アメリカスポーツ三昧

アメリカ永住コースか、または第三国に出国か!?スリルとサスペンスの人生とは別にアメスポは楽しい。

Female Sport/女子スポーツ

15倍の給料のロシア女子バスケリーグ

明日はカレッジフットボールのNational Signing Day。そちらも気になりますし、NFL Cleveland BrownsのQB Johnny Manzielが生活改善のためにリハビリ入りするというのもけっこう笑えてちょっとあげつらってみたい気もしたのですが、別の話を入れてみようと思います。

女子バスケWNBAのPhoenix Marcuryのスター選手であるDiana Taurasiが来るWNBAのこの春秋シーズンに出場しないと宣言しています。理由はWNBAのオフシーズンに行っていたロシアのチームとの契約でWNBAではありえない巨額のサラリーを貰えることになり、そのチームの要請に沿ってWNBAには出場しないというのです。Taurasiはカレッジ時代、女子バスケの絶対最強ブランド校であるUConnで三連覇。その後プロ入り。その後も順調なプロ生活を送ってきた選手ですが、なんでもWNBAから貰えるサラリーは昨シーズンで$107,000。対するロシアリーグの提供するサラリーは$1.5 million。実に15倍です。WNBAに15年間所属して貰える金額と考えても良いでしょう。現在33歳。女子バスケ選手の選手寿命はいろいろ微妙な点もあり、現役を退いた後はさらに金銭的には普通の人化が見込まれる中、キャリアの最終段階に向けてお金の方をとったということでしょう。経済合理性はある話なのでそれ自体はなんら問題はありません。

たぶんこれが問題になるのはTaurasiのようなトップ選手でもWNBAではその程度しかもらえないんだね、ということを知らしめた点でしょうか。じゃあ他のもろもろの一般選手は幾ら貰ってるのさ?という。対してロシアリーグは誰がそんなにお金出しているの?とかそんなに払ってもペイするほどロシアリーグは金回りがいいの?というのも不思議な感じです。

WNBAはその成立時からサラリーは抑制的な政策を維持しています。WNBAが設立された頃は先行して興業していたABLという女子プロリーグがありました。WNBAは女子プロバスケリーグとしては後発で、しかしながらサラリーはABLよりずっと低額で進出してきたのです。ところが男子NBAチームやスター選手とのコラボを通じたセレブ待遇や、ヘアメイクさんをチーム側が提供する、NBAチームの施設をオフシーズンに利用できるから施設が美麗など女心に忍び入るうまいやり方で好サラリーを提供していたABLを駆逐してしまったという歴史があります。ABLが潰れてしまってからはもうWNBAがサラリーで選手を厚遇する理由は消滅しましたし、実際WNBA自体が儲かっているというわけでもないので選手会側も強硬なサラリー交渉などできず今に至っているというわけです。

WNBAはサラリーは低いですがシーズンはNBAのオフシーズンに短期間行われるため拘束期間は短い。シーズンがいわゆるバスケシーズン=冬から外れているので、好選手はWNBAのオフに海外のリーグに参加して稼いだり、国内でもカレッジチームにアシスタントとして参加したりというような副業を持てる状態ではありましたからWNBAでのサラリーだけが収入というわけではありませんでしたが、WNBA自体は決して女子選手にとってのドリームジョブというわけではなかったわけです。Taurasiを始め米代表級の選手達は海外リーグから引く手あまたでオフシーズンは海外で活動するのが当たり前でした。

その流れでロシアリーグがTaurasiに好待遇を与えたという話なわけです。ロシアの方の事情がイマイチ掴めないのでどれほどその待遇が安定的に与えられるのかはわかりませんが、Taurasi個人としてはとにかくWNBAの15倍のサラリーなんですから、一年間だけロシアリーグがもってくれればそれで良いわけです。ロシアリーグがWNBAの競合リーグとなってWNBAのスターを次々とさらっていくようなことになればWNBAもサラリー政策を改めないといけないと考えるようになるのかどうか。ただ前述の通りWNBA自体が儲かっているわけでもないのでWNBAとしても大きなサラリーアップに踏み切るとは思えないわけですが、外野や選手達からの待遇改善圧力は高まってしまうのかも。

女子プロスポーツという分野は難しいです。アメスポの中では女子スポーツというとサッカーとバスケが現在プロリーグがあるわけですが、そこの選手になりたいという供給はたっぷりあるのに見る側=お金を払う側の需要はそれをまかなうほどはない。経済原則に則れば選手のサラリーが低くなるのは当然の環境です。それに文句を言っても始まらないのですが、男女格差を是正するために大学では女子選手を大量に生産しています。

やっと「次」候補が浮上したアメリカテニス


延々と続いたアメリカ女子テニスのWilliams姉妹時代。その姉妹の首を諸共刈ろうかという選手がやっと出てきました。姉Venus Williamsをフルセットで下して全豪オープンの準決勝に進出した19歳Madison Keysです。準決勝ではSerena Williamsと対戦。Williams姉妹を連覇となれば一気に注目度アップでしょう。先走ると決勝にもしMaria Sharapovaが出てきて、それを下すようなことがあると過去アメリカ女子テニス界で君臨してきた三人を連破したティーンということで一気にスターダムへということさえあり得ます。

さすがにいつまでもVenusだSerenaだではなないだろうはずが、いつまでも二人の時代が続いていたわけです。Venusがグランドスラム大会シングルで初優勝したのが2000年・当時20歳。妹のSerenaは同1999年、18歳になったかならないかの頃。そこから二人が33歳34歳となるこれまで女子テニス界のトッププレーヤーとして活躍。よくそんなに長く保ったもんだという気がします。もっと早くに燃え尽きた選手はいくらでもいるのに。アメリカのテニス界に限ると男子の方のトップ選手が消えてしまい、Williams姉妹以外に顔となる選手がいないままの状態が続いてきていたので、企業側としても彼女たちを看板にせざるを得なかったのがやっと代替の選択肢が出てきたかもというわけです。

正直なところKeysについては私はよく知りません。見たところ地味な感じの選手ですが、これから磨けばテレビ映えして光るようになるんでしょうか。コーチとして付いているLindsay Davenportなら良く知ってますが。

Davenportもそうですし、日本の錦織選手のコーチについているMichael Chang、他にもBoris BeckerがDjokovicを指導しているなど一気に昔のスター選手の名前が聞こえるようになってきたトレンドはなかなかおもしろいように思います。日本だとNPBが過去の名選手を監督に起用するという形で常にオールドファンの興味を惹いてきたという歴史がありますが、アメスポでは基本的にスター選手をそのまま指導者に戴くという歴史が乏しい。僅かにNBAで少しありますが、それもタイプを選ぶ感じでスターから指導者へ直行というのは少ない。選手としての能力と指導力は別物という認識が強かった。それがテニスで元の名選手の指導が昨今うまく結果を出してきたことで一気に旧スターの再活躍の場が広がった感があります。

アメリカのテニス人気は底堅いものの漸減。いまの上位の選手よりも二昔前の名選手の方がいまでも知名度は格段に高いはず。それを反映してシニアツアーのような企画興業もやっていてオールドファンを楽しませていたわけです。但しシニアツアーはおちゃらけた部分もあって真剣勝負として成立していたわけでもない。それよりはいま真剣勝負の舞台であるATP/WTPツアーにかつてのスター選手がコーチとして帯同しているのはテニスが人気があった時代の普通のスポーツファンの関心を呼び戻すには一石二鳥でなかなか良いのだろうなと思えます。昨日のMaysが接戦の末Venusを破った一戦ではTVは緊張した客席のDavenportの様子を何度もアップにしていておもしろかったです。

ハイズマンも見ずにバレーボール

毎年のことですがカレッジフットボールシーズンが終わった最初の土曜日はうつろな気分になります。Army x NavyとかFCSのプレーオフ(けっこうおもしろかったです)はあるにはあるんですが、やっぱり違うんですよねえ。カレッジフットボールの怒濤の一日40~50試合開催の勢いは独特のものがあります。

でレギュラーシーズンが終わったこの週末はHeisman賞発表の日でもありますが、今年はもうOregon QB Marcus Mariota以外はあり得ない。昨年までの数年の受賞者であったRGIII, Johnny Football, Winstonあたりだと何を言い出すかわからない意外性も期待されましたが、真面目人間で物静かなMariotaではそういう楽しみも少なめなのが予想され見ていませんでした(受賞後のスピーチがとても良かったとか)。

では何を見ていたかというとNHLホッケーとカレッジ女子バレーの準々決勝です。NHLの方はたまたまその時間帯にやっていた試合が大変盛り上がった好試合(Pittsburgh Penguins@Columbus Blue Jacket)。ケンカあり華麗なショットありペナルティショットあり追いつ追われつの試合展開終了間際の同点ゴールあり延長戦でのパワープレー合戦ありと盛りだくさんで、しばしカレッジフットボールのない土曜日の鬱を忘れさせてくれました。

バレーボールの方は準々決勝四試合のうち三試合はその地区の上位シードが顔を揃えていて順当なカードだったのですが、一試合が共にアップセットで準々決勝に残ってきた試合でした。No. 19シードNebraska x ノーシードのBYUというカード。Nebraskaの女子バレーボールについては当ブログでは何度か紹介しています。カレッジバレーボールで全米二番目に観衆を集めるのがこのNebraska。平均動員で4,200人ほど、多い試合だとアリーナ超満員の8,500人も動員するという、バレーボールがマイナースポーツであるこの国としては異例の人気を誇ります。ちなみに全米一動員を集めるのはHawaii大の一試合平均6,700人。動員面から注目して今季もNebraskaの試合は何試合か見ていたのでなんとなくNebraskaを応援しているような気分で見ていたんですが、結果はBYUの完勝3-0。ノーシードからシンデレラ驀進でFinal Four到達です。

でおもしろかったのがこのBYUチームに女子プロバスケWNBAの選手がいること。Jennifer Hamsonという選手なんですが、昨年はBYUのバスケチームで活躍して同校にとって史上初16強まで進出。シーズン後WNBAドラフトでLos Angeles Sparksが指名。Hamson本人はバレーボールもやりたいということで学校に残りレッドシャツシニアとしてバレーボールの今季に臨んだとか。BYUはノーシードですからレギュラーシーズンの成績はそこそこだったはずですがなぜかトーナメントに入ってからチームは咬み合ってアップセットの連続で同校に昨季のバスケ以上の成績をもたらすことになりました。この選手、とにかく大きいです。背高いのではなく全体が大きい。そのサイズに似合わない俊敏さでアタックを打ちまくって勝利に貢献。バスケの方でどういうプレーをしているか知りませんがこの俊敏さとスタミナぶりでこのサイズならWNBAでも活躍できるのか。複数スポーツのアスリートの話は私はとても好きです。

その他でおもしろかったのは準々決勝のある試合で解説者が女子米代表監督のKarch Kiralyだったこと。現役選手時代は米男子の五輪優勝チームの主力だった選手で、まだ日本で男子バレーボールが人気があった時代に米代表のスター選手だったので日本のスポーツファンでも覚えている方がいるかもしれません。このKiralyさん、解説がうまくて端的で、また声の質がなかなか色っぽい色男風でとても良かったです。現在は米女子代表監督ですからカレッジ女子のトップチームの試合を見て将来の代表候補をじっくり観察できて、現場で有力選手に声をかけてコネ作りもできる。そして解説でもお金も貰えるという一石二鳥の仕事です。

バレーボール女子代表は今年Kiralyの下で初めて三大大会に優勝したばかり。2016年のリオ五輪での優勝を目指します。観戦スポーツとしてはマイナースポーツであるアメリカのバレーボールを一つ上のレベルに引き上げようという努力がなされている中でKiralyは最大のキーマンと言えるかもしれません。

バレーボール女子 世界選手権初戴冠

あまり強そうには見えなかったんですがバレーボール女子米代表がイタリアで行われていた世界選手権に優勝しています。女子側は米国は常に世界ランキング上位にありながら三大大会(五輪・W杯・世界選手権)で優勝が一度もないという状態だったのが今回その壁を破ったことになります。この大会、五輪種目を専門で放送するUniversal Sports(NBC系)で三次リーグから放送されていました。

放映初戦となった対地元イタリア戦で0-3の惨敗を喫して三次リーグで脱落も大いにあり得たのです。同組の最終戦のロシア x イタリア戦を前にイタリアは準決勝進出が決定済みだったため主力を休めてロシアが勝つ=米国敗退の危機。実際イタリアは第1セット終了後は主力を下げてしまっていました。それでも地元の応援に後押しされて控えメンバーが活躍してロシアに勝ったので米国はここでの敗退を免れて準決勝へ。ひやひやの勝ちぬけ。

迎えた準決勝対ブラジル戦はなぜか絶好調で3-0で勝利。決勝はイタリアを破って出てきた中国との対戦となり、中国の追い上げをなんとかかわして3-1で悲願のメジャー大会初制覇となっています。ボロボロにやられたイタリアと二度目の対戦をせずに済んだのがラッキーでした。三次リーグ敗退も現実的だったのにその危機も脱して、決勝も今大会相性最悪イタリアを避けられたという幸運を味方にしての優勝。試合内容も強いなあというキメのパターンも乏しく、勝ったけど強そうじゃない、という感想になりました。

えーとそれで先月の男子の大会のときは決勝の報道が一切なかったということを指摘したのですけれど、今回はESPN.comでも一応報道ありました。AP電のあっさり記事ではありますが少なくともESPN.com内に載ってるだけは載ってます。トップページには一切関連報道はなく辿れませんが。来年はネブラスカ州オマハで女子のWorld Grand Prix Final大会が開かれることになっています。基本的にアメリカは世界大会を積極的に誘致していないのですが、来年は珍しくそれをやる予定のところ、今回の優勝でWorld Championsとして地元に登場することができることになりました。Nebraska大発信のFacebookエントリーによれば今回の代表メンバーには同大出身選手が三名含まれていたということです。Nebraska大のあるLicolnからOmahaまでは車で1時間強。時期が6月下旬から。Omahaで6月といえばCollege World Seriesの時期。CWSの終了後にバレーの方は始まることになるようです。

Nebraskaで女子バレーが盛り上がる

全然アメスポ時流に関係のない話をメモ。ちょうどNLDSでClayton KershawがSt. Louis Cardinalsが滅多打ちに遭ってKOされた頃、裏番組でやっていたカレッジ女子バレーボールの話です。Big Ten NetworkでやっていたPenn State@Nebraskaの試合が大観衆でものすごく盛り上がっていて驚きました。Nebraskaが女子バレーの世界ではHawai'iに次ぐ観客を集めることは少し前に調べて知っていたのですがこの日は全米ランク3位のPenn Stateを迎え撃つ好カードということで同チームの史上最高動員で8,500人強を記録したようです。この試合で八試合連続でソールドアウトとか。実際会場もぎっしり、応援の熱気もすごい。バレーボールなどマイナースポーツだとフロアが他のスポーツと共用でバスケの線が入っていたりなんかすることが多いのですが、ここNebraskaでは女子バレーは人気ということでバレー専用のフロアなのもムードを高めます。

MLS創設当時など、サッカーをフットボールの線が引かれたピッチでやるのを見るとなんとも間借り感が強くてマイナー臭が凄くしたものです。MLSはいまはもうほとんどのチームがサッカー専用スタジアムをホームとしていてそういう場面は減りましたが、女子サッカーだとまだそういうことはあります。またさらにマイナーなプロ競技であるラクロスなんかも同じくフットボールスタジアムで他の競技のラインが入り交じったところでやってます。単に見た目の事とはいえNebraskaの美麗なバレーボール専用のフロアを見るとこういう細かいやっぱり道具立てもないと気分が盛り上がらないかなと。スポーツの会場に行くというのはその競技を観戦するのが好きという理由以外に高揚感が楽しいから行くわけですよね。その高揚感の演出のためにはこのNebraskaのバレーボールフロアやMLSのサッカー専用スタジアムの建設はマイナーから抜け出していくためには大事な投資なんだなということを感じます。

試合の方は第1セットをPenn Stateが楽勝で勝ったあとは地元Nebraskaが3セット連取でアップセット逆転勝利。大観衆も満足という試合となりました。すごいなあ、と。これでこの日入った8,500人の多くはまた来てみようと思うわけですよ。ちなみにNebraskaはほぼ全員が白人選手、たぶん一名のみリベロの選手がハワイかどこかそんな感じの選手という構成でした。観客も私が見た限りでは全員白人。Nebraskaフットボールの全米制覇HCであったTom Osborneも観戦に来ていました。かなりお歳がいってしまった感じで、こんなところにいるより家で静かにされていた方がいいのでは…というぐらいの印象でした。77歳。

バレーボールの話に戻すと8,500人という集客は世界でもこんなに集めているバレーボールチームはめったにないはず。バレーボールはプロが成立しない歴史の繰り返しなのですがなぜかアメリカ大陸ど真ん中Nebraskaの地と、太平洋のど真ん中Hawai'iでは動員が好調というこの不思議な盛り上がり。こういう局地的に盛り上がるのっていうのはなぜなのかうまく説明がつかないところが多くておもしろいです。

Danicaのポールポジション と RouseyのUFCメインイベント

World Baseball Classicも近づいてきて気分も盛り上がるわけですが、そちらはまたとして今夜のUFCの話を少し。UFC157で女性ファイターの試合がメインイベントとして組まれています。女子選手のメインイベント登場は史上初。王者のRonda Rouseyの圧勝が予想されているんですが、試合云々よりも女子選手によるカードでのPPVがどれほど売れるものか注目点。Ronda Rouseyは柔道出身の選手。17歳で2004年アテネ五輪の代表となり、2008年の北京五輪で銅メダル獲得。年齢的(当時25歳)には昨年のロンドン五輪でも出場してさらなる成果も期待できたはずですがMMAに転向。その後Strikeforceを経てUFCで女子バンタム級王者。MMAのpound for poundで女子最強の選手とされています。

私の知り合いの柔道の先生(アメリカ人)はこの選手の話をするのが好きで、よく生徒たちにもRouseyの話を持ち出します。柔道はアメリカでマイナーで、後発のBJJにも普及度ですでに大いに差をつけられている。それが先生には長年気に障っていたようで柔道出身のMMAファイターのRouseyに活躍してもらいたいと思っているようなのです。個人的な意見を言わせてもらえばMMAで勝てるかどうかと出身ジャンルとの直接的な関わりは薄いと思うんですがどうなんですかね。アメリカ柔道では昨年のロンドン五輪でKayla Harrisonが米国初の柔道の金メダルを獲得もあったし、Rouseyの出身が柔道であることはよく言及されるのでアメリカの柔道には追い風が吹いているとは言えます。五輪のHarrisonも女子、UFCのRouseyも女子というのは柔道のイメージとしてどうかなと思う面もありますが、柔道の競技としての特性もあり生涯スポーツに向くしこれから普及が進むのかもしれません。


Rouseyのメインイベント登場は以前から予定されていたことですが、それと重なるようにもうひとつビッグイベントで女性選手が台頭しています。日曜日に開催されるNASCARの最大のレースDaytona 500で人気女性ドライバーDanica Patrickがポールポジションを獲得して出走予定となっています。NASCARのトップカテゴリであるSprint Cupシリーズのレースで女性がポールポジションを獲得するのは初。なんでも今年のDanicaの車は空洞試験でものすごくいい数字を叩きだしている絶妙のマシンだとかで、予選での数字も偶然ではないとか。それ故本番のDaytona 500でも活躍が期待されており、その結果例年以上に同レースの報道が多いです。Danica様々ですね。DanicaがIndyCarからNASCARに移籍してきたのが昨年。昨年は下位シリーズであるNationwideシリーズに出走、トップカテゴリのレースはスポット参戦していただけで、Sprint Cupシリーズに本格参戦するのは今年から。その初っぱなの大レースであるDaytona 500で女性初のポールポジションを獲得と話題がDanicaに集中している状態となっています。まあNASCARはポールポジションなんてレース全体の勝負にはなんの関係もない仕組みのレースです。F1なんかだとポールで出て一度も譲らずにそのまま優勝なんてことがありますが、NASCARはそういうことはまず起こらないので優勝まで期待している人は少ないですが、それでも目立ち具合はすごいものがあります。NASCARというジャンルの人気のピークが過ぎたのがはっきりしてきていた過去5年ほどのことを考えるとこのタイミングでDanicaがいままでとは違った話題を注入してくれるのは大きいだろうなと思います。


DanicaにせよRouseyにせよ実力派で見栄えも悪くない。話題性もある。NCAAのように男女差を意識的に縮めようというような政策的な女子スポーツ推しではなく、伝統的に男臭さの強いプロスポーツのジャンルで健闘する女性選手というアングルがうけている面は強いです。

Big Eastの身の程知らずからカソリック大学によるリーグ創設へ

大学スポーツのカンファレンス移籍問題がついにバスケットボールの世界にも波及してきてバスケの強豪カンファレンスだったBig Eastが解体過程となったようです。過去記事でも触れている通り予想の範囲内ではあるものの実際にこうなってみると軽いショックはありますね。

直接の動きはBig Eastの非フットボール校のうちカソリック宗教校である七校=Georgetown, St. John's, Seton Hall, Providence, Villanova, DePaul, MarquetteがまとまってBig Eastを脱退乃至は解散を画策しているとか。既に脱退を表明してる学校を除く(議決に参加できないので)とこの七校で多数決は全て制すことができる(除フットボール関連議決)ということです。これまでは大人しくしていたバスケの学校が遂に動き出したことでBig Eastはバスケの強豪としては解体過程に入りカンファレンス創設以来のメンバーはUConnだけになりそうです。
過去にメンバーがごっそり入れ替わったカンファレンスの例というのはいくつかあるのでそれ自体は珍しいというほどでもないですが、最後に取り残されたのがバスケでは実績十分のUConnというのはどんなものか。ひとり逃げ遅れ感が大変強いです
UConnは男子バスケで全米制覇で激戦区だったBig Eastの中心メンバー。さらにはUConnの女子バスケは全米最強のプレミアブランド校でもあります。プロ・大学通して女子バスケで利益が出せるのはUConnの他僅か数チームしか存在しないとされます。昨年2011年の実績で収入で$10 million以上、$3.8 millionの利益を出したと発表になっていますからUConn女子バスケは世界で一番大きな利益を生む女子スポーツチームかもしれません。UConnのことはまた追々。こういう学校でも乗り遅れてしまうとこうなってしまう。スピード感の大切なアメリカのビジネスはぼやぼやしていると怖いです。

脱退していくカソリック七校は今後Atlantic 10所属などの他のカソリック校と連携して新カンファレンスを結成する可能性もあるとされています。その話題を拾っていく過程で知ったのですがGonzagaもカソリック校だったんですね。そのカソリック新リーグにGonzagaまで候補として名前がささやかれています。遠い西海岸ワシントン州のGonzagaを加えると距離が大変なことになるわけですが本当にあるのか。Gonzagaはともかくとして、他の連携候補としてXevierやDaytonなどがカソリック校。Xevierはカレッジバスケの世界ではミッドメジャーの強豪。現在Ohio Stateの指揮を執って全米制覇を目指しているThad MattaもXavierの指揮を執っていた時代に好チームをNCAAトーナメントに送り込んできていたものでした。Big Eastから抜ける(または七校が「Big East」の名称を受け継ぐ可能性もなくはないですが)七校も全米制覇歴のあるGeorgetown, Villanova, Marquetteを含み、Xevierなど実力校が加わればバスケットボールリーグとしては問題なく成立しそうです。グループごとの分裂のためMarch Madnessへの新カンファレンス優勝校の自動出場条件もクリアの見込み。ただカソリック校連合というはっきりとした性格付けができてしまうとそうでない学校が加入しにくいカンファレンスになりそうで、例えば上記のUConnが行き先を失っても加入できそうにない。 

Big Eastが下り坂に入ったのはMiami-FL, Virginia Techが抜けて以来の長期トレンドですが、この最後の解体局面の惨めさはどうでしょうか。1~2ヶ月前にBig EastはESPNとのフットボール放映権契約延長を蹴ったのですがあれがまずかったです。ESPNが契約延長を提示したのに対して、Big East側が金額に不満を示して他系列と競わせてより良い条件を求めると発表したときに、それはちょっと欲をかきすぎだろとすぐに思いました。確かに他のカンファレンスはビリオンドル級の巨大契約を次々と勝ち取っていましたが、Big Eastフットボールはそれと同列では語れない立場だったはず。延長契約提示があっただけでもよかったのに、それを拒否してしまった。それから一ヶ月強の間にRutgersのBig Ten移籍が決まり、さらにはLouisvilleのACC移籍、その過程でCincinnatiとUConnも自らの移籍を売り込んだ事実が表面化するなど、もうすでに現有校はここに心あらずの状態。来季から加入予定のBoise StateやSan Diego Stateは極々近い将来に路頭に迷う可能性で加入を思い直す可能性もある。こうなってしまってはもうどこの放送系列と交渉しようにもESPNが当初出してきた契約延長の額はもう望めない。欲をかいたおかげで契約獲得はバスケでももうままならない、カンファレンス自体が路頭に迷う状態です。

バスケの方はBig Eastとしての資産としてはバスケではMadison Square Gardenでのカンファレンストーナメント独占開催権(他のカンファレンスは使えない)があり、フットボールではあとたった一年だけですが来季のBCSボウルへの自動出場権という大きな資産があります。バスケの方ではBig Eastが分裂、離れる方が多数派の場合に分離していくグループの方がMSGでのトーナメント開催権の保有を主張したいはず。そこでの資産の取り合い争いに発展するでしょう。フットボール的には泥船で沈むとわかっていても来季だけはBCSボウル自動出場枠のためにBig Eastのままでむりやり突き進むという可能性は高い。その後はBig Eastはメンバー校同意で解体(=誰も退会金を払わないで良い)か。Boise Stateなど西の学校は再び西に戻り、MSGでのカンファレンストーナメント開催権を東海岸進出を目指すBig TenかSyracuseを擁するACCに資産売却して最後の集金活動とするのか。それとも乗り遅れUConnがこの権利を握ったままBig Eastに座り込んでそれを手土産に他カンファレンスに売り込みをかけるのか。そんな形の最後が見えてきたように思います。 

新リーグのシカゴはどこを本拠地にするのか

この話題はもう少し先に例の新女子サッカーリーグの詳細が発表されてからでもいいかと思っていたんですが、そういうことを言っていると忘れてしまうので軽く。
来年2013年春に開幕する対極の二つの女子プロスポーツ興業である女子サッカープロリーグ(名称未定、本稿では以下新リーグ)とLingerie Football League(LFL)。先日新リーグの方のチーム所在地が発表になっている中で一点気になるところがあります。新リーグ8チームとLFL12チームを見比べると本拠地都市が重なるのはわずかに二都市であることがわかります。
新リーグの方はSeattle, Portland, Kansas City, Chicago, Western New York, New Jersey, Washington DC, Boston。
カナダを独立の別リーグとして新装開店となるLFLの方は Seattle, Los Angeles, Las Vegas, Chicago, Green Bay, Minnesota, Atlanta, Omaha, Jacksonville, Baltimore, Cleveland, Philadelphiaとなっています。
重なっているのはSeattleとChicagoです。新リーグが前身のWPSの当時にチームを持っていたAtlanta, Philadelphia, LAといった都市にチームを当面持たないことを決定したためLFLとの直接のバッティングとなる都市が最小限となっています。事業の発表はLFLの方がずっと早かったので新リーグ側がLFLとのバッティングを避けたのかもしれませんし、単に偶然かも、それはわかりません。
Seattleに関してはLFL Seattle Mistはホーム興業をアリーナで開催することを発表済なのでいいのですが、問題となるのがChicagoの方。LFL Chicago Blissはそのホーム興業を男子サッカーMLSのChicago FireのホームフィールドであるToyota Park(野外)で開催すると既にスケジュールまで発表済なんですね。男子MLSも春開幕、LFLの開催試合数は多くはないですが同じく春開幕。実は女子プロサッカーの前身WPSに参加していたChicago Red StarsもこのToyota Parkでホームゲームを開催していた実績があります。まだ新リーグのChicagoのチームの詳細は発表になっていないのですが、たぶんToyota Parkに戻ってきたいはず。となるとメインテナントのMLSの合間にLFLと新リーグの女子「フットボール」の二つのサブテナントが入って同所はスケジュールがかなり混み合うはず。そしてそれよりもChicagoでLFLと新リーグが真正面から同じ条件で動員対決することになるのが興味を惹きます。数字比べを意識すると新リーグがChicagoのチームにスター選手を持ってこられるかにもよるでしょうが、どうか。以前のWPS Red Stars時代はブラジル代表のストライカーCristianeや米代表だとMegan Rapinoe、Carli Lloydなどが所属したことがあります。女子サッカーファンの間では人気のあるRapinoeですがそれで十分かどうか。
根本的にはLFLはアリーナで開催の方が商品性に向いていると思うのですが、Chicagoの場合はNBA Chicago BullsとNHL Blackhawksが使用する「Jordanが建てた家」United Centerは全米有数の巨大アリーナで収容数ならToyota Parkとほとんど同じで使用料が高い、かつスケジュールが混み合うのでUnited CenterでのLFLはないということのようです。2013年春に限定して言えばNHLがこのまま労働争議でシーズンキャンセルになる可能性もあるのでスケジュールは空きが出るかもしれませんが。他の都市ではNBAが使用する最新アリーナの利用もあり。あと目立ったところではChicagoとともにPhiladelphiaでもLFLは野外サッカー専用スタジアム(男子MLSのホームPPL Park)で開催予定です。もし将来新リーグがPhiladelphiaに進出するならばここでもバッティングする可能性があることになります。WPSの頃のPhiladelphia Independenceは試合終盤の追い上げで試合をおもしろくしてくれる好チームでしたが、地元大学のスタジアムを借り受けて地味にやっていました。

ランジェリーフットボールLFL対新女子サッカーリーグ この対決 またはミスマッチ

さて昨日の記事で来年2013年春から新女子プロサッカーリーグを発進させるべく米サッカー協会が鋭意準備中ということを書きました。詳細は未定、近く発表ということですが、2011年まで続いた女子プロサッカーWPSは四月~八月(八月はおおむねプレーオフ期間)をシーズンとしたスケジュールでした。新リーグも開幕を「来春」というのは明言していますのでWPS同様の春開幕、主たる想定顧客となる就学年齢の子および家族が来やすい夏休みまでに全日程を終えるというスケジュールを踏襲しそうです。夏休みが終わるとアメスポ人気最強のフットボールシーズンが始まってしまいますのでそれを避けるという意味でニッチスポーツマーケットを狙う後発リーグの考え方としてはありがち、かつ妥当な考え方。これはラクロスのプロリーグであるMajor League Lacrosse (MLL)やアリーナフットボール(AFL)でもほぼ同様のシーズン構成です。またWPSの場合は各地の大学のスタジアムを借り受けて興業していたためフットボールシーズンになってしまうと試合スケジュールが自由に組めない(特に開催地がぎりぎりまで確定しないプレーオフ)ためその面でも八月でスケジュール完了が求められていました。


さてその春夏シーズンのスポーツ市場に新たに名乗りを上げているのがLingerie Football League (LFL)です。日本でもWOWOWで放送があるということですのでご存じの方もいると思いますが、昨季で世界45カ国で絶賛放映中なんだそうです。このLFLがシーズンを昨季までの秋冬から春夏に変更して2013年にアメスポ市場に再び殴り込んでくることが確定しています。下着美女軍団によるLFLと、健康健全女子中高生ターゲットの新サッカーリーグという女子という部分しか共通点のない新興業が同時に2013年春に登場するわけです。


LFLの中身は読者にそれぞれ検索していただいて映像その他を見ていただくとしましょう。これまではLFLは完全に通常の男子フットボールシーズンにかぶせる形で開催されていました。九月開幕してシーズンクライマックスとなるLingerie BowlをNFL Super Bowlの当日に行っています。元々、Super Bowlのハーフタイムにおちゃらけパロディ番組として下着姿の美女がフットボールをする有料TVイベントというのがLingerie Bowlの発端。これが大うけして翌年2005年にも企画放映。この第二回Lingerie Bowlに出場したLos Angeles Temptationは現存します。当時は年間ワンマッチのみのイベント開催だったのが2009-10年シーズンにリーグとして10チームでLFLとしてスタート。各チーム年間3~4試合をプレー(つまりホームゲームは2試合が限度)。リーグ開始当初はマーケット試験的な意味合いが強かったと思います。こんな色物興業が果たしてビジネスとして成立するのか誰にもわからなかったはず。LFLの二年目の2010-11シーズンからはMTV2での放送が開始。三年目の2011-12シーズンは選手をアマチュア(選手には一切給料を支払わない!)に変更したので正確に言えばプロスポーツリーグではなくなっていますが、新規参入チームもあるなどLFLが持続可能な存在である可能性が高まってきました。そして決定されたのがシーズンを秋冬から春夏に移動させて本格的にプロ興業としての定着を計るという方針でした。春夏シーズンに移行する過渡期となる今秋はLFL Canadaという四チームによる新リーグがその穴を埋めています。さらにはLFL放送の人気の高いオーストラリアでもLFLリーグが結成される方向で活動中。さらにプロモーションも兼ねて放映各国へのLFLの世界ツアーも企画中とか。


考えてもみてください。女子プロサッカーはWPSも、その前のリーグWUSAも三年でリーグが活動停止に追い込まれています(WPSの場合、オーナー間の確執が理由でしたが)。それがLFLは女子サッカーが二度まで超えられなかった三シーズン存続を超えて、四シーズン目となる来季に持続可能な興業を目指して本腰を入れて乗り込んでくるわけです。それが奇しくも女子サッカープロリーグの再興と完全にタイミングが合っているというコントラストがおもしろ過ぎると思うのです。一方は五輪での大活躍で女子スポーツ界のヒーローたちのリーグ、他方は女性を売り物にしての色物興業の色合いが強いがなぜか世界進出ができてしまっているLFL。その両極端ぶりがすごいなと。


ここからは真面目な話ですが、LFLはすごい可能性を秘めていると思うのです。アメリカで圧倒的な人気を誇る男子のアメリカンフットボールですが、国外ではその存在感は薄いです。ちょうど今週末にNFLは英国ロンドンでの公式戦の開催がありますね。毎回ロンドンでの試合は好評でチケットも売れますが、基本的にはそれを見に来るのはアメリカに縁のある英国人でしょう。Super Bowlが世界200カ国以上で放送されているとか言いますが、ほとんどの国では需要があるわけではない。Super Bowlだけが放送されるアメフトの試合という国が多いはず。カレッジフットボールですと今季の開幕戦でNotre Dameがアイルランドへ遠征に行きましたが、地元のお客さんはあまり熱くなっていないのがスタンドを見てもわかります。そもそもアメリカンフットボールの試合の流れ、ルールが海外に十分伝わっているとは思えないのです。Super Bowlを初めて見た外国人の典型的な反応は「ルールがわからない」「すぐプレーが止まる」「足を使わないのになぜフットボール?」といったところ。これらは当然の反応だと思います。類似のスポーツが多くの国にはないですからね。

そこでLFLです。Super Bowlの200カ国は放映権料無料でばらまいているのが多いのは確実ですが、LFLの45カ国はどうでしょうか。たぶん有償での放映権販売の結果でしょうし、これが現在のLFLの収入源・ビジネス存続の原動力になっている気がします(財務資料の公開がない)。日本でも放映されれば目立つようにどこでもこれは実に目立つわけです。そしてチャンネルを合わせてしまう各国の男性たちは別にフットボールが見たいわけではないでしょうが、結果としてはアメリカ製のフットボール簡易版を見ることになるのです。LFLにはFGもパントもないですから「フット」の部分は完全に無意味ですが、その部分も含めてフットボールっていう名前だけどこういうもんなんだなーという無意識のうちの教育ができるのです。すごいと思いませんか?私はすごい可能性だと思うのです。ほぼアメリカ一ヶ国(カナダのCFLも安定存続しているから二ヶ国か)のローカルプロスポーツであるフットボールをLFLが先兵となって世界の男性にルールや試合の流れを知らしめてしまうという可能性を秘めているのです。

あの巨大産業NFLがNFL Europeを通じて世界広報(NFLEの存在理由はそれだけではないですが)を目指しましたが、十分なファンを獲得するに至らず活動を停止しています。あのNFLですらできないフットボールの世界広報を色物LFLがあっさりとやってしまうことになるのではないのか、という想像はものすごく面白いものだと感じます。LFLオーストラリアは実現できてもNFLオーストラリアは不可能です。すごいと思いませんか?真面目なフットボールファンの各位はどうお感じになるでしょうか?

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