アメリカスポーツ三昧

アメリカ永住コースか、または第三国に出国か!?スリルとサスペンスの人生とは別にアメスポは楽しい。

New Sports/Minor Sports

最後の最後にがっかりのラクロス世界選手権

残念なものを見てしまいました。4年に一度のラクロスの世界大会である世界選手権の決勝戦が行われ、恥ずかしい審判の誤審およびタイムキーパーの三度ものアシストで米代表が逆転勝ちで優勝しています。好大会だったのに、こんなフィニッシュは見たくなかったです。

8−7とカナダがリードした試合の最終盤にカナダがポゼションを得たのですが、ここで審判がカナダ側にオフサイドがあったとしてポゼションをアメリカ側にわたす。ESPN2でのアナ・解説者も即座に誤審を指摘しましたが、ボールを得た米代表側は即座にリスタート。そのまま同点弾。これはマズい。マイナースポーツではビデオレビューがないことは仕方ないとして、この大会を左右する大事な場面での明瞭な誤審をやってのけるのは。
これだけならまだ誤審というだけで済んだのですが、それに続いて同点で米代表がラストショットを打とうかという試合時間が残り12秒から米代表は4本のシュートを打つ機会を得て最後の4本目が1秒残りで決まって逆転優勝。え?12秒から3本もシュートを打ってその3本はすべて外れてアウトバウンドになったのにまだ4本目のシュートを打ったのが入ってなお1秒残り?どうやってそんなことが起こりうるのか。
タイムキーパーが時計を止めまくり、インバウンドのたびに時間を足したからです。そんな馬鹿な。2本目が外れたときには2秒とかだったのを5秒に増やし、さらにもう一本シュートを打って0.7秒になったのを2秒に増やし、決勝ゴールの機会を確保。カナダ側には抗議の機会もないまま米代表側に有利な変更が何度も加えられての勝利。決勝点後にカナダ側は猛抗議するものの後の祭り。残念というのは抑えた表現で、正直言ってしまえばこんなことまでして勝ちたい、勝たせたいか?という感じ。がっかりですね。

連想したのが第1回WBCの日米戦、米メキシコ戦。またはロンドン五輪での女子サッカー準決勝での米カナダ戦での6秒ルール適用→インダイレクトキック→ハンドボール→PKのコンボプレゼント。なぜこんなことをしてまでアメリカに勝たせなくてはいけないのかなという場面が何年に一度か露見するときがあります。やれやれであります。

ラクロス 3強に続く各国および日本代表

前項でも書いたラクロスの世界選手権ですが、ここアメリカでは米代表とイロコイ(地域としては米加の国境線を跨いでいる)の試合を中心にTV放映しているので、日本代表戦はたぶんイロコイとの対戦となる準々決勝まで見られる機会はないかと思いますが、ここまでは日本代表は順調に3戦全勝となっているようです。次戦はドイツとプエルトリコの勝者との対戦。プエルトリコにはNCAAの現役選手がかなりいるそうなので難敵。過去の実績では日本に分がありますが、どうなることか。勝てば最上位カテゴリの青組3位との対戦が次戦となり、これがイロコイ戦となるはず。
今大会はESPN系列で主要な試合は放送されていますが、TVで放映されない試合はESPN+で視聴可能。ESPN+というのは過去ESPN3.comで無料(正確には完全無料ではないですが)でウェブ公開していたものを有料化したもの。月額$5。先日のボクシングManny Pacqiaoの試合もESPN+で放映していました。

ラクロスの世界選手権は4年毎開催で、大会での成績が次回大会(2022年カナダ西部開催予定)の予選シードも兼ねる仕組みとなってますので一戦一戦が重要。日本代表は前々回2010年英国大会の4位から、前回2014年デンバー大会で8位へと下降したため今大会では最上位カテゴリ6カ国から外れています。今回のイスラエル大会での順位戦は正念場でもあります。前回のデンバーでは新興のイスラエルに先を越され、スコットランドとのダブル延長戦で敗戦したことで8位まで下がって迎えた今大会。
日本に前回大会で勝ったスコットランドは最上位青組に入ったものの全敗で落ちてくる模様であり、日本代表にとっては3位イロコイに敗戦した後で対戦するであろう対スコットランド、イングランド、イスラエル戦などが次回カナダ大会での最上位青組復帰への最重要な試合となります。前回大会同様にこの4カ国の実力が拮抗しているのか、そこへプエルトリコなど新顔が割って入れるのか、もしそうなった場合にどこがさらに下位のグループで落とされるのか、というのが興味となります。

各種スポーツの国際大会は一極でない方がワールドを表現できて良い。サッカーW杯が歴史上成功したのは欧州に対する南米という遥か彼方の強豪国が初期から存在したからでしょう。だから三週間の船旅をしても開催してみようという意欲につながったはず。ラグビーもまた西欧対南半球という明確な地理的にも遠い対立軸があったからワールドワイドな大会という形になれた。野球のWBCにおいてはなんと言っても日本という存在があったのが良かった。アメリカとその近所の衛星国だけでの大会では地方大会のようになってしまい締まらなかったはずです。アイスホッケーなら北米対ロシアですね。その点ではバスケはいまだにアメリカ一強なのが良いのか悪いのか。
そういう視点でいうとラクロスではオーストラリアと日本が国際大会らしい地理的な遠さを演出してくれる存在だったのですが、オーストラリアがイロコイに差を付けられはじめ、北米2強が北米3強になってしまいそうな風向き。さらには米国との二重国籍選手、アメリカNCAA育ちの選手が多くを占めるイスラエルやプエルトリコが上位を占めるようになってくると北米偏重になってしまいそうで、国際色が薄くなってしまうのはちょっと残念な傾向かもしれません。そういう意味で日本やイングランド、スコットランド、オーストラリアには踏ん張って欲しい今大会の順位戦なわけです。

ラクロス世界選手権 米代表が激戦制してカナダに競り勝ち

イスラエルで行われているラクロスの2018 World Lacrosse Championshipのグループリーグ戦が佳境。最上位カテゴリである青組(6カ国総当たり)で優勝候補同士の米 x カナダの一戦があり、最後までわからない熱戦を制して米代表が11−10で勝利しています。
試合内容は常にリードしていた米代表をカナダが後半に入っての3連続ゴールで捉え、10−10の同点から激しいボールの奪い合いがあって米代表がリード。最後のカナダのポジションを得るところでカナダ側が米代表選手の用具違反を指摘。審判が検査したところ違反が見つかりペナルティとなって、カナダが1人多い状態で同点を目指して攻め立てたのですが米代表が逃げ切り。
これ、勝ちたかったからというのはわかりますが、なぜこんなグループリーグでの一戦で用具違反を言い立てたのかちょっとわからないです。試合の勝負どころで言い出したということは試合中に既にその用具違反には気づいていて(少なくとも疑っていて)、最後残り1分弱の1点ビハインドの時点まで申し立てを避けていたのでしょうが、グループリーグでの勝ち負けがそんなに重要でしょうか?この二カ国の実力は抜き出ていると考えられるので、順当にいけばどのみち決勝で対戦する。そのときまでそのネタはとっておけば良かったのに、と思えます。

それともカナダ側がどうしても1位通過がしたかったのかもしれません。というのは第3位の実力と思われるイロコイ族チームとの実力が接近している可能性があるからでしょうか。イロコイは今大会初戦で米代表相手に好試合を展開。前半を7−5、2点リードで折り返す大健闘。米代表を大いに慌てさせました。第3Qに一気に米代表のオフェンスが爆発して逆転、最終スコアは17−9(つまり後半だけなら米代表の12−2)で順当勝ちしてますが、イロコイの健闘は間違いない。さらに米代表は4位候補のオーストラリアには19−1と圧勝してます。どうも3位と4位の差はかなり大きそうなのです。
またその大会初戦の日はイロコイチームは11時間のフライト後にイスラエルに入国したばかりでそのまま試合、体調万全ではなかったのに米代表を相手に健闘をしている(後半スタミナ切れで失速したものの)。その後も3位をイロコイと争うと見られていたオーストラリア相手の直接対決にも快勝している。イロコイの実力は米加を除くとはっきり上のようだと。つまり米加のうち2位で通過した方は準決勝で一発アップセットを狙ってくる実力のあるイロコイを相手に全力投球の試合をせねばならない。対して1位通過なら比較的余裕のある試合で決勝進出が見込めるという状況と考えれば、カナダのこの段階での用具違反の申立=1位通過狙いには意味があったのかもしれません。
そんなことがありましたが試合結果は変わらず、米代表が勝利、1位通過をほぼ確実にしています。

ラクロスの世界選手権はついついイロコイを応援してしまいます。所属選手にはカレッジ時代に大活躍した華麗なプレーのLyle Thompsonを筆頭にしたThompson兄弟が所属。大型選手が米代表のディフェンダーをふっ飛ばしてのゴールなど、エキサイティングな場面も多々です。
その他では過去話題になることがなかったプエルトリコやフィリピンが下位ディビジョンで活躍しており、今後が期待されます。前回大会で急にイスラエルが注目を浴びたのと似た形でしょうか。

ラクロス米代表壮行試合 vs MLLオールスター

4年に一度のラクロスの世界選手権が二週間後からイスラエルで開幕。それを前にして米代表の壮行試合を兼ねたMajor League Lacrosseのオールスター戦がESPNUで放送されていました。通常年はMLL内で戦うオールスター戦ですが、世界選手権年とあって2014年に続いて米代表対MLLオールスターの対戦。

ラクロスの世界は米代表とカナダ代表が圧倒的に強く、この二強から優勝国が出る。カナダ以外で米代表が試合全編を通して本気を出してかからねばならない相手はイロコイだけ。他の国の実力と二強との差は相当に大きいです。その下にオーストラリア、そして前回2014年のDenver大会で躍進したイスラエルやイングランド・スコットランドなどが追うという構図です。日本は世界選手権での最高成績が4位、前回8位。他国が実力を伸ばしているのが見えた前回大会から巻き返せるのかどうか。
そういう構図のラクロスの各国の実力とあって、このMLLオールスターとの壮行試合は実は米代表にとっては全力を開放して臨める大事な腕試しの機会なのです。MLLオールスターの方が世界選手権の本番で当たる各国より強いからです。

実際に試合も好試合となりました。第4Q、米代表が連続ゴールで圧倒、14-8としたところからMLLオールスターが巻き返し。試合自体はMLLルールで行われているため、世界選手権では存在しない2ポイントゴールなども含めてMLLオールスターが一気に追い上げ。最後は13秒残りで同点ゴールを決めて延長戦へ。サドンデスの延長戦もMLLオールスターが決めて大逆転勝ちで米代表を下しています。
米代表にとっても良い経験となる敗戦になったんじゃないでしょうか。

試合中には米ラクロス協会の会長がアメスポ市場でラクロスが地位向上していく上での課題なども述べていたりとなかなかに良い番組になっていたと思いました。現状のラクロスの最大の課題はリクリエーションとしてのラクロスクラブの増加が進んでいないこととしていました。技量を重視するタイプのクラブは過去10年間で大いに増えたけれど、もっと気楽に子どもたちが加われるような環境の整備がラクロス人口の伸長のためには必要だという点が強調されていました。
ラクロスはアイスホッケーほどではないにしても装備で親の負担がほかのスポーツ比で大きいのが不利という認識。ラクロスシーズンは春。アメスポ的には野球・ソフトボールやサッカーとシーズンがかぶる中、一時期もてはやされたラクロスのプレー人口の伸びも踊り場に入った模様。次なるステージにステップアップするための時期になっているようです。

カレッジの体操競技

この冬にスポーツ局でカレッジ女子の体操競技の放送がかなり多かったのが目に付きました。ここ数年のトレンドですが今年はさらに増えたんじゃないかと思います。なぜそうなったかは見当がつきます。例の五輪での米代表女子チームの活躍をうけて体操競技の競技人口が増加した。さらに各種スポーツジャンル別の人気度調査でも体操競技の人気がアップしているのが顕在化しているからですね。

ただカレッジの体操と五輪はまったくつながらないわけです。バスケやフットボールならカレッジでの活躍がプロへの扉を開きスポーツ界のスターへの道につながるわけです。カレッジのゴルフやテニスも僅かながらプロへの道がある。Tiger WoodsやJordan Spiethはカレッジゴルフ出身ですね。水泳や陸上ならプロというと微妙ですが五輪への道はまあある。
でも体操競技にはそれはまずないでしょう。早熟型のスポーツである体操ではカレッジを経ていたんでは年齢的に五輪なんてありえない。体型を見てもがっちりしたカレッジの体操選手のそれは五輪選手たちとはまるで違う。そういうカレッジの体操が観戦スポーツとして成立しうるのか疑問視していますが、とにかく増えたのは確か。

こういうのってトレンドがあります。10年ちょっと前には多チャンネル化に乗ってカレッジベースボールの放送がとても増えたことがありました。その後ベースボールはCollege World Seriesとその前段の戦いに収束縮小されて、代わって春スポーツで男子のラクロスの放送が増えたり。他にもカレッジホッケーの放映試合も近年増えた。ラクロスとホッケーはBig Tenでの正式競技化が後押しした面がある。女子だとバレーボールが6-8年ぐらい前に増え始めてまずまずの放映規模で定着したようにも見えます。それに加えて女子の体操が最近増えたって感じでしょうか。

ハーリング in Fenway

少し以前のことですが書き落としていたので。もう一ヶ月ほど前になりますが久々にハーリングを観戦する機会がありました。ハーリングはアイルランドの国技のひとつ(もうひとつはゲーリックフットボール)で、その荒々しさとスピード感が魅力のローカルスポーツです。ボストンFenway Parkでアイルランドからやってきた4チームによる簡易トーナメントが行われその放送がありました。本式のハーリングとは異なるルールで時間も短く、ゴールの形状も簡易版(上の部分なし)、スコアの数え方も特別ルールと物足りないところはありますがそれでも久しぶりに見られてうれしかったです。
以前は着用していなかったヘルメットの着用が近年は義務づけられて以前の野卑な感じが減ったのは残念ですが、選手の安全を考えれば以前のヘルメットなしが異常だったとも言えるのでそれは仕方ない。特別ルールでの試合でも選手たちの熱いプレーぶりは伝わる良い大会ではあったと思います。
ヘルメットも着用することになって見た目が北米産スポーツであるラクロスにさらに似た感じになりました。北米先住民族由来という成り立ちへの敬意もあってたぶんアメリカではラクロスが同系スポーツの中(ハーリングの他、フィールドホッケーなど)では優位を保地続けるであろうと思われますが、それはそれとしてハーリングは男らしいエキサイティングなスポーツで、マイナースポーツ好きの方がいらしたら是非一度ご覧になっていただきたいものです。アイルランドの方々に長く愛されているのもわかります。こういう人気ローカルスポーツは良いですね。

スポーツはいつまでも同じ形をしてるとは限らない

Drone Racing League (DRL)をご存じでしょうか?その名の通りドローンを使ったレース競技の団体です。その味付けがうまいのでやたら未来的に見えてしまう、なかなかにおもしろいものです。本稿で興味を持たれましたらぜひYouTubeその他で映像をご覧になってください。そのスピード感とバーチャルとリアルの狭間の存在はこれまでにない興奮を呼び起こします。我々は21世紀、未来だと思っていた時代に生きているのだな、と思わせてくれる不思議なものです。
ブログを休んでいた時期に見始めて、これはすごいなあと感心してしまいました。やっていることはただのドローンでのレースです。リモートコントロールの車体・機体によるレースの類は大昔から多種多様に存在してきたのでそれ自体はなんら珍しくない。

違いを作っている要素がいくつかあります。まず圧倒的なスピード感。単なる直線スピードではなく急旋回、急上昇下降、その自在さがリアルとは思えない。似たものを探すとするとビデオゲームの世界しかないんですが、それが眼前、リアルの世界で飛翔する。他にない特殊な感覚があります。
操縦者(パイロット)がVRゴーグルをつけて機体を操縦するのもリアルとバーチャルの境を曖昧にします。ドローンに搭載されたカメラからの画像を見ながらパイロットが操縦していくというもの。ほとんどの会場(アリーナ)でドローンはメイン会場から出て行ってコンコースをすり抜け、メインエントランスの吹き抜け部分を三階まで急上昇し、といった操作がされる。こんなことがこんなスピードでできるんだという感嘆。コース上の通過ゲートおよび機体はネオンカラーで輝き未来風の味付けが盛り上げます。パイロットたちは皆若い、ゲーマー出身なのかなあというパイロットたちが多い。喋りなんかを聞いていても一般のスポーツ選手とはまったく違う人種。

似て非なるものとしていわゆるe-Sportsがあります。以前にも一度触れたことがありますが要は既存の人気ビデオゲームのトーナメントです。これはこれでおもしろいのですが、DRLとは意味が違う。DRLにおいてはリアルのレースをバーチャルなインタフェースでやっている、リアルのレースなんだけれどリアルとは思えないムードで観客を驚かせられるというもの。現時点のe-Sportsはなにがおころうと所詮は画面の中のことなんですね。敵を射殺する、基地が爆発する、必殺技が相手に炸裂して凄まじいダメージを与える。でもそれはリアルじゃない。もちろん将来的にはe-Sportsが進化してそのダメージの表現がよりリアルになっていく可能性があってそれはそれで期待したいところがありますが、現時点ではDRLがうまくリアルとバーチャルの境に最初に到達したかなという感覚があります。

アメリカのスポーツ人材育成 テニスの場合

良くも悪くもアメリカというのはあまり他国のことを気にしない国です。他所がどうやっていようとそれに合わせるかどうかは自分達のニーズ次第。アメリカがカレッジをスポーツの養成機関としているのは、クラブ方式の欧州とは大きく違うわけです。なぜそうなのかというと元々欧州よりも格段に識字率の低いアメリカ。そんなところでクラブ方式のスポーツ人材育成をしたらスポーツ以外能のない社会不適格者の大量生産になってしまう。多くのアメリカのプロスポーツが事実上カレッジを通過することを強要することで、少なくとも文盲みたいな選手を許すことはなくなっている(はず)。NBAが高卒選手をカレッジを経ず直接プロに行けるように再び制度変更を狙っていますが、それでも高校卒業は必須とするようですからある程度の教育義務は担保している。

ただ比較的若年でも世界のトップに近いところまで行ける早熟型のスポーツ ジャンルではこの制度ではうまくいかない。代表的なところではサッカーやテニスがそれに当たるでしょう。  

日曜日に終了した全米オープンテニスでいくつかアメリカのスポーツ育成が絡んだ話題がありました。女子シングルスでメジャー初優勝したSloane Stephensですが、TV放送で解説の方が言うには彼女はいわゆる裕福な家庭の出身ではなく、アメリカテニス協会が運営に出資していた地元のクラブに子供の頃に入ったことがきっかけでテニスを始められた子なのだと言います。テニス人口が細ってきたことへの危機感と対策として協会が20年以上前から取り組んできた草の根の掘り起こしの成功例なのだと。

男子の方で一回戦敗退だったFrances Tiafoeも似たケースなのだそうです。日本から見るとTiafoeは無名でしょうが、今回の全米オープンでは主催者指名ワイルドカードで一回戦でRoger FedererとプライムタイムのTV試合で対戦(例のSharapovaの試合の翌晩)してフルセットの熱戦をしてアメリカの一般のスポーツファンにお披露目をされた選手です。Tiafoeは直前大会のWestern & Southernで第4シードだったAlexander Zverevに大アップセット勝ちして初めて世界のトップ10選手に勝利したばかりの伸び盛り19歳。私はたまたまこの前大会の試合を見ていて大変盛り上がれました。それゆえFedererとの試合も試合前から期待していて、その期待を上回る大熱戦でFedererを苦しめた、久々の期待のアメリカ人男子選手です。

ゴルフやフィギュアスケートもそうですが、テニスも一般に親の強い後押しとコスト負担で過去成立してきたジャンル。強化するには若い頃から個人的に相当の経済的負担が必要なスポーツで中流以下の家庭からは選手が見いだせないというのが常識でした。その常識をひっくり返して遂に全米オープンチャンピオンを産み出した。米テニス協会や関係者の喜びは一般に想像される以上に大きいのだと思います。  

メジャースポーツと人材の取り合いで互さねばならない中でテニス協会は結果を出しつつあるということですね。ちなみにテニス協会が大会中に流していたCMによればそれらのクラブはテニスを教えるだけでなく、学校の宿題をこなすのを手伝うチューターもクラブ内に配置して学業で落ちこぼれてしまう選手を出さない配慮もしていたようです。  

17年目のMLL

先週末にプロラクロスリーグのMajor League Lacrosse (MLL)の決勝戦がありました。場所はNFL Dallas Cowboysのインドア練習施設であるThe Ford Center at The Starで。練習施設と言ってもCowboysのそれ、立派な観客席もある美麗な施設です。フィールドの真ん中にはCowboysのロゴのローンスターも描かれてそこでフェイスオフ。ちょっと残念なのはフェイスオフのボールが置かれる位置がスターの中心じゃなかったことですが。

試合の方は最終第4Qに7連続ゴールで試合をひっくり返したOhio Machineが17-12でMLL初制覇。MLLの常勝チームであるDenver Outlawsとの二年連続の優勝戦での対決、昨年の借りを返しています。Ohio Machineは創設6年目の後発チーム。ラクロスが盛んとは言えない中西部Ohioをホームに観客動員では苦戦しながらもチームを存続させて遂にMLLの頂点へたどり着きました。

試合内容は良かったです。私がラクロス観戦馴れしたから、という可能性もあるので確たる事は言えないですが、見所の多い楽しめる試合。最後のOhio Machineの7連続ゴールラッシュではフェイスオフでボールを勝ち取ったフェイスオフ専門選手がそのままDenverゴールへ突進して真正面からスコア!なんてこともあり勝ったOhio側は大盛り上がり。


今季のMLLはTV露出が落ちて、観客動員数もリーグ全体で約10%低下という数字が出てます。全9チーム中Ohioを含む過半数の5チームが試合当たりの観客動員が2,500人以下。よくこれでリーグが維持できてるなあという数字。MLL創設17年目。後発プロスポーツリーグということで比較されるサッカーMLS(22年目)、女子バスケWNBA(21年目)の17年目と比べると彼我の差は大きい。動員規模だと創設5年目の女子サッカーNWSLの動員力と近い線ですか。NWSLは露出は低いですが女子サッカー全体というくくりだと全米規模でかなりの露出が確保できているNWSLと、それに類するものがほぼ皆無、国内での普及地方が偏っているというMLLラクロスではファンベースの厚みがまったく違うので簡単には論ぜられませんが、17年目、そろそろ黒字転換できるチームが増えてきて欲しいところか。

Ohio Machineの地元となるオハイオ州ではカレッジスポーツの総合商社The Ohio State Buckeyes(及び所属先のBig Ten)が重い腰を上げて2015年からやっと正式種目としてラクロスを採用。採用するとなったら勝たないと気が済まないのがOhio Stateという学校で、大いに力を入れて学内でもプッシュしているようです。今季はNCAAトーナメントで躍進、全米準優勝。プロでOhio Machineが優勝、地元の大人気Ohio Stateが全米準優勝と、決してラクロスが盛んでないオハイオ州のチームが気を吐いているという展開となります。

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