アメリカスポーツ三昧

アメリカ永住コースか、または第三国に出国か!?スリルとサスペンスの人生とは別にアメスポは楽しい。

NHL/Ice Hockey

MLS Columbus Crewの転出問題 初のNHLとの競り合い負けの例か

以前にも記事を書いたサッカーMLS Columbus Crewの移転問題。先日のMLS Cup決勝戦のハーフタイムに恒例のMLSコミッショナー Don Garberのインタビューの放映がありました。今回は録画で。以前はほとんどが生でインタビュー出演していたもんですが、なにか不規則質疑を嫌ったか。その中でColumbus Crewの移転問題にかなり時間を割きました。その件については硬く暗い表情を作ってColumbusの現状は厳しい手は打ち尽くした転出やむなしの方向と発言。来季2018年シーズンがCrewにとって最後のシーズンになる可能性が強まったということでしょう。ただGarberは役者なので危機感を煽って来季のCrewの地元動員が大きく好転する一助になればと考えている部分もあるような気もします。聞き手だったTaylor Twellman(元MLS得点王)は私と似たようなノスタルジーをCrewに感じているようで「初期のMLSの功労者的チームだったColumbusをなくすのか」と食い下がったんですがコミッショナーは「MLSのビジネスの基準が変わった(上がった)」とつれない返事。ビジネス上のどこが問題かについて述べる中でコミッショナーさらっと触れたのですが「企業セールスが伸びていない」ということを言ったのを私は聞き逃しませんでした。あー!と。

どこに合点したかというと、同市内にはアメスポ4大スポーツの唯一のチームNHL Columbus Blue Jackets(CBJ)が所在します。CBJが同市内にやってきたのはMLS Crew(1996)より後の2000年。ホッケーでの成績は伸びず弱いチームですが企業セールスではあっさりMLSやMiLBの先行地元チームを上回ってしまったとされます。ホッケーに縁があるような土地柄でもなかったはずですが、同市内唯一のメジャープロスポーツという触れ込みが効いたのと、アリーナでの環境のよい観戦環境が接待に用いられる企業セールスには向いていたということか。CBJ程度の成績でもこれぐらいの規模の都市でもとりあえずこのぐらいの利益にはなるという実例はNHLの今後のリーグ拡張を考える上でも参考になるところ。NHLのリーグ拡張についてはまた項を改めて論じてみたいです。


対するMLS Columbus CrewのホームであるMapfre Stadiumは屋根もなく、企業向けとなるであろうスイート席もオープンエア。3~12月がシーズンのMLSの観戦ではかなり寒暖厳しいでしょうから接待に不向き。NHLを含むメジャースポーツ会場のスイートのようなガラスで囲われ冷暖房完備の快適なものでも、入退室時の動線確保も含めて一般から隔離された美麗特別感のあるものでもない。Mapfre Stadium(当時はColumbus Crew Stadium)が開場になったのは1999年、まだサッカーがマイナーな時代でゴージャスな席の需要予測とか想像もつかない時代。先の見えない潰れるかもしれない赤字のプロサッカーのためにスタジアムを建てるだけでも大変だったのにスイート席もちゃんと作っただけでも当時は立派な判断だったはずなのです。あれからほぼ20年。MLSはこんなスタジアムじゃ企業セールスが伸ばしようがないからスタジアム建て替えてくれと市側に要求、嫌なら出て行くという話になってるわけですね。なるほど。言ってみれば後発のNHLに弾き出されたとも言える。
ただ一旦転出したとしてもMLSが同マーケットを完全に放棄することはまず考えられない。快適スイート席を大量に完備した新スタジアムとともにどこかの時点でColumbusに再参入してくるのでしょう。
ちなみにもし本当にColumbus Crewが出て行ってしまうとMapfre Stadiumは常打ちのメインテナントを失うことになる。Rock on the Rangeという毎年のサマーロックフェスがありますが、それ以外は単発イベントだけになりかねない。空き家になったら現在は同市郊外で興業しているプロラクロスMLLのOhio Machineが入り込むなんていうことがありうるのか。Rock on the Rangeはなかなかに賑やかで日本からはBabyMetalが来年も来るみたいです。BabyMetalは2015年にも同フェスに出演してます。

Columbus問題とはまったく別に、MLSは今後のリーグ拡張先として4都市の名前を挙げています。Columbusから近い同州内のCincinnati、Detroit、Sacramento、Nashvilleの四都市です。ここから二都市が当選予定。一番意外なのはDetroitでしょうか。SacramentoはメジャープロスポーツはNBA Sacramento Kingsしかないですから確かに狙い目。NashvilleはAltantaとの南部つながりの地域ライバルを作るのが目的なんでしょう。Cincinnatiは別途当ブログで報告済みですが、マイナーリーグサッカーで全米最大の動員をする昨年急浮上した謎の新サッカー都市です。

NHL、Seattleへ拡張へ

アイスホッケーNHLがアメリカ北西部Seattleに新チームを作ることにGoを出すことに。Seattleの市議会が同市内のKey Arenaの大規模改築プランに承認を出すとほぼ同時にNHLは同市へのリーグ拡張へ乗り出しました。新チームのお値段は$650 Millionだそうです。今季からNHLに参入したVegas Golden Knightsの拡張時には$500 millionだったのでお値段30%アップ。アメスポメジャースポーツのチームの値段は上がる一方です。比較として最近のスポーツチームの新設のお値段としては他にサッカーMLSの方の次の拡張先のお値段が$200 million程度とされます。MLSの拡張の話はまた別途。
NHLコミッショナーによれば新チームの拡張先はSeattleが唯一の候補地であるとのこと。地元がNHLチーム待望しているQuebec CityやTorontoの第二チームの方はあるなら移転で手当するしかないとのことのようです。逆に言うとNHLはSeattleへの拡張に大乗り気、一直線であるということです。
事情はいろいろあるかと思います。Key Arenaは元々NBA Seattle Supersonicsの本拠地として長年使われた施設。NHLは同市内にチームがありませんでした。そのKey Arenaが老朽化、Sonicsが改装要求するも市側が渋ったためSonicsは転出、今はOklahoma City Thunderとなっています。今回Key Arenaが大改装して魅力的な施設に生まれ変わるとぐずぐずしているとNBAが帰ってくる可能性がある(移転先で人気チームとなったThunderそのものは帰ってくる可能性はないですが)。それが起こる前にさっさと先にNHLがSeattle市場に参入してしまおうということでしょう。Vegasへの拡張のときもそうでしたが拡張するとなったら早い。この辺はNHL、ナイスなフットワークの良さと言えましょう。
Seattleはアメリカ北西部の最大の都市。既にNFL、MLB、MLSのチームが存在。これにNHLの参入がほぼ決まった。メジャースポーツではNBAだけが遅れをとっている都市圏となります。となると遅かれ早かれNBAも拡張してくるんでしょうか。

しかしNBAの方は国内での拡張はあまり話題がありません。Vegas、Seattleと候補地はあっても動きの早いNHLと対称的になかなか動きがない。これは人気の高いNBAでは新チームを作るとなると巨額が必要であることも理由のひとつのはず。NHLで$650 million。遙かに人気と露出の高いNBAでは桁が一つ上がるはずです。そういう金額になると買い手の数も限られます。最近オーナーが変わったHouston Rocketsの売却金額は$2.2 Billionでした。また既存のオーナーの権利を守るためにも拡張には慎重です。またSacramento Kingsが一時期Seattle移転を目指した時期がありましたが、オーナー会議で否決されてSacramentoにとどまっています。
代わりにと言ってはなんですが、今週NBAの公式戦が行われているメキシコに下部組織であるG-Leagueのチームを作るという話題が出てます。G-Leagueは徐々に知名度も上がり、NBAのファーム組織としてうまく機能していますが、さらに対外国のマーケティング先兵の役割まで果たせることになるのか。早ければ来季からメキシコシティにチームができる可能性があるなんていう話ですね。メキシコ人のNBA選手の数は過去4名だそうです。

ロシアの平昌五輪追放

韓国平昌冬季五輪が二ヶ月後に迫る中、ロシア選手団の参加が認められないことが確定しました。アメリカ視線でいうと第一印象は、一番冬季種目の中で関心の高いアイスホッケーに今回はNHL選手を派遣しないのでまあ良かったね、という感じでしょうか。NHLの所属選手たちの中で最後まで一番出たがっていたのがロシアの選手たち。特にAlex Ovechkin (Washington Capitals)が一番声高に最後までNHL選手の出場を主張していたんですけど、結果としては派遣措置をとらなくて良かったことに。NHLのコミッショナーのGary BettmanはなぜかNHLファンには人気がなくどこへ行っても(特にカナダ国内で激しい)ブーイングを浴びるんですが、私はBettmanの舵取りはとても評価しています。


今回のロシアへの制裁措置は私から見ると一番ダメージの少ない大会での制裁であるように見えます。ロシアの国家ぐるみのドーピングという問題はリオ夏季五輪のときにも既に露見していてあのときに今回と同じ全面参加禁止という措置がとられても不思議じゃないところ、各競技団体に判断を任せるとかなんとか訳の分からないことを言って実質スルー。二年後の今回制裁を科するということは事実上リオ五輪での制裁を避けてダメージの少ない平昌冬季五輪へ制裁を先延ばししたということです。同時に2020年の東京夏季五輪時にはロシアはペナルティ消化済みで滞りなく出場できることになるんでしょう。ロシア側はIOCの決定に反発しているような事を言ってますが実際は制裁を受けなければならないならここで受けておくのが一番マシなのを理解しているはず。怒って見せているのは国内向けのポーズじゃないでしょうか。アメリカの陰謀だとかそういう話になっているようです。

これで思ったのが来年夏のサッカーW杯ロシア大会にアメリカ代表が出場しないこと。これ、出場していたら冬季五輪の報復で米サッカー代表がロシア滞在中に想定外の酷い目に遭ったりしたかもしれないなあなんて想像してしまいます。サッカー米代表は勝手にコケて出場できないだけですが、結果からするとホッケーもサッカーも悩みの少ない結果になったことに。


日本だと冬季五輪にフィギュアスケートという大人気種目を抱え、ロシアはフィギュアでは絶対に欠かせない強豪国だけに同国の選手が平昌へ個人出場が許されるかどうかなども含めて今後も注目されるニュースでしょうが、アメリカ国内では今のところさしたるニュースとはなっていないというのが正直なところです。米国が冬季五輪でメダルを狙えるX Sports系の種目はロシアはほとんど関係ないですし今後もあまり話題にならなさそうな気がします。そもそもアメリカと日本では五輪に対する温度差が大きいですし。

NHL Vegasトップを快走中にタンクできるか?

先日来タンク=故意敗戦の話が盛り上がりました。実はホッケーNHLでとんでもないタンクが起こるかもしれません。今季NHLに参入した新チームVegas Golden Knightsがタンクするかどうかで苦悩しているはずです。
シーズンの1/3弱を経過した現時点でVegasは15勝6敗1OTL、勝点31でパシフィック地区1位。NHL全体でも5位タイの好成績。新規参入チームとしては奇跡のような勝ちっぷりで初年度からプレーオフ進出に視界良好。地元での動員も良好です。これで経営陣は笑いが止まらないか…と言ったら実は困っているのです。なぜか?なぜ地区首位なのにタンクなんていう話題がでるのか?実は経営陣の予想を遙かに超えた好成績ゆえに元々狙っていた経営戦略がとれないことになりそうなのです。

チームの顔として獲ったGK Marc-Andre Fleuryが脳震盪で欠場したら第2GKが、第2GKもケガで欠場となったらNHL出場経験のほとんどなかった第3GKが活躍してちっとも負けない。大変な勝ちっぷり。よくわからないまま勝ち続けています。

そのVegasのシーズンデビュー直後から、記憶に残るクラッチゴール、決勝ゴールを量産しているJames Nealという選手がいます。彼は今季後FAになる予定です。拡張ドラフトで他チームから選手を獲得するときにVegasは多くのFA間近の選手を獲得しています。全部で9人が今季後FA予定。Nealもその一人。

つまりどうせ一年目はボロ負けするだろうから、FA間近のまずまずの選手を拡張ドラフトで抱えておいて、初年度シーズン中にコンテンダー相手にそれらの選手を切り売りして将来のドラフト権や若手有望株をさらに貯め込もう、初年度は数年後に戦力を揃えるための準備の年、と考えていたはずなのです。最初からそういうつもりで獲った選手達です。チームのNHLデビュー最初の数試合にNealが次々と鮮やかなゴールを決めていたときは経営陣はしめしめこれはトレード期限にNealを欲しがるチームがでるぞ高く売れそうだとほくそ笑んでいたはずです。が、チームが勝ち過ぎています。地元での注目は相当に高まっている。Nealが地元のスターになってしまった。こうなってしまうと露骨なタンク行為でエースとなったJames Nealを切り売りできるんでしょうか?

私の感覚では結局はすると思います。思いますが、相当に変なことになるはずです。9人いるFA待機組の何人を売るつもりか。今季プレーオフで勝てるチャンスがあるチームを解体して数年後に備える?それは地元ファンの同意を得られるんでしょうか。冷静に考えれば経営陣は大変頭の良い拡張ドラフトでいまのチームを作ったわけですが、ここまでうまくいってしまうと当初のチーム作り構想を実行しづらい。



Vegasの経営陣とは別にNHLとしてはこの快進撃は痛快でしょう。NHLはこれまでメジャースポーツのなかったLas Vegasに意欲的に初進出したわけです。そして謎の快進撃でここまでは大成功と言える。しかしNHLのLas Vegas進出を追ってアメスポ最強NFLがRaidersのVegas移転を決めたという外部事情があります。早ければ二年後2019年からRaidersがVegasにやってくる。本当にGolden Knightsは当初の経営戦略通り「数年後」を目指すべきなんでしょうか?その数年後ってまさにRaidersのLas Vegas移転に重なっちゃうのでは?だったら今、謎の快進撃をしている今の勢いを殺していいのか?もう二度とこれ以上の経営上のチャンス、Las Vegasのスポーツファンの心を(NFLが来る前に)掴む機会はないのでは。今強引にタンクして呆れられたら次の機会はもうないかもしれません。次の機会があったとしても常にRaidersの陰でしかないかもしれないんですよね。NHLとしてはリスクを犯して新マーケットに挑戦して成功しかけているのに、ここでタンク&人気失速となったらアメスポの歴史的失敗事例になってしまう可能性すらありそうです。NHLのトレード期限は二月末とまだ先ですが、それまでにVegasの成績が失速するかどうか、普通ではありえない首位チームのタンク行為が見られるかどうか興味深いです。


追加: 次戦NFL GiantsがEli Manningを先発QBから下ろすようです。タンクの話題はおもしろいです。

NHL Global Series スウェーデン編

金曜の夕方、変な時間帯にNHLが試合をやってるなと思ったらColorado AvalancheとOttawa Senatorsがスウェーデンで試合をしていたのでした。約10年前から数年、NHLは欧州に多数のチームを送り込んでレギュラーシーズン冒頭部分を彼の地でやっていた時期がありました。多い年だと6チームも送り込み、NHLチーム同士の対戦の他、欧州の地元チームとの対戦をこなしたりNHLの欧州戦略の先兵として戦っていたわけです。ここしばらくそんな話を聞かないと思っていたら今日・明日上記の2チームがスウェーデンで公式戦を行うのだそうです。2チームだけ、ストックホルムで二試合。どういう意味合いがあるのかよくわかりませんがこういう形で欧州興業が復活。


この日の試合は3-3で延長戦へ。そう、昨シーズンから始まった延長戦の3-on-3の欧州初披露となりました。元々欧州のリンクは国際式で幅も広いところで3-on-3。どうなるかと思って見てましたが、Ottawaが美しいデザインプレーで決勝ゴールを決めて1分ほどであっさり勝負を決めました。3人でバックパス→シュートフェイクから横パス→ゴール。鮮やか。遠征興業のフィニッシュとしてはこれは良かったのではないでしょうか。

見たところアリーナは満席。どちらを応援するというわけではないにしてもホッケーを楽しんでいる風なのは見えて良かったです。

ちなみにホッケーと関係なくアリーナ全体が大盛り上がりになった瞬間がありました。同時刻に行われていたサッカーW杯欧州予選プレーオフで、スウェーデンがイタリアに1-0で勝利した瞬間だったようです。イタリア、W杯敗退の崖っぷちですか。欧州予選は大変ですね。

Iginlaの平昌五輪出場意欲とIchiro

コメント欄でも少し書きましたがNHLの元オールスター選手であるRW Jarome Iginlaが平昌冬季五輪へ参加の意欲があるそうです。40歳、現在NHLから契約オファーが貰えず浪人FAの身です。NHLは既に今回の五輪へ選手派遣しないことを決定していますし、最近になってロシアKHLも選手の拠出を拒否する決定をしたようです。Iginlaはフリーですからカナダ代表として五輪参加は可能。マイナーリーグプロの若手選手が主となると思われていた五輪にこういう形で有名選手が出場する可能性があるということですね。ご本人はこの五輪でアピールしてNHLでのプレー続行を希望、新契約獲得に色気満々ということですから、若い選手を相手の奮戦が期待できるのかもしれません。それとも広いリンク、若い選手を相手に走り負けてこれが最後の勇姿になるのか。ちょっと注目しておきます。

それで連想したのがMLB Miami MarlinsからFAとなったIchiro選手のこと。オーナーの代わったMarlinsはIchiro選手に対するチームオプションを行使せず。大規模コストカットでNL MVP候補のGiancarlo StantonやChristan Yelichまでトレード候補とされるMarlins。StantonのMLB最大級サラリーとIchiroのそれとではコストカット効果はまるで違いますがとにかく現時点では要らないと。

で、思ったんですがIchiro選手が昨オフの段階でMarlinsから離れていたら2017年春のWorld Baseball Classicにも出場していたのかな、と。Iginlaの五輪と同じように。その場合、自分の能力をMLBの各チームに証明するために目一杯の試合をしてくれていたんじゃないかなとも想像したりします。こういうのはタイミングですよね。五輪なりWBCなり四年に一度のタイミングが合えばそういうおもしろいことが起こるし、そうでなければなにもない長いオフということに。

選手としての能力やサラリーもともかく各チームGMはチーム作りということを考えますから同じ安いサラリー、同じ程度の期待値(多少下でも)なら若手を登用するのは自然な発想で、IginlaもIchiroも難しい再雇用への道かと思いますが、華やかなキャリアを経た、それぞれのスポーツで殿堂入り確実なスター選手たちがやれるところまでやるという意気は支持したいと思います。

野球ロスの時期にアイスホッケーはいかがですか

熱戦が続いた今年のMLBプレーオフが終わり、ロス気味なところでホッケーを見ました。New Jersey Devils@Edmonton Oilers戦でした。とにかくホッケーが見たかったのです。なかなかに華麗なゴールシーンなどもあって楽しめました。シーズン序盤出遅れていたOilers(この試合の結果を含めて4-7-1)が、東で好調のDevils(同9-3-0)に快勝してシーズン反攻の狼煙を上げたような試合になってます。  

その前にはカレッジホッケーのNorth Dakota@Wisconsinなんてのも見ていました。いまはカレッジホッケーなんていうちょっと前なら相当にマイナーなジャンルもちゃんとTVで見られてしまうのですね。多チャンネル化ってすごいなと今更ながらに思いました。この両校はカレッジホッケーでは有数の動員を誇ります。特にNorth Dakotaは試合平均11,000人以上を動員。人口が少なくメジャープロスポーツが成立しえない同州では州のプライドを代表するチームと言って良いでしょう。カレッジホッケーでは強豪です。2016年にも全米制覇。遠くWisconsinまでNorth Dakotaのファンが遠征して会場を盛り上げてました。  

それで思い出したのですがNorth DakotaはいまはニックネームはFighting Hawksっていうんですね。以前はNorth Dakota Fighting Siouxでした。格好いい名前だと思っていたんですが「アメリカ先住民族への偏見助長」クレームに引っかかって変更を余儀なくされました。 他の先住民族をテーマとしたチーム名やロゴ、例えばNFL Washington Redskinsであるとか、MLB Cleveland Indiansであるとか、カレッジフットボールの強豪(今年はさっぱりですが)Florida State Seminoles(族名です)も現在も変更圧力の対象とはなっています。MLBもコミッショナーがまた最近もIndiansのロゴの変更問題に介入すると言ってましたね。 North Dakotaの場合、チーム名に「Fighting」が付いていたので上記の他のチームよりも批判対象になりやすかったのです。つまり、先住民族が好戦的民族だったという偏見を広める名前だ、というクレームにそれなりの説得力があったということのようです。 


カレッジホッケーは二年前のドラフト全体2位でJack EichelがBoston Universityから指名されたのもあってホッケーファン全体から見直されたところがあります。NHLで即トップレベルで通用するような選手がカレッジでもプレーしているんだ、と。

Vegas Golden Knights地元デビュー

4大スポーツの21世紀初の拡張新チームであるホッケーNHL Vegas Golden Knightsが火曜日にホームでの初試合を行っています。この試合、前項で書いたサッカー米代表敗退の試合終了の直後の試合開始だったのでまだそっちの現実が消化できていない段階で次が始まっちゃったという感じでしたが、予想通りきれいに作られた試合前の同チームのデビュー+先週の同地での乱射事件の追悼セレモニーをNBCSCで全編中継。リンクの壁も含めて見える企業宣伝は全部外して#VegasStrongのスローガンがアリーナ全体に掲げられていました。こういう作業はアメリカのエンタメは手早いです。

試合ですがこれがまたすごい試合になってしまいました。これがVGKにとってはホーム初戦。アウェイで二試合を消化、2戦2勝。その二試合ともが粘っこいディフェンスで相手をロースコアに引きずり込んでクラッチゴールで競り勝ちという展開だったので、今日のホームデビューもそんな試合になるだろうな、と事前に予想していました。ところが大ハズレ。開始早々に初のホームゴールが飛び出すとあっという間にゴールが入りまくって第1ピリオド半ばまでで4ゴールと爆発。満員完売の17,000人超の地元ファンにとんでもない分かり易い挨拶状となるゴールラッシュとなりました。アタックゾーン内でもディフェンスでも選手たちがこまめに相手パックに素早く手を出してターンオーバーを何度も発生させて速攻に持ち込む。耐えきれなくなった相手Arizona Coyotesが反則でペナルティボックス行き。全てがうまくはまってリード。最終スコアは5-2。あの機敏な守備が最後まで息が続くのかは疑問がありましたが逃げ切った様ですね。平日の西海岸の試合なので後半は見てません。

拡張ドラフトで他チームからかき集めた選手で構成されているんですがLW James Nealがこれで開幕三戦連続ゴールで計5ゴール。昨季はStanley Cup Finalまで進んだNashville Predators所属だった選手、その前はPittsburghにもいた選手でしたがこんな派手な活躍をすることになるとは。

Mario Lemieuxほど幸せな人はいない

昨夜はMLB National LeagueのWild-cardとNHLの開幕日が重なっていました。NLWCの方は前日のALWCに負けない荒れ試合となって先発投手があえなく轟沈。Arizona Diamondbacksが三塁打攻勢で打ち勝ってます。地元のお客さんは楽しかったのではないかと思います。最後点差が開いても追うRockiesも意地を見せるなど一発勝負にふさわしいお互いの強い気持ちは見える試合ではありました。6点のリードを守れず4回途中降板となったエースZach Geinkeが緊張した青い顔で戦況を見つめるところなんかは、一発勝負ならではの緊張感は選手・ファンともども共有しているんだなあと感じさせてくれました。

これでDiamondbacksはNLDSでNL最多勝のLos Angeles Dodgersとの対戦へ。ご存じの通りDodgersはレギュラーシーズン終盤の大失速。対Arizona戦も8勝11敗と負け越し。レギュラーシーズン番長=プレーオフで歴史的敗戦の戦歴を持つClayton Kershawが初戦で投げてくるでしょうがこれをDiamondbacks打線が捉えられるか。

同夜はNHL開幕戦。各地で早くも熱戦。昨季二連覇を達成したPittsburgh Penguinsが優勝旗掲揚セレモニーを試合前に行い、それをNBCSNがフル中継。やっぱりいいですよね。優勝後の歓喜のそれも良いですが、ひと夏を経て優勝をふり返り、さあ今年もまたやるぞという感じ。優勝を達成したチームだけに許された特権です。試合は延長戦の末St. Louis BluesがPenguinsを下しています。第3ピリオド、2点差を追いついたPenguinsに気迫を感じましたが延長戦で力尽きました。勝ち点1は確保。

で表題の件ですが、Mario LemieuxはPenguinsの生え抜きスター選手にして、現在のPenguinsのオーナーでもあります。こんな幸せなスポーツ人は他にいないんじゃないかなと試合前のセレモニーを見ていて感嘆。選手としてもPittsburgh一筋。連覇による二度の優勝を選手として経験し、そして今回オーナーとしても経験。選手・オーナーとして計五度のNHL制覇。選手としてはスーパースター、MVP得点王など多数受賞。選手としては同時代のThe Great One Wayne Gretzkyには僅かに及ばないもののスポーツ人としてはMarioの圧勝です。Penguinsの新本拠地Consol Energy Centerの外にはMarioの銅像も。

本拠地外の銅像というとNBA Michael Jordanが一番先に思い出されます。あの世界的スーパースターであるJordanもキャリアをChicago Bullsで終えることはできず晩年Washington Wizardsでプレーするハメになった(Bullsオーナーとの確執)。引退後紆余曲折あってNBAチームのオーナーとなったものの、Marioのように慣れ親しんだ在籍した元のチームを所有することはできず、優勝にはほど遠くなにやら地味にオーナー稼業をしている。有力FAは来てくれる気配もない。苦労が最近は顔から出てるような。もちろんNBAはビジネスとしてNHLより遙かに大きいですし、Jordanブランドとあのロゴもあり、お金の面ではMarioよりJordanが遙かに強力ですが、ことしあわせということを言うとMarioの方がしあわせそうに見えるのです。同じ街で長年名士として地元に愛されて、チームも強い。自分がそうだったのと同等、またはそれ以上にNHL史上に残る選手であるSidney Crosbyもいますから。Sidも長期契約で全キャリアをPittsburghで過ごすことが確定しており、いつかMarioからSidへのオーナーシップのバトンタッチなんてことが起こるのかもななんて夢想してしまう開幕戦でした。




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