アメリカスポーツ三昧

アメリカ永住コースか、または第三国に出国か!?スリルとサスペンスの人生とは別にアメスポは楽しい。

格闘技

Aaron Rodgersが副大統領候補に名前があがる

さすがにガセだと思いたいのですがAaron Rodgersの過去の行状からすると絶対ないとは言い難いところがおもしろいです。今年11月に予定されるアメリカ大統領選挙。それに二大政党以外からの立候補を模索しているRobert F. Kennedy Jr.氏のランニングメイト副大統領候補にAaron RodgersやJesse Venturaといった名前が取りざたされています。

老老再対決が(不測の事態を除いて)確定した大統領選。そこに第3の候補として乗り込むことをRobert F. Kennedy Jr.はまだ諦めていないようです。RFK Jr.はSuper Bowlの高額CM枠で宣伝を打って注目を集めようとしていますが期待論のようなものは盛り上がっていない。
それでもこんな副大統領ネタが出てしまう。選挙戦のスパイスというのが役回りなんでしょうか?

この副大統領候補の名前を見ると関連州はほぼ全部2020年の大統領選で民主党候補のバイデンが勝った州なのが訝しい。
Rodgersは現在NFL New York Jets所属ですがGreen Bay Packersでプロのキャリアの大半を過ごした。出身はカリフォルニア州でカレッジもCal。Jetsは名前はNew Yorkでスタジアム所在地はニュージャージー州。Packersはウィスコンシン州。
Jesse Venturaは独立系候補としてミネソタ州の知事となった元プロレスラー。現役時代は新日本プロレスにも来日して飛龍十番勝負に登場した選手でもあります。日本ではぱっとしなかったですが喋りのうまさでアメリカでは一定の人気を得ていた。知事選のときの活動も見てましたが、正直さを売りにしていて政治の素人であることを隠さず「その質問については知識がない。申し訳ない。勉強してくるからまた聞いてくれ」など率直さで住民の信頼を集めたと理解してます。ミネソタ州出身72歳。またそんなご老人を。RFK Jr.氏よりも年長です。

Rodgers関連のニューヨーク・ニュージャージー州やカリフォルニア州は民主党の地盤。ウィスコンシン州は大統領選全体の勝敗の分かれ目になる激戦州でもしRFK Jr.氏とRodgersが本当に立候補したらウィスコンシン州はたぶん2020年にバイデンが獲った民主党系の票が剥がされてトランプ有利になりそう。2020年は勝ったバイデンは得票率50%に届いていない、僅か2万票の差での勝利。副大統領候補Rodgersにバイデンから2万票以上剥がす力があるか。あるんじゃないでしょうか。
ミネソタ州は民主党有利とされますがそれほどマージンは大きくない。もしVenturaが今も影響力を持ってるならここでも2020年に勝ったバイデン側に不利に働きそうです。

つまりRodgersやVenturaを副大統領候補としてRFKが活動を継続するならバイデンに不利な材料ばかりというように見えるわけです。RFK Jr.氏自身はWashington DC出身ですがKennedy家はマサチューセッツが地盤。いずれも民主党の鉄板州・特別地区です。


さすがにRodgersがNFLシーズンをほっぽりだして選挙に打って出るというのは奇抜。特に昨季移籍早々のケガで離脱。復活を目指すシーズンとなる2024年シーズンに勝利の可能性のない第3の大統領候補の副大統領候補としてRodgersが出る?どういう状況でそれがありうるのか良くわからない。

ありうるのはRFK Jr.氏は民主党の影の部隊でRodgersをテコに激戦州であるウィスコンシン州の選挙民の注目を高めたいというところか。投票率が高ければ高いほど共和党候補には不利という全体の傾向があります。

RodgersはPackers時代の終盤からいろいろ言わなくても言いようなことをべらべら喋ってる。Jets移籍後もケガで離脱したあとも黙ってなかった。おしゃべりするのが好きなんでしょう。そういう性格的な理由で副大統領候補にと言われたらやってみようかと思うタイプか?ありえないことはないのかなあと。
またRodgersは付き合ってる女性に影響されやすい性格とされ、今の彼女さんはスピリチュアルななものがお好きとかでRodgersもそれに影響されてそっち方面に流れているという観測があります。そして激戦州のウィスコンシン州での知名度や好感度は抜群。変化球としてはおもしろい人材ということになるのかもしれません。

10年$5Billionの放映権でWWE RAWがNetflixへ

すごい金額の放映権契約が発表になっています。WWEの月曜日の定時放送であるMonday Night RAWが2025年1月からストリーミング大手Netflixでの放送になるとのこと。その金額が総額$5 Billion。びっくりするような金額になってます。

昨年秋のUFCとWWEが合併したときに取りざたされた金額が$21 Billion近辺。それもすごいなと思いましたが、それは将来の転売価値やらも含めてのお値段です。単なる放映権契約で$5 Billionはすごい。UFCやらF1やらが身売りしたときの金額は$4 Billion近辺でした。
年間の放映権料が$500 Million。このレベルの金額では現RAW放映権者のケーブル局USA Networkでは対抗し得なかったのでしょう。ケーブルTVというビジネス形態の長期低落傾向もあり10年という長い期間のコミットも苦しかった可能性があります。
USAと同系列のNBC系のストリーミングのPeacockはWWEのPLE(プレミアムライブイベント=過去PPVと呼ばれたWrestleManiaを始めとする特別試合)の放映権を既に持っているので、さらにRAWを獲得しても新たな視聴者増につなげられないのでNetflixが張り込んだような金額は出せなかったと想像できます。

かと言ってNetflixにとってはスポーツ放映は初の試みとなるため不安がなくもなさそうです。Netflix側もなにやら変な言い訳をしていて、スポーツ放映に舵を切る気はない云々。
言い訳はそうとしてもライブ番組を持っているかどうかは生き残りに大事な条件だとNetflixも考えているからそこまでの金額を張り込んだわけでしょう。


今日は金曜日。先週の金曜夜のFOXで放送されている定時番組のSmackdownが私の知る限り驚くような中身の悪い放映でした。ほとんど出てくるのが半年前とかつい最近まで二軍のNXTに出ていた選手の試合ばかり。明日の土曜日が2024年最初のPLE Royal Rambleの特番で、その1週間前の放送がこれだけひどいとなると逆に何か画策しているんじゃないのかと勘ぐりたくなるぐらい出場メンバーがひどかった。
Royal Rambleは男女とも30名が参加する大掛かりなイベントなので出場メンバーにケガ人を出さないようにするために二軍メンバーでお茶を濁した感じかとも思えますがそれにしても思い切って二軍だらけにしたもんだなと。
その翌週にNetflixとの大型契約が発表になったのでなにかそれとの関係はあるのかなといぶかしくもありました。






NXTが地上波CWに来秋から移動

WWEの第3ブランドであるNXTが来年秋から地上波のマイナー局CWに移動することになったと発表になりました。CWについてはNASCARが第2ブランドのXfinityシリーズの放送を2025年からCWに移動するという話題でこの夏に触れました。その前には例のゴルフのLIV Golfの放映権を獲得していたし、今季はカレッジフットボールのACCの試合の中継もしているなど一気にスポーツコンテンツの充実に走ってます。

WWEはRAW(毎週月曜放映 USA Network)とSmackdown(金曜 地上波FOX)の2ブランドが一軍、NXTは火曜日放送でUSA Networkで放送されていました。2番組態勢だったUSAがRAW一本に絞ったということになります。
NXTは今年になってから一軍の選手の出張参戦が増えていて特にその傾向がこの夏から加速。先月にはNXTとしては初の視聴者数ミリオン超えを狙ってJohn CenaやUndertaker、Becky Lynchなど大量に一軍メンバーを投入したりもしました。結果は92万人にとどまっていました。

推測ですが今のCW移籍の報道のタイミングからしてUSAには10月時点でNXT放映の更新の優先オプションがあったのを行使しなかったんでしょうね。ケーブル局USAでの二夜連続のプロレス放送はWWE一軍選手のテコ入れをしても100万人には届かないことからUSAはNXTの維持を諦めた感じでしょうか。USAが同じく放送するRAWはNFL Monday Night Footballの真裏となる今の時期は視聴者数130-150万人、フットボールのオフシーズンならしばしば200万人を超える優良番組です。USAとしてはRAWを手放す選択肢はないのは当然ですがNXTをセット放映権ではWWEが金額でかなりふっかけたんでしょう。

CWと4大ネットワーク(ABC/CBS/NBC/FOX)とはまだまだ大きな差はありますがスポーツコンテンツの拡充でCWにチャンネルを合わせてくれる家庭が増えれば次第に力をつけてくる可能性があり中期的に第5の英語地上波放送局としての存在感を増してきそうです。
CW移籍後にNXTにどれぐらい一軍選手を投入するのか先は見えませんが新たな顧客のCWへのサービスで来年の今頃はNXTも賑やかになっている可能性は強そうです。


Logan Paul「ボクシングはホビー」

ボクシング報道が多い日本なので大きく報道されていると思いますが英国で開催されたボクシング興行でLogan PaulがDillon Danisに反則勝ちした試合がありました。事前には興味がなかったんですが反則とその後の混乱がウケていてスポーツマスコミだけでなく大きく報道されています。

試合後のリング上のインタビューではPaulは「Danisは卑怯者」「ボクシングは自分のホビーだから」「またやるけど」「本職はWWEのスーパースターだ。Rey Mysterio、USヘビー級タイトル戦待ってろよ」など喋りのプロらしく言いたいことはもれなく言った感じです。
こういうのを見ると喋りの能力っていうのは才能だなとつくづく思います。

Danisがギロチンチョークを仕掛けたところから一気に試合終了までの流れは楽しかったようです。ピュアなボクシングファンからは強い批判は出るでしょうがアメリカには既にピュアなボクシングファンなどという方々は多いとは思えず、おもしろおかしく報じられているかに見えます。それしか大衆に対しては切り口がない。
この結末を見通した人はいないにしてもLogan Paulなりの非ボクサー出身者を起用した時点でピュアなボクシングファンからは歓迎されないだろうし、他方こうでもしないと興行の露出力が足りないという現実もあるってことではないでしょうか。


ボクサー対ボクサーでも44歳Manny Pacquiao 対 46歳Floyd Mayweather Jr.の方がいかなる現役の選手のタイトルマッチよりも露出があるのは動かせない事実です。それも数十倍規模で。
さらにMMA選手のConor McGregorなどを混ぜると色物度が上がりますがこれも現実的にはボクサー対ボクサーの試合よりも売上が出る。売上が出るってことは需要があるってことです。需要があることは絶対善ではないですが強い誘因であることは動かせない。

その根っこにはボクシングが格闘技から相手を倒さないスポーツに変わっていったことで失ったファン層が相当あるということではないかと思います。人間の中に潜む格闘本能をスポーツ化して需要として取り込んだビジネスとしてのボクシングはもう存在していないのではないか。階級細分化でのチャンピオンの粗製乱造という手管とその結果としての減量競争も一旦興味を失えば興ざめでしょう。マニアのためのジャンルになってしまっていると評しても良いように思います。
でもそれについてはボクシング側が変える気はなさそうなのですから、他の形で需要を喚起するしかない。それが今の非ボクサーがボクシング興行で対戦する試合を混ぜるという形ですよね。

今回のPaul対Danis戦にお金を払ってまでこの試合を見てくれるのは従来のピュアなボクシングファンなのかそれともそれ以外の層なのか。批判の声は熱心な前者から上がるでしょうがこの顛末をくすくす笑って楽しんだのは後者なのでは。どちらも悪いとは言えないようにも思えます。
昨日のCavinder Twinsの話でも書きましたがいまさら競技をやって見せるだけでお金を貰えるような幸せな競技なんてごく僅かにしか存在しないのではないか。

バスケ双子姉妹が分離

いろんな部分で当ブログの守備範囲に抵触する話題なので取り上げてみます。カレッジ女子バスケットボールでMiami-FL所属だったHaleyとHannaのCavinder姉妹についてです。The CavindersまたはThe Cavinder Twinsと呼ばれていてTikTokで人気者になりその後NIL施行後に即契約第1号(と2号)になったことでも話題になった2人です。当時はNILで想定されていた実力派の人気種目のスター選手をさしおいて女子バスケのソーシャルメディアスターがNIL契約の一番乗りとなったことで取り上げました。

その後、所属していたカリフォルニアFresno Stateから北米大陸を横断、フロリダMiami-FLに転校。1シーズンをMiami-FLでプレーした後にバスケからの引退を表明していました。しかし方向転換してHaleyのみ来季再びカレッジバスケをプレーすると表明。トランスファーポータル入りするとのこと。もうすぐ始まるシーズンはMiami-FLでも他校でもプレーしない。
春に引退と言ってしまっているのでMiami-FLにしても他校にしても選手枠はそれに応じて埋めてしまってる時点ですから急には受け入れられないですから今季プレーできないのは仕方ないでしょう。

昨季は2人の成績に大きく差がでて、Haleyの方は12.2得点4.9リバウンドと健闘してMiami-FLの学校史上初の全米8強進出に貢献。Hannaの方はベンチ要員となり3.8得点。一卵性双生児で生活もトレーニングもずっと一緒にしてきても差が出るときは出てしまうんですね。
春時点では2人揃って引退を表明したのですがHaleyのみ来季に向けてバスケでもう一度ということになったようです。

引退してどうするつもりだったかというとプロレスWWEに参加することを目指していたという話になってます。The CavindersがWWEのNext In Line契約でNIL契約を結んだことは2021年の契約当時にも書きました。当時は2人はNIL契約は結んだけどプロレスには興味がないプロレスラーになる気もないと明言していてそっけなかったのですがそちらも方向転換。Hannaはバスケを引退してWWEでプロレスデビューに向けたトレーニングを開始。Haleyの方は2024−25シーズンにカレッジバスケシーズンをもう1シーズン戦った後にHannaに合流してWWEデビューを目指すということです。

なかなかうまいんではないでしょうか。バスケの才能はないと見切ったHannaの方が先行してWWE入り。Haleyの方はもう1年別のフォーラムである女子バスケ界でさらに名を売った上でWWE入り。合流のドラマ作りはWWEも得意とするところでしょうから同時に来られるよりも良いかもですし、いろいろうまくいきそうかもなとは思います。Cavindersのマネジメント会社は「他の事業」もあると匂わせているのでバスケもプロレスもそのほかの事業とやらのために2人の各所で知名度認知度を上げる手段ということと見ても良いように思います。

WWEは女子選手のストックは多い。元々の優良な手持ちの一軍選手も豊富な上に先日のPLE NXT No MercyでBecky Lynch相手に堂々の名勝負をやってのけた前NXT王者 Tiffany Strattonも遠からず上がってくるだろうししケガで出遅れていますが大物のNikkita Lyonsもいる。AEWから無敗王者だったJade Cargillが移籍加入。浪人放浪中のSasha Banksもどこかで戻ってくるでしょうし手駒はたっぷり持ってます。
そういうところへプロレスが好きでもないHanna Cavinderが入ってきてもそう簡単にロースターに食い込めるかどうかはわからないですが、WWEからすればNext In Line契約初年度の目玉選手だったわけですから受け入れはよろこんでというところなんでしょう。

The Cavindersの動きというのはいろいろ従来のプロのアスリートというのとはかなり異なる歩みですが、いつも当ブログで書いているただスポーツをやってそれを見せるだけでお金を貰うというのはもう時代に合わないのではないかという主張から見れば、確かにこういうのが新しいスポーツでお金を稼ぐ方法=プロなのかなとも思います。

混雑10月NHL開幕日とプロレス

今日火曜日はNHLの開幕日。ESPNとESPN+で3試合が放送予定。Nashville Preditors@Tampa Bay Lightning、Chicago Blackhawks@Pittsburgh Penguins、Seattle Kraken@Vegas Golden Knightsの3試合。VGKの試合は昨季の優勝の優勝旗掲揚・優勝リング授与その他のセレモニーの放送付きとなってます。

今年もVGKは強いという前評判です。2試合目のBlackhawks@Penguinsは今年のドラフト全体1位指名になったConnor Bedardがいきなり一軍登場となるか。Bedardの憧れの選手はPenguinsのSidney Crosbyとうことで事前盛り上げでBedardとSidの対談ビデオなんかも流れてきています。NHLの次期スーパースター候補のデビュー戦。これをESPNで8PMからのプライム枠で放送して全国お披露目となります。

しかし10月のアメスポの混み合い方は激しくスポーツ放送最大手ESPNの放送のこのBedardデビュー戦がどれほどの視聴者を集められるかは見通せません。裏番組にはMLB ALDS Baltimore Orioles@Texas Rangers第3戦もあるし、NBAはプレシーズンマッチですが優勝候補同士となる昨季のチャンピオンDenver Nuggets@Phoenix Suns戦もある。さらにはプロレスの2団体がPPVクラスの好カードをこの火曜日にぶつけてきて覇を競うという事情もあってどこがどれぐらいの視聴者を確保できるのかわからない。

MLBはFOXでのプレーオフの地上波放送なのでさすがに他の放送を上回るのではないかと思いたいのですが全国区で人気があるとは思えないOriolesとRangersというカードはちょっと弱そうではあります。

プロレスの方はWWEは火曜日は第3ブランドのNXTの通常放映日。ここ1ヶ月ほどNXTは気合が入っていて一軍の人気レスラーを次々と投入していて視聴者数が2−3割も増えてます。対抗団体のAEWのメイン番組であるAEW Dynamiteは通常はTBSで水曜日の定時放送なのですが、今週の水曜日はTBSではMLBのNLDSの放送があるため放映日をずらされて前日の火曜日に放送することになり、それでNXTと時刻が丸かぶりという臨時の放映戦争となってます。

NXTは最大手WWEの第3ブランド。DynamiteはAEWの主番組。これがNXTが一軍選手でテコ入れされてここ最近NXTの視聴者数がDynamiteを上回っている。AEWにとっては負けられない正念場。

そのタイミングで両番組が真裏で対決。WWEは今回のNXTにJohn Cena、Cody Rhodes、Asukaまで投入して時間を延長して3時間番組化で迎え撃つ。AEWの方も移籍したばかりのEdge=Adam CopelandのAEWデビュー戦を含む豪華版のカードを並べてます。番組開始から30分はCMなしと宣言していて絶対にチャンネルを変えさせないぞというかNXTのCMの時間にこっちにチャンネルを変えさせたいということなんでしょう。

プロレスはニッチで特殊で閉じたジャンルなのでメインストリームのMLB/NBA/NHLと視聴者争奪にはさほど影響はないかとも思いますがそれでも同時刻にこれだけ重なるとすごいなと。AEWは通常放送の枠から移動するのでそれ自体が不利だし、同系列のTNTが上述のNBAプレシーズン放送中に裏でということになるため番宣も限られそうですがそれを跳ね返せるのか。MLBとNBAにかぶされたシーズン開幕でNHLがどれだけ数字を出せるのか。下位の健闘が期待される火曜日になります。

それで急にNakamuraが

WWEが日本での放送に再参入することになったようです。Abemaでの無料定時放送プラスPLE(Premium Live Event)。あーそれで急にShinsuke Nakamura推しだったのかと合点がいきました。1ヶ月強前ぐらいからかな。唐突にRAW側の最高王者のSeth Rollinsの相手として推され始めた理由がよくわからなかったのですが日本再参入があの時点で確定していたってことですね。あとから考えればその時期にGreat Muta(素顔ですが)が試合リングサイドで観戦に来ていて放送中にも言及されていたのもどういう意味なのかと訝しかったのですがあの時点で日本向けのWWE選手たちの取材ビデオを撮りに来ていたってことですか。すべてがうまく理解できました。

Nakamuraは昨年の10月頃からTVマッチにまったく出なくなっていた時期がありました。当時当ブログではコメント欄になりますがこういうことを書きましたので再録します。(コメント欄は検索で探せないので)

Nakamuraは英語がいつまでたっても下手で喋れないですから良い抗争がないんですよね。コンビにお喋りのうまい選手をつけてもらってちょっと良くなりそうだった昨年、WrestleManiaの試合中にその相方が大腿四頭筋断裂の大怪我を負って離脱。まだ戻ってきてなくてそれ以来Nakamuraには方向性がない状態のままです。一番最近TVマッチに出てたのって二軍のNXTに10月だか11月だかに出張出演したときではないかと思います。毎週見てるわけじゃないのであったかもしれませんが一軍のTVでは試合に出場しない場合がほとんどと思って良いです。
今調べて見ました。この全戦績ログのページを見ると最近は非TVマッチでGunther専属の負け役になっている模様です。シングルで最後に勝ったのは最弱キャラのDrew Gulak戦、TVの生放送日の興行でだけれど電波には乗らなかった試合(dark)となってます。
これによると11/11のSantos Escobar戦(負)が最後の一軍TV登場のようです。以来丸2ヶ月TV試合なし。
http://www.profightdb.com/wrestlers/shinsuke-nakamura-2978.html

このコメント(今年1月)を書いた後もNakamuraのTVマッチ不在は続き、TVマッチ復帰後も今年の5月−7月頃にはシングルでRicochetだのBronson Reedだのの中堅どころを相手に負け役をやっていた。それが8月ぐらいに急転新世界王者のSeth Rollinsの次の挑戦者扱いになった。何?なぜ?という感じでしたがそれが日本との話がまとまった時期ってことなんですね。露骨ではありますがこういう海外進出の際の先兵をやってもらうためにWWEとしてはShinsuke Nakamuraをロースターに残してきたとも言える。せっかくの機会ですから来週末のPLE Fastlaneでの世界王座戦で好試合を期待しておきます。


あと女子の方ですがIyo Skyがこの春のMoney In the Bankで優勝ののちSmackdownの女子王座を初戴冠。これも日本進出込みでの抜擢だったのかなと思うとちょっと残念な気がします。飛び技が売り物とされますがTVマッチでIyoの空中技が冴えたという場面は多くない。所属のトリオDamage CTRLはたぶん来週のFastlaneで破綻解体の方向にストーリーが向かうことが示唆されている。ここまではチームリーダーのBayleyやDakota Kaiにお喋りではフォローして貰えていたのがDamage CTRLが解体になった場合にどうするのかちょっと怖いような。IyoにせよAsukaにせよ日本語でまくしたてるというギミックでお茶を濁してるんですがあれは日本市場向けにはあのままでも良いとして、アメリカ市場向けでは長続きしないのでは。

あとは日本側の告知画像でRAWのメンバーにAkira Tozawaがいるかのようなのを見かけました。それはまたムリなことをという気がします。知らないと思ってむちゃするなぁという。
この前Mizに簡単に負ける役で出演はしてましたけど根本的にTozawaは一軍選手ではないし第3ブランドのNXTで先週までやっていた「Global Heritage Invitational」という男子のリーグ戦形式の試合に参加していましたが全敗で敗退。全敗役なだけじゃなくてTozawa出場のリーグ戦自体がNXTで放送されず、さらにその下のNXT Level Upというストリーミング専用番組に回されていました。一軍どころではなく第3ブランドのNXTでも最下層扱いにほど近い。そういう選手を日本人だからと言ってRAW所属のように見せるのはいかがなものか。細かいことは気にしない方がいいのか。
たぶんTozawaは裏方に近い意味で英語のできない日本人選手の受け入れお世話係というポジションを維持しているのではないかと想像してます。


全体の話に戻ってなぜこの時期にWWEが日本市場に回帰するかという点。一度は撤退した日本市場になぜという。WWEが日本事務所を閉めたのはまだここ数年ぐらい前の話ではなかったでしょうか。
その理由を私が憶測するとアメプロ第2勢力であるAEWが新日本プロレスと組んで日本向けの放送を開始した事をWWE側が問題視してこの展開なのではないかと思います。過去WWEはさまざまマネタイゼーションを日本でも展開してきましたが強固な独自のプロレス文化を持つ日本市場は他の国への進出とは勝手が違う。しかしながらAEWばかりが放送されていてWWEの放送がない状態を長く続けるのはまずいという判断じゃないでしょうか。

ESPN.comにはCM Punkファンがいる?

AEWの英Londonでのビッグマッチのことは書きました。そのバックステージでCM PunkとJungle Boy Jack Perryが騒動を起こしたそうでAEWがCM Punkとの契約を解除したと発表したと報じられてます。報じてる媒体にはESPN.comも含まれています。

2年前にCM PunkがAEWに加入したときにESPNが上位でそれを報じていてびっくりしたということを書きました。そして今回のCM Punk解雇もESPN.comがトップニュースとして報じている。これってカレッジフットボール開幕週でネタは多い土曜日でも報ずるほどな事件なのか。ひょっとしてESPN.comの編集責任者がファンとかでしょうか。

AEWの新番組の今夜のAEW Collisionは冒頭でその説明があるのかも。気になるので普段見ない人までチャンネルを合わせてしまいそうで発表のタイミングは一種の炎上商法かもです。(それはWWEもよくやる手です)
それとはまったく別口で今夜のAEW Collisionには元NBA Dennis Rodmanが出演するという話もあります。場所はRodmanも所属したNBA Chicago BullsのホームアリーナUnited Center。

AEW Collisionというのは今年6月から始まったばかりのAEWにとっては3番目の定時番組。TNTで放送。
わざわざ3番目の定時放送を作ったのは問題行動の多かったCM Punkを新番組に隔離しながらCM Punkに活躍の場を与えるため。CM Punkを嫌うAEWの主力メンバーとの切り離しての活用が主目的だったはず。その当のPunkがクビではAEW Collisionという番組自体が成立しなくなりそうです。いまさらすぐに番組やめますとは言えないでしょうから新方向を模索することになりそうです。

今夜の開催場所はPunkの出身地元であるChicago。AEWはChicagoでよく試合を開催しており、Punkの地元人気に頼って動員も毎度よく入れているように見えました。それが今日は地元興行に急にPunkが出場しないのですからファンからの暴動もどきの罵声が飛び交ったりするんですかね。今日の観客が荒れたりするとAEWにとっては数少ないホームテリトリーとも言えたChicagoでの今後の興行に躊躇するかもです。

ネット上ではCM PunkはWWEに復帰するのかなどと書かれていますが、それはVince McMahoneの目の黒いうちにはありえないでしょう。それにCM Punkが連れてくるであろうこじらせたファン層はいまさらWWEは欲していないように思えます。
AEWでも記者会見での問題発言で出場停止処分&タイトル剥奪で一度クビになるかもという事件も起こしていた44歳。いまさらWWEに戻っても使いようもないし大人しく使われるような性格でもなさそうです。

PunkとPerryが騒動を起こしたのはWembley Stadiumでのショーの第1試合のCM Punkの試合が終わった後だったという話になってます。Jack Perryは26歳、AEWから見れば数少ない自前で育てたベビーフェイスの若手スターの一人ということになります。入場テーマ曲もAEWがPerryのために買い取っていたりと優遇してました。
AEW Collisionに隔離して彼を嫌うメンバーと揉め事を起こさないようにしていた。全員総出演となったWembley StadiumでのビッグショーではCM Punkが第1試合出場にしてたのもPunkにはさっさと試合を終えさせて会場から送り出したかったからかもですが、それでも騒動を起こしちゃうんですからもうかばいようもないってところか。

事態が急なせいでしょうTNTでの番宣のテロップにはクビにしたCM Punkの顔が乗ってる。来週までには消されるかな。

【追記】Collisionの冒頭でTonyが「このビジネスにたずさわって初めて身の危険を感じる事態だった」と述べてCM Punkの解雇について発表してました。収録の始めの部分でCM Punkチャントも少し聞こえていたようでしたがおおむね変哲もない放送だったようです。冒頭10分ぐらい見てあとは見てません。

AEW All In後の展望が見えにくい

プロレス業界第2位のAEWが先週末に英Wembley Stadiumで行ったビッグマッチ「All In」のPay Per View(PPV)購入数の数字が出てます。168,000件がPPVでの販売数。それに過去のイベントの例から類推される一部の国でのストリーミングからの視聴者数を加えると184,000人以上が視聴したということになるようです。英国現地会場での盛り上がりと比べて渋い数字かなという気がします。

大会場であるWembley Stadiumは盛況で現地動員は81,035人と発表されていました。最初に大箱のWembley Stadiumでの開催が発表されたときにはそんな大スタジアムで大丈夫か埋められるのかと思ったのですが立派な動員を達成してます。一方ざっとあそこに集結した人たちの倍程度がPPVで見たということになります。アメリカを含む全世界であの倍程度しか視聴していないと表現した方がより現実か。

AEWは2019年の設立。過去のPPV販売の最多記録は2021年の「All Out」が215,000件、2022年の「Revolution」が175,000件で過去2位の実績。ストリーミングからの数をカウントするのかどうか次第ですが前年の同団体2位実績のイベントから減ないしは横ばい程度と評価すべきでしょう。伸びているとは絶対に言えない。
これはここ1〜2年のAEWの定時放送の視聴者数の推移とほぼ同じ傾向と言えます。2021年頃には多くの週で110万人を超える視聴者を持っていたのが2023年にはいってからは100万人超は2度だけ、90万人台70万人台の週もありますが概ね80万人台の狭いレンジで推移してます。昨今のスポーツ番組と比較すれば80万人台でも合格な数字でしょうが伸びははっきり止まっている。2年前からはおよそ2割減での安定。
ついでに言うとプロレス放送の視聴者って裾野が狭い。好きな人は好きですがそうでない人には完全にスルーされるし避けられる。同じ80万人でもクセのある層になってしまうので評価が分かれる視聴者数・層ではあります。数字も安定しているしファン層が狭いのも手伝っていつも同じ人が見ている可能性が高そうなのがスポンサー的にはおいしくないかも。

さて2021年から2022年頃はAEWには勢いがあって業界トップのWWEのMonday Night RAWを視聴者数で瞬間的にでも抜ける週があるかもという期待がAEW支持者にはあったかと思います。WWEのMonday Night RAWはその名の通り月曜夜の放送で、毎年9月にNFLシーズンが始まるとMonday Night Footballの真裏の放送となってしまうため毎年その時期は視聴率が2割前後がっくり落ちる。そこをめがけてAEW Dynamite(毎週水曜日放送なのでフットボールシーズンの影響小)が全力でピークを持って行って一週だけでも抜くことができればスポンサー向けやファン向けにWWE超えと大きなアピールとなったはずでした。WWE一強を崩せるかもという期待感が膨らんだはず。しかし老舗WWEはしぶとく結局一度も抜くことができないまま。そして2023年はAEWの方が退潮停滞期に入ったという流れになってます。

AEWの今回の英国でのビッグマッチが8月末に企画されたのもきっと昨年と同じくNFLシーズン開幕=Monday Night RAWの年間でWWEが一番弱い時期に挑戦する意図もあってその時期にしたんじゃないかと思うんですがいかんせん前年前々年までと違って米国側で視聴率競争を挑めるような状況ではない。最近はRAWとAEW Dynamiteはほぼダブルスコアの視聴率の差になってますからここからRAWがNFLシーズン開幕で2割落としてさらにAll Inからの波及効果ブーストがあっても迫ることはできない差に見えます。そして今回発表されたAll InのPPV数も伸びていないので波及効果は限定的になることが予想できます。


AEWの停滞の理由はいろいろ指摘できます。2022年まではWWEが自陣営のリストラを敢行、大量解雇したレスラーがAEWに移籍。それがAEWの勢力拡大に見えた時期がありました。WWEから放出された選手の大半はAEWが収容したんですけどあとから眺めてみるとWWE側のリストラ選別の目は正しかったのだろうと思えます。AEW移籍デビューを大ニュースのようにAEWファンは歓迎していましたけれど結局のところ移籍そのものが最大のイベントでその後は尻すぼみの展開がほとんど。落ち着いた今から眺めればWWEの選別で落とされた選手ばかりを大量に抱えた状態になってしまってます。深読みすればWWEに抱えさせられた状態とすら言えそう。

先週亡くなったBray Wyattも一時点でフリーエージェントだったんですがAEWは獲得できませんでした。ちなみに先週末のAll InでBray Wyattの定番小道具だったランターンを入場のときに持ち込んでいるシーンがありました。他団体選手からの追悼の表現だったと思います。
他のフリーエージェントの大物では女子のSasha BanksもAEW入りを渋っていてAEWは獲得に至っていない。今もフリーランスのまま。この夏前から英国出身のDrew McIntyreがWWEとの契約更改がうまく進んでおらずTVマッチへの登場が激減。AEWの引き抜きと出身地元英国のシンボル的会場であるWembley Stadiumでのビッグマッチにサプライズ登場という可能性が考えられました。しかし結局はそれも実現せずWWEと契約更新。SashaやBrayがAEWに加入していたらもう少し状況は異なっていたかもなぁと思いますがどういう事情だかそうなっていない。McIntyreの引き抜き失敗も含めなにかAEW加入を躊躇させる裏事情がありそうです。

一方AEWの創始者だったCody RhodesがAEWから離脱、American NightmareのままWWEでベビーフェイス復帰で成功している。タマ数ではWWEからAEWに行った選手の方がずっと多いけれどCody一人だけがAEWからWWE移籍しただけでWWEの方が得をしてるように見えます。CodyはAEWの創始者なのに明確なストーリー上の理由もなくAEWファンから意味不明なブーイングを食っていたりよくわからないAEW離脱経過だったように見えました。あれってCodyの奥さんが黒人女性だからだったんですかね。それとも夫婦で仲良くリアリティTV番組に出ていたのがチャラいとコアなAEWファンからみなされたか。
Codyは最近制作された「American Nightmare - Becoming Cody Rhodes」という本人が半生を語りまくるドキュメンタリー番組でもAEW離脱についてだけは「それについては話せない」ときっぱり断っていました。他の話題はたっぷり語っていたのでその拒否が目立ってました。


AEWは資金のバックがNFL Jacksonville Jaguarsのオーナー家から出ていて資金は潤沢。よって過去のプロレス新興団体のように資金切れで息切れすることは近い将来はないはず。AEWの代表はJaguarsのオーナーの息子Tony Khanでありまだ40歳と若い。Tonyはプロレスオタクだったそうで、その昔Ted Turnerが率いたWCWが退潮になったらあっさりWWEの軍門に下ったような早急な精算での幕引きはまだしばらくはないはず。あるとすればJaguarsのオーナーであり父親であるShahid Khan73歳が退任してTonyがJaguarsの経営を引き継ぐなどでAEWへの熱意や時間が失われたときでしょうか。

資金は潤沢とは言え業界トップから離された万年2位が固定してしまった場合にAEWにつぎ込むエネルギーや資金がどう経営判断されるかはわからない。
今回のAll Inでの英国での成功は今後の展開への期待感をつなぐ成功とは言えるのでしょう。特に海外展開でしょうか。Khan家はパキスタン系。イスラムには親和性はあるということになるので昨今目立つ中東からのスポーツ産業への投資呼び込みや進出という展開もあるのかないのか。ただあの中東マネーってはっきりと一流好みですからマイナー臭がついてしまうとつきあってくれなくなるかもしれないというおそれはあります。マイナー臭がつかないようにAEWをどう迅速に展開発展できるものか。WWEをサウジ資本が買収しようとして失敗したという顛末もあったので方向を変えてAEWを買収、資金投入でWWEから大量の大物引き抜きというようなことがあるのかどうか。そこまでやろうと思うほどの投資の魅力をAEWが出せるかどうか。
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