市内に本拠地がありますが、NFLのNew York GiantsやJetsの本拠地は川向うのニュージャージー州に所在します。サッカーMLSだとNew York City FCはニューヨーク市内ですが、New York Red Bullsは本拠地はニュージャージー州側。NHLのNew Jersey Devilsはその名の通りニュージャージー州側。
ニュージャージー州側が娯楽大麻が合法と言ってもMetLife Stadiumのスタンドでぷかりとやるのは違法になるはずですが(先行した合法州がそういう運用)目を充血させてゲラゲラ笑いながら観戦する観客がいても不思議じゃないってことになります。

2021年五輪はドーピングの無法地帯かそれとも

1年延期を決めた東京五輪ですが、日本ぽい理由でいきなり損切の意思決定ができなかったというだけで現実的にはもう開催されないと考えて差し支えないと個人的には判断してます。来年の7月に世界各地からアスリートを迎えて選手村に収容…大量の選手関係者報道の移動…そして大量のおもてなし人員の動員…考えただけでもくらくらしますね。普通の生活をとりもどせていたらそれだけでもありがたい、五輪なんてできないと考えた方がまっとうかと思います。

なにかとてつもない偶然で特効薬やワクチンでもすぐに見つからない限りはとても来年の春までに世界のアスリートや日本国民を守れる形になりそうにない。来年の今ごろに最終的に「苦渋の決断」という名の今からでもわかりきった発表を1年遅れでするのではないでしょうか。チケットを買ってしまわれた方々、納税者の皆様、残念でした。
いやはや、一年前に事前の予想を遥かに上回る幸せなラグビーW杯が行われたのとの対比がすごいことになりますね。たった1年でこれほど明暗が分かれるとは。

ラグビーにしても2021年に新プロリーグを日本で立ち上げると言っていたのももう無理でしょうし、ラグビーW杯での勢いで作るプロリーグという流れは完全に消えてしまってるんですからラグビーも無傷ではないわけですが。米国内でラグビーの着実な成長を目指して立ち上げたMajor League Rugbyもとても存続できないで2−3年後に仕切り直しでしょう。
アメスポに限らず無傷なものは限られた業界だけになりますが、あとはどれだけ新時代に即したビジネスに早く移行できるかの競争になりそうです。eSports化の加速が一つでしょうし、他方やっぱり血の通った肉体が躍動するスポーツは良いと再開したスポーツイベントがプレミア化する可能性もあるのかも。


毎度同じようなことを書くことになりますが、米国内ではNBC系列が五輪の独占放映権を長年確保し続けている。他系列にとっては延期がうまく行こうがいかなかろうがどうでも良い。毎大会のことですが他系列はせいぜい五輪本番が始まってからのみニュースで触れるか触れないか程度。他系列もNBC Sportsも東京五輪の延期の事実関係に触れて以来放置状態。コロナで緊迫してるので遠い他国の五輪の予定なんてどうでも良いし記事に需要もなかったかと思います。NBCだけがいまも五輪マークを小さく局のロゴに添えているのが唯一今年が五輪年であった事実を確認できる事象です。
ちなみに日本語報道で東京五輪の延期時にアメリカのマスコミから延期決定のタイミングその他で批判があったがごとく伝えられていますが、きっとそんなのも広く自由なアメリカのマスコミ報道のどこかにあったのかもしれませんが、根本的に日本側の自意識過剰です。米国内のスポーツニュースは相当に多く読む私が一度も目にしたことがないんですから批判などほぼ存在してないかと。延期の事実の報道以外は意識にも登っていないというのが現実だったんじゃないかなと思います。


現役の五輪選手として米国内で最も知名度の高いであろう女子体操のSimone Bilesは延期が決まった時期にNBCの朝のワイドショーに遠隔出演して1年後に向けてまたスケジュールを立て直してがんばります!と明るく受け答えしてました。前回リオ五輪では個人総合を含めて金4つ。彼女は今23歳。体操選手としては時間との戦いになりそうな年齢ですが彼女はとりあえず前向きな態度で、番組的に救われてるなあと思って見ていました。当時は延期発表直後でもあり米国内の危機感もピークの前でしたからBilesは2021年に試合があると思って応答していたんだと思います。現実は来年やっぱり開催できませんってことでそのまま引退の可能性を今ごろは気づいているかも。

Bilesは年齢的にもうご利益が得られる部分は少ないかもしれません(逆に大いにあると考えるべき?)が、アスリートにとってはこのコロナ疫禍のタイミングを利してドーピングに励む可能性があるという指摘があります。ロシアは既にドーピング検査停止を宣言しているし、そうでない国でもドーピング検査機関による抜き打ち検査が事実上ストップしているとされ、プロアスリート、五輪アスリートともに使いたいならこれが千載一遇絶好の機会でしょう。多くの国で外国人の入国制限が実施されていてWADAからの抜き打ちなんて完全に不可能になっている国も多い。
もし2021年の東京五輪が滑り込み実現したとしてもコロナ防疫が主たる関心事になってドーピングで作られた体についてのチェックはおろそかになってしまう可能性が十分あるのでしょう。ロシアが率先して国内の検査中止を宣言したところなんて過去の同国の国家ぐるみのドーピング疑惑を考え合わせると苦笑せざるを得ない。ロシアがやるぞと高らかに宣言しているのに他国はやらないで臨むべきなのか。

こういう特殊な事態になってしまうとすべてをうまくやることはできないわけで、ドーピングぐらいはしかたないと思う方が良いのかもしれません。ドーピングは目の前の不公平であっても絶対悪ではない、という点については当ブログでは長年議論してきているところでもあります。

過酷なロードはテスタストロン減少につながる?

今日ESPNの毎日のNBA情報番組The Jumpでこの情報をやっていました。なんでも20代のNBA選手のテスタストロンの数値がシーズンが始まって3ヶ月ほどすると50代一般男性のレベルまで下がってしまうのだとか。その原因として旅から旅へのシーズンと睡眠の質の低下が関連しているのではないかという話をしてました。

NBAの20代現役選手というのは世界的に見てもこれ以上健康な人はいないという母集団といえるでしょう。栄養管理や疲労回復に最新の科学的な手法が取り入れられているという面でもほぼ世界でベストの環境下にいるであろう人たちです。その人たちのシーズン前には異常のなかったテスタストロン数値が僅か数ヶ月でガタガタに減ってしまっているというのはかなりマズイのではないかという問題提起ということになります。

NBAのレギュラーシーズンは10月開幕4月終了のおよそ6ヶ月間。プレーオフを勝ち抜くとさらに1ヶ月半ですが、ここではレギュラーシーズンに焦点を当てて考えます。6ヶ月間に82試合をこなします。
アメスポで試合数が抜群に多いMLBは6ヶ月間に倍の162試合を消化しますが、こと遠征旅行という意味だと実はNBAの方がしんどいのかもしれません。MLBは年間81試合のアウェイの試合をこなしますが3連戦が基本ですから旅は3日に一度以上にはほとんどなりません。なのでたぶん各チーム27都市前後を毎シーズン訪れているのでしょう。NBAではアウェイの同都市での連戦はほとんどないので試合をしてはそのまま飛行機に乗って次の都市へということになります。それが41試合。MLBよりもかなり多い移動負担といえそう。さすがに移動しながらの連戦はキツイということになって昨年になってアウェイのスケジュールの緩和がなされて4日間に3試合というのはなくなりました。


アメリカのTVコマーシャルでテスタストロン増強サプリの宣伝は多いです。有名なところでは元MLB Chicago White Soxの強打者だったFrank ThomasがCM出演している商品のCMはとてもよく目にするところ。他にも同様の商品は多いです。いわくアメリカの現世代のテスタストロンのレベルはアメリカ史上最低、世代ごとに減少の一途をたどっているんだとかで一世代前の男性と比較して半減、二世代前からは1/4になっていると言います。テスタストロンはやる気・筋肉の維持・精力・性欲に強く関わるとされ、そのレベルが低いと言われては男がすたると思うのかこの手のテスタストロン補強サプリはものすごくよく売れるようです。これとは別に以前にもご紹介したことがありますがED薬のTVCMもスポーツ放送では大量に流されていますから男性としての力の低下に危機感を持ってるひとたちがどちらも買ってるんだろうなあと思われます。

今回問題提起されたNBA選手たちもこういったテスタストロン増強サプリを飲んでるんですかね?それともそれはドーピングにあたるんでしょうか?ちょっとまた調べてみますが、それを飲んでいてもシーズン中にはテスタストロン値がガタ落ちになるのだとしたら、それは「治療」すべきことなんでしょうか。この件は2012年に「
ドーピングの未来 または新人類の開発
」というタイトルでこういう記事も書きました。治療と言えばOK、そうでないとドーピングと言われるというあやふやな基準がそこにはあります。
医学が進歩して、過去だったら自然な老化だとか、疲労は当たり前とされていたものが治療対象になっていくと、ドーピングと治療の境目もますますあやふやになっていくとも言えます。

Clemsonの3選手出場停止は大事のはずなのに

土曜日に迫ってきたカレッジフットボールプレーオフ準決勝。その出場校であるClemsonから3人の選手がNCAAから出場停止処分を受けています。どうもPEDが検出された模様。3人ともディフェンスの選手です。Clemsonにとっての最大の痛手は大型DTのDexter Lawrenceがそのうちの1人であること。

これ、なぜかあまりマスコミが騒ぎません。私にはとても大きな問題な気がするのですが。
3人も一度にドラッグテストに引っかかるというのはどういうことなのか。基本的に全員検査ではなくランダムで検査は行われているはずで、それで3人も引っかかるというと、全員検査したらもっとClemsonには引っかかる選手がいるんじゃないのか。過去10年ほどで急激に成績が上昇してカレッジフットボールの強豪の一角に浮上したClemsonですが、組織的犯行の可能性はないんですか。まったくそういうマスコミ論調が見えません。プレーオフ後、Clemson敗退後に話題にするつもりなのか。
もしチームぐるみでないというならば、3人の学生選手はどういうルートからそのPEDを得て、その代金はどうしていたのか、というところまで掘り下げる必要がある問題に思えるのですが。

以前、Miami-FLがチームぐるみでPEDを提供していた疑惑が持ち上がったことがありました。フロリダのBiogenesis社からみでMLBでAlex Rodriguezその他大量の処分者を出した事件に関連して、Miami HurricanesにもPED提供がなされていた可能性が指摘されました。公式には何もなく立ち消えになって具体的な処罰などはカレッジ関連ではありませんでしたが、Biogenesis問題が勃発する前後に偶然なのかそうでないのか、一時期カレッジ界を席巻したMiami-FLは大きく弱体化しました。それまでは毎年のようにNFLドラフト上位にスター選手を次々送りこでいたのが、ピタリ止まってしまったのです。

Clemsonが取って代わってカレッジフットボールで浮上してきたのはちょうどその頃からですかね。

過去の経緯はいまさら意味はないですが、今まさに3人もまとめて捕まったClemsonのPED違反者についてマスコミ各社がなにも言わないのはなんなのか。とても気になります。

ESPN社長が薬物濫用で辞任

これがアメスポの範疇の話かどうかは微妙ですが、アメスポメディアの最大手ESPNの社長が薬物濫用を理由に辞任してます。使用薬物が何であるかは明らかではないですが自身の出したコメントによれば長年使用してきたということです。憶測で言うとたぶん処方箋薬の向精神薬か鎮痛剤辺りではないでしょうか。アメリカ社会における薬物というと派手な娯楽薬物であるヘロイン・コカインなどがニュースで多く取り上げられますが、実際には処方箋薬の濫用による死者の方が多いという統計になっていたと思います。日本でトヨタの米人女性役員かが数年前に逮捕されたのも鎮痛剤Hydrocodoneでしたよね。Hydrocodoneは人気濫用処方箋薬(放送禁止の曲にもしばしば出てきます)ですから、私がトヨタの件を読んだときにはああそれかとあっさり納得したんですけど、日本の方からすると鎮痛剤がなんだって?という感じだったのはないでしょうか。

アメスポの選手だとNFL Green Bay PackersのQB Brett Favreが同じく鎮痛剤の常用を告白して治療施設に入ったことがありました。あれはかなり状態が悪くなっていて滞在型の治療施設に入らないとどうしようもない段階まで行っていたのでしょう。Favreは顔が売れているから治療施設に入ったらどこからか情報が漏れるのは避けられず、自分から告白して治療に行ったということだと思います。

上級ホワイトカラーの人たちが手を出してしまうのと、アスリートが手を出してしまうのは意味合いが違うようにも思いますが、いずれにせよ薬物濫用禍はアメリカ社会の大きな問題であるのは間違いありません。向精神薬の濫用の話もすごくよく聞きます。

エリートアスリートというのは特殊な身体能力を持ち、その能力を最大限発揮することが職業。よって怪我も起こりやすく、その結果として大小の医療手術を受ける機会も多い。その際に処方される鎮痛剤使用がきっかけでハマってしまう人が多いとされます。一般人もそういう経験から処方箋薬の娯楽使用に興味を持ち、興味を持ったらいまはインターネットでいくらでも情報はありますから。

Favreは自己申告とその後の治療成果が良かったせいか、引退後の今もTVコマーシャルなどで顔を見るしパージされている感じじゃないですね。NFL番組ではまったく見かけないですが。

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