アメリカスポーツ三昧

アメリカ永住コースか、または第三国に出国か!?スリルとサスペンスの人生とは別にアメスポは楽しい。

女子サッカー

南ア女子サッカーの進歩

サッカー米女子代表が南アフリカ女子代表との親善試合をしているのを見ました。都合で全編を見ることができなかったのですが、南アの巧みなつなぐサッカーに感心させられる試合となりました。結果は米代表が1-0で勝ったのですが、過去の力関係や双方のかけている予算などから考えたら1−0というスコアも、内容も南アの健闘と進歩ばかりが目に付く試合。

南アの選手たちの根本的なフィジカルは足りず、パスは距離は飛ばないしボールのスピードも遅い。但し意図するサッカーはよく見える。うまく中盤でパスでスピードで勝る米代表の選手たちを翻弄して得点チャンスを切り開いていて、え南ア女子ってこんな気の利いたサッカーができるのかと意外に思いました。両国ともリオ五輪へ出場します。南アはホストブラジルと同組。米女子相手にこれほど健闘できるなら個人の技量で勝るブラジル相手でもおもしろい試合をするのかもしれません。

米代表の方はどうでしょう。ベストメンバーからは数人のレギュラーが抜けて1.5軍程度のメンバーでしたが、良くも悪くもアメリカらしい試合ぶり。格下相手に得意の押し潰すような試合ができず。女子サッカーの広まりで今後はこういう試合が増えて、高圧的な試合ができなくなっていくのを予感させるような試合であったようにも見えました。

NFL Chicago Bearsの本拠地Solder Fieldに19,272人を集めての試合。集まった多くのファンにとっては米代表の良い所を十分に見せられなかった試合になってしまったかもしれません。

男女賃金格差訴訟

米サッカー協会を相手取って女子代表チームが男女間の代表出場給の格差を問題として訴訟を起こしています。サッカーの男女での経済規模の格差はアメリカを除く全ての国で巨大なのでしょうが、ことアメリカだけに限ると事態が違うのもまた事実。訴訟の内容自体もアメリカぽくておもしろいです。

訴状の内容もおもしろいです。曰く「女子代表の方が男子代表よりも多くの収入をもたらしているのに、女子代表選手たちの受け取る補償は男子の1/4以下だ」というくだりなんかもあって、他の国ではあり得ないアメリカサッカー独自の問題なんだなあと思わされる訴訟になりそうです。

アメリカで最も人気のあるサッカーチームが米女子代表チームなのは間違いありません。ひょっとしたら男子メキシコ代表チームが米女子代表より上かもという疑いはありますが、少なくとも米女子代表が米男子代表を上回っていることは確実です。しかしそれが訴状の言うように「女子の方が収入が多い」というのは微妙な点が多く、訴状が正しいかどうか訴訟を通じて米サッカー協会の帳簿の精査がなされるという点に最も意義があるということになりそうです。

男子の方はつい先日プレーオフに敗れてリオ五輪出場失敗。ロンドン五輪に続いて二大会連続での五輪本戦出場失敗となってます。ご存じの通り男子五輪はU-23なので、フル代表の女子の五輪チームとは意味が違いますがそれでも「女子サッカーは世界最強、男子サッカーは弱い」という一般のイメージをまた強化させる結果に終わったと言えます。メディアへの露出でも女子人気選手の方が圧倒的に多いし知名度も高い。Clint Dempseyでは「誰?」という人が多いでしょうがAlex Morganや(引退しましたが)Abby Wambachなら知らない人は少ないはず。

ただ訴状の言うように女子の方が収入が多いという点は本当のところどうなのかはよくわからない。ざっと私の視線から観察すると、女子の方が細かく全米行脚して親善試合興業で稼いでいるのはわかります。女子代表の親善試合の場合の相手の国はどこが相手でもほぼ関係なく動員でき、たぶん相手国への出場支払いも極低い金額でしょう。男子の方は女子ほど試合数を国内でこなせないし、公式戦は女子より多いですがCONCACAFへの上納金もあるので女子の親善試合ほど米協会に入るカネは多くないはず。弱小国相手の試合だとお客もあまり入ってくれないのも女子と違う。女子の場合は弱い国を相手に10-0とかいう試合をやってもファンは喜んでくれますが、男子だとそういうカードではチケットが売れない。わざわざ会場に来てくれない。大箱のスタジアムでの動員が見込めるサッカー強豪国を相手を招請しようとすると多額の出場コストがかかる。そんなこんなを考えると一試合ごとの協会への実入りだと女子の試合の方が儲かるという可能性は十分にあるのです。その上女子代表の方が試合数が多いですから訴状の言うような女子の方が収入が多いというのは一面の事実があるのかもしれないわけです。

他方、サッカーの一大イベントであるワールドカップからの分配金のことを考えると男子側の収入は大幅にアップする。女子W杯からも分配金はありますが微々たるもの。男子とは文字通り桁違い。

協会側からの言い分としては、まったく経済性のなかった女子サッカーに長年投資してきて今があるのだから、女子サッカーの人気がピークになった昨年を基準に論ずるのはおかしい、という言い分もある。それもこれも実際にこの訴訟を通じて協会の帳簿を精査できるという点で決着がつきそうで、その辺ははっきり白黒つけられて良いんじゃないかと思います。

尚、この訴訟の原告の弁護士代理人はスポーツ訴訟のベテランで、最近だとNFLの例のDeflategateでの出場停止問題でTom Bradyの代理人としてNFLを打ち負かした方です。そういうプロ中のプロの方が引き受けたということは勝ち目がある訴訟なのであろうと考えられます。

サッカー米女子代表は代替わり進行中

前項の通りで日曜日はNFLは見ずサッカーばかり見ていたわけです。MLSはプレーオフ争いの公平を期すため各地の試合開始時刻が午後の部(5PM~)と夜の部に統一されていたため午後の部が始まるまでは女子代表サッカーが放送されていまして、久しぶりに女子代表を観戦。

相手は来年のリオ五輪で金メダルを狙って強化中のブラジル代表。ブラジルでは今年になって初めて女子代表の強化に乗り出しているそうです。過去の女子の国際大会で上位に食い込んできていたブラジルですが突出した個の力で勝っていたのが、競争レベルが上がった昨今ではそれでは勝てなくなってしまった。昨年のW杯カナダ大会ではトーナメント初戦でオーストラリアに敗戦したのは記憶に新しいところ。これはブラジルに限ったことではないですが先進国以外での女子スポーツは予算も理解もなかなか得られないことが多い。経済規模も大きくなっている、そしてサッカーが強いブラジルですら今年からやっと強化予算が出て長期の合宿が可能になったのだそうです。それも来年の五輪があるからで、リオ五輪を過ぎたらその予算も継続するかどうかわからないとか。女子アスリートの皆さんはアメリカにせよ日本にせよ恵まれていると言えるのでしょう。男子と比較するといろいろ愚痴もあるんでしょうが、他国の女子選手たちとは比較にならない好待遇とも言えるし、見方次第でしょうか。

この日はNWSLのMVPも受賞したLauren Holidayと、Lori Chalupnyの代表引退試合。Holidayの方は代表だけでなく選手生活の最後の試合です。まだ28歳、来年の五輪もその先も本人が望めば十分に現役を続けられるであろう余力を残しての選手引退。その事情は以前にも少し触れました。幸せな選手生活と明るい見通しのその後の生活。大変結構なことと思います。

それより先に引退するのかと思われたAbby Wambach、Hope Solo、Christie Rampone

Shannon Boxxなど大ベテランの代表たちは来年の五輪まではどうも続けるみたいですね。RamponeやBoxxは本人が続けたくても落選する可能性もかなり高くなってきてますが。

ベテランを蹴落としそうな選手たちがこの日活躍。連続先発の座を得ているCrystal Dunn23歳。この選手はDFとして登録されていますが攻守MFやウィングもできるという万能型。この日はこぼれ球を押し込んで得点。大柄な選手の多い米代表の中では二回りぐらい小さい体躯。これからどういうポジションを代表の中で占めていくのか楽しみです。もうひとりStephanie McCaffreyが代表初招集で初ゴール。難しい高い球にうまく足で合わせてのゴール。センスは良さそうとは言えあのゴールシーンだけでは評価しようもないですが、多彩な才能の揃う米女子代表のフォワードにわざわざ呼んでみようと首脳陣に思わせるだけの何かがある選手なんでしょう。米女子代表の新陳代謝がうまく行ってる感じがぷんぷんする試合となりました。

北米におけるサッカー内の女子人気の特殊性の例

Morgan Sinclair fifa 16 cover


これがEA SportsのFIFA 16の北米版のパッケージ写真です。北米以外ではMessiだけ(のはず。他の国で独自パッケージがあるなら知りたいです) 米国内では右側のAlex Morganが、カナダでは左のChristine Sinclair(カナダ女子代表)がMessiと並んで登場。北米でのサッカー人気の市場を外から知る上でこのパッケージはけっこうなインパクトがあるんじゃないでしょうか。女子の起用は史上初。

現在オンエア中の同製品のTVコマーシャルでもMorganは登場して男子選手からボールをタックルで奪うシーンが出てきます。

当ブログでは何度となくアメリカに於けるサッカーの特殊な人気構造について指摘してきたわけですが今回のパッケージには少々驚きました。女子サッカーの人気が男子よりも高い傾向にあるのは確かでもあるし夏のカナダ女子W杯の盛り上がりからこうなったのもそうでしょう。驚いたのはここまでメインに押し出していいのか?という点。一般に年少の男子は女子を押し出したものを避けます。例としてはハリーポッターシリーズの作者であるJ. K. RowlingがファーストネームをJ. K. としたのは作者の性別をぼかすためですね。想定読者層だった年少の男子は女性作者の作品を避ける傾向があるのをかわすためにわざわざ性別のわからないJ. K.としたわけです。色眼鏡なく読者に読んで貰いたかったということです。それはマーケティングテクニックとしては正しいわけですが、今回のFIFA 16のパッケージはその真逆を行ってます。思い切って女子側に振っている。女性購入者もいるのかもしれませんがビデオゲーム、それもスポーツテーマのものを女子側に振っていいのか?というのが私の驚きの中身です。今回のマーケティング的冒険がこれからのクリスマス商戦でどう出るのかちょっと楽しみです。ともかく北米におけるサッカー人気において「女子」は無視できない存在であるのを再確認させる独自パッケージであるのはまちがいないようです。

やっぱりCarliじゃダメですか?

まあこうなるだろうとは前回この件を書いたときにも思っていたわけです。Sports Illustrated誌の最新号の表紙にサッカー女子米代表の集合写真が使われています。一応センターにはW杯MVPとなったCarli Lloydが置かれていますが7人並列での集合写真での表紙。やっぱりLloyd推しはないよなと推測通りの展開に納得。他の6名はJulie Johnston, Abby Wambach, Alex Morgan, Hope Solo, Becky Sauerbrann, Megan Rapinoe。DV事件以来ほとんど取材対象にもならなくなった(というかマスコミから避けられている)Soloまで赦免で表紙登場となってますね。

三年前のロンドン五輪の決勝で2ゴールを決めてもスター扱いされなかったCarli Lloydは、今回のW杯カナダ大会でのMVPおよび決勝でのハットトリックでもやっぱり集合写真程度に扱われちゃうんだなあと。これ、同じことをAlex MorganなりChristen Press・Sydney Leroux辺りがやっていたらスーパーヒロイン扱いだったんじゃないでしょうか。

SI誌の誌面では代表23人及び監督がそれぞれトロフィーを持っての写真を単独SI誌表紙風写真を作ってもらって、さらにそれを持ってポーズしてます。化粧し過ぎで一見だれかわからない選手なんかもいるのはご愛敬です。

1999年との違いは

先日のサッカー女子W杯決勝の視聴率、すごい数で確定したようです。2540万人という素晴らしい数字を叩き出しました。昨年の男子サッカーW杯決勝で出した米国サッカー史上最高記録を塗り替えて再び女子サッカーがトップに立ったことになります。昨年の男子決勝での最高視聴率更新についての考察は当時リンク先の記事でしています。1999年の女子米国大会の米中によるPK戦決着の試合が突発的にサッカー史上最高を記録。その後15年間男子であろうと女子であろうとその数字を超えることができなかったのが昨年2014年にやっと男子決勝がその記録を塗り替えたんですが、僅か一年後に再び女子が視聴率で米国サッカー史上最高値を得てトップに。

いろいろなことが言えると思います。1999年当時と比較して男女にかかわらずサッカーへの認知度はかなり上昇しました。W杯での視聴率が飛び抜けているのは事実ですが、それ以外の群小のサッカー放送も10年前に比べたら何倍もの数字を出している。もちろん10年前が極低かったから何倍なんですがそれにしてもその底上げが男女ともに注目を集める試合での最高記録を更新できるところまでサッカーを押し上げたと言えます。


ただ指摘しておきたいのですがW杯の数字が出たと言ってそれがアメスポの中で地殻変動が起こるようなことが起こるわけではないということです。サッカーの地位が上がったその証は今回立ちましたが、それが3大スポーツや4大スポーツを脅かすということには直結しないということです。

例えば2010年の冬季五輪のアイスホッケー決勝が2760万人という数字を出しました。奇しくも場所も女子W杯決勝と同じバンクーバーでの五輪です。確かに女子サッカーは凄い数字を出しましたけれど、同じ場所、同じ日曜日の地上波放送ででホッケーがそれ以上の大変な数字をほんの5年前に出しているのです。ではホッケーはその後人気が伸びて上位であるフットボール・野球・バスケットボールに迫ったりそれらの人気を喰ったかというとそんなことは起きませんでした。たぶんサッカーでも同じことになるでしょう。サッカーがこのW杯の成功で一気にホッケーを押しのけるようになるというのは難しいし、さらにその上の3大スポーツを凌駕するというようなことはまだまだ起こりません。その辺りを勘違いした荒唐無稽な報道を日本でのみやってるんですが、あれやめてもらいたいところです。毎回そういうおかしな煽りに簡単に乗せられてしまう困った人が出る(そして当ブログにもからんでくる)のも四年に一度の風物ぐらいに思っておいた方がいいのでしょうか。


それでも1999年よりはずっとサッカーの立ち位置は良くなっている。男女ともプロリーグが存在しこの勢いをなんとかそれぞれのリーグに還元しようとしている。うまくつながるかどうかはわからないですが女子リーグが存在せず、男子MLSも貧弱だった1999年といまとでは比較にならない条件の良さかと思います。NWSLに四年前のWPS当時ほどの風が吹くかどうか。そしてそれがどれほど続くか。WPSはその翌年に潰れています。

以前にも取り上げましたが女子リーグがあることを当然のように思って協力しない選手も出てきています。1999年当時は女子リーグなんて夢の企画で、当時の代表メンバーは引退確定路線だったCarla Overbeckなども含めてほぼ全員が新リーグWUSAの設立に協力したものですが昨今はそうでもないのも違いと言えば違い。自分たちが頑張らなくても女子リーグがあることが当たり前になってきたという意識の違いは如実です。リンク先の記事ではAbby WambachがプロリーグNWSLに不参加であることについて書きました。他にはW杯後にLauren Holidayも代表引退を明言。家族との時間を大事にしたいという言い方からしてNWSLからも遠からず引退する可能性があります。Holidayの場合は夫がNBA選手Jrue Holiday。NBAの中では大した選手ではないですがNBAの最低クラスのサラリーでもミリオン単位。Holidayが安いサラリーで春夏のNWSLに参加していると夫のオフシーズンがちょうど丸々自分のシーズンになってしまうので時間が取れないということになるんですね。なのでNWSLで2013年にMVPにもなったHolidayも離脱の可能性は高い。Abbyのように自分の稼ぎが良かった人や、Holidayのように夫の稼ぎが良い人はラッキーなので、他はNWSLにとどまる選手が多いと思いますが。Alex Morganなんかは以前にも紹介しましたが配偶者はあまり冴えないMLSの選手。今季Sporting Kansas Cityの16試合中9試合出場6試合先発。結婚発表当時からサラリーもあまり増えてないみたいです。Holidayの夫の30分の1ぐらいですか。妻Alexとは80倍ぐらい違います。NBAとMLSでは比較にならないです。今季は7本シュートを放ってオンゴールゼロ得点ゼロです。キャリア通算ゴール1は結婚当時から増えてません。お金の面ではHolidayは引退できるけどMorganはできないですよね。Holiday27歳、Morgan26歳と年齢はさしてかわりません。

サッカー女子W杯 米代表の優勝はどれほどの事後効果があるか

なでしこジャパン残念でした。おつかれさまでした。諦めない態度にも拍手を送りたいです。3点目4点目の失点がミスだったのであれがなければまだ勝負になったかも…と悔いの残る選手もいることでしょうが、今日はアメリカの方の中盤でのパスを日本が追う場面も多く、得点差以外の部分でも米代表の勝ちだったかと思います。四年前の決勝も米代表は怒濤の攻めで日本のゴールに襲いかかっていたわけです。今日が特別というわけでもない。四年前はその決定機がことごとく外れ、今日はそれが最初の二度のチャンスでどちらも入ってしまったという違いが試合の色を変えてしまいましたがそれは仕方のないところでしょう。

さて四年前の雪辱を果たした米代表ですがここからこのチームがどこへ行くのか。またはアメスポシーンの中で今回の優勝がどうつながっていくのかという点に少し触れてみたいです。四年前の主力だったFW Abby Wambachはこの試合を最後に引退の可能性が高い。使われ方も既に主力ラインから外れておりスピードも落ちていて、本人が望んだとしても(実力本位なら)来年の五輪での代表メンバーに届かない可能性は高く選手としては終わりと読んだ方が良いでしょう。試合終了後にスタンド最前列にいた妻と抱き合っていましたが、引退後はLGBT方面の活動に力が入っていくんじゃないでしょうか。以前にも論じたことがありますがサッカー代表として活躍している間はプロとしての立場から個人の主張をスポーツ活動に混ぜるのはモラル違反とされます。また企業スポンサーとの契約からもLGBT方面で目立つことは避けていたはずですがこれで現役引退となりその面で自由となるはず。先日の連邦最高裁での同性婚の合法化、そして来年の米大統領選という流れの中でAbbyが同性婚に理解を示す候補への支持表明など知名度を活かして露出してくるんじゃないかと思います。

大会前からAbbyに代わって米代表の顔の役割を期待されたAlex Morganは四年前のような輝きを見せる場面がなかったのは女子サッカー代表にとってはかなり痛かったんじゃないかと思います。アメリカスポーツ界は常に女子のスーパースターアスリートを欲しているのですが、その需要にMorganは応えられなかった大会になってしまいました。僅か1ゴールでは持ち上げようにも持ち上げられません。他に持ち上げるべきニュースターもないので現状維持でMoganが来年の五輪に向けてイメージ上およびビジネス上のスターとして引き続き扱われるでしょうが、せっかくの米代表優勝の勢いを個人のイメージに重ねられなかったのは長期的には失敗に近くなるんじゃないかと思います。大会前までケガで本調子でなかったかもしれませんがその部分も含めて、来年の五輪では再びアメスポの女子枠の顔の地位に向けての再チャレンジになるでしょう。

まさかの決勝戦ハットトリックで大会最多得点と大会MVPを獲得したCarli Lloyd。実力本位ならば文句なしにこの米国優勝のヒーローとして祭り上げられるはずの存在ですが、どうなるか。どうなるかというのはつまりロンドン五輪のときと同じくどれだけ活躍しても三番手四番手のようなマスコミの扱いになるのではないかということです。ロンドン五輪のときは4ゴール(Wambachの5ゴールに次ぐ大会第3位)。それも決勝戦の対日本戦で2ゴールで金メダルの立役者になったのに、大会後のマスコミ扱いはMorganやWambach、Soloの従来からのスターや人気者のMegan Rapinoe以下なのはもちろん、当時まだ先発の地位を固めていなかったSydney Lerouxよりも下の扱い。気の毒になるぐらいにスターの系列からはじきだされていたのです。それが今回堂々の大会MVP。まさかSasicに追いつけるとは思わなかったのが強引に追いついての得点王タイ。ここまでの実績をW杯で残した選手は米代表にはいないのにそれでもスターシステムから置いてきぼりになったら、それはそれで露骨で凄いなということになるはず。どういう大会後の扱いを受けるのか楽しみな気がします。Lloydは今月33歳になるので次回の女子W杯フランス大会には代表にいない可能性は高く、これだけやってもやっぱりお金と注目はMorgan(26歳)に行くことになり、それだけでなく今大会出番も少なくプレーも期待外れだったLeroux(25)やChristen Press (26)といった年齢的に未来があり、かつ見映えも良い選手たちにすら遅れをとる来年の五輪前になるかもしれません。

世代交代はかなりスムーズに行きそうな気がします。Wambachが退き、名を連ねるだけの代表選手になったBoxxやRamponeもW杯を優勝して成仏してくれそうですからここらは文句なしのカット。ピッチ外の問題の多いSoloも最長でも来年の五輪で終わり。フォワード陣は上記の三人がいますし、今大会で代表内での地位を築いたJulie Johnston(23), Meghan Klingenberg(26), Morgan Brian(22)が今後も期待でき戦力的には代替わりはかなりスムーズに進むのではないかと思われます。スターパワーという意味ではMorganが今大会期待外れだっただけに少々迷走する可能性はありますが戦力的には大きな落ち込みはないまま次回フランス大会も臨めるんではないでしょうか。


ゴールラインテクノロジーがあって良かった

なでしこジャパン、決勝進出おめでとうございます。試合の方は日本で散々語られているかと思うのでここでは避けて、決勝オウンゴールの判定について。意外と誰もその点に触れていないので。

ゴールラインテクノロジーが今大会では採用されているのであの決勝点が正しく判定されたと思っています。ビデオで見れば確かにゴールですが、過去のサッカーの試合であの手のゴールを審判が見切れないことは数限りなくあったはずです。リアクションぶりからしてオウンゴールを打った本人も見えなかったのでしょう。今回はその見逃しはなくゴールが認められての決着に。主審はためらいなくゴールをコールしましたからきっと主審の手持ちの機器から振動シグナルがあってのことと思います。

採用当時は当ブログでもなぜ主審に隠密で知らせるんだ?という疑問を呈したものです。今もその点は疑問がありますし、ビデオ判定もあって良いだろうとも思いますが、最善でないにしても今回はその新技術の導入で混乱が未然に避けられたというお手柄と思います。長年MLBと並んで保守的で技術革新の遅さが目立つサッカーの世界ですが、今回の成功例でさらに透明性が高まると良いなあと思いました。

ドイツの戦いぶりの不自然さに疑問

サッカー女子W杯準決勝 ドイツ対米国は2-0で米代表が勝利して決勝へ。1点目のPKはちょっと甘い判定で貰ったものでしたから、2点目が躍動感のあるゴールで入って良かったです。ドイツの方が外したPKの原因となったCB Julie Johnstonの反則はレッドカードでも仕方のない反則だったのが、イエローで済んでなおかつドイツのPKはハズレ。あの2点目がないとまたタラレバなケチがつく勝利になりかねなかったので2点目が入ってよかったなと。

ドイツの方は前戦のフランス戦での延長戦の疲労が残っていたのか後半はすっかり足が止まっていたし、それなのに交替は一人のみ。それも足首を痛めていたMarozsánを挿入しただけでチームの運動量向上にまったく役に立っていない。あと二枠は交替なしって、ドイツの監督はなにを考えていたのかよくわからないです。なんかすっきりしませんね。

米代表はCBの二人JohnstonもBecky Sauerbrunnもイエローを貰っていたのでドイツが最後の猛攻でここを狙ってくればと思うんですが遠巻きの攻めに終始。そしてシュートは遙か彼方へ飛ぶものばかり。期待外れでした。

放映するFOXにとってはそれがどんな勝ち方であれ米代表が決勝に残ってくれれば万歳でしょうが。


明日の日本の登場する準決勝第二試合。先日書いた天気予報はその後変わって試合当日水曜日は気温はあがりませんが雨ではない模様。コンディションとしては上々の様です。

記事検索
最新コメント
LINE読者登録QRコード
LINE読者登録QRコード
メッセージ

名前
メール
本文