アメリカスポーツ三昧

アメリカ永住コースか、または第三国に出国か!?スリルとサスペンスの人生とは別にアメスポは楽しい。

女子サッカー

NSWL決勝がCBSで放送

女子サッカーのNWSLの今季の決勝戦がありました。地上波CBSで放送。好試合となってたのしめました。OL ReignとNJ/NY Gotham FCが中立地のSan Diegoで対戦。観客動員は25,000人。中立地での試合で場合によっては動員がさびれることも有り得た中、恥ずかしくない観客が入っていたように見えました。

この試合はNWSLの決勝戦であるとともにOL Reign所属の米代表ベテランのMegan Rapinoeの現役最終戦。今季での引退はWorld Cupの頃から言っていたのですがOL Reignが勝ち進んだためこの舞台がRapinoeの引退試合にもなりました。同じく元米女子代表で人気の高かったAli Kriegerも今季前に今季を最後に引退するとしていたのですがこちらも所属のGotham FCが勝ち進んだためKriegerにとってもこの決勝戦が引退試合となってます。
NWSL側から見れば2人の元米女子代表の人気選手の引退試合がはからずもNWSLの決勝戦に重なるという幸運となってます。この2人の引退興行ならそれだけでも観客はそれなりに呼べるはず。

しかし試合開始早々にRapinoeが非接触負傷で退場。その後メディカルブーツを着用してベンチには戻ってきましたが不測のキャリア終了場面となってしまってます。
RapinoeはWorld CupでもPK戦でPKを外して天を仰いだのが(その後の引退興行を除けば)代表での最後のシーンとなってしまってますし2度目のつらいラストシーンってことになりました。

試合の方はGotham FCが2−1で逃げ切って勝利していますが、試合終了間際に混乱。OL Reignがゴールに迫るボールにGotham GKがボックス外でハンド一発レッドで退場。交代枠も使い切っていたためフィールド選手が急遽GKユニフォームを着込んで最後の一連のOL Reignの攻撃をさばくことに。
緊迫と混乱のフィニッシュでしたがスコアはそのまま。なかなかエンタメ度も高くて良かったのではないでしょうか。
スコアをしたのもこれからの米女子代表の中心選手となるはずのRose LavelleとLynn Williams、それにWorld Cup優勝国スペインのストライカーEsther Gonzálezと役者も揃っている。優勝戦のMVPに選ばれたのは2アシストを記録したMidge Purce。
表彰式ではこの試合に出られなかった元&現米女子代表のKristie MewisやKelley O'Hara、またWPS時代からおなじみのベテランMcCall Zerboniなんかも今季はGotham FCのメンバーだったんだなと今になって知ることに。この辺の実力派ベテランを押しのけて若い選手で固めていい内容で勝つというのはアメリカ女子サッカーの選手層の充実を示しているってことなんでしょうね。
同時にそういう中、最後の決勝戦まで出突っ張りで引退を飾ったAli Kriegerは幸運な選手だったことになりそうです。代表で良く呼ばれていた当時から彼女はその筋で人気がとっても高かったです。この手の顔はウケるんですよね。

私個人的にはちょうど同時刻に行われていたカレッジフットボールの注目の試合がことごとく大差で見るに耐えないのもあって落ち着いてNWSL決勝を見られて良かったです。
なおEli Manningが現地観戦。EliはGotham FCの部分オーナーになっているんですね。

サッカー米女子代表 再発進

サッカー女子代表の親善試合対南アフリカ戦2連戦の第1戦が行われてます。場所はFC Cincinnatiの本拠TQL Stadiumで22,016人。まずまずの盛況と言って良いのでしょう。先週行われた男子代表の親善試合の2連戦が15,569人、13,665人と低調だったことは書きました。男子の相手はウズベキスタンとオマーン。女子の方は南アと二度対戦予定。どちらも相手国のファンで動員が増えるような対戦相手ではなく男女代表の現在の素の動員力かなというところ。いつも通りアメリカにおいては女子代表の人気は男子代表に劣ると考えるべき理由はないという再証明になっているのでしょう。

この夏の女子代表のW杯でのノックアウトラウンド初戦敗退という失敗大会を経ていたので人気低下の表面化が懸念された試合でしたが22,000人の動員、そして会場の熱い盛り上がりぶりからしてW杯失敗の影響は大きくないと考えて良さそうです。しぶとい人気ぶり。

過去のW杯では優勝した余勢をかってVictory Tourなどと銘打って大々的に全米を10試合近く巡業をして大盛況なんてことをやっていたものです。それとは比べられない静かな前宣伝ぶりでしたがそれでもこれだけ観客が集まるというのだから人気は相当に安定しているのは疑いがない。

この日はW杯敗退直後に引退を発表していたJulie Ertzの引退試合。前半途中で退く直前にErtzからの好パスを経由しての鮮やかなゴールが決まってタイミング良いきれいな去り際になってます。Julie Ertzって顔立ちも含めて長身っぽいイメージでしたが公称での身長は5 feet 7 ざっと170cm程度だったんですね。アメリカ人女性アスリートとしては低くはないけどそれほど長身の部類とは言えない。
Julie Ertzが引退して中盤底から前に後ろに意欲的に動き回れる選手の代わりは来年のパリ五輪までに出てくるのか。

Thank you, Megan という国の分断

Megan Rapinoeのヘイターが欣喜雀躍しています。すごい量だなと感心します。サッカー米女子代表の敗戦で生き生きとしてます。これはアメリカの分断という大きなテーマの一段面であり来年の大統領選挙前年でもあり共和党の大統領候補選びのプロセスが始まる今の時期ですし。

トランプ前大統領が名指しで「サッカー女子米代表はアメリカを憎んでいる」と煽って、トランプが煽れば全部受け入れる層が存在するのが今のアメリカの現実。煽られると本当に国会襲撃しちゃう層ですから。それで今回の女子W杯の視聴ボイコット呼びかけに。ボイコットすると言いつつ実は誰それが国歌を歌っていない云々と検閲。特に怨嗟の対象であるMegan Rapinoeへの攻撃はその方面では過激化していて、ナイフをちらつかせながらお前らのところに行くぞ的なイカれたビデオクリップをアップする輩もいたりでやれやれであります。

Rapinoeは大会前から今回の代表活動で代表を引退することを表明済み。中盤の核として長年活躍してきたRapinoeですが以前の判断良く切れの良いプレーは既に消えていて実力本位で選考するなら今回の代表漏れもありえた状態だと私には見えてました。
ただそういうRapinoeへの露骨な攻撃が多い中で彼女を代表選抜漏れさせるとそれはそれでその圧力に屈したかのようなイメージになりかねず逆に外しにくかったかもしれません。Rapinoeとは直接ポジションはかぶりませんが代表候補の有力選手たちにけが人が多かったのもあってRapinoeが選ばれる余地が多かったということも言えます。同じくスウェーデン戦でPKを外したベテランのKelley O'Haraが代表に選ばれたのもけが人の多さのせいだったといえる。結果的にはそんなこんなで代替わりがうまく進まなかった上での早期敗退となってます。

敗戦後には今回代表でCBを務めたJulie Ertzが現役引退を表明。Rapinoeも引退、O'Hareももう代表に選ばれる可能性は低そう。けがで今回選ばれなかった主将格だったBecky Sauerbrunnも年齢的に最大やっても来年の五輪までか。あとはAlex Morganの去就次第では米女子代表も人気が一番高かった頃からのメンバーは皆去って次のサイクルは総入れ替えということになります。
Julie Ertzの場合はNFL選手と結婚していて経済的な不安がなく寿退社に近く他のメンバーのように30代後半まで人生削って頑張って稼ぐ理由が少ないのでまあ納得。このパターンとしてはNBA選手と結婚したLauren Holiday(旧姓Cheney)があっさり引退したというのもありました。MLB Nomar Garciaparraと結婚したMia Hammもそのはしり。

Rapinoeが単独で攻撃の的になったのは彼女が同性婚をしていてサッカー協会との男女同額報酬の労働闘争のリーダー格とみなされていたしColin Kaepernickの国歌膝つき問題でもいち早く呼応したりと保守派の嫌う要素をいくつも兼ね備えていたからです。前回の大統領選挙のときもトランプはNBAやWNBAの影響力を大いに攻撃するなどスポーツ選手が政治影響力を持つことに敏感でその続きってところもあるのかもしれません。
Rapinoeがその怨嗟の焦点にいたことで他の若手選手たちは名指しでの批判は避けられたという面もあったのは今後どうなるか。Rapinoe攻撃に隠れてますが実は以前に比べて米女子代表の白人率はかなり下がっているんですよね。人種年齢的に米女子代表に自身を重ね合わせて支持していた少女層での人気が白人率が下がっていったときにどうなるのかの動向は以前から気になってました。その数字はまたそのうち出てくることでしょう。

そういうRapinoe叩きがあった一方で「Thank you, Megan」と題されたGoogleのTVコマーシャルが流されています。GoogleによるRapinoe支持の表明ですね。Googleぐらいの強大なインフラだとトランパーがボイコットしようにもさすがに無理でしょうからGoogleのサイズだからこそ出せたCMかもです。
あーまた政治の季節が近いんだなあと。

米女子代表 PK3本外して敗退

米女子代表がノックアウトラウンド一回戦で敗退。PK戦でリードしながら4人目5人目が連続で外して決着を付けられず7人目で決着スウェーデンが勝ち抜き、日本が待つ二回戦へ。最後のスウェーデンのボールはまさに紙一重でゴールラインを割っていたのがゴールラインテクノロジーで確認されて勝負あり。ゴールラインテクノロジーがなければどちらと判定されても紛糾したであろうぎりぎりのゴール。採用しておいて良かったねという。
女子米代表がW杯で準決勝にたどり着けず敗退するのは今回が初。

米女子代表で外した3本はすべて枠に入れられなかったもので相手GKのストップはなし。そのうち2人はMegan RapinoeとKelley O'Haraのベテラン勢。それぞれこのPKミスが代表での最後のプレーになりそう。Rapinoeは今大会が最後の代表だと大会前に語ってました。O'Hareは代表の選考当落線上で選ばれた選手で今後選ばれない可能性があります。
PK5人目に選ばれて大きく外した22歳Sophia Smithや、グループ最終戦で2枚目のイエローをもらって今日出場できなかったRose Lavelle28歳は4年後も来年の五輪でも中心選手となるはずですが悔しい形での結末になってます。

グループの3戦目で米代表がポルトガル相手に0-0の引分に終わったときにはチームの気迫不足をポストゲームショーで強く批判していたFOXのスタジオ解説のCarli Lloydは今日はおとなしい。まあ批判できないですよね。Lloyd自身が2011年の決勝での日本戦でゴール上を飛んでいってしまうミスをしてるわけで何か言ったらおまえが言うのかでボコボコに言われるでしょうから。あのときは米代表が外した3本のうち2本は日本のGKに止められて枠をはずしたのはLloydだけ。今日のは3本とも枠外。

でもLloydの前戦での批判が効いたのか試合内容は気合は入っていたと思います。22シュート11本が枠内。強いシュートがゴールを襲うも相手GKに阻まれ。とは言っても4戦して4ゴール、うち3ゴールはグループ最弱ベトナム戦でのもので1勝3分での敗退。3連覇失敗という高いレベルの話でなく今回の女子米代表は史上最弱かぐらいの勢いでの批判が待っていそうです。五輪が1年後ですが監督はクビかな。

大会前から政治的な保守派の一部から女子代表へは強い批判というか攻撃があり、その最大の標的となっていたRapinoeが外したあとに照れ隠しなのか笑っていたようにも見えたのもきっとあげつらわれちゃうんだろうなあというところ。ポルトガル戦のあとでグループをからがら通過したのにチームが笑顔だったり踊っていたりしたのも批判されていたしいろいろ忘れたいW杯になったような。例の男女代表同報酬の件は今回の失敗大会の前に決着がついていたのは女子側にとってはラッキーでもありそうです。

先日来下書き準備している男子側のW杯2026年大会へ向けてのサッカーの米国内での地位向上計画にとっては微弱にプラスの女子代表の敗退ってことになるんでしょうか。女子は強い男子は弱いというアメスポファン内の固定観念を崩したい男子側にとっては今回の女子代表の早期敗退はイメージ面で男子側が挽回するのに少しは寄与するのかなというところです。

3AMの試合開始の試合番宣に批判記事が出る

先日も書いたのですが今回のサッカー女子W杯関連の動向のニュースが非スポーツのマスコミで報道されています。それはかなり異例なことなんですがスポーツに不慣れな読者リスナーを相手にしているようで米女子代表のグループリーグ最終戦の放映時刻への不満の記事なんかの記事が出てます。こんなことまで記事になっちゃうんだなという意味でサッカー米女子代表の存在とそのフォロワーは違うんだなあというところが際立ちます。

今夜の試合開始は東部時間帯で3AM、西海岸だと深夜24時。見づらい時刻です。それを試合中継をするFOXが試合開始を1AMからであると誤解させるような番宣をしているというのがその記事の主旨です。
先日から報告しているとおりFOXではFIFA World Cup Todayという名の2時間の前番組を過去2試合で展開。それが第3戦でも続くということなんですが1AMだったら我慢して見ようかと思うけれど3AMなんてムリというのは個人の感想としては当然あって良いと思うんですが大手のマスコミ記事でそんなことを書くんだなあと。

試合の相手はFIFAランク29位のポルトガルで引分でもグループ突破という状況でさすがに大丈夫だろと思うので個人的には起きてまで見る予定はないです。

トーナメントの予定を見ると米女子代表がE組を首位で突破すると一回戦は現地正午=米東部時間帯で8PM試合開始のFOXにとっておいしい枠で試合ができるようです。2位通過だとトーナメント初戦はアメリカ5AM開始の刑ですからFOXとしてぜひ一位通過して欲しいでしょう。まあ5AM開始の方が3AMよりは見やすいですけど。3AMって夜更かしでも早起きでもない時刻でしんどい。
さらにE組1位が二回戦=まで勝ち進んだ場合の試合時刻は米東部時間帯で9PM試合開始。つまりは最初から米女子代表は1位で通過することを前提にこういう試合時間が組まれていたってことですか。

Siclair6大会連続ゴールを達成できないまま敗退

サッカー女子W杯でカナダがホスト国のオーストラリアに0-4で完敗、グループリーグでの敗退となってます。長年のカナダ女子の大エースだったChristine Sinclair40歳はさすがにここまでか。2003年の米国開催のW杯での3ゴールから連続5大会続けてきたW杯でのゴールを今大会では決められずW杯6大会連続ゴールの偉業は達成ならず。6大会はさすがにすごい、今後も破られない可能性のある快挙だったと思うので惜しかった。第2戦の対アイルランド戦で惜しい場面がいくつかありましたがもしあの試合でゴールを決めていてもカナダのグループでの敗退は変わらなかったことになります。

Sinclairとカナダ女子代表というと2012年の五輪準決勝を思い出さざるをえない。Sinclairが3ゴールして3度までリードしたカナダが米国有利の判定の連続となった試合終盤の連続反則(ほとんどお目にかかれないGKの6秒ルール→米国FKを含む)で米女子代表に逆転負けした試合を思い出さざるをえないのですが、そんなのは歴史の底に埋まってしまい勝者の名だけが残る。
Sinclairと同程度の実績をアメリカ人選手が残したらマーケティング価値は大変なものになったはずですけどカナダ人だってことで米国内では地味な扱いまたは無視に近い扱いになってます。これってスポーツに限らずですがカナダ人の有名人って米国内での扱いが雑になる面が強いしピークを過ぎるとフォローがほとんどないように思います。

今大会の敗退が決まってからの取材に応じてSinclairはカナダでの女子サッカーの改革について語ってました。女子のプロリーグの不在にも言及。どうですかね。今カナダは男子が急速にCONCACAF内での地位を向上させているタイミングで2026年の北米3カ国共催W杯もある。対して女子の方にはSinclairのような突出したスター選手が後に続く様子もないようです。カナダ側のリソースは限られており今は男子の方に思い切ってリソースは振り向けているタイミングでもありSinclairの引退(と決まったわけではないですが)とセットでカナダ女子は一区切りになってしまいかねない。

いまは米女子代表と互角の勝負のできる国が増えましたが参加国のレベルが低かった時代にはカナダ代表は米女子代表にとっては大事な国際試合の相手だったものです。低予算で女子代表の運営をしなきゃいけなかった時代には近場のカナダに腕試しになるチームがあることは米女子代表にとっても有益だったはず。
それが予算も上がり世界のどこからでも対戦相手は選んで呼べるし公式戦でも日欧豪と難敵のバラエティが増えたんでネタには困らずカナダ女子が没落してもアメリカはもうあまり困らない様になっちゃってるとは言えます。

一般ニュースで話題にされるのは意味が違う

扱いが違うなあと感心しているのがサッカー女子米代表の昨夜の試合、W杯グループリーグでの対オランダ戦。先制されて苦戦しながら1-1の引分。これで2戦で1勝1分勝点4。期待されていたグループ突破は最終戦に持ち越しになってます。

そのただのグループの1戦が各メディアのニュースで報じられています。この辺の感じは日本の常識からはわかりにくいと思うのですがアメリカでは非スポーツの一般メディアの日々のニュース報道でスポーツの結果が報じられることはまずないです。メジャースポーツの優勝決定などが一般ニュースが報じられる程度。日々の話はまず扱われません。
英語でのW杯の独占放映権を持つFOX系列やスペイン語放映権を持つNBC系列だけではなく関係のない系列でもみな報じていますから供給側の事情ではなく非スポーツファンの視聴者の需要が高いという意味だと考えて良いのだと思います。

思い出せないのですが昨秋の男子のW杯でこんな扱いだったかどうか。たぶんそうではなかったはず。この辺に女子サッカーの人気の特殊性が反映しているんだろうなという気がします。普段スポーツを追っていない人が大量に見てるはずということが一般ニュース番組の制作側の念頭にあるのでしょう。たぶん男子の大会なら興味のある人はスポーツ局にチャンネルをあわせて見てしまいそうです。

昨夜の試合の視聴者数はまだ出てないですけど第1戦の対ベトナム戦のときは計626万人が視聴。内訳はFOXで526万人 スペイン語放送Telemundoで100万人となってます。

第1戦のときは裏番組で例のMessiのInter Miamiデビュー戦をやっていたわけですがそちらの数字はスペイン語放送Univisionでの放送は175万人視聴と出てますからスペイン語放送に限ればMessiが女子代表を上回ったということのようです。当ブログで事前に予想していたのにほぼ沿う事態といえましょう。ヒスパニック人口では女子サッカーなんてと言わないと彼らのマチズモが満たされない傾向は確実にあります。

Messiのデビュー戦の英語放送の方はAppleTVの担当でAppleTVが視聴者数を明らかにしないポリシーのため数字がわかりません。AppleTVの普及度ってどうなんですかね。私はAppleユーザーなので機器を更新するたびに「AppleTV3ヶ月無料」などの特典が付いてきたり宣伝がくるのをよく目にするわけですがAndroidユーザーやWindowsユーザーにはどれほど浸透しているものなのか。

AppleTVの数字はわからないとしてもスペイン語放送の175万人視聴は確定でこれは一選手のMLSデビュー戦としては2004年のFreddy Aduのデビュー戦での地上波放送の197万人以来の数字とか。懐かしいですね、Freddy Adu。当時煽りまくっていたんでした。消えちゃいましたが。2004年だとまだTVの視聴者が多かった時代です。

女子代表の第1戦の前のプレゲームショーで言われていましたが今大会は一部の層から激しく視聴のボイコットが呼びかけられています。その層(いわゆる保守層)っていうのはFOX Newsの視聴者層と重なるのでFOXとしては痛し痒しなんですがそういう動きがあるのが現実でそれを番組内で言及していました。

Messiのデビューは女子W杯の真裏

MLS Inter Miamiに加入したLionel MessiのMiami所属でのデビュー戦が前項で書いた米女子代表のW杯初戦の真裏の時間帯になるようです。なんでまたそんなところに被せたのか。それともわざとかぶせたかったのか。

Messiの所属先Inter Miamiは7/21 8PMキックオフのLeagues Cupのグループリーグでの試合でメキシコのCruz AzulとMiamiのホームで対戦予定。Leagues CupというのはMLSとLiga MXの共同イベント内での対戦です。Cruz AzulはLeagues Cupの初年度の優勝チーム。

Leagues Cupは2019年に創設で今大会が公式には3度目の大会となってます。パンデミックもあったりでしたが当初の予定では毎年開催予定だったはずのイベントです。言ってみれば昨今のアメスポの流行の試みであるシーズン中のトーナメント開催です。来季からNBAもやるというアレです。長いレギュラーシーズンにアクセントを付ける意味があります。MLS内だけでやってもあまりアクセント付にならないしLiga MXのチームを混ぜて違いを出している。以前から紹介しているMLSとLiga MXの合併の可能性も含めて連携維持の意味合いもあったはず。

だいたいがこういうサッカーの米墨対抗試合はメキシコ人ファンの方が熱くてアメリカでの開催試合でもビジターのファンがスタジアムを占拠してしまうケースが多いですがさすがにMessiの本邦デビュー戦ということでどういう観客構成になるのか読みづらいです。ひょっとしたらMessiのデビュー戦となると発表になった後はメキシコ人よりもアルゼンチンからの移民の方が熱が入ってチケットの転売市場で席をゲットしているかもしれませんし。Miami近辺は中南米各国の移民がどこもたっぷりいますから。キャパ18000人と小ぶりのスタジアムがどの色に染まるのか。

一般に言ってラテンの国は女子スポーツに関心が薄い。薄いというよりは女子スポーツなんてケッぐらいのコトを言わないと彼らのマチズモは保てないそういう文化的な要素があります。なのでそれらの方々は女子W杯があっても気にせず(乃至は気になっても目をそむけて)Messiの方が重要というスタンスはアリなのかもしれません。

ところでこのLeagues Cupの試合はTV放送はどうなってるのかなと思ったらこの試合も含めてAppleTVで全戦放送だそうです。なるほどそういうことか。
前項で紹介した通り地上波FOXがゴールデンタイム4時間超を費やして全力で米女子代表の試合を盛り上げる中、Messiのデビュー戦は完全に別系統の雄 AppleTVで放送ですか。AppleTVを通じて日本を含めて全世界で見られるようです。全世界を相手にするAppleTVとしてはMessiの米国デビュー戦というのはAppleTVの普及に良いネタです。
以上の考察からAppleTVはサッカー好きでたぶん女子スポーツが嫌なラテン男性に向けに女子W杯にかぶせてLeagues Cup=Messiアメリカデビュー戦を提供するということだと判断して良さそうです。


ここからのInter Miamiのスケジュールは

7/21Fri  Cruz Azul@ Inter Miami  Leagues Cupグループリーグ
7/25Tue Atlanta United@Inter Miami    Leagues Cupグループリーグ  
そこから時期が飛んで
8/20Sun  Charlotte@Inter Miami  MLS公式戦
8/23Wed Inter Miami@Cincinnati  US Open Cup準決勝
8/26Sat  Inter Miami@New York Red Bullsi  MLS公式戦
8/30Wed Nashville@Inter Miami  MLS公式戦

8月前半に試合予定がまったくないのはLeagues Cupの決勝トーナメント部分があるからですね。Inter Miamiが勝ち続けていればその時期にMessi登場の試合も増えるということになりますがどんなもんか。Inter MiamiはMLS東カンファレンスの最下位15位のチーム。Messi加入や助っ人のSergio Busquets
の加入でトーナメント戦で気を吐くことができるのか。Busquetsは間に合うのかな?
それとも亜熱帯の夏に早くもうんざりしてMessiはあまり出場しないのか。そういう正体不明なトーナメントに夏の盛りで暑い時期にアメリカに来たばかりのMessiは何試合も出場してくれるもんなんでしょうか。


8月下旬にMLS公式戦が再開予定。そこがMessiのMLSでの正式デビューになります。随分先の話です。この状態ってMessiのデビュー戦をAppleTVがMLSの公式戦の放映権者(FOXとESPN)から横取りした形という見方もできます。MLSデビューまでにLeagues Cupで散々露出したりすると8月下旬になって「MessiのMLSデビュー戦!」と言っても目新しさはその頃には消えていそうでもあります。

MLSは長年の放映パートナーのESPNやFOXにそんな不義理をしてまでAppleTVのためにMessiのデビュー戦まで初登場を渋ったのですからきっとAppleTVからはよほどいいお金が出てるってことでしょうね。Messiを獲得するに当たって相当のお金が動いたと報道が出てましたからAppleTVでデビュー戦を含めて1ヶ月MessiをAppleTVで独占できるのを見込んでAppleもかなり金銭面でMessi獲得のアシストをしたってことなんでしょう。

優良コンテンツも押しのける女子サッカー

地上波FOXの金曜日の夜のゴールデンタイムはプロレスWWEのSmackdownの2時間の定時放送枠。年間に何度かその枠が削られて同系列のスポーツ専門チャンネルのFS1にSmackdownが移動します。毎年MLBのポストシーズンの時期にはWWEのFS1送りが発生するのは定例。定時放送枠が移動すると視聴率がガタ落ちになるのもお決まりでWWEからすれば嬉しくはないでしょうが契約で優先権は決まってるはず。平均で230−240万人近辺を毎週叩き出すFOXにとっては優良コンテンツのSmackdownを押しのけてまで次週放送するのは何か。

何かあったっけ?と思ったら7PMから女子のサッカーW杯の放送だと放送予定に書いてあります。女子W杯が始まるのはもちろん知ってましたがアメリカのゴールデンタイムが試合時刻とは知りませんでした。生?それとも録画?といぶかしく思いました。
今回のW杯はニュージーランドとオーストラリアの共催。時差は日本からだとないのでしょうがアメリカからすれば現地の昼間や夜はあまり都合の良い時間帯ではないはずですがそれを放送するのが金曜日の夜?現地土曜日の午前ですか?換算したら現地1PMかな?(夏時間もあるので1時間ぐらいずれているかもしれません)。

アメリカのTVの都合に合わせて試合開始時刻をその枠にしたってことなんでしょうね。アメリカ的には年少者の視聴者が多いと想像されるため東部時間で9PMキックオフ11PM頃終了は若干遅いが許容範囲ってとこですか。アメリカ西海岸だと6PMキックオフですからそちらにも目配りするとこの時刻が最良とFOXは判断したかも。現地としてはそれよりは早くはしにくいということでこの枠か。FIFAの試合予定を見ると米代表の試合と同じ時刻の試合開始の試合は他にないので米代表のみの特別待遇のようです。

ちなみにこれは今週ニュースで言っていたんですがニュージーランド現地でのチケット販売がふるわず大会直前になってかなりの数のタダ券を配ることになったとのこと。共催のオーストラリアの方は代表通称Matildasが現実的な優勝候補であるという認識で地元の期待は盛り上がっているとされますがニュージーランドはそうでもないらしい。米代表はグループリーグをニュージーランドで戦います。

放映スケジュールの詳細をFOXの公式で読むと東部時間7PMから「FIFA Women’s World Cup Live」というプレゲームショーを2時間放送、9PMから米代表の開幕戦対ベトナム戦を放送、試合後に「FIFA Women’s World Cup Tonight」という名のポストショーも30分予定。さすが女子代表サッカー、人気の高さで地上波トータル4時間半占拠ですか。感心するような分厚い放映態勢です。
その後米代表の第2戦となる7/26水曜日対オランダ戦も同じ態勢のプレ&ポストゲームショーで4時間半地上波ゴールデンタイムを占拠予定。2戦目もプレゲームショー2時間かよという。初戦はW杯開幕を関心の薄い一般非スポーツファンにも告知目的もあり話すべきこともいっぱいあるのかも知れないからともかく2戦目で平日のゴールデンタイムでも2時間も前振り番組をやって良いというのがすごいです。

ベトナムもオランダも強敵ではないはずで米女子代表ファン一般が期待するような爽快圧勝試合になる可能性はあります。一方先日の壮行試合でW杯に出場できないウェールズ女子を相手にゴールを割るのに苦労した例もありFOXや善良なサッカー少女たちが期待するような大量ゴールでの圧勝劇になるかどうか。
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