アメリカスポーツ三昧

アメリカ永住コースか、または第三国に出国か!?スリルとサスペンスの人生とは別にアメスポは楽しい。

格闘技

五輪と言えば開会式・閉会式

今日ラジオ局で曲をかけながら言っていたんですが来週開幕の韓国冬季五輪の開会式で韓国出身のBTSが出演して歌うとか。五輪の開会式や閉会式の出演者って秘密の場合が多いように思いますが、あっさり明かしちゃうんだなと思って聞いていました。BTSっていうのは私も最近まで存在を知らなかったんですがアメリカでもなかなか人気なんだそうです。年越しのカウントダウンライブの番組で歌って踊っていたのを一緒に見ていたアメリカ人に教えてもらいました。BTSの存在は知らなかった私も曲は聞いたことはあったのでかなり流されていたはず。
で彼らが平昌五輪に出演すると聞いてなるほどと。五輪のあれは開催国の総力を挙げたお国自慢大会みたいなものですから海外で人気のある旬なグループがいるなら起用も当然かなと。

以前から東京五輪の開会式・閉会式のことは時々想像してたのです。日本のお国自慢大会。海外に住む私からするとどんなものが飛び出すのか期待が高いです。日本には世界最強のアニメ文化とゲームがある。Kittyちゃんだっているし初音ミクもいる。それらが総出演したらすごいだろうなあと。スーパー戦隊シリーズ全員集結とかコスプレーヤーで日本のアニメの歴史総ざらいとか。それらの方面では世界の多くの人がわくわくするようなことが起こるだろうと期待する反面、生身の人間で日本人の有名人ってあまりいないよなと思っていたわけです。音楽でもBTSレベルの知名度の方はいないような。今だったら一部で突出した人気を誇るBabyMetalぐらいか(Yui Metalの健康問題もあり2020年に向けて不安ですが)。One OK Rockがいるじゃないかと言われるかもしれませんが、現時点ではBTSとはかなり知名度に差がありそうです。

ここまでは前振りで、スポーツブログですので、スポーツ界で誰かいないのかな?という話です。日本目線からならMLB Ichiro、ゴルフ松山、テニス錦織圭、サッカーの誰かフィギュアスケートの誰かなど海外で有名そうと思われている名前は挙がるでしょうが海外から見てインパクトのある人やああいう場でのプレゼンには物足りないかなと思っていたわけです。個人知名度はともかくフィギュアスケートはプレゼンがしやすそう。ものすごく変な場所をスケートしてみたり日本製の氷の要らないスケートリンクという技術の宣伝もできるでしょうしそれはアリそうだと。人物じゃないけどTVフォーマットとしてNinja Warrior(SASUKEのアメリカ版題名)は世界各国で大人気ですから組み込まれそうな気がしますが。それでも寂しいかなと思っていたわけです。

そこで。ちょっと待てと。WWE世界ヘビー級王者はどうだ?と閃いたわけであります。WWEは最近は英国にも本格進出していますから悪くないのでは。東京五輪でShinsuke Nakamuraのあの入場パフォーマンスに、日本の誇る有名バイオリニストをからませたら?プラス一発芸でキンシャサでも披露したらこれは60秒分ぐらいイケそうな気がしますがどうでしょう?なにも事情を知らない方でも日本の武道のアレンジかなにかだと思って楽しんでもらえそうにも思えます。新日本プロレス的歴史を考えるとキンシャサより飛びつき逆十字とか延髄斬りの方が私個人は盛り上がるでしょうが、個人の好みの押し付けはまあ良い。個人知名度不足の東京五輪のリアル人間出演者にShinsuke Nakamura、いかがでしょうか。着物風コスチュームのASUKAとセットでもよろしいです。まあその前に実際にチャンピオンになってもらわないといけないですけど。

Shinsuke Nakamuraが、新日がWWEを制す

ジャンル違いなので書こうかどうか迷うネタだったのですが、別項のコメント欄で触れてしまったのでとりあえず個人的感想を。World Wrestling Entertainment WWEの恒例Royal Rumbleで日本のShinsuke Nakamuraが優勝して次期WrestleManiaでWWEヘビー級選手権への挑戦権を手に入れてます。興味のない方からするとなにがなんだかわからないでしょうが細かい説明は飛ばしていきます。(このヘビー級選手権という言い方がプロレスらしくていい、と自己満足してしまいます)

まずアメリカでの新日本プロレスの放映状況の話から。AXSというチャンネルがあります。基本的には音楽局で、長編のライブコンサート番組が主。それがなぜか数年前に突然New Japan Pro−Wrestlingの放送をやり始めたときにはびっくりしました。なぜ突然新日本プロレスなのかと。他にもMMAの番組があったりしてAXSは音楽専門局ではなくなったのでした。想像するに音楽ソフトのオンデマンドでの視聴方法が急激に増えて従来のコンサート番組だけではチャンネルの存在が危うくなったという理由かなと。それで新日本プロレスが放送になっているんですけれど、それがたぶん日本で放送されているものとは違うのかもなーと思われる内容でした。日本での放送カードを知ってるわけではないので確たることは言えませんがAXSでやっているのは基本的に「外人レスラー」の登場試合ばかりなので、たぶん日本人登場試合は少なめに編集しているんじゃないかと思います。
あー今は新日本プロレスってこんな感じなのねとは思いましたが、それはそれっきり。熱心に見たわけではない。ところが実はこれが意外にアメリカ市場でウケていたらしいということに後から気づくことになりました。New Japan Pro-Wrestling番組に出ていた外人レスラーがWWEに引き抜かれてデビューしている。そして本稿の主役中邑真輔Shinsuke Nakamura選手がWWEにスカウトされたのもAXSでの放送が効いていた可能性は高い。AXSでの新日本プロレスの放送が始まったのが2015年、NakamuraがWWEとの契約を交わしたのが2016年前半です。

私はNakamura選手の日本でのスタイルを知らないのでスタイルの変遷などはわからないですが、今やってるスタイルと衣装姿形を見ると連想するのがNarutoに出てくる忍者みたいだな、と。アメリカ人一般にとって日本といって一番触れる機会の多いのはアニメ(と、あとは自動車か。昔はTVもそうだったんでしょうが死滅しました)。そのイメージに合ってるなあという感想を持ちます。リングネームも本名のままというところが良い。日本風の名前をアメリカになじませてくれたのもアニメの功績かと思います。そうでなかったら変なアメリカ用の名前をつけられていたことでしょう。

話を端折ります。今回NakamuraがRoyal Rumbleを制してWWEの最高権威WWEヘビー級選手権に挑戦するというのはどういうことか。WWEが新日本プロレスから引き抜いた外人レスラーのAJ Stylesが現WWEヘビー級選手権者。ここにNakamuraを挑戦させるということはチャンピオン挑戦者ともに元新日本の選手。つまりWWEが新日本プロレス風のWWEヘビー級選手権試合を欲しているってことなんですね。たぶんHHHなりのWWEの企画担当役員が新日本プロレス風の試合に感心して、新日風の試合をWrestleManiaでやりたいということなのです。(Vince McMahonはXFLの仕掛けで手一杯であまり噛んでないから実現できたのかも)
日本のプロレスというのは独自の発展をしてプロスポーツエンタメとして長年生き残っているわけです。ストロングスタイルと呼ばれ、または猪木イズムと呼ばれた格闘技との境界線でプロレス興行が発達していったわけですが、それが半世紀後、その戦い様がWWEの最大の舞台を乗っ取るのだと考えたらすごいことだと思いませんか。AXSという音楽局の危機感が始まりで、その結果猪木イズムの後継者がWrestleManiaでWWEヘビー級選手権試合。そういう不思議な巡り合わせを感じ取れることに幸せすら感じます。

四年前の五輪記事を読んでみるとおもしろい

ブログを長年やっていると過去の記事のことは自分でも忘れてしまうことがあります。四年前のロンドン五輪の頃の自分の書いたものを読んでみたらけっこうおもしろい記述がありました。例えば先日も話題にした女子柔道はロンドンでアメリカ柔道初の金メダルを獲得した決勝戦が僅か30秒しか放送がなかった(一試合全部を放送してくれなかった)なんていうのがあって、あーそうだったなぁと。今回リオ五輪では二大会連続で金メダルとなったKayla Harrisonの試合は3試合見ましたし、その露出は確実に上がったのでしょう。

もうひとつおもしろいなと思った話が男女の待遇の違いに関するもの。発端は日本女子サッカーへの待遇についての報道で、女子は優勝してもエコノミークラスだとかいう話から話題が膨らみました。四年後の今年は日本女子サッカーは五輪に到達できずその話の続きはなし。ロンドンで優勝した米女子サッカーは準々決勝で消えてしまいました。過去五輪・W杯で決勝戦で戦い続けた日米ともに優勝にからめなかったのですから女子サッカーの世界も動いているということでしょう。まあアメリカは古くさいスターシステムでこれからも女子サッカーは売るんでしょうから敗退のPKで外したAlex MorganとChristen Pressを推す姿勢は変わらないんだろうなあ…。

男女待遇の話で思い当たったのがバスケットボール代表が男女ともに豪華クルーズ船に宿泊しているという話です。高給取りのNBA選手は以前から選手村には入らないのですが、今回は特に治安の悪いリオでの試合。高級ホテルでも安心できない、ということでクルーズ船を借り切ってそこに宿泊。高級だそうですからレストラン・プール・遊戯施設その他完備。そこで快適に暮らしていると言う話です。おもしろいのはここに女子の方も宿泊していること。船室が100以上もあり男子側のスタッフでは埋まらないので女子にもお裾分けでそうなっているようです。経緯はともかく男女の待遇差がここではない、というところがポイントになります。

バスケ代表は男子はGL最終戦のフランス戦でも相手を突き放せず3戦連続での接戦となりながらも全勝でGL通過。女子は危なげなくダブルスコアを連発してこちらも全勝。男子の方はトーナメントでもはらはらする試合がありそうです。女子の方は初戦で日本代表との試合が予定されています。

女子サッカーでは消えた日米対決ですが、女子バスケ以外でも女子バレーボールもトーナメント一回戦で日米対決ですね。バレーボールは日本では人気が高く、アメリカでは地味ですが、アメリカ側でもインドアのプロ組織を近い将来立ち上げようという努力が続いており、今回は女子バレーは優勝がどうしても欲しい。女子団体競技ではサッカーが圧倒的に事前の人気が高かったのですが、そのサッカーが早々に敗退したことでバレーボールが若干注目度で浮上するかどうか。




日本の柔道家は幸せ

リオ五輪の女子柔道78kg級でアメリカのKayla Harrisonが五輪二連覇を達成しています。現在26歳。ロンドンでアメリカ柔道初の金メダルを獲得したときが22歳。当時はそのまま引退を示唆。その後普通の就職をして競技から離れた後に競技復帰。リオでは全試合一本勝ちでの堂々たる優勝となってます。決勝では足での絞めから移行した腕十字固めで快勝。

すごいなあと思ったのは前回のロンドン後の身の振り方。なんでも消防士になったそうです。五輪の金メダリストが柔道となんの関係もない、それも消防士。日本だと警視庁や府警が武道の有望選手を抱えてサポートすることがあると思いますがそういう話ではなく、本当にただの就職だったというのです。体力を活かしての現場活動。本人もそのまま競技生活から足を洗うつもりだったと。金メダルをとった選手が多数存在する日本で全ての選手がどういう扱いになっているかは知りませんが、余程ご本人に難でもない限り柔道の指導だとか先生だとか協会の役職だとかが廻ってくるものなんじゃないでしょうか。お金の面でも社会的地位でもそれなりのものが用意されそうなものですが、柔道が極マイナースポーツであるアメリカでは金メダルを取ってもいきなりただの消防士のおばさん(当時まだ23歳ぐらいのはずですからお姉さん?)になっちゃうんですね。すごいなあと。結局は復帰して、試合運びのうまさも前回より増しての二連覇。ロンドンの当時は柔道の放送なんてまるでなかったのが、Harrisonなどの健闘もあって今回リオ大会では柔道の放送時間は明らかに増えた。自分の活躍で増やした放送時間の中で一本勝ち連発で金メダル獲得ということに。でもひょっとしたらこれで引退するとまた彼女は消防士の肉体労働者に戻ってしまうんでしょうか。

四年前と違うのは柔道の露出が大幅に増えたことで知名度も高くなったし、試合の様子を見てくれた人の数も格段に大きかったことがひとつ。もうひとつはUFCの女子部の人気も高まっていますからプロスカウトがあるかもしれないところか。柔道とMMAの親和性は決して高いとは思いませんが、なにせ女子MMA界のトップスターであるRonda Rouseyが柔道出身なのでその類推から声がかかることは必至。なにせ柔道界ではメシはまったく喰えない。柔道は五輪スポーツですが大学スポーツですらないし、極僅かに存在する大学のクラブチームでもコーチになったってメシは喰えない。街道場も多くありません。消防士になるか、五輪二連覇の看板をひっさげてMMA参戦で消防士の年収の50~100年分を稼いでから消防士になるか。Rondaを含むUFCの女子の主戦場バンタム級(61.2kg)にはHarrisonの体重は遠く、試合・興業を成立させるような相手の確保ができるかという問題もありますし、ご本人の意向もありますが可能性はあると考えていいように思います。

UFC200後にLesnarがドーピングで引っかかる

コメントで読者の方からもアレは絶対やってるだろ、と言われていたBrock LesnarがUSADAの検査でドーピングとされました。今後は手続きにそってB検体での確認作業が入ると思いますが、既にUFC200は興業としては終わってしまっており、またLesnarが今後も継続的にスター選手として参加する可能性はあまり高くなかったのもあってUFCの興業としては逃げ切ったという感じでしょうか。

これ、USADAが空気を読んだとも思いませんが、Jon Jones、Brock Lesnarと二大目玉選手がともにイベント前に引っかかっていたらUFCとしてはキリ番で「MMA史上最大のイベント」と煽っていたUFC200が最悪のがっかりイベントになってしまったいた可能性すらあったんですね。いまとなっては身売りも完了しており、高く売り抜けたってことになるか。

ポケモンはタウリンその他ドーピングし放題ですが、現実のアスリートはドーピングするとダメだし、いろいろ難しいです。

Jon Jones 二度目のトラブル

UFC 200を週末に控えてメインイベントに予定されていたJon Jonesの試合がカード変更。Jonesは当面出場できないことになってます。USADAが行った6月の検査で黒判定が出たと発表があったのが今週前半。それがBサンプルでも同じ結果が出たと金曜日に発表がありJonesへの処分は避けられないものになったようです。Jon Jonesは派手なKOシーンとなかなかうまいお喋りでUFCのスターになった後、コカイン使用がテストで引っかかったのが昨年。今回ドラッグテストに引っかかったと最初に一報があった段階ではそれが前回と同じような違法薬物なのかPEDなのか明らかではなかったのですが、その後のUFC側のコメントその他から今回はPEDの問題であるかのように報じられています。確定事項ではないですが。

もったいないですね。アメリカではボクシングの人気が大きく落ち込み、その代わりとしてUFCを含むMMAが台頭。今となってはトップクラスの選手のファイトマネーの額だけがボクシング側が上回っていることとなっています。しかしながらではUFC/MMAを代表するスーパースターがいるのかというとこれがいないんですよね。知名度なら女子Ronda Rouseyがいますが、男子でコレという顔の選手が足りていないような。

もしかしたらUFC自体がイベント会社としてのUFCのブランド力を保つために意図的に単独のスーパースター作りをしていない可能性もないことはないです。あまり個人に魅力が集中すると契約で選手側に有利になり興業収益を圧迫することもあるでしょうし、その選手の引き抜きを通して他のライバル興業に台頭される可能性もあるからです。

それにしてもジャンルの顔になる選手、既存の格闘技ファン以外にアピールできる選手はもう少し欲しいような。Jon Jonesは二年前ならその格好の候補の一人だったはずですが。現状だとConor McGregorにならざるを得ないのかもしれません。でも一般人より小さいフェザー級ですし外国人ですし。例の引退したボクサーFloyd Mayweather Jr.との対戦の噂があったおかげで名前は少しメディアで踊りましたが根本的には大口は叩くが見た目弱そうというイメージで損をしている選手です。Mayweatherとの対戦が話題になったときもスポーツメディアからは「引退して寂しくなったMayweatherが注目を浴びたくて意図して流している噂。McGregorも同類、二人とも単なる目立ちたがり」と散々な言われようで期待感もまるで盛り上がらず。見た目からの偏見で申し訳ないですがアメリカ人格闘技ファン相手にしてMcGregorを持ち上げるのはは無理でしょう。他方、Mayweatherも自分への期待度の低さに驚いているんじゃないでしょうか。昨年のManny Pacquiaoとのメガファイトで名前は売れたものの、次いで行われた引退試合は一般のスポーツメディアではほとんど話題にもならず静かに引退。本人も期待していたであろう50勝目へのファンの期待感やらPacqiaoとの再戦への機運はまったくないし、カムバックを期待するという話もまるでない。仕方なくMcGregor戦なんていうキワモノで煽って50勝目(やるとしたら異種格闘技戦ではなくボクシングルールとなったはず)を目指すも反応して貰えない状態でした。

日本のスポーツファンで勘違いしていらっしゃる方がときどきありますが、アメリカ人一般はMayweatherが試合をしているところを見た事がない人が圧倒大多数です。スターになった頃からは試合はすべてPPV、再放送があるのもいわゆるプレミアチャンネルという配信家庭数の少ないSHOWTIMEなどで。PPVの権益を守るために当日のスポーツニュースでも試合のビデオは流れず静止画数枚で報ずる形ばかりでした。PPVを購入した人、一週間後にプレミアチャンネルでわざわざ再放送を見てしまう人、違法フィードを見る人など熱心なボクシングファン以外は断片的にですらMayweatherの試合は見たこともないのです。

で、そのMayweatherよりもさらに知名度が低そうなのがUFCのトップファイターということになるんですが… UFC 200も知名度だとBrock Lesnarですものね。








Rouseyとの再戦盛り上げ失敗

UFC 196のダブルメイン扱いだった女子バンタム級タイトル戦で挑戦者のMiesha Tateが5ラウンドでチャンピオンHolly Holmを失神裸締めでアップセット、新王者になってます。無敵だった人気者王者Ronda Rouseyを衝撃のKOで失冠させたHolmとRouseyの近い将来の再戦はUFCにとっては巨大PPVセールスが見込めるスーパーカードだったはず。Holmにこの日の試合を一試合挟ませて次戦のRondaとの再戦を盛り上げようという興業意図だったはずですが、スポーツはシナリオ通りに行かないところが良いところで、既にRondaが過去に決着を付けたはずの相手であるTateが戴冠ということに。

これ、ここからUFCがどういう舵取りをするのか。いまさらTate x Rouseyでもないでしょう。秒殺でRondaがTateを下したのは2013年年末。あの時点でMieshaのRouseyのライバルとしての興行価値はほぼ喪失。その後Mieshaは復活ロードでこの日のHolm戦を含めて5連勝(日本での対中井りん戦を含む)で復活を遂げているとも言えますが、Holm x Rouseyのリベンジ再戦の興業インパクトと比較したらいまさらTate x Rouseyなんてなあという感じです。

だからと言って無冠同士のHolm x Rouseyがアリかというと、無冠のままでこのカードを切ってしまうのはもったいないようでもある。ではHolm x Tateの再戦?それもどうか。Holmの興行価値が急落したのも痛い。Holmがこの日勝っていればHolm x Rouseyのタイトルマッチは話題性ではMMA女子史上最強なのは確定で両者共に億単位の契約となって、UFCのPPVでも相当に良い数字が出たはずなのに。UFCとしては優先事項はRondaの興行価値を最大限にすることのはずで、そうなると結局Ronda x Meishaですかね。それともCat Zinganoなど他のファイターをからませるのか。

Meishaが秒殺決着を喰うまで価値があったのは、4年前の初めての対戦でほぼ唯一Ronda相手に秒殺を喰っていなかったからです(Strikeforce時代)。またルックスの良さというのもあってThe Ultimate Fighterの主役を張ったシーズンもあったり、女子ファイターの中では割と大事にされていたのがRondaとの二戦目で完敗だったこともあって実質的に格下げになっていた。それでもスターの少ない女子の世界で生き残ってきたのは立派とはいえます。ただ…この時点で3年前のリサイクルのカードか…というのは寂しいし、その先にRondaの対Holmリベンジ戦を見込むとある程度のスピードでRondaの復活とHolmの復活戦の両方をこなしていかねばならず、興業としてはかなり間延びしそうです。このようにしてRonda x Holmのプラチナカードの実現が霧消した夜となりました。


Pacquiaoのゲイ否定発言とNike契約解除

ボクシング界の最後の現役スーパースターと言えるManny Pacquiaoが同性愛者について「動物に劣る」と発言、即刻Nikeからのスポンサー契約を打ち切られています。なかなか難しいところがありますが、アメリカの社会の流れを認識できていなかったPacquiaoの認識不足ということですか。発言後、謝罪をしているところからも認識不足が理由の騒動と考えて良いのだと思います。

つい先日のSuper Bowl 50でのハーフタイムショーがらみでも語ってみましたが同性結婚を認める方向に既に舵を切ったアメリカ社会。そこでカソリック国であるフィリピンの出身で、同国の国会議員でもあるPacquiaoが自国国民向けに発言したとしても現時点ではアメリカ側としては許容できる範囲内ではないのでしょう。

いくつか考えさせられます。アメリカ国内でもゲイ結婚に強く反発する人たちは確かに存在します。私人がそういう反対意見を持つことは信条の自由として悪いことは言えません。Pacquiaoはアメリカ人ですらないわけで、彼が国会議員として、また将来の同国の大統領候補とし自国民の信条に近いことを発言するのは自由の範囲内とは言えます。但しPacquiaoがそのお金を稼いでいる対象の多くの部分をアメリカが負っている。そしてさらにNikeはアメリカ企業でその市場もまたアメリカ。つまり政治的にはフィリピンの公人ですが、経済的にはアメリカでも公人である。アメリカでの公人という立場が頭から抜け落ちていたのだろうなと思います。繰り返しますが個人的な信条としてゲイ婚反対という意見は持っていていいと思いますが(この点はNikeも公式文で認めているのがアメリカっぽくて良いです)、公人としての立場を踏み外すとNikeから即刻反発されて数百億円単位で損失となるということのようです。

まあPacquiaoがゲイ婚が嫌いだからと言ってボクシングファンが次の試合(たぶん引退試合になる)を見ないとは思われないですが、次戦がキャリア最終戦なのに報道量や露出量のマイナスで非ボクシングファンにPacqiaoの引退試合が伝わりにくくなるのでしょうか。同時代のスターだったFloyd Mayweather Jr.の引退試合も一般の関心を呼ばないままでの寂しい引退試合でしたがPacqiaoもそうなってしまうとしたらもったいない気がします。

Mayweatherの場合はその素行と犯罪歴から基本的にどこからもスポンサー契約を貰えない存在でした。Pacquiaoの方は英語がうまくない、外国人、アジア人などハンデとなる要素があってもMayweatherよりはずっとマトモなのでスポンサー契約を得られていたわけですけれど、今回Mayweatherとはまったく別方向でキャリア最後でミソを付けて一般企業からのスポンサー契約が打ち切り。ボクシングで一般スポーツファンに名前の知られている最後のボクサーのPacqiaoまで一般企業とやっていけないという形で現役を終えてしまう。ボクシングというジャンル自体が危機的状況なのに、そこへ変な形で余計なネガティブな要素が加わってしまった感じでしょうか。

RondaはリアルKill BillまたはリアルLucy

Ronda Rouseyは昨夜も秒殺で完勝。対戦相手に困る状態になってきています。

ソーシャルメディアを見ていると女性からの支持がどんどん高くなってきているのが感じられるのが新味です。アメスポで女性アスリートが出てくるとその親近感なりで女性からもそれなりに注目は集めるのは確かなんですが、例えばIndyCar/NASCARのDanica Patrickのファンは女性かというと、そうではない。他のサッカーのAlex Morganなり、テニスのWilliams姉妹なりにしても女性の支持が主になっているかというとそうでもないと思うのです。結局のところスポーツファンには女性の絶対量は少なく、サッカーだテニスだと言ったメインストリームではないジャンルで女性アスリートが出てきてもさほどの支持は得るには至らない。女性がスポーツにコメントするのは普通にNFLだったりする場合が多いです。

そういう過去の女性アスリートと比較して女性からのRondaへの熱い支持コメントが多いのはかなり目立ちます。「She's my bi_ch!!!」(これで肯定的な意味です)みたいなものも多いし、え、あなたもRondaの試合なんか見てるの??とびっくりするような女性がRondaの試合につぶやいたりしていて驚きます。つまり強い女性に皆さん飢えていた?

それで思い出したのが表題の件です。Lucyというのは昨年公開された映画です。近年アメリカで目立つ超人的に強い女性を主人公にした作品です。それの宣伝を盛んにやっていて最近こういうの目立つよなあと思っていたわけです。Kill Billの方は10年ほど前に公開されたやはり女性主人公がバッタバッタと相手をなぎ倒すお話です(本当はそうじゃないストーリー自体もひねりがあって悪くないんですけど、実際の売りはそこ)。Kill BIllの頃はまだストーリー性やアンニュイさがあったのがLucyまで来ると、女性観客のカタルシス目的で作って売っているだろこれ?という感じのものでした。他にもそういうフレーバーの群小の映画は多く、この手の映画が売れるのかあと思っていたわけです。

アメリカではスポーツは男性が、映画は女性が主たる購買層です。もちろん男性向けの映画もありますし、スポーツでも女性ファンを多く獲得しているものもありますが、基本構造はそうです。つまり女性はスポーツは見ないんだけど、めちゃめちゃ強い女性ヒロインには強い需要があったんだと推測できるわけです。そこへモロに嵌ったのがRonda Rouseyということかなと。

以前も書きましたけどRondaの試合は秒殺ばっかりなのでお金を払うのに躊躇するところが強いんですが、家庭で普段は男性が主導権を持って購入しているであろう格闘技のPPVで奥さんなりガールフレンドなりからの需要・後押しがあるのはここまで支持の厚みが出てくるとけっこう効くのかもしれないと思い直した次第です。

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