アメリカスポーツ三昧

アメリカ永住コースか、または第三国に出国か!?スリルとサスペンスの人生とは別にアメスポは楽しい。

NHL/Ice Hockey

NHL 新チームVegas、追悼ムードでチーム初戦か

日本でもニュースになっていると思いますがラスベガスで銃の乱射事件が起きました。政治的社会的にかなりインパクトのある事件となりました。(日本の方が期待するような銃規制の話はこんな事件があってもまったく進まないことは確かですが。)

今後背後関係が明らかになっていくでしょうが、現時点までの情報だと純国内産のテロということでしょうか。


アメスポ関連でいうと開幕間近だったNHL、その21世紀初の新設チームVegas Golden Knightsがいきなり影響を受けることになります。NHLはプレシーズンを終了していま水曜日の開幕を待っているところ。Golden Knightsは開幕から二試合をアウェイで戦うことになっておりホームでの初試合は来週の火曜日。とりあえず事件から一週間以上後ということで、とりあえず街は落ち着きは取り戻しているかもしれませんが、準備していたであろう華々しい初試合の演出や宣伝などに若干の手直しが必要になることもあるかも。まあ本当の事件の直後に重なるよりはよほどましでしょうが、同市初にして唯一のメジャースポーツチームのデビュー戦がいきなり乱射事件の追悼セレモニー込みで始まることになるんでしょう。

ホワイトハウス訪問の件 MLS NHL

結果的にはアイスホッケーNHLは良いタイミングでさらりと訪問表明したのが大正解だったようです。NHLの表明の半日後にNASCARがトランプ支持の強いコメントを連発したことで反トランプの人たちの反感はNASCARへ向けられてNHLは標的になることを避けられました。あれがNASCARの後だと意味合いが違ってNASCARとNHLが一緒に標的になったかもしれない。迅速な対応が功を奏したことに。

ところでサッカーMLSのホワイトハウス訪問についてここまで当ブログでは触れていません。こちらは実は別の要因で一昨年2015年の優勝チームだったPortland Timbersが翌2016年シーズン中のホワイトハウス行きをチーム側からキャンセル、結局訪問できないまま今に至っています。その前まではオバマ政権下毎年MLSチャンピオンは招待されていたのに。翌2016年の優勝チームのSeattle Soundersも訪問しないまま。もう2017年シーズンのプレーオフが始まるまで遠くないこの期に及んで過去2シーズン分訪問が滞っているのです。四大メジャーと違ってまだマイナーとメジャーの境に位置するMLSにとってはホワイトハウスに招待して貰えるだけで名誉なこと。積極的に行くべきだったのに途切れてしまった。そこへ今回の問題が起こっているので先行きは不透明です。このままMLSはホワイトハウス訪問から縁が切れてしまうかもしれません。他のメジャーのように招待を受けるかどうか検討するとかそういうレベルではない。

なぜTimbersが訪問をキャンセルしたかというと、当初予定していた2016年中のホワイトハウス訪問の日にCONCACAF Champions League(CCL)の試合が入ってしまい、CONCACAFと日程調整するも失敗。結局CCLの試合を優先して訪問延期を申し入れ。しかし2016年は大統領選挙年でもありオバマ大統領多忙。そもそもメジャープロスポーツでもないMLSが大統領との予約をキャンセルすること自体がたぶん礼を失するととられてホワイトハウス側も積極的にその後の日程を空けてくれなかったのではと思われます。そりゃそうですよね。ちなみにTimbersはホワイトハウス訪問をキャンセルまでして出場したCCLではグループリーグで敗退してノックアウトラウンド(8チーム)にすら進めなかったんですから大失敗です。

とばっちりを受けたのは昨年2016年の優勝チームSeattle Soundersでこちらもホワイトハウスを訪問できていない。これを書くに当たって調べてみましたが招待された形跡もありません。Soundersの地元はワシントン州、Timbersがオレゴン州とともに民主党の固い地盤の州。共和党のトランプ大統領にとっては優待する理由は薄い相手でもあります。このままMLSはホワイトハウスに呼んで貰えない地位に成り下がってしまうんでしょうか。せっかく一度は招待を受ける立場=メジャーの仲間入りと主張できる立場になったのに。


今季2017年シーズンのMLSはToronto FCが「MLS史上最強チーム」とまで言われる強さを発揮。プレーオフの短期決戦となればどこが勝つかわからないですが、もしTorontoが勝った場合、またもホワイトハウス行きになりにくい、トランプ共和党が招待しなさそうなチームが優勝することになっちゃいますね。招待したりしなかったりだと恣意的になるのでMLSはホワイトハウス行き招待なしが定着してしまいそうです。(または逆に招待されたら尻尾を振って二つ返事で行きますということになるのかもしれませんが。そうでないと二度続けてホワイトハウス行きの招待を蹴ったことになり将来に渡って復活の目がなくなるので)


アメリカの分断

大変なことになってきました。トランプ大統領がNBAチャンピオンGolden State Warriorsをホワイトハウスへ招待するのをキャンセルすると発表したのが一昨日。それが一気に他のメジャースポーツに飛び火して普段政治に興味のない層にも好むと好まざるとに関わらず目に見える形になってきてしまいました。キャンセルが発表された日はCarmelo AnthonyがNew YorkからOklahoma City Thunderへの移籍のニュースが出た日でもあり、本来なら大ニュースのはずのMeloの移籍が完全に吹っ飛んでしまいました。こういうのがMeloの星の巡り合わせですかね。

順を追うとまずWarriorsのエースにして、現在最も人気の高いアメスポスターと言えるStephen Curryを始め数名のWarriorsの選手がホワイトハウス行きの拒否を表明。当初はWarriorsの上層部は行って欲しそうな言動が垣間見えたんですが、結局折れてチーム内の和を優先。それを受けてホワイトハウス側がキャンセルを発表。しかし黙って侮辱を受けるようなトランプではなく、返す刀で国歌起立問題に言及。起立しないアスリートは解雇すべきと発言。それを受けた今日日曜日のNFLでは国歌演奏時に起立しない選手が一気に大量発生。以前のようにCollin Kaepernickが孤立して批判にさらされる事態から大きく事態が動いてしまった。トランプ側から見ればやぶ蛇。時系列は少し戻りますが、起立問題から間をおいていたMLBでNFLに先だって初の起立拒否者が発生。これはOakland Athleticsの新人捕手とかで、そんな立場の弱い選手が単独で思い切ったな…解雇されたらどうなるんだよ…という。この流れに反したのがNHLチャンピオンのPittsburgh Penguins。Warriorsの招待が正式撤回された後にホワイトハウス訪問することを組織として確認、発表しています。あちらこちら対応が異なり、荒れてきたな…という感じです。

トランプ当選後のメジャープロスポーツではNFL New England Patriotsが一番最初の招待対象でした。PatriotsはHC Bill BelichickやQB Tom Bradyがトランプ支持者。特にBelichickは選挙期間中から積極的に応援文書をトランプ側に提供していたという事情もあり、拒否という話にはまったくならなかった。大統領表敬訪問は慣例だからとさらっと訪問。まだトランプ当選のショックが強くてトランプ拒否のムーブメントができあがる前に済ませちゃった感じですか。

MLBの昨年のチャンピオンChicago Cubsはトランプが大統領就任する前に、前任のオバマ大統領を昨年中に訪問してこの問題を避けることに成功。オバマ大統領はChicagoにとっては地元のイリノイ州選出の議員でしたから、駆け込み訪問でしたが地元の大統領のうちに、という言い訳が立った。オバマはChicagoでもWhite Soxファンを公言しているのですが、まあそれはご愛敬。その後Cubsは今年6月にもホワイトハウスを訪問したのですがこれは「非公式訪問」だとかいうよく訳の分からない言い訳がくっついていました。

様々事情はあれ、NFL、MLB、NHLはホワイトハウス訪問。NBAは拒否。NBAとNHLはほぼ同じ時期にチャンピオンが決定するのでこの対応の差はまた嫌な話になりそうです。NBAは黒人選手が大半。NHLは非白人選手が極々僅か。ああやっぱり白人スポーツは人種融合にまるで興味ないんだね、みたいなとばっちりの批判を浴びるのはNHL側にとっては不本意でしょうが、そういうことになりかねない。そんな気がなかった選手やファンもそういう批判を浴びれば硬化してしまう人もでるかもしれない。結局はアメリカの分断は進むばかり。残念な話です。








細かい修正が手早いアメスポ

ちょっと前から気になっていた小ネタをいくつか。

フットボールの陰でアイスホッケーNHLのプレシーズンが始まっています。新拡張チームVegas Golden Knightsの試合をNHL Networkでやっていたので見学。都市名はLas Vegasなわけですが語呂も考えてでしょう、こういうチーム名になっています。4大メジャースポーツでの(移転ではなく)新チーム創設、リーグ拡張はNHLで2000年にColumbus Blue JacketとMinnesota Wildの設立があって以来でしょうから21世紀初。一時期は労働争議からシーズンキャンセル、経営不振チームの売却がうまく進まなかったりゴタゴタした時期のあったNHLですが持ち直して反転攻勢に転じたことになります。

Las VegasにはNFL Raidersも移転がNHL進出決定後に決まって、NHL側から見ればせっかく今までメジャープロスポーツのなかったLas Vegasに勇躍進出したのにRaiders移転で話題を取られた形になってます。どれほど新マーケットに食い込めるものか。4大プロスポーツの中でLas Vegasに一番早く目を付けていたNBAが結局出遅れることになったのはどんなものか。NBAは先日のHouston Rocketsの転売価格が$2.2 Billionという大変な金額で取引される好景気となっており、下手に新チームの創設とかすると既存オーナーが損をする可能性がある、という事情もあるかと思います。

別の話。NFLは昨年の視聴率の下落を気にしてか細かくTV CMの挿入方法を変えてきました。この辺は手早いな、という感じ。昨年の視聴率低下は米大統領選の報道番組に喰われたという評価が一般的でNFLの人気低下とは受け取られてはいなかったものの、それでもさっさと手を打つところはカスタマーサービスの精神でしょうか。保守的なMLBではこういう風にはならない。日本に比べればMLBでもかなり動きは早いでしょうが、アメスポ全体から見るとやはりMLBの動きはちょっと緩慢でしょう。

もうひとつ別の話。NASCARはシーズン終盤。昨季までChaseと呼んでいたプレーオフ部分を今年からPlayoffと呼ぶように変更。その方が結局分かり易いということでしょう。10年以上Chaseという名前で頑張ったんですが、ある意味無意味な頑張りであったのも確か。なぜそんなにプレーオフと呼ぶのが嫌だったのかの経緯は存じませんが、既にジャンルとしての人気のピークは一度過ぎたNASCAR。素直に分かり易さで普段見ないスポーツファンにも見て貰える機会がある方がいいのでしょう。

カナダ代表残り3分から逆転勝ちでWorld Cup制覇

すばらしいフィニッシュとなったWolrd Cup of Hockey 2016。カナダのホッケーファンにはたまらない逆転劇でカナダ代表が欧州チームを2-1で下して優勝しています。MVPはカナダ代表主将Sidney Crosby。これでCrosbyはこの春のPittsburgh PenguinsでのNHL Stanley Cup優勝に続いての栄冠。2014年のソチ五輪でもカナダ代表は金メダルを獲得しています。

まず敗れた欧州チームの健闘を称えたいと思います。第1ピリオドにあげた1点を守り、逃げ切って最終第3戦に行くかと思われた終盤まで良い攻めも多数。大会前から残りモノの寄せ集めと思われ、大会に入ってからは唯一国歌を演奏してもらえない継子扱いされてきたチームが今大会を大いに盛り上げてくれました。大会前の練習試合でバラバラだったチームががっちりまとまって魅力あるチームになって行ったのは同チームのコーチ陣の努力もあったかと思います。拍手。

残り時間が少なくなりカナダが猛攻をかける中、欧州の主将Anže Kopitarが相手をゴール裏でホールディングしたとして反則を取られたのが痛かった。流れからして致し方ない反則でKopitarを責めるわけにもいきませんが、この反則によるパワープレーでカナダが猛攻。欧州のGK Jaroslav Halakも最後まで難しいパック処理をこなしていたんですが、ついに決壊。Patrice Bergeronの空中パックをはね返したゴールが決まって同点、1-1。

しかしその直後に今度はカナダ側にハイスティックの反則が出て残り2分を切った段階で欧州のパワープレーに。決勝点の起点は、パックが欧州陣深くに入ったところで欧州が無理に早く前に進めようとしたため陣形が縦に間延びした状態でカナダ陣で起こしたターンオーバー。欧州の態勢が乱れているのを突いてJonathan Toewsが欧州陣内へ持ち込み。これ、ショートハンドなので、普通の試合だと人数の少ない側(4人)は前に2人かけてもそれ以上は突っ込んでこないことが多いと思います。人的不利から無理をせず時間を使うことに重点を置く場合が多い。で二人攻撃でどこで打つか、というところに突っ込んできたのがBrad Marchand。今大会のMVPでもおかしくなかったMarchandが突入の勢いそのまま正面からショット。これが見事に決まって44秒を残してカナダ逆転。鮮やか。あっという間の逆転でカナダがWorld Cup制覇となりました。鮮やかすぎて、あれれれ、えええ、といっているうちの逆転優勝。カナダのファンにとってはたまらないでしょうね。いやおもしろい大会でした。

試合中にはNHLコミッショナーGary Bettmanが出演。今大会や次期五輪への参加などについて少し語っていってくれました。正直あまりおもしろい話はなく肩すかしだったが。せっかく珍しくESPNに生主演するんだからもうちょっとサービスして欲しいところ。平昌五輪へのNHLの選手の派遣は今年12月頃までに決めたい、その時期に2017-18年シーズンのスケジュールを決めたいので、ということでした。まあ派遣しないと思いますが。その次の北京には派遣に少し色気を見せたニュアンスでした。World Cup of Hockeyについては次回大会を3年後にするか4年後にするかなにも決まっていないです、とのことでしたが、これだけ盛り上がったのですから次回があるのは確実でしょう。

ホッケーW杯決勝シリーズスタート

World Cup of Hockey 2016の決勝シリーズ(3戦制)が火曜日夜にスタート。カナダ代表と欧州チームというカード。欧州チームには8カ国の選手が参加。単独で今大会に参加しているロシア、チェコ、フィンランド、スウェーデン以外の国の選手達による混成チームです。メンバーにはNHLのスター選手たちが多く含まれるものの大会前の調整試合ではなにやらボロボロでもあったので期待は高くなかった欧州チーム(同じく混成だった北米チームはもっと期待が高かった)ですが見事カナダアメリカと同じA組から決勝進出。決勝を前に同チームからはtwitterで「誰も俺達に期待していなかった。誰もだ。だが俺達は信じていた。#JustUs」と内部では結束が強まっていた様子。

対するは地元カナダ代表。大会前からの本命でもある。所属選手のNHL Stanley Cup獲得数ではカナダが

ナンバーワン。しかし意外にもこのカテゴリでは欧州チームが8チーム中2位と、実力者をメンバーに揃えているのがわかります。試合前の国歌はカナダの国歌のみ。大会通じて欧州チームには国歌なしで、完全アウェイなムードも高まります。8カ国もあるので全部は演奏しきれない、どれか1国を優先するわけにもいかないという事情ですか。ちなみに北米チーム(アメリカカナダのU-23混成)の場合はカナダ国歌とアメリカ国家の両方を演奏していました。欧州チームだけが国歌なしの余り物扱い。その差が参加選手になにくそというモチベーションを与えていた可能性もあるんでしょうか。 Anže Kopitar(スロベニア、Los Angeles Kings)を主将、Tomáš Tatar、Marián Hossa、Marián Gáborík、Zdeno Cháraのスロバキア勢が目立ちます。

試合は第1ピリオド、欧州が押しまくっていたのですがカナダの2-0。ショートハンドからファストブレイクとなった瞬間にペナルティボックスから選手がちょうどリリースされそのまま攻撃参加してゴール。地元観衆歓喜。欧州も粘ったんですが3-1でカナダが先勝。中一日木曜日に第2戦。

興業としてはカナダ代表が決勝に進出さえしてくれれば成功間違いなし。開催地のTorontoはホッケーファン人口は世界でも最高の都市と思いますが、なにせNHL地元Maple Leafsが弱い。過去11シーズンでMaple Leafsがプレーオフに進出したのは1度だけで、そのときも一回戦敗退。熱いホッケーファンの鬱憤が長く溜まっている中、ポストシーズンのようなムードで応援できるのは稀なことで、鬱憤を晴らせる機会にもなりそうです。

ホッケー代表への視線の身内の厳しさについて補足

前項のアイスホッケー米代表の惨敗に対するおおっぴらな酷評について、少し補足します。

まず今回のWorld Cup of Hockeyは現在NHL放送をしていないESPN系列で久々に放送されるプロのホッケー放送でした。カレッジホッケーのFrozen Fourの中継こそありますが目立つところでESPN系列がホッケーを放送するのは同系列がNHLを捨てた2004年シーズン以来12年ぶりのこと。スポーツマスコミで絶大な影響力を持つESPN系列にWCoHが登場したのはアメリカでのホッケーの露出にとっては良い面があったと思います。しかし結果は普段の放映権を持たないしがらみがないせいかESPNからの容赦ない米代表批判という結果に終わりました。大会自体はまだ続きますし、アメリカ人若手選手を含む北米チームが勝ち進むことでまだアメリカホッケーにとって肯定的な話も出てくることはありえますが、こと米代表に関してはボロカスです。

それで連想したのがサッカーのアメリカ代表に対する報道についてです。アメリカのサッカー代表に対する報道はものすごく優しいです。これは相対的な位置が高い女子に対しても、そうでない男子に対してもそうです。女子なら先日のリオ五輪で準々決勝敗退という過去例のない惨敗大会になっても表立った批判は起こらない。男子は五輪へ二大会連続不出場でも批判されることもない。W杯で未勝利敗退に終わっても否定的なマスコミ記事が出ることはほとんどありませんでした。サッカーの世界でアメリカと同程度の実力、同じ様なサッカーの歴史の日本ではものすごい量の批判記事が各種配信されるのとまるで違うアメリカサッカーへの暖かい待遇。これはサッカーという競技の人気が長年低かったアメリカでは関係者の保護者意識が強く身内が手加減したコメントに終始しているように見えます。やっと芽が出たサッカーを批判でつぶせない、という感じです。

他のジャンルの米代表への論評も優しいものが多いように感じます。例えば昨今はカリブ勢に手も足も出ない陸上。その昔はアメリカにとっては五輪のメインイベントだった陸上短距離はその地位を譲って長くなってきましたが表立った批判はあまりない。アテネ五輪で敗れた常勝男子バスケ代表。World Baseball Classicで決勝に毎度進めない米代表野球。そういった他の米代表活動を考えても今回ほど酷評されたことが過去あったかな、と不審に思うほどの昨夜のホッケー米代表のひどい言われようなのです。

もう少しサッカーを例に比べてみたいです。先にも書いた通りアメリカではサッカーという競技が長くマイナーをかこっていたこともあるのでしょう、サッカーコミュニティの代表への辛辣な批判は少ない。サッカーを守りたいという感じがヒシヒシとするのです。それに対して今回のホッケー代表への辛辣さには同じ様な「ホッケーというジャンルを守りたい」というような感じがまったくしません。そんなボロカスに言って久しぶりにESPNでホッケーを見た人が「あ〜やっぱりホッケーはアメリカじゃダメか…」と思うことを怖れていない。

いまとなってはアメスポシーンの中でサッカーとホッケー、どちらがより露出が多いか、ファンが多いかということを考えたらこの両競技は互角に近くなっているかと思います。ある部分では既にサッカーが抜いた部分すらあるようにも思える過去10年ほど。でもアメリカサッカーはいまでもジャンルを守りたい意識が強いし、それに対してアメリカホッケーにはそういうのがないんだな、とちょっと驚く感じです。ホッケー関係者の間ではまだサッカーなんかに負けるわけはないと思っているのかもしれない。確かにNHLの売上高や放映権料など考えるとまだまだホッケーは強いですが、その差はホッケー側が思っているほど大きくはないのに、こんな辛辣で大丈夫か?という感じすらしたのです。

ここまでボロカスにこきおろして良いのか

私は昨夜Monday Night FootballをそっちのけでWorld Cup of Hockeyを見ていたわけですが、メインストリームの流れとしては月曜夜はやはりMNF、でフットボールの空き日となる今日火曜日にWorld Cup of Hockeyがグループステージの最大の山場(のはず)だったカナダ代表と米代表の激突の試合を中継。ESPNがプライムタイムにもってきています。水曜日になるとMLB Wednesday Night Baseball、木曜日にはもうフットボールの次週が始まってしまう。ここは空き日の火曜日にホッケー側が提供できるベストカードをもってきたわけです。結果はカナダの4-2。内容はカナダの快勝。これでカナダは2勝で1試合を残して準決勝進出決定。米代表は2連敗で敗退確定。ただしグループステージの残り試合がまだ木曜日にあるので米代表はふてて帰国することもできずにトロントに留まるというハメに。

米代表は初戦に混成の欧州チームに0-3で零敗したのが誤算で、この時点で敗退はちょっと残念です。メンバーはほぼベストに近い。2試合で2ゴールしか奪えなかったため今になって「なぜPhil Kesselを呼んでない?」とか言う声もありますが、まあほぼベストなのは事実。細かく言うと例の米カナダのU-23である北米チームに若手を獲られているので米国の全ての力が結集した米代表ではないです。

試合中試合後のスタジオ解説が敗退した米代表をぶった切っていたのがちょっとすごいなと思いました。Brett Hullがあきれかえったという態度で米代表の気合いのなさを酷評し続けていました。えーここまでボロカスに言っていいの?というぐらい延々と。Hull一人だけでなくESPNの中継・Sports Centerでもその点をなじる内容が続いて、私なんかはそんなにいじめてやらなくてもいいんじゃないの?なんて思いました。

隠れた好ゲーム WCoH ロシア x 北米U-23

NFL Monday Night Footballの裏番組でWorld Cup of Hockey 2016(以下WCoH)のグループリーグの一試合を見ていたのです。これがものすごく面白い試合で目が離せなくなってしまいMNFはほとんど見てません。まず状況を説明します。これはWCoHのグループステージB組の第2戦。ロシアは初戦をスウェーデン相手に落としている。「北米」チームはアメリカ・カナダの23歳以下の選手を集めた混成チームで、初戦ではフィンランドを相手に4-1で快勝。4チーム中2チームが準決勝へ進む仕組みなので北米チームが勝てば準決勝進出確定、ロシアは敗戦すれば敗退決定という状況です。

先取点を挙げたのは北米だったのですがこれが大変に絵になるゴールとなりました。ロシアのショットをセーブしたパックを受けて2015年のNHLドラフトNo.1指名だったConnor McDavid (Edmonton Oilers)が俊足を飛ばして駆け上がる。それもロシアの重鎮Pavel Datsyuk(昨季までDetroit Red Wings、今季はロシアKHL所属)を抜き去って。そこからゴール前に詰めた2016年NHLドラフト全体1位のAuston Matthews(Toronto Maple Leafs)にズバリ合わせて鮮やかなゴール。ゴール自体も鮮やかでしたけれど、この人材の配置がNHLの未来を予感させてすごいな、と。DatsyukはRed Wingsで長年NHLを代表してきた最良のテクニシャン。個人的な理由で昨季を最後にRed Wingsを退団してロシアに移籍帰国。このWCoHに北米での最後の顔見せに来ているところです。その旧世代のスーパースターを抜き去って昨年のドラ1と今年のドラ1がズバリ決めたゴール。歴史に残る世代交代のゴール!、というように私には見えました。ここで私は盛り上がってしまい、もうMNFはそっちのけに。

第1ピリオドは若さで走りまくる北米U-23のイキの良さが目立つ展開。このままこの若獅子軍団がロシアを突破して準決勝進出決定となれば、準決勝の相手はたぶんアメリカ代表かカナダ代表。これは期待できるぞとというところ。このU-23というチームを参加させた企画力の勝利です。

ところが第2ピリオドになって気合いを入れ直してきたのかロシアが一気に押し返す。4連続ゴールで一気に試合をひっくり返す。この大会の前の調整試合から冴えなかったロシアが突如大爆発。第2ピリオドが終わる前に北米が1点返して4-2で第3ピリオドへ。そこから北米の粘りが発揮されて4-3。最終盤にはエンプティネットにロシアの反則が加わり6-4での猛攻。ゴールパイプ直撃のあわや同点弾が飛ぶなど最後の最後まで行方のわからない大熱戦。ロシアが4-3で逃げ切り両チームとも1勝1敗となってます。熱い試合で堪能。若手チームがスター揃いのロシアに迫る様はMiracle on Iceも彷彿とさせるようなムードもあり、めったにない緊迫・迫力の一戦でした。ホッケー、めちゃめちゃおもしろい!と言いたくなる試合。

もう一つの混成チームである「欧州」チーム(=ロシア・フィンランド・スウェーデン・チェコ以外)もA組で二戦二勝で準決勝進出の好位置に付ける活躍。「欧州」「北米」をWCoH参加チームに加えた主催者の思惑は大当たりとなってます。

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