アメリカスポーツ三昧

アメリカ永住コースか、または第三国に出国か!?スリルとサスペンスの人生とは別にアメスポは楽しい。

College Sports

CWS 今年も全米ナンバーワンシード校敗退

ここのところの当ブログのネタを眺めると大学野球、ラグビー、女子サッカーとなんともマイナー路線に走っていて、興味のない方にはおもしろくもない内容になっているかと思いますが、ご容赦ください。今日も大学野球です。


大学野球の決勝大会College World Seriesが進行中ですが、今年の全米ナンバーワンシード校として乗り込んできたFlorida Gatorsが今大会のシンデレラ校のひとつKent State Golden Flashesに逃げ切りを許して敗退決定。今年もナンバーワンシード校は全米制覇に失敗。実はナンバーワンシードが全米制覇に成功したのは1999年以来なく本命は消える傾向は今年も維持されることになりました。野球というスポーツの性向としてピッチャーのその日の調子次第でなんとでもころぶ不安定さがありますから13年連続でのトップシードの敗退は意外とまでは言いませんが、投打に抜群な層を持つと高く評価されていた今季のGatorsがシンデレラにあえなく敗退。中身はエラー、暴投絡みの失点を重ねた自滅敗戦。最終回に一点差満塁まで迫ったGatorsだったんですがKent Stateに逃げ切りを許しました。

Kent State/Florida側の山はあとの二校がSouth CarolinaとArkansasと三校が今季評価の大変高かったSEC校が固まり、強力SEC校に包囲されたKent Stateは苦しいだろうなあと見ていたんですが、なんとかいのいちでの敗退決定は回避しました。次戦はもう一つの優勝候補上位校=South Carolina Gamecoks。

South Carolinaは二年連続全米制覇校。昨年2011年シーズンのポストシーズンは一敗もしない完全優勝で、2010年の一回目の優勝以来昨夜までポストシーズン22連勝。野球では考えにくい、そして各地の強豪校が集うポストシーズンということを考えれば信じられない連勝記録を続けていたのですが、昨夜は遂に1-2でArkansasに惜敗。ダブルエリミネーション方式の敗者復活側の山でKent Stateと生き残りを賭けます。


もう一方のグループの方ではもう一つのシンデレラ校=Stony Brookが大敗二連敗で既にCWSを去っています。CWS以前はStony Brookの方が大きく取り上げられていて、一時期は「Stony Brook」がGoogleでの検索ワード一位に跳ね上がったとか。野球どころであるニューヨークの学校であるところも効いたでしょうし、強豪LSU Tigersとの熱戦の数々もよかったですからね。そのせいで露出が限られていたKent StateでしたがここでGatorsを倒して生き残ったことで第二のシンデレラにも注目が集まるか。


大学野球そのものの話題ではないですが、中継(ESPN2)を見ていておもしろかった話題のひとつはMLBでいま売り出し中のBryce Harper(Washigton Nationals)の話題。開幕から遅れてメジャーに上がった19歳。既に7本塁打打率.290前後維持という数もともかく、その内容の良さで野球関係者の期待はすごいものがあります。Harperの活躍ぶりをひとしきりしゃべった後に「今ここでプレーしている大学生選手たちより若いんだよね…」みたいな変な間があってそこがおもしろかったです。モノが違うんだな、とははっきり口に出せなかったんでしょうが、微妙な間でおもしろいなあと。いくらドラ1で入ったからと言って高校生がそんなに早く上がってくるものかという予想を覆しています。

大学野球はアメスポの中で伸びうるのか

週末に開幕するCollege World Seriesに出場する八枠のうち、これを書いている現時点で五校が確定。二年連続CWS優勝のSouth Carolinaもあと僅かで勝ちそうですからそれで六校目となるはずです。決まっていないSuper RegionalのひとつはKent State@Oregonで、その最終戦がちょうどいま始まるところです。

そのOregonのホームのスタジアムなのですが、これがずいぶんときれいなスタジアムです。なんでも2009年にOregonが野球部の活動を再開したときに建てたスタジアムなのだそうです。収容5,000人。今日も超満員です。1982年から2008年までの27年間、Oregonには正式な部活動としての野球部はなく、同好会扱いのクラブチームのみがあり、長年Pac-8/10で唯一野球部がない学校だったと。それが急に美しいスタジアムまで建設して部活動再開したのは、州内ライバル校=Oregon State Beaversが2006年2007年とCWSを連覇したことと無関係ではありえないでしょう。Beaversが全米制覇しているのに、Ducksは部もない。これはイカンという。記録を辿ると正式にOregonが野球部復活を発表したのが2007年の7月となっていますから、Beaversが二連覇達成した直後ですね。

その辺りのライバル関係もあってOregonは野球部を復活させるとともに予算をかけて新スタジアムも建設した。収容5,000人というと少ないように感じる向きもあるかと思いますが、大学野球の自前スタジアムで5,000人というのは多い方なのですよ。昨日まで大熱戦でシンデレラチームのStony BrookがLSUをやぶった舞台となったLSUのスタジアムが10,500席以上ですが、これはもう大学野球では例外的な大きさ。大学野球ではLSUは数少ないお金を産む野球チームです。他の有力校だとTexasのホームが6,700、MIami-FLが5,000(YankeesのAlex RodriguezがMiami-FLに資金提供して数年前に改装増席してこの数)、現在二連覇中のSouth Carolinaが6,000、Oregon State Beaversが全米連覇のご褒美とOregonの新スタへの対抗意識でしょう、増築して3,200。こういう席数を持つのは実績のある学校がほとんど。つまりOregonのように実績のまったくない再開したばかりの野球部の5,000席はその実績のなさからすると相当に多いのです。野心的に大風呂敷を広げて施設を作ったという感じがします。尚、このキャパの数字は、立ち見エリア分を含みませんのでライバル校との対決やNCAA地区大会などではキャパの数字を超すことが多いです。Miami-FLの地区大会初戦は1万人近く入ってました(大観衆の前でStony Brookに大敗したわけですが)


さてそれで表題の件になるのです。ご存じの通り大学スポーツではフットボールとバスケットボールが大金を動かすビッグビジネスで、プロの方ではフットボールやバスケと互する人気スポーツである野球は大学では赤字スポーツです。バレーボールやラクロスや水泳やその他もろもろの種目と同じく、学校の予算を喰って運営されている。フットボールと男子バスケが稼いできた予算を他の種目が使わせて貰う、というのがほとんどの場合。女子バスケの強豪校が黒字を出す、LSUやMiamiのような極僅かの野球部が薄いながらも利益を出す、とされますが、ほとんどはそうはならないという常識となっています。

プロのマイナーリーグベースボールが多くの人材を抱え込むシステムが古くからあるため大学野球まで十分人材が回ってこないという点や、マイナーリーグベースボールが全米津々浦々まで存在して夏休みのスポーツ娯楽として定着している反面、大学野球は営業的にかき入れ時のはずの夏休み期間にはシーズンが終わっているという点。また春学期の当初1ヶ月強はアメリカの多くの土地では野球にはまだ寒すぎて興業として不向き、などなど様々な理由もあって大学野球はマイナースポーツにあまんじてきました。

それが多チャンネル化とインターネットといういつもの理由でマイナースポーツにも陽が当たるようになってきた、その好影響は大学野球にも及んでいると思われるわけです。Oregonの例は極端な例ですがほとんど新規と変わらないチームの再開で5,000人のスタジアムを建てるという投資の仕方はマイナースポーツ、赤字スポーツへの投資としては大きすぎる。利益が出る可能性を見てのことと考えるべきでしょう。


このSuper Regionalの対Kent State戦は熱戦続きで大変おもしろいのですが、それを支えるファンも熱い。私個人は知識としてOregonベースボールは伝統ゼロ、ファンも全員最長での四シーズン目のファンということを知っていてもなかなか熱いなあと見入ってしまいます。他校と比べれば歴史のあるLSUのファンなんかは素晴らしいファンが多くて今回の対Stony Brookのシリーズでも感心しきりの応援ぶりで、さすがにそれには大きく劣るもののOregonのファンもニワカファンにはそれほど見えない。なぜそうなのかと考えると、ベースボールにはベースボールのノリがありますしそれはアメリカ人誰しも体験済み。そしてまたOregonにはOregonスポーツの共通の応援がある。そもそも自分たちのチームという一体感は最初からある。そういう共有項があるからニワカでもちゃんと応援になっているんですよね。この初期条件は新しくプロチームを作るのよりもよほど有利です。このOregonの思い切った野球部への初期投資、そして僅か再開四シーズン目にすでにSuper Regionalに進出(いまやってる試合に勝てば三シーズンでCWS進出)と初期投資を生かして有力高校生リクルートを集めにも成功。これで収支もそこそこイケルとなったら真似をする学校も出てくるかもしれない、ということを思ってこの項を書き始めてみたわけです。

もし第二のOregonのように思い切った投資をしてみようという学校が出てくる。またはStony Brookのような野球の人気の高い東海岸でもカレッジベースボールがニッチとして地元の人気を集めるようになる。決してメインストリームではないでしょうが、大学スポーツのファンというのは確実に厚く存在するし、アメリカ人は誰でも野球は知っているし(好き嫌いには濃淡あるでしょうが)、売り方次第では利益の出る第四のスポーツ(フットボール、男女バスケ)というレベルに上がっていくのかどうか。可能性は確かにあると思うのです。

大学野球 対 Euroサッカー

金曜日のお昼時、レストランのTV画面にはサッカーEuro大会ポーランド対ギリシア戦が、別の画面には大学野球Super Regional Stony Brook@LSUの試合が流れていました。Euroの方はESPN本局が放送、Super Regionalの方はESPN2での放送。

日本では野球とサッカーが二大プロスポーツということで頻繁に比較になるようですが、アメリカにいるとサッカーと野球を正面から比較する場面は少ない。プロ興業やTV放送で比較という話も聞かない。比較的話題になるのは子どものスポーツとして同じ春スポーツとして子どもの取り合いという話題でサッカーが野球を上回ってきたという部分でですかね。その点では少年野球やソフトボール側に危機感はあるという話は聞きます。プロではまだまだ総合力で距離があるため真面目にサッカーがMLBのシマを荒らすという話題はほとんどないと言っていい。例外的にシアトルでMarinersの動員低迷がMLS Seattle Sounders FCの成功と関係するのではという意見がある程度。これもMarinersの動員低下はSoundersのMLS参加以前からのトレンドなので懐疑的な意見かとは思いますが。


そういうサッカーと野球の関係なのですが、このEuroサッカー対大学野球Super Regionalというのはどうか。それぞれの競技の二軍的な立場のイベント放送の直接対決。どういう数字がそれぞれに出るものかちょっと興味があります。Euroの予選に興味を示す一般スポーツファンはいないし、大学野球のレギュラーシーズンに興味を示すのは各校のコアなファンぐらいでしょう。それぞれ前段部分での露出がほとんどない対決でもあり、これらに夏休み序盤の若い層がどう反応するのか。Euro大会はアメリカ人には関係ないし、アメリカ国内に根を張るサッカー人気の源であるヒスパニック人口にとっても直接的な関連はない。旧宗主国・言語が同じということでスペインにそれなりの興味はあるらしいとも聞きます。ただそれを言ったらアメリカ人がイングランドの活躍に期待するか、というと大して影響があるように思えないわけで。ESPNにとってもどれほどこのEuro大会が視聴率の数字を出すのかは期待を持ちつつ見守っている感じではないでしょうか。


Euroの方はポーランドの先制ゴールが鮮やかに炸裂。その後も両チーム退場者を出すなど山あり谷ありの一戦。対する大学野球の方はSuper Regional初戦がそれに勝るとんでもない好ゲームになってしまったんですよね。カレッジベースボールの強豪であるLSUに無名校シンデレラStony Brookが臨む初戦。Stony Brookの先発投手が奮戦、エラーがらみで失った1失点のみでStony Brookが2−1リードで最終回。LSUがソロホームランで同点、延長へ。ホームの観客大熱狂。さらに10回Stony Brookがホームランで再び3-2リードするも10回裏2アウト2ストライクから再びLSUが同点ソロホームラン。11回、Stony Brookが犠牲フライをものにして4-3とリードするもなんと三イニング連続でLSUが11回裏ソロホームランで同点4-4。うわぁなんだこれはという試合展開。その挙げ句ついさっきまで晴れていたのが突如の豪雨で試合中断で今に至ります。Euroの方はもう二試合目も後半に入ってるのに野球の方は終わらない。野球の良さが出た試合。LSUの11,000人の観客も大満足の好試合。これがどう決着つくのかはわからないですが、野球のおもしろさのアピールという点ではこれ以上ないぐらいの好試合。どれぐらいの人が見ているんですかね。

大学野球トーナメント第一週終了 伝統強豪校の退潮目立つ

NCAA大学野球の64校参加によるトーナメントが週末にスタートしています。大学野球はインターネットが発達するまでは極一部の強豪校以外では地味な扱いですが、全国トーナメントの八強部分に当たるCollege World Series(CWS)はESPN系が全試合放送するようになってもうかなりの年数となって学校の夏休み期間序盤の定番のコンテンツとなっています。昼間の番組でお金をそれほどかけるわけにいかず、それでもまずまずの注目を集めるということで大学野球がニッチにESPNの番組表に食い込んだのが最初。その後うまくESPNが手持ちのコンテンツとして育てて、夏休み序盤のCWSそして夏休み終盤のLittle League World Series(少年野球 LLWS)と非MLBなベースボールがコストパフォーマンスのよい番組として定着しています。

昨今はサッカーがその夏休み市場に食い込んできていて、昨年の女子W杯、一昨年のW杯は視聴率的にもまずまずの成功を収めています。女子W杯はともかく男子の方は放映権料も高い(正確には男女大会セット価格で契約してますが)のでコストパフォーマンスではちょっと問題がないとはしませんが、ここ数年は男女大会とも欧州時間の大会だったので都合良く米国の昼間の枠にはまって生徒学生の夏休み需要を満たすには最適。昼間に放送している分には各局のプライムタイムの有力番組とかぶりませんから直接的敵対しないですむし。(次回ブラジルW杯は時間帯がアメリカと近いため視聴率が前回以上に伸びるのではという期待をする向きもありますが、逆に各局のプライムタイム番組と相対することで苦戦する可能性もないことはないです)尚、今年のEuro2012大会も全戦ESPN系で放映があるのですが、アメリカやメキシコ中南米に関係のないサッカー大会がどの程度視聴率を得られるものか。


さて大学野球の方ですが、ここ数年の傾向として伝統的な強豪校が苦戦する傾向がはっきりしてきています。Texas, USC, Arizona Stateといった過去に大学野球の名門であった学校は64校にもエントリーできず、地区大会のホスト校として1位シードで今回のトーナメントに入ったMiami-FL, North Carolina, Riceといった大学野球の有力校があえなく地区敗退。特にMiami-FLはStony Brook, Missouri Stateといった無名校に二試合連続大敗惨敗で未勝利のまま敗退。地元スタジアムに1万人の大観衆(大学野球ではこれだけ観客を入れられる学校は多くありません)を集めながら無名校に完敗して消えたこともあって監督のクビもとびかねない事態に。

そのMiami-FLを大アップセットで破った最下位シードStony Brook Seawolvesはその勢いをかって地区大会を勝ち抜いて次週のSuper Regionalに駒を進めています。同校にとっては地区大会突破は初の快挙。それ以外でも3位シードだったKent State、St. John'sと下位シード校がSuper Regionalに進んでいますし、敗れたものの地区大会で上位シードを追い込んだ小規模校がいくつも目に付きました。

この傾向がここ数年続いているのは間違いなく2008年のFresno Stateの最下位シードからの全米制覇の快挙が効いているはず。あの年以降、下位のチームが気合い十分で気持ちで負けてくれないので上位校が地区大会から四苦八苦という場面がより多くみられるようになって、結果として地区大会から好ゲームが頻発するようになっています。2008年から四年、あのFresno Stateの快挙がアンダードッグ校を触発・影響して下位校によるアップセットの危機が数多く見られるようになった。いまの現役の選手たちは皆あのFresno Stateの優勝を知って大学に入ってきている世代。だから有名校でプレーしていなくても、俺たちだってという意欲をもって日々練習しているはず。元々野球というスポーツは弱い側でもそこそこの勝率は確保できるスポーツだけに、下位校が気持ちの上で準備万端でかかってこられたらいくら有名校であろうと所詮プロ未満の大学生がプレーするわけですからそう簡単に勝てないわけでスリルがある。大学では野球はマイナースポーツのため奨学金の数も限られ有名校が有力選手確保で(フットボールやバスケほどの)超えられないほどの大きなアドバンテージをもっているわけでもない。

これは今後、大学野球がTVコンテンツとして伸ばして行くのには絶好の環境とも言えます。冒頭でも述べましたがCWSはESPN系が手持ちコンテンツとして長年育ててきたコンテンツ。CWS全戦放送からさらに最近では多チャンネル化ともリンクして地区大会やSuper Regionalもけっこうな数を放送するようになってきています。今年はSuper Regionalは一部試合時間が重なるものの基本的にはESPN2とESPNUで全戦カバーの模様。全国の小学校~大学の夏休み入りのタイミング(全国ばらばら)との兼ね合いもあるので地区大会の放送数はどこまで行っても限られるでしょうが、手軽で手堅い視聴率が見込めるコンテンツとしてESPN系にとっては重宝する番組・イベントではあります。

ラグビー大学セブンスはアイビー校=Dartmouthの二連覇

大学の7人制ラグビーの決勝シリーズCollege Rugby Championshipの決勝その他が開催され、Ivy LeagueのDartmouthが昨年に続いて二連覇で幕を閉じています。今日もNBC地上波で午後たっぷり放送していました。決勝はPac-12 Arizona Wildcatsとの対戦でしたが、早々にArizonaのキー選手が二人立て続けに負傷退場するはめになってしまいDartmouth Big Greenの快勝へ。テンポもよくまずまずおもしろかったので良しとしたいと思います。

このDartmouthのセブンスの監督はこの試合を最後に退任、2016年リオ五輪でのラグビーセブンスの米代表監督に就任するとのこと。マイナースポーツであるアメリカに於けるラグビーセブンスの大学二連覇校の監督を採用というのは国内的にはできる限りの万全の態勢なのでしょう。


番組中も何度も宣伝していましたが、アメリカは五輪ラグビーの最後の金メダル国で、2016年にラグビーが五輪に復帰する際には五輪ラグビーのディフェンディングチャンピオンとして臨むという売り文句があります。これは当ブログでも過去に触れたこと。1920年ベルギー・アントワープ五輪、そして1924年フランス・パリ五輪で米国はラグビーで二連覇したままラグビー競技は五輪から消えているため、アメリカが現役五輪チャンピンということになっています。当時は一週間の船旅で大西洋を渡って五輪に参加したそうでなんとも時代を感じさせます。

当時のラグビーはラグビーユニオン=日本で単にラグビーと言った場合に指す15人制のラグビー。リオ五輪で92年ぶりに復活するラグビーはセブンスということで競技自体も違うと言えば違うんですが、五輪競技名としてはどちらも単にRugbyとなっているので同一種目扱いの模様。

今日勝ったDartmouthのユニフォームはスクールカラーの濃緑の前面に大文字の「D」をあしらっただけのIvy Leagueらしいクラシックなイメージなのも、約一世紀の時を経て復活するラグビー競技という現時点での売り文句にマッチしているようでなかなかいいです。


実際に五輪でラグビー三連覇が狙えるほどアメリカが国際的に強いのか、強くなれるのかというと現時点では大いに疑問。大学選手権にしても今大会での注目有力選手でも大学入学時は野球選手として入学した選手だったり選手層や経験値はまだまだ低そうで、現在の大学の好選手というのが四年後のリオ五輪で活躍できるものかはわからない。以前にも紹介したように米国ラグビー協会は五輪を目指してより資質の高いアスリートをラグビーに取り込もうと躍起になっているところ。その誘いに乗って元NFLドラフトにかかったような選手たちもラグビー界に飛び込んできています。現時点ではそういう資質の高い選手がどうラグビーの試合の流れを理解していくかは全くの未知ですし、まだ代表で試合出場するにも至っていない。そういうエリートアスリートとラグビーを地道にアマチュアでやってきたこれまでの選手達の折り合いであるとか、面倒なこともいろいろあるのだと思われます。セブンスの国内事情は大学選手権はあっても、大学以上ではほとんどチームがないから試合もろくにできないという状態。NBCが五輪の盛り上げとして予算は注入してくれるんでしょうが、それをどううまく使ってこれからの四年間でラグビーが能力を上られるのか、またこのスポーツの極端に混み合ったアメリカで人気面でも伸びうるのか、おもしろい局面になってきていると思います。


(本当はNCAAベースボールトーナメントの話も一緒に書こうかと思っていたのですが、長くなったのでまた別に)


ラグビー大学選手権が意外な好ゲーム

五月末。アメリカは学年末の季節です。カレッジスポーツでは春スポーツが優勝争いのシーズンでもあります。いまはちょうど女子ソフトボールのCollege World Series手前のSuper Regionalと呼ばれる16強のシリーズが行われているところ。来週からは男子ベースボールのNCAAトーナメントも開始になります。他にもいくつか春スポーツがあるわけですが、録画で見たラグビーの大学選手権の話をしてみたいと思います。


ラグビーはアメリカではマイナースポーツ。日本ではラグビーという競技の存在自体を知らないひとは多くないと思いますが、アメリカならいくらでもいそうなレベルのマイナーさです。多チャンネル化した現在でも放送は多いとは言えない。ラグビーと一口に言っても日本で行われている15人制のラグビーユニオン、五輪種目となるセブンス、オーストラリアなどで盛んなラグビーリーグとそれぞれルールが異なりますし、ラグビーユニオンに絞ったところで分かりやすいルールのスポーツではない。またラグビーは大学スポーツの総元締め=NCAAの正式種目でもありません。そういうマイナースポーツなんですが意外とウケがいいようで、昨季からはESPN系に決勝トーナメントの放送が移管されて放送されています。以前はCSTV(大学スポーツ専門局のはしりの局、現在はCBS系に買収されてCBS Sports Network)でやっていたのですがESPN Uで放送、場所も昨年に続いてまだ美しいRio Tinto Stadium(MLS Real Salt Lakeのホーム)で開催。地元となるNo. 1シードBrigham Young University Cougars(BYU)対No. 2シードArkansas State Red Wolvesの決勝を見たのですが、これが内容が実におもしろい試合。

ラグビーというスポーツはちょっと地力の差があるとバカみたいな大量得点差になって勝負にならなくなってしまうし、かと言って実力が拮抗していたらいたで地味なつぶし合いが延々と続いてしまうような展開の場合もあり、おもしろい試合に出会えるかどうかのさじ加減が実に難しい性格のスポーツ。昨年のラグビーW杯も何試合も見たのですが、点数は接戦でも爽快感がまるでない接近肉弾戦だったり、新規ファンを獲得するにはあまりいい大会じゃなかったような気がしたものです。大ざっぱな感想ですみません。

そういうむずかしいスポーツであるラグビーの大学決勝戦。最終スコアは49-42でBYUが振り切って優勝(シーズン全勝)を果たしたんですが、終盤のArkansas Stateの追い上げが急で試合をぐっと締めてくれて好試合となりました。マイナースポーツ・非正式種目のせいもあるのでしょう、チームのサイトも整備もされていないので確認できないんですがたぶんArkansas StateのSHの選手は日本人の留学生選手では?絶好のボールさばきを何度も披露。最後7点差=1ポゼションゲームに迫るトライを産むミスディレクションパスも意外かつ鮮やか、盛り上げてくれました。大型選手の多いBYUをさんざん走らせることで終盤スタミナ切れに追い込んでの追い上げは思わず応援しないではいられない爽快感のあるもの。過去の大学選手権ではいかにも下手という感じが強かったのですが、今年の決勝は両チームとも練り込んだサインプレーなどがあちこちに見られてアメリカでラグビーユニオンが育っているのを感じさせる試合内容だったように感じました。

カレッジスポーツ秋シーズンの終わり

労働争議を先日終えたNBAはクリスマスの開幕に向けてやっとキャンプ入り目前、Chiris PaulのトレードおよびそれをNBAが阻止した話が走っています。が、まだ試合はない。カレッジバスケが期末試験期間で静かなのが目立つのは、例年ならNBAがこの隙間をちゃんと埋めていたということなんでしょうね。カレッジフットボールは既にレギュラーシーズン終了、ボウルを残すのみ。NBAがないためアメスポシーンはかなりガランとした感じです。この時期他にシーズン中といえばNHLなんですが、ESPN系はNHL放送を持っていないせいもあってSports CenterもNHL報道には力入らず、放送するにも報道するのもネタが足りない状態ですね。一年中常に混み合っているアメスポとしては珍しいぐらいです。(NHLはひとつ語りたいネタがあるのでまた近く書きます)

細かいところでは秋学期分の大学スポーツ(男女サッカー・女子バレーボールなど)が決勝トーナメントの最中。先週女子の大学サッカーの優勝戦が、今週は男子大学サッカーの優勝戦がありますが、注目度ほぼゼロに近い。大学サッカーは…観戦スポーツとしてはつらいですね。特に男子の方は。SECやBig XIIなどでは男子サッカー競技自体が存在しないし、Big TenやPac-12、ACCでも男子サッカーは全メンバー校が参加しているわけでもない。Pac-12などは通常メンバー校からの参加僅か五校(他カンファレンスのSan Diego Stateを足して六校で運営)。男女同権法=Title IXという障壁もあるため今後も男子サッカーがこれらのメジャーカンファレンス所属の大学でサッカーチームが増える可能性は薄い。つまりは男子はサッカー奨学金ではメジャー校に進める可能性が他の競技より狭いという問題を抱える構造になっています。少年レベルでのサッカーの競技人口は多いのが大学のことを考えるとサッカーをやっていたら不利という判断ができてしまうんですね。

ここ20年ほどのアメリカでのサッカー人気の漸増をあてこんで大学の準決勝・決勝は男女とも「College Cup」と銘打たれて開催されています。昨夜あまり見るものがなかったのでチャンネルサーフィンの合間に少し見ました(準決勝UCLA x North Carolina)その他にはLingerie Footballぐらいしかやってなかったので。実況はMLSの放送を以前担当していたアナウンサーとTaylor Twellman(元代表・New England Revolution FW・MLS得点王/MVP)だったんですが、途中でTwellmanが「なんで大学の最高レベルのはずのこの試合でこんなに反対足が使えない選手が何人もいるんだ?そんなの高校一年までにマスターしてるべきことだろ!」と怒り出したのがおもしろかったです。Twellmanはまだ引退して間もない=放送側としての経験が足りないから言っちゃいけないことを言ってしまった感はありますが、実際のところ、サッカー国ではあり得ないテクニック不足はアメリカサッカー文化の底の浅さの現れでもあるのでしょう。人口の大きさや移民選手を取り込める国としての強みもあるので一概には言えませんがそう簡単にアメリカのサッカーのレベルが上がると考えるにはまだ道は遠そうです。

ちなみに昨日初めて知ったのですが、NCAAサッカーのPK戦はベンチの選手を含めて誰が出てもいいそうです。えーっ?って感じですがそういうルールらしい。計時や選手交代のルールなど国際ルールからかけ離れているルールでNCAAサッカーが運営されているのは知っていましたがPKまでそんな別ルールとは初めて知ったです。GKもベンチのGKを使っていいそうで、UNCの方は控えの「PKのスペシャリスト」のGKを起用してPK戦へ。そんなのアリか、という感じですがアメリカらしい(アメフトっぽい?)とも言えるかも。UNCが勝って決勝へ。


他には早い時間帯には大学女子バレーのトーナメント放送が。女子バレーボールというのは実に地味ながら競技人口は多く(男子バレーの10倍とされます)地味に人気もあるのか、大学スポーツ専門局ESPNUでは準々決勝レベルから放送されます。大学女子バレーはシーズン中毎週水曜日をWednesday Night Volleyballと銘打って定時放送しており、例の女子スポーツ専門のESPNWのからみもあり意外にも将来性を見ているのかも。進行もサクサクしていてサッカーよりはせっかちな現代人をTVの前に引き留められそうではあります。たまたま私が見た試合は全米トップシードのTexasを開催地地元のKentuckyが各セット大接戦で追い込むエキサイティングな試合でとても楽しめました。

South Carolina全勝で二連覇達成 CWS

South Carolinaが連勝で優勝シリーズを制して二連覇達成です。ドラマチックな展開を期待したんですが、毎試合毎試合そうはいかず5-2で快勝。先発エースMichael Roth (先日のドラフトでCleveland Indians指名)が8回途中までGatorsをソロホームランの1失点に抑えて試合を作り、今季50試合目(チームは69試合目)登板のサブマリンJohn Taylor(Seattle Mariners指名)でつないで最後はMatt Price(Arizona Diamondbacks指名)が三試合連続で締めて快勝。Rothは交代時に残した三塁ランナーが生還したのでそれが自責点となってシーズン通算防御率が1.06となって史上二位となったようです。もしあの交代した時点では防御率0.9台で史上一位だったようですが。

MLB指名状況は書きましたがそれぞれさほど高い順位での指名というわけではなくプロの評価がさほど高いとは言えませんがCWS二連覇チームの誇りを胸にプロへ進むことが見込まれます。メジャー目指して夏過ぎからマイナーリーグで揉まれることになるのでしょう。プロの目は節穴ではなく下位で指名された過去のCWSのスター選手たちがメジャー昇格の壁に何年も阻まれているのも見かけますが。


ところで中継をみていておもしろかったのが、解説についていた往年のLos Angeles Dodgersの名投手Orel HershiserがESPNのサッカー女子W杯の番宣にからんで「今日、女子代表のサッカーの試合みてたよ」と言及していたところ。さすがにあまり代表チームに詳しくはなさそうな不案内な言及ぶりでしたがとにかく見ていた模様(もう一人の解説者は沈黙したから見てないんでしょう)。女子米代表の試合は火曜日の正午ごろ(CWS会場のネブラスカ州の時刻で)からキックオフの試合。そんな時刻の試合ですから見られるのは夏休み中の少年少女と、あとはHeshiser氏のように昼間暇という少数派の大人だけということになりますが、それでもHeshiserなんかでもサッカー見るんだなあと感心。なんだかんだとサッカー観戦者の裾野がじわじわ広がっているのは確かなようです。競技種目に偏見や縄張り意識が少ないのはアメリカのいいところだと思います。


South Carolinaの今季ポストシーズン全勝は2001年のMiami-FL以来。Miamiが全勝で駆け抜けたシーズンはよく覚えていますが、当時はぼんぼんホームランもでるし豪打で勝ちまくった記憶。あのときのMiamiはポストシーズン全勝だけでなくレギュラーシーズン終盤から18連勝でシーズンを終えるという圧勝劇だったのです。当時というのはMiami-FLはフットボールでも連勝記録中で2001年の終わりの段階で野球チームは18連勝、フットボールは二シーズン前から21連連勝中、そして普段弱いバスケットボールチームまでシーズン開幕から13連勝だか14連勝だったかで、三大スポーツあわせて50連勝以上とか大学スポーツの世界で大いばり状態だったのでよく覚えているのです。

CWS 絶叫の大接戦を制したのはまたもSouth Carilina

Florida Gatros x South Carolina GamecocksによるCollege World Series優勝シリーズ第1戦、とんでもない熱い試合になりました。

Florida先発P Hudson RandallはレギュラーシーズンでもSouth Carolinaをゼロ封勝利を収めている好投手。この日も絶好調、ポンポンとアウトを取り7回を終了して68球2被安打無失点。先日のSouth Carolina x Virginiaではクローザー同士がピンチに次ぐピンチをしのぐ100球を投げ合うとんでもない試合になったのとは好対称のスイスイと投げ進む試合。しかしGatorsも犠牲フライでの1点のみで1-0でのリード。そういった場面での8回表のSouth Carolinaの最初の打者にRandallがこの試合初の与四球。Randallは今シーズンの1試合当たりの四球率が0.9=1試合完投しても四球を一個出すか出さないかという投手が出した初めての四球、ここを逃さなかったのがSouth Carolina。ここまでRandallに完全に抑えられていたのにここぞというときに粘りがすごい。送りバントと犠牲フライで2アウト三塁。次の打者はまるでタイミングあってなかったんですが追い込まれてからの最後の低めのチェンジアップをなんとかとらえて投手の足下を抜けてタイムリーヒット、同点。なんとも渋いぎりぎりの攻撃で同点に追いつきました。


South Carolinaの方は金曜日のVirigia戦でクローザーのMatt Priceに95球を投げさせているので同点ではPriceを出せず、他の投手で繋ぐのですがまたまたピンチの連続。そしてそのピンチをギリギリの守備で凌ぎまくる大変な粘りぶり。9回裏、Floridaの無死満塁のサヨナラ機にセカンドゴロ→本塁フォースアウト、次打者でセカンドゴロから4-2-3ダブルプレーでFloridaのサヨナラのチャンスを紙一重で凌いで延長戦へ。10回裏、今度はFloridaが2アウト1塁2塁。そこからGatorsレフト前ヒット、さすがに決まったかに見えたのですが、しかしレフトから矢の返球が入って本塁直前憤死でまたもサヨナラを正に数十センチ差で阻止。この前のVirginiaの試合からSouth Carolinaのギリギリになってからの守備が神がかってます。

そして11回表、South Carolina1死1塁から盗塁を試みたところ、キャッチャーの送球が高く悪送球でセンターへ抜けて、バックアップしたセンターも三塁にショートホップで三塁手後逸でボールベンチへ=決勝点に。Gatorsの方も好ディフェンスでここまで来ていたのに1プレーの中でまさかの2つのエラーで決勝点献上。金曜日の延長13回の死闘のときもNo. 1シードVirginaもSouth Carolinaも譲らない好守備の連続だったのが、最後の最後にVirginiaが投手のバント処理の連続悪送球で決勝点を与えたのと写し鏡のような決勝点献上シーン。

そしてその裏=11回裏には金曜日に95球を投げきったクローザーMatt Priceが登板して最後を締めてSouth Carolina2-1で劣勢だった第1戦をモノにしました。とにかくSouth Carolinaの勝ち方は粘りがすごい。しぶとい。とてつもなくしぶといです。

これでSouth CarolinaはCWSは昨年から10連勝、ポストシーズンでは15連勝でいずれも大学野球の最長タイ記録。もし次戦第2戦でそのまま二連覇を決めれば連勝記録は全て新記録。今季のポストシーズン全勝ならこれは2001年のMiami-FL以来となります。尚、第1戦の動員は25,851人、今季からプレーされている新設のTD Ameritrade Parkの収容人員24,500席を越えて立ち見も入れたとのことです。盛況ですね。

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