アメリカスポーツ三昧

アメリカ永住コースか、または第三国に出国か!?スリルとサスペンスの人生とは別にアメスポは楽しい。

NHL/Ice Hockey

湖畔のNHL

素晴らしい絶景と陽の光。見てるだけでうわー行きたいと思わせる。カリフォルニア州とネバダ州の州境のリゾートLake Tahoeの湖畔でのNHL野外公式戦が放送になっています。土曜日と日曜日にそれぞれ1試合が予定されていましたが、こんなに素晴らしい眺めの美しい光景になるとは。

NHLは過去30試合ほどの野外での公式戦を行ってきました。今季はパンデミックでシーズンも変則で2021年に入ってから開幕となり例年行なわれる元旦のNHL Winter Classicは中止。だからと言ってNHLは野外試合を諦めず今日のこの「NHL Outdoors at Lake Tahoe」の試合にこぎつけています。
パンデミックで観客動員ができないのを逆手に取ってLake Tahoeの湖畔に野外リンクを設営。観客席が要らないならこれで良いんですね。ほんの30mぐらいで湖の位置で、試合中に湖もそこに集まったカヤックやボートに乗ったファンもグラス越しに映り込むし、他のアングルでは針葉樹の林や雪山が映り込むという過去の野外スタジアムでの試合とはまるで違うものとなりました。これは素晴らしい。良いですね。


しかしながら天気が良すぎたようです。第1ピリオドが終了した時点で試合は中断。氷のコンディションが悪くなって、補修に時間をかけましたが、明るい太陽が美しく照らす氷の表面は改善せず、中断のまま試合の再開は今夜に延期になってます。
NHLの野外試合は過去多数観戦してますがこんなに氷のコンディションが悪くなったのは第一回Winter Classic以来でしょう。Winter Classicが好評で野外試合が恒例となってからは専用設備による製氷能力が上がり、近年の野外試合は米国内でも南方の気温が高くなる都市でも野外試合ができるようになっていたのですが、今日の太陽は過去最も強いものになったようで氷面がどんどん溶けちゃったようです。足を取られる選手も何人も発生。試合を続行したいという選手もいたようですが、コミッショナーのGary Bettmanが両軍、メンテナンスとの鋭意検討の後に延期を決定。

野外試合ですから太陽、気温、風雨その他の理由でコンディションが悪化するのは想定内。試合2時間前には降雪で氷上の雪の処理で大わらわったそうです。その時間帯は曇っていたのが、試合が始まる頃には抜けるような青空。選手たちはサングラスしてない(練習時には太陽に面していたColorado Avalanche側のGKはサングラス着用)のですが明るすぎて目に障害が起こりかねないのではと気になるほど。

NHLの野外試合特別ルールでは40分が経過してコンディションが悪化して続行ができない場合にはその時点で試合を打ち切って公式に試合終了とする決まりになっているそうですが、今日の場合は第1ピリオドの20分時点での中断なので続けないと無効試合になってしまいます。天気予報では今日いっぱい晴天が続くということで、現地9PMにナイトゲームで第2ピリオドを再開することに決定しました。東部時間では24時再開ということに。試合をしているのはVegas Golden KnightsとColorado Avalancheと西地区のチームなのでそれぞれの地元では起きていられる時間帯に試合再開予定となりました。試合は土日2試合とも昼間の予定でしたが、その予定に拘泥せずナイトゲームになる可能性も想定して車載のナイター照明設備も持ち込んであったのでナイトゲームへの移行が決定です。
また明日日曜日の東部時間2PM(現地11AM)試合開始予定だったPhiladelphia Flyers@Boston Bruinsも快晴予報で時刻を移動。東部時間7PM(現地4PM)試合開始になりました。

日本風に考えればこの事態はドタバタに見えるかも知れませんが、この野外試合をやると決めたタイミングを始め、時間変更の柔軟性、無駄になったかもしれないナイトゲームに備えて照明を準備してある準備の良さなど、即断実行、アメリカ人の良さが出たイベントになったと言えるようにも思います。パンデミックでもなければこんな公式戦は実現できなかったし、実際の試合には悪影響でも陽光の下で撮れた画像は素晴らしいものになったはずです。

なおWinter Classicで恒例のレトロユニフォームはAvalancheの方は移転前のQuebec Nordiquesの象さんロゴのジャージで。Vegas Golden Knightsは2017年にリーグ参入した新興チームなのでレトロにしようがないため、Golden Knights以前にVegasで活動していたマイナーリーグホッケーチーム関連のデザインということを放送中に言っていました。

NHLのコロナ情況 予防接種とプレーオフ

NHL Philadelphia Flyersがコロナ感染の理由で今夜の試合を延期。ここからFlyersはチーム全体として隔離措置に入るようです。1月中旬に始まったNHLシーズンは1ヶ月も経たってませんがチームとして活動中断に追い込まれたのは5チーム目です。NHLは全31チームなので16%ですか。

但し活動停止に追い込まれた5チームは全部アメリカのチームです。カナダの7チームが所属する北地区では活動停止となったチームはなくスムーズに運営中。米国側に限れば24チーム中5チームが活動停止しているんですから20%という言い方もできます。5チームの内訳はFlyers、New Jersey Devils、Buffalo Sabresの3チームが東地区、Minnesota WildとColorado Avalancheが西地区。アメリカ国内でも中地区は現時点では活動停止チームを出さずに済んでいます。東地区に限れば8チーム中3チームが活動停止ですからかなり多い。
今季の仕組みでは対戦は地区内に限る形になっているので感染チームやその対戦相手の試合消化の遅れは地区内での問題に留まってますが、チームごとの試合消化数のばらつきはかなり目立ち始めています。

開幕1ヶ月の時点でこの多発はどうなんでしょうね。NHLより数週間早く開幕したNBAでも出場可能選手の数が足りなくなっての試合延期はかなり発生しましたが現時点では収まってきています。NBAでは試合中止が増えてきた段階でアウェイでホテルから一切出るななど防疫態勢の強化をしたのが効果をあげてると考えるべきなのか。そうだとすればNHLも同様に防疫ルールの見直しが言われるようになるかもしれません。
これから開幕していくMLBも他人事ではない話です。MLBでも昨年開幕直後にMiami Marlinsが離脱するなど、どうも開幕直後が一番危ういというのが各リーグで証明されてきたかにも見えます。
NBAにせよNHLにせよ昨夏の再開時はバブル内で全員が軟禁された状態でうまく感染を抑え込んで運営しましたが、あんなことができるのは短期間の拘束だからで、長期にわたるシーズンの運営はそれでは続かない。20%内外の離脱はしかたないと腹をくくるのが正しいということになるのか。
逆に言えば一番困難が見込まれる開幕時期がNHLでも終ったのもありこれから落ち着いていくならばそれが一番ですが、さて。
そういう他のリーグの情況を鑑みるとNFLは試合の延期こそあったものの全試合を消化、プレーオフは延期も一切なく完走したのですから立派なものです。


ところで各州で多少の差はあれ現在アメリカではフロントライン労働者と高齢者と重篤化しやすい既往症を持つ人たちに優先でワクチン接種進めています。これがなかなかスムーズに進んでいない。アメスポの巨大スタジアムを接種会場にするという形でアメスポも協力しているのですが遅々として進まず。なかなか若い世代まで順番はまわってきそうにないです。この分では現役のスポーツ選手なんていう若くて一番元気な人たちは最後にまわされそうです。7月終了の予定のNBAやNHLのシーズン中には無理かも。

以上書いた予防接種の進行状況はアメリカ国内の話です。ところがNHLの北地区のチームは在カナダなので事情が違うことになります。カナダではアメリカと比較してコロナ感染は広がっておらず、上に書いたようにNHLの北地区は被害が広がっていない。カナダ優位の情況です。
ところがこれが予防接種の話になると北地区のチームにはいつまで経っても予防接種の順番が回ってこない可能性があります。カナダが国家として確保しているワクチンの数がアメリカを大きく下回っているからです。
つまり現時点では他地区と比較して北地区は比較的安全といえるんですけど、これが夏頃になってアメリカ国内では予防接種がかなり進行して集団免疫の獲得に近くなっていくのに、隣国カナダではそれが進んでいかないという立場の逆転になる可能性があるんですよね。


NHLの現時点での計画ではプレーオフの1−2回戦は同地区の中での対戦に限る。他地区との対戦が始まるのはNHL全体で4チームが勝ち残った準決勝時点(例年ならカンファレンス決勝に該当)からです。準決勝決勝の試合の開催場所は現時点では決まっていないですが、何をどういじろうと北地区=カナダから1チームがその4チームのひとつになる。どういう形でかアメリカ・カナダの国境を超えて戦うことになります。その頃までに参加選手関係者全員が予防接種を済ませていれば話は簡単ですが、カナダ側のチームだけ遅れていたらどうなるのか。供給が多いアメリカ国内でも7月頃でも怪しいのにカナダだと国が特別に配慮して優先でもしてくれないとカナダ北地区からの勝ち抜いたチーム(及び対戦するチーム)が国境を超えての移動が微妙になる可能性があります。

カナダという国にとってNHLは大事な娯楽ですから北地区の2回戦に残ったチームに優先接種=勝ち上がって他地区と対戦する頃には効果が出る状態になるとかそんな感じの策はこうじられるかもしれません。

足りないものは観客音?それとも選手の笑顔?

現行のNBA全国放送はTNTとESPN/ABCの二局態勢。NBAは無観客で開催中なのですが、TNTの放送の方は会場の観客の声のシミュレート音を、ESPNの放送よりも大きめのボリュームでいれています。少なくとも私の見た範囲内ではそうです
好みの範疇の話かとは思いますが、これがないとさびしさが増すなあと思っています。不思議なものです。昨季末のプレーオフのときはさほど気にならなかったのに。

通常年であればNFLがSuper BowlとPro Bowlを残すのみの時期となって、スポーツファンの意識がプロ&カレッジのバスケシーズンやホッケーシーズン、野球がお好きならMLBのキャンプ入りが気になる時期のはずです。まったくもって個人的な話なのですが、ところが今年はどうにもバスケシーズンに身が入らないのです。NBAはBrooklyn NetsへのJames Hardenのトレード、連覇を目指すLakersの再構築、など話題はそこそこあるようにも思われるのですが、どうも盛り上がってこない。

で先週末にNFLカンファレンス優勝戦を観戦していたときに話していたいつもの観戦フレンドにそう私の感想を漏らしてみました。彼は大のNBAファン。その彼が今季はエキサイティングじゃない、おもしろくないなとあっさり同意してくれたので、ああこんな大ファンでもそうなのか、自分だけじゃないのかと納得した次第。

ではなぜ今季のNBAはいつもの年と違うのか。じゃあ他の種目、例えばNHLへの期待も低いのかというと、NHL観戦はそこそこ楽しめてます。見る量は元々対NBA比、1/3とか程度ですが、特に例年と比較して観戦意欲が低いという感覚はない。いつもと違うという意識もほとんどない。なぜNBAばかりがそんなに今年おもしろくないのかが良くわからないままに放送をやってると観戦しては、いややっぱり今年はおもしろくないよなと確認する日々です。

選手たちの顔が暗いからかなという気もします。観客がいないシーンとしたアリーナ内でのプレーが選手の心を蝕んでいるのではないのかということを試合後の勝利インタビューのスター選手たちの暗い顔での受け答えを見ていて感じたりもします。
鬱は伝染ると言います。医学的に正しいかどうかは存じませんが実感としては正しいと私には思えるのですが、画面を通して選手の鬱が我々に感染ってるのかも?選手たちのエネルギーがまるで伝わってこないという言い方でも正しいかと思います。


と以上のような客観性に乏しい感想でしかないことを書き始めてから、昨夜、ESPN放送のNBAのカードがLos Angeles Lakers(14勝4敗)@Philadelphia 76ers(12勝6敗)戦なのに気づいたので、それを見てから改めてこの項を書こうかと思いました。Lakersは昨年の優勝チームであり現在もリーグトップの成績。76ersは東カンファレンス首位で、エースのC Joel Embiidは現時点でのMVP最有力候補の活躍中。一皮むけた。NBA側も意識してNFLシーズンがほぼ終わりのこの時点でNBAにスポーツファンを連れ込むためにこの好カードを全国放送にしているのでしょう。NBA Finalsのプレビュー的カードです。

昨季の優勝時から準主力選手を多数失いながらリーグ首位を維持しているLakersは立派なのですが、エースのAnthony Davisはエンジンがかかりきらないシーズン序盤で、ここからDavisが復活すればという意味で余力十分での首位なので文句まではつけられないものの、これはすごい!というような期待感には乏しい。76ersはEmbiidは良いとしてもここまでたかだか2勝1敗ペースでの東首位。昨年のプレーオフ一回戦で屈辱スイープされた相手であるBostonに既に2度勝ってますが、いずれもJayson Tatumが欠場中の勝利。東が全体的に弱いから首位なのかなあという、こちらも今ひとつ乗り切れない気分のチームです。


しかし実際の試合はかなりおもしろい試合となりました。今季のNBAで私が観戦した範囲内では最上の部類で、第4Qに最大14点をリードした76ersを最終盤にLakersが猛追撃して瞬間逆転。最後は76ers Tobias Harrisの決勝ミドルが決まって決着。長さを誇るAnthony Davisのディフェンスの上を超えての決勝点でなかなか楽しかったです。これと完全に同じ試合がFinalsで行なわれていたとしても納得の好試合であったはずです。
Embiidの序盤などは過去2年連続でMVPとなったGiannis Antetokounmpoが乗り移ったかのようなプレーぶりで、今年はEmbiidがMVPかもという評判に誰もが納得するであろう内容。この日はBen Simmonsのコンディションも良く果敢にバスケットにアタックし、ディフェンスでも健闘。昨年のプレーオフ一回戦スイープ敗退してからほんの3ヶ月ですが、EmbiidもSimmonsも何やら趣が変わった?と思わせる試合でした。
ただこんな試合を普段からしていたら東カンファレンスで12勝6敗という成績にはなってないはずで、今日は特別なのかなあと思いつつ観戦したわけでした。

パックは当面光らないことに

NHLのパックが光らない件ですが今日になって事情が明らかになっています。パック内に位置情報の発信装置を仕組んだ特殊パックに選手たちから挙動がおかしいとクレームが付き、検討した結果本日分の試合から正式に当面使用を見合わせるそうです。開幕から6日目での公式判断。ひょっとしたら非公式には既に使用がストップしていた可能性もあるのかも。
NHL公式の発表では細かいことを述べていませんがシーズン開始から使用しはじめたパックのロット分の仕様詳細が、オフシーズンを含めて過去にテスト供給を受けていた物と異っており、当面使用をやめ正常な次期ロットが納入された後にテストを経て再導入するとのこと。Soonとは言ってますが再導入の時期には触れておらずパックが光るようになるまでに時間がかかる可能性があります。

スポーツマスコミの取材によれば選手たちからはシーズン開始すぐにパックが自然に滑らない、弾みまくる、などとの苦情が相次ぎリーグが動かざるを得ない事態となったようです。開幕からまだ6日目、今日までで各チームは2−4試合を消化済みの時点ですからよほど各所から異口同音の苦情が出たということなんでしょうね。

うまく滑らないというのがどういうことなのか。NHLが発見した初期ロットの不具合が表面素材の意図しない変化やら重量配分が設計通りに作れていないことによるものならひどい話で、アメリカだなー、という話になります。日本のものづくりの職人気質にはアメリカ一般の製造業はおよびもつかないというのは事実で、日本からアメリカに製造拠点を移動させた日本企業がまず初期にあきれる事になるアメリカあるあるですが、その類の失敗なのかもしれません。実際にパックがどこで製造されているかは少し調べたところでは確認できませんでした。

選手が着用している位置情報デバイスは問題はなくそちらはこれまで通り運用。放送を担当するNBC Sportsは位置情報パックの使用推進に大いに前向きとされますからこの失態でも今季中に光るパックの復活を目指す=オフまで延期しないことになるのでしょう。この辺も日米の気質の違いが出ていておもしろいかなとは思います。

荒れた2020年を経たMLK Day

MLK DayとはMartin Luther King Jr. Dayのことです。今年は1月18日月曜日。同氏は1960年代の黒人公民権運動の中心だった方です。1968年に反対する勢力に暗殺された方でもあります。

MLK Dayは祝日ですが大半の私企業の多くは通常営業。学校やお役所は休みのはず。日本の感覚だとこの祝日だけど休日ではないというところが理解しがたかったですが、とにかくそういう日です。
そういう日なので大人は普通に働いている人が多い日、子供は学校が休みで家にいる可能性が高い日となります。祝日の主旨から例年人種差別に抗議して立ち上がることの意義や先人への感謝を強調するイベントが多く開かれることになります。

さてアメスポではNHLが今年のMLK Dayに昼から夜まで4試合を全国放送します。MLK Dayというと一番最初に連想するスポーツリーグであるNBAはTNTでの全国放送が夕方から3試合。NBAがMLK Dayに積極的なのは選手の黒人比率が抜群に高いプロスポーツなので理解しやすいですが、今年はNHLが気合が入ってるなあと感じます。この日の放送は試合中や合間に有名選手たちのMLKや公民権運動への思いを語るビデオが多く流されるのが恒例です。これは一般の報道番組などでもそうですね。


さて今日放送されるNHLの試合のひとつがBoston Bruins@New York Islanders戦。つい先日Bruinsに過去に所属したNHL初の黒人選手であるWillie O'Reeを表彰し、BruinsがO'Reeが当時着用した背番号22番を永久欠番にすると発表したばかり。O'Ree氏は1950年代にNHLデビュー、現在もご存命のようです。その発表のときには気づきませんでしたが、たぶん今日のMLK Dayの放送でO'Ree氏の人種の壁を破ったパイオニアとしての勇気を称えるセレモニーがあるのだろうと想像できます。その試合は東部時間で午後5時からの試合開始。半休日らしい放映時刻と言えましょう。

NHLっていうのは現在でも非白人選手が極少ない。1950年代というのはKing牧師が公民権運動を率いてピークに届く時期以前。O'Ree氏はカナダ人なのでアメリカとは若干事情は違う面はあるにせよ、様々な苦労があったであろうことは想像できます。

尚、アメスポ全体で初めて人種の壁を破ったMLB Brooklyn Dodgers所属のJackie Robinsonがスポーツで人種の壁を破ったのは1947年でO'ReeのNHLデビューよりもさらに10年ほど前ということになります。
細かい話ですが、正確にはMLBが最近になってニグロリーグをMLBの一部として認めることにしたので、その意味ではJackie RobinsonのMLBデビューはニグロリーグ参加当時まで遡ることに変更になったと言えますので1947年じゃなくなっていますが、人種の壁を破った時期は1947年のままということになるのだと思います。

2020年は人種問題でアメリカ国内は大いに荒れました。いまも脈々と流れる人種的偏見を持った人たちの存在が顕在化したのは結果的には良いことだったと言えるようになるのかどうかはこれから次第ですが、例年MLK Dayに盛んにメッセージを発信するNBAだけでなく、今年はNHLも積極的に参加するんだなという点が2020年という荒れた年を経ての当面の成果のうちになるのだと思います。

まだ2021年も人種問題は揺り戻しでいろいろ大変なことが起こっても不思議じゃないです。今週は新大統領就任式を控えた首都Washington DCを含め各地が厳戒態勢なので比較的静かにおさまるのではないかと思えますが、厳戒態勢が継続するわけもなく緩んだところを狙って銃撃事件や爆発物による国内テロは予想すべきことです。
今はコロナもあって個人的な旅をする予定は限られていますが、以前のようにアメリカの田舎に気軽に旅とかもうしたくてもできないかなと思ったりもしてます。監視の目やカメラがある都市部やホテルなどならともかく、トレッキングコースでたまたますれ違って、キャンプをしていてたまたま出くわして人種的理由で撃たれたらとかなんともならないですよね。実際に猟に行ってたまたま出会った一団に山の中で吊るされそうになった人のビデオが出回ったことがありました。山の中ではリンチされて死んでも誰も見つけてくれません。田舎の警察なんてまったくあてにならないし。ホラー映画で殺人狂が田舎で猟奇殺人を次々と起こす、その村全体がグルなんていうプロットはよくありますが、ああいうのが殺人狂ではなく主義主張に基づいて整然と行なわれる状態とかホラー映画どころの恐怖ではありません。コロナが落ち着いた後にアメリカを旅をする機会のありそうな方、そうそうあることではないですが、まったくありえないことではなくなってます。気をつけていただきたいです。

パックが光っていない

NHLの新シーズンが始まってます。私が試合を見た限りですが例の光るパックというやつを見かけません。当時一緒に紹介したリアルタイムで選手の名前が出るというのは短時間ですが出てきたのを見たのですが、パックが光るというやつは一度も見かけないんですよね。どうなったんでしょうか。

その昔NHLのパックが光った時代というのは1990年代でまだ家庭のテレビがブラウン管が主、地上波もケーブルもアナログ放送だった時代です。大画面化・高精細化普及以前でもある。ですからパックが光らないとパックがよく見えないという事情がありました。家庭での視聴環境が過去20年強で大きく向上したため昔のようにパックが見えないということは減ったわけです。

ところが最近になってTVの前に座って視聴というスタイルが崩れ、モバイル視聴が増えてその結果小型画面化に回帰している。またcable cuttingの大きな動きでTV視聴がネット経由の圧縮動画化したため再び動きの速いホッケーの視聴の不利が目立つようになってきたタイミングでもあります。ホッケーは画面の多くが白飛び真っ白が多いという意味では圧縮には有利な面もあるのですが、とにかくスピードが速いためモバイル視聴だとカメラが振られたときに描画が間に合わないというケースがかなり多いというのが私の感想です。

そういう事情なので四半世紀ぶりの光るパック化はタイミングが良いのではと思っていたのですが、私が見た数試合では一度もお目にかかれていません。事情がよくわからないのでまたわかったときに続報してみたいです。メモ書き程度ですみません。

失言でNHL解説者が静かにクビ

ホッケーNHLが明日から開幕ですが、長年NBC系列でNHLスタジオ解説をしていたMike Milburyが新シーズンの放送からはずされており、事実上のクビになったようです。クビの理由としては、昨年のNHLのカナダでのバブル内でのプレーオフ開催時にMilburyが言ったコメントが決定打になっているとされます。
バブル内は安全だという話題の中で「バブルの中には集中力の妨げになる女性もいないしね」と言ったそうで、それが性差別的であると批判を受けていたとか。

うーん微妙だなあという。
発言は8月の時点で、その時点で即クビというわけではなかったのですが批判はあったそうです。その時期には私はその発言やそれに対する批判は知らず。昨夏はNBAばっかり見ていてNHLまで手がまわらなかったので。

その発言だけでクビになったわけではなく、それ以外にもMilburyは過去に選手の頭部保護問題でも「そんなサッカーマムのような過保護な意見は受け入れられない。これはホッケーなんだ」という主張をしてみたり、少々問題のある表現が飛び出してしまう面のある方ではありました。
コンタクトスポーツであるホッケーで、どのレベルで選手保護をするかというのは多様な見方があって良い大事な話題なので激しさを残せという主張は構わないけれど、そこでいちいちサッカーマムは過保護だとか、ひいてはサッカーは軟弱スポーツまたは子供のスポーツと主張するような言わずもがなのことを全国放送で言ってしまうのはあまり褒められたことではないでしょう。その辺りも込みで昨夏の女性蔑視発言批判と合わせ技一本でクビだったかなという感じではあります。

ホッケー解説者がサッカーを軟弱だとディスったというと数年前にJeremy Roanickがやっぱりサッカーを引き合いにしてサッカーみたいにコケるなこれはホッケーなんだという主張を全国放送で堂々展開してしたことがありました。アメスポ内の人気ではメジャーとは言い切れない地位のホッケーで、屈強さと激しさでは人気で上位のスポーツにも決して負けないという強いプライドを感じている関係者やファンは多いはずで、そういう矜持を持つこと自体は良いことだと思えますが、それが勢い余ってサッカー軟弱批判になっちゃうのかなというところでは余裕が足りないという風にも見えますね。


最初の女性蔑視発言問題に話を戻すと、この発言ってダメなんだ、というのが私の反応でした。聞く側がどういうイメージで捉えるかによってダメかどうかに差が出るような気がするんですが。例によってクラブの派手な女性なりストリッパーなりを想像してしまうと、その手の女性がバブル内にいないから良いと発言したことになり、女性を性的対象に限っているという具合に批判されているのでしょうが、それって聞く側の解釈がその手の女性に限定して想像する方向へ偏ってるからそう聞こえるのではという気もします。

バブル内でのセックス処理というのは表立っては議論しにくいでしょうが人間の営みとしては決して軽視してはいけない問題のように私には思えます。既婚者は「家族もバブル内帯同OK」という表現で逃れてますが、未婚者だっているでしょうし、複数のガールフレンドがいる選手だっていても不思議はない。通常それは100%個人の自由なんですがバブルではそうはならない。いろいろ歪みますね。
バブル開催は2020年のみ、最悪でも2021年までの特殊事情になると思いたいし、そうであればあまり突き詰めて考える必要のある事案ではありませんが。

NHLが新地区のネーミングライツ販売に成功

これは珍しいです。NHLが今季通常とは違う地区割をする事情は既報ですが、その新地区にネーミングライツを設定、NHLのお馴染みのスポンサー企業がその地区に名前を追加しています。 
各地区の正式名称は、Scotia NHL North Division、Honda NHL West Division、Discover NHL Central Division、MassMutual NHL East Divisionとなります。ScotiaはScotia Bankがスポンサー。一語に限ることで統一してBankが削られたんでしょうか。DiscoverとHondaはNHL放送でのTV宣伝も活発なNHLファンにはお馴染みのホッケーびいきの企業です。

NHLは過去にリーグ功労者の個人名を地区名・カンファレンス名としていた時代もあり他のプロリーグと比較してこの面で柔軟な発想を持ちやすい文化なのかもしれませんが、細かいところでお金を稼ぎにきたなという感じでもあります。今季の地区割は現時点では今季限りの予定なので巨額のネーミングライツ販売にはなっていないでしょうが、これが成功したら恒常の地区名にも企業名を付けるなんてことになって行くのかもしれません。

NHL.comや放映権を持つNBC系列のサイトの勝敗表はきっとしっかりこの新地区名がフルに表示されそうですが、利害の薄い一般スポーツマスコミは気にしてくれなさそうでもあります。どう表示されるかちょっと興味あります。


NHLの新シーズン・新地区割

1月13日から始まるNHLの新シーズンについての要項がさらに明らかになっています。先にキャンプ開始日、開幕日などについての発表があったことは書きました。
噂されていた通りの新しい4地区制による区割りも確定しています。レギュラーシーズン56試合を全部地区内同士での対戦で消化することも発表。NHLは31チームが所属し、北地区のみ7チーム所属、東、中、西各地区は8チーム所属。北地区はカナダ所在の7チームがきれいに収まり、これによってレギュラーシーズンは全チームが一度も米加国境を越えないままで消化することができることになっています。8チームの地区は各チームが8試合ずつ対戦。北地区は9度ないし10度。
正式発表になっていないと理解していますがプレーオフには各地区上位4チームが出場して、これも地区内同士で対戦していくことになるようなのでもしそうなると1シーズンに10度以上戦うカードなんてのも出てくることになります。

地区で完全に区切ってしまうのは2020年にMLBが実施して効果を挙げた方式です。MLBはシーズン開始後から何度か各地で感染が広がりはしましたが、後から見れば概ね感染拡大は抑止できたと言える結果を残せました。地区に対戦を限定することで防疫面でもスケジュール再調整の面でも感染の影響を限定的にできました。NHLの新たな区割りもそのメリットを目指すものでしょう。
試合スケジュールはまだ発表になっていませんが同じチームが連戦、場合によっては3連戦で対戦するというような試合消化方法も検討されていて、移動での感染を抑える効果も期待されているようです。野球では3連戦は標準的な試合消化方法ですが、ホッケーでとなると目新しいことになります。

その場合の副作用として、コンタクトスポーツであるホッケーで連戦をやると前の試合のいがみ合いが次戦に持ち込まれて選手が第2戦第3戦の開始早々から荒れた行為に出るのではというのが若干心配されるところです。プレーオフでは何試合も続けて同じチームが対戦しますが、プレーオフでは勝利が至上命題なので試合開始早々からラフプレーなんていうのはありませんが、これがレギュラーシーズンの試合だとその限りではないはず。
特に北地区はオールカナダ地区となるため例年以上に各チームがライバル感・敵視を持って対戦する試合が増えるはずで、熱いレギュラーシーズンが展開される可能性があります。
他方、感染で試合消化がスムーズに進まない場合には試合間隔が狭まり各チームが疲弊して試合がグダグダになりがちという事態もありえない話ではないですが、これはやってみないとわからない。チームが帯同できる選手の数を増やす可能性は高く(未決定)、主力選手をシーズン中に休場させる試合をつくるローテでの起用を模索するという実験的なシーズンになる可能性もあります。

オールカナダとなる北地区が作れたのはNHLにとってはラッキーだったです。Winnipeg Jetsが2011年にカナダに復帰(移動前はAtlanta)していたおかげで在カナダのチームが7チームあって独立の地区を構成できました。カナダは米国以上に防疫意識が高く、その結果MLBでは2020年シーズンにToronto Blue Jaysが国境をまたいだ移動ができず米国に移動。NBAでも新シーズンでToronot Raptorsがフロリダ州に移転しての新シーズンを戦うことになってます。カナダ政府が国境越えの移動に強い難色を示しているからです。

カナダ内で完結する北地区結成でカナダの国の政府の懸念は避けられたのですが、カナダ国内で大都市チーム(Toronto、Vancouver、Montreal)を擁する州政府はカナダ内での頻繁な移動に難色を示しており、北地区内の試合がそれぞれのホームアリーナを使用できるかはまだ不透明となってます。同じカナダでも孤立した地方都市であるWinnipegやEdmontonなどと北米有数の大都市であるTorontoでは防疫懸念で格差があるのは理解できるところです。
最悪の場合は昨シーズンNHLがプレーオフを2都市でバブル開催したのに似たハブ方式での試合消化をすることで州政府の規制を避けるというのも念頭とされます。詳細な防疫手順も政府、さらにNHLと選手会の間で取り決めが最終段階に入っているようです。
ここまで述べてきた通り、既に発表済みのこと、これから発表されることなどまだまだ流動的な部分はありますが、全体としては一旦協議のテーブルについたら手早く効率的に物事が発表されているようで、私の視点では好意的に見ることができます。

北地区の話を中心にしたのですが、他の地区割りでは実は新中地区が楽しみです。中地区に割り振られた8チームはCarolina Hurricanes, Chicago Blackhawks, Columbus Blue Jackets, Dallas Stars, Detroit Red Wings, Florida Panthers, Nashville Predators, Tampa Bay Lightningとなってます。2019-20シーズンのStanley Cup Finalを戦ったDallasとTampa Bayが同地区に配されたことに。今年の特殊なレギュラーシーズンの対戦方式のためDallas x TampaのStanley Cup Finalリマッチはそれぞれのホームで4試合が行われることが期待されます。
各地の州レベル・都市レベルの地方自治体が独自の判断で動く傾向の強い米国なのでどこのチームがホームアリーナで試合を開催できるのか、そしてそこに観客を入れられるのかは見通せないのですが、Dallasのテキサス州とTampa Bayのフロリダ州はこれまでスポーツイベント開催に積極的であったため、NHLシーズンでも同様の措置をとる可能性はあります。DallasなどはStanley Cup Final中にホームアリーナを開放、5000人規模でのアリーナでの応援を許していたほどですから、人数制限はあってもStarsがホームゲームを開催するなら観客ありになる可能性は高そうです。そうなればStanley Cup Finalリマッチとなる対Tampa Bay戦はかなりの盛り上がりも期待できるかもしれません。それもこれもその時期の感染情況次第なんですが。

他にも新中地区では元の地区ライバルだったDetroit Red WingsがBlackhawksと8試合で顔をあわせることになるのも楽しみです。Detroitが2013−14シーズンから西カンファレンスから東カンファレンスに移動したためNHL創設時からのライバルと言えるChicagoと顔をあわせる機会が激減していたのが、今年のこの変則シーズンの新区割りのおかげで復活。各地元で4試合、計8試合も対戦できる。パンデミックが終わってしまったらまた別カンファレンスに別れ別れになってしまう古い縁のRed WingsとBlackhawks。Blackhawksの方はチーム名変更の可能性もあるためRed Wings対Blackhawksとしては今季が最後のシーズンになってしまう可能性もゼロではない。100年以上の対戦の歴史を持つ両チームの最後に巡ってきた濃厚なシーズンになるかもなのです。レトロジャージなどふんだんに使った楽しく激しい試合の数々を期待したいところでもあります。
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