アメリカスポーツ三昧

アメリカ永住コースか、または第三国に出国か!?スリルとサスペンスの人生とは別にアメスポは楽しい。

Motorsports

出来過ぎ Jeff Gordonが優勝レース進出決定

この日曜日は通常のNFL以外にWorld SeriesありNBA/NHLのレギュラーシーズンの試合ありサッカーMLSのプレーオフあり。前日土曜日には三冠馬American Pharoahのラストラン@Breeders' Cupというのもありました。先週の日曜日及び月曜日は当ブログは敢えてNFLに触れず、それでも語るべきメニューがいくらでもあるということを表現してみました。今週もNFLの話題に触れずとも語れることはいくらでも出てきそうです。

そんな中で見てもいなかったこのレースの事を書いてみたいと思います。NASCAR Sprint Cupは今日のレースを含めて残り4戦。最終戦のMiami-HomesteadでのレースがChaseで勝ち残った4ドライバーによる一発勝負の優勝戦で、その4枠を決めるのが今日からの3レース。その3レースのそれぞれでの優勝者は自動的に優勝戦へ進出が決まる仕組みです(最大3名最小1名。それ以外はポイント順)。その最終生き残りを賭けたレースで今季での引退を決めているJeff Gordonが勝ってしまいました。今季Gordonは未勝利だったんですがここで今季初勝利、あっさりと最終優勝戦へ駒を進めることが確定。これからの2レースは流すだけでOK。引退するGordonがシーズンの最後の最後まで優勝争いに絡むことが確定というわけでNASCAR側はホクホクでしょう。先週も書きましたがNASCARが人気のピークだった頃のスタードライバーで知名度の高いGordonの引退ロードが最後まで引っ張れるわけですからNASCARにとってはおいしい。放映時間帯はNFLの定時放送にかぶるわけですがJeff Gordonの引退 & 14年ぶり5度目の年間優勝がかかるなら相当良い線にいけるんじゃないでしょうか。放送は地上波NBCで。


NFLの裏番組に関連してもうひとつ話題を。今夜のMLB World Series第5戦の裏番組となるNFLのSunday Nightの試合はGreen Bay Packers@Denver Broncos戦。一般知名度の高いManning対Rodgers、注目度の高いカードと言えます。今季のWorld SeriesとNFLの試合が重なる唯一の時間帯に好カードを持ってきているところにNFL側の意欲を感じます。こと視聴率競争という意味だとMLB側から見ると不安を感じさせるカードかもしれませんね。

同時代のスターが脱落する中、Jeff Gordon8強到達

NASCAR Chase(プレーオフ)の二回目の足切りが日曜日のレースであり、今季限りでの引退を宣言しているJeff Gordonが今季未勝利ながら生き残って次週以降の8強レースへ駒を進めています。この日のレースを含めてDale Earnhardt Jr.が足切りにあって脱落。その前の一回目の足切りでJimmie Johnsonも消えていますし、Tony StewartはChaseに届かず。NASCARのジャンルとしての人気がピークだった10年ほど前のスタードライバーで8強に生き残ったのはGordonだけということに。時代は流れて当時のスターはいまとなってはトップタイトルコンテンダーではないとは言え知名度ではいまのトップドライバーよりもGordon/Johnson/Jr/Stewartたちの方が高いのは明白(Jrは知名度の意味が違いますが)。その中で唯一今季生き残っているGordonが自らの引退に華を添える健闘と言えましょう。ここまでくれば三週間後の最終足切り(=最終戦直前週)を逃したとしても最後のシーズンまでトップドライバーのままで引退するというイメージは確保したのでしょう。話題性も良い感じですしおもしろいシーズンの最終段階になるのかもしれません。

NASCARのピークの頃というと本当にCMだの非レース関連TV番組出演だのとドライバーの露出が多かったものです。最近はCM出演と言ってもNASCAR放送の合間の専用CMみたいなものばかりになってしまったし。人気の上下でいうとNASCARがピークを打って下降局面に入ったのとサッカーの浮上がほぼ逆のタイミングだったかもしれません。ファン層はまったく重ならない(NASCARはどこまで行っても南部土着な感じが強い)二つのジャンルなのでファンが一方から他方に流れたというような相関性はないと思いますがアメスポ興亡史として見るとここ10年でメジャー未満のジャンルのトップが交代した感じか。

NASCAR Chase第一回足切りは最終ラップまで大激戦

日曜日。アメスポの主役は問題無くNFLの日。MLBもこの日がレギュラーシーズン最終日。プレーオフレースは決着していましたが、記録がらみのおもしろいものもいくつかありました。一番良かったのはNLのバッティングキング争いですか。毛差でDee GordonとBryce Harperがそれぞれ先発。試合開始時刻も同じだったのもフェアで良かったです。どちらかの試合開始時刻が遅いとそちらの選手が圧倒有利になりますから。どちらもプレーオフから脱落しているので試合の趨勢は関係なし。結果は第一打席から三連続安打となったDee Gordonの完勝でした。Harperは相手がやる気満々のMets deGromだったのも少々不利でしたか。残念ながらこの首位打者争いは中継はなく事後的に楽しめただけでした。

さて表題の件。NASCARのプレーオフ=Chaseはこの日のDoverのレースで一回目の足切りで四名が脱落する日。結果は最終ラップまで当落線上2ポイント以内に6人がひしめく大混戦。NASCARは細かい順位点で上下が激しいので最終ラップにヘマをして順位をいくつか下げたら足切りに引っかかる選手が何人もいる大変な混戦。特に最後の当落選上の争いとなった88 Dale Earnhardt Jr.と1 Jamie McMurrayはシーズンポイントがこの時点で完全に同点。同点の場合、Chaseのこのラウンド(この日のレースを含め直近3レース)でのベストフィニッシュがタイブレーカー。この日のレースが二人にとってはベストフィニッシュになることは確実な情勢で、Earnhardtが3位を爆走中、そのすぐ後ろのMcMurrayがつけて、これを抜けばMcMurray、ジュニアが抑えきればジュニアが当選。但し後続集団の中にいる1~2ポイントの僅少差でこの二人をリードしているドライバーの誰かが下手を打てば二人とも当選の可能性もあるという最終20ラップほど。緊張感たっぷりのレース終盤になって興奮できました。現行のChaseの形式にはいろいろと批判もあるのですが、今回の足切りは現行形式の良いところが見事にでたレースになったと思います。

で、これがおもしろかったのはリアルタイムで関係する全ドライバーのポイントと順位点がチーム・ドライバーにも見ている視聴者にもはっきりわかる形で提示されていたからです。つまりテクノロジ・情報処理の勝利なんですね。複雑な順位点や欧州モータースポーツにはない激しい集団内での順位変動をリアルタイムでフォローして足切り状況を刻々と伝える画面情報がなかったからおもしろさはなにも伝わらない。21世紀でこそのこの形式、21世紀だからこそのこの楽しみ方かと。

で先に話したMLBの首位打者争いの話に少し戻すんですけど、対象となるHarperとGordonは別の場所で試合をしているわけです。契約上両方を並行して見せることができたのはMLB Networkだけだったはず。他のスポーツ報道でも事後的にはうまく時系列でまとめて両者の打席と打率を示してうまく報道していたのでそれはそれで楽しめましたが、実際にリアルタイムでこの争いを観戦できた人が極僅かだったはずです。それがNASCARの場合、リアルタイムのすごいスピードであの首位打者争いの毛差の争いを見れちゃうようなもんだな〜なんて思いました。うまくNASCAR興業の良さを出しているなと。


関係ないですがIchiro選手のメジャー投手デビューはまずまずでしたね。おもしろいなと思いました。打撃成績が危機的(トレード期限前は.280ぐらいあったと思いますからその後は投手並の打率のはず)なことになっていますが。以前にIchiroは野茂がメジャー契約を取れなくなってマイナーやベネズエラまで廻ってまたメジャーに復帰してきたときに「あれはすごい」と発言していたことがありました。たぶんご本人は苦しいオフでしょうが粘って再起を期すことになるのでしょう。

NASCARの新陳代謝?

速報でNASCARのTony Stewartが2016年を最後にNASCARレースから退くという話が急に出てきました。気になる話です。NASCARではJeff Gordonが今季が最後のNASCARフル参戦ということでシーズン前からフェアウェルムードだったわけです。それに次いでStewartまで辞めるのか、という。モータースポーツは選手寿命が長いです。Gordon, Stewartともに現在44歳。彼らより年長のドライバーは過去にも多数います。

Tonyの方は Stewart Haas Racingの共同オーナーでもあります。所属ドライバーにも恵まれており、Tony本人がドライバーとして一線を退いてもNASCARにとどまって本人も楽しめそうですが、辞めようと思うほどドライバーとしての熱意が減退したのか。 今季は未勝利、10位以内も2度しかなくポイントで所属四人の中で最下位25位でChase(プレーオフ)も逃し限界なのか。ポールポジションも一度もなかったんですね。例の死亡事故以降冴えないままの現役引退表明になりそうです。

Jeff Gordonの方はChase進出の16名枠内を確保しており、日曜のレースでも7位に入ってChaseの来週の第一回足切り回避もできそう。こちらも今季未勝利でレースを見ていても迫力に欠けるように見えるのは見る側の気のせいなのか。ポールポジションは今季3度とマシンは悪くないようなのに。昨季最終戦で年間優勝を争うドライバーたちを追い回した熱いレースを見せてくれたJeff Gordon。キャリアのフィナーレに向けてどんなおもしろいレースを見せてくれるか。Gordonは引退後のプランに口を濁しているので意外なところに参戦してみたりするのでは、とそちらも楽しみですが。


それにしてもGordon, Stewartと一般知名度の高いドライバーの引退はNASCARにとっては損失なんでしょうか。それとも新陳代謝になって良いのか。NASCARのジャンルとしての人気がピークだった10年ほど前のスタードライバーで一般の知名度も高いというとあとはJimmie JohnsonとDale Jr.ぐらいになってしまうのかな。

今週末は真打ちなし

今週末はコレというアメスポイベントに欠けた週末だったように思います。個人的に一番おもしろかったのは日曜日のNASCAR。残り3周のところでトップを快走するJoey Loganoがガス欠失速。2位に付けていたKyle Buschは先週まで3週連続優勝、過去5戦のうち4レースで優勝と絶好調。しかし燃料の残りに不安があるBuschは今日は無理をせず2位で満足してポイントを挙げておくべきだと解説陣が喋っていたらトップのLoganoがガス欠でBuschに棚ぼた優勝が回ってきた…と思ったら1周半後にBuschもガス欠、という漫画的な展開であー、あー、あーと騒ぎながら見られて良かったです。

その他では競馬の三冠馬となったAmerican Pharoahの三冠獲得後の初レース。人気にあやかって一般にはまったくの無名レースながら地上波NBCがわざわざこのレースを放送。スーパースター見たさに集まった6万人の観衆を集めたレースで完勝していました。いつも言いますがマイナージャンルには関心のない人にも知られたスーパースターが必要だという、まさにそのスーパースターとなったAmerican Pharoah。あまりにも堂々の完勝劇。まあ私もつられて見てしまったわけですが。この調子だと10月末の年度最後のビッグレースBreeders' Cupはフットボールシーズンのど真ん中に切り込んで地上波放送で気を吐くことになるのか。American Pharoah自身はそのBreeders' Cupを最後に種牡馬生活入り予定だそうですから放送する側からすると極短い話題の期間ということになります。せっかくのジャンルにとって待望のスーパースターホースなのに。

Breeders' Cupも勝つとグランドスラムと呼ぶことにするらしいです。するらしいというのは、Breeders' Cupは1984年からと比較的歴史が新しく、過去の三冠馬が出た年(1978年が最後)にはBreeders' Cupはまだ存在しておらず今年のAmerican Pharoahが初めて三冠によるBreeders' Cup制覇の可能性のある馬なので全制覇についての決まった名称もまだないから、だそうです。

Daytona 500 Let's go!

NASCARのシーズン開幕戦にして最大の知名度を誇るDaytona 500が今週末日曜日に開催されます。昨日同サーキットで疑似予選Budweiser Duels二戦もあったんですがそれもDaytona 500の一部みたいなものということで。今季限りでのNASCARフル参戦からの引退を表明済みのJeff Gordonがポールポジションを獲得済みのレースであります。地上波FOXでの放送予定。予選の初っぱなから多重クラッシュで荒れたシーズンスタートとなってますが、それもまたNASCARらしくて良いでしょう。


ちょっと関係ないですが先日のMadison Square GardenでのNBAオールスター戦に昨季NASCAR Sprint Cupシリーズで年間3位となったDenny Hamlinが会場に観戦に来ていました。バスケ好きということでDaytonaでNASCAR全体が長滞在をしている合間にニューヨークまで飛んできたとのこと。好きなんですね。それは良かったんですが試合中継中にミニインタビューを受けてその中で好きな選手は?と問われてDirk Nowitzkiと答えていたのを聞いて、あー、という感じになりました。

なにがあーかというと、NASCARというのは元々南部で人気のジャンルで典型的なNASCARファンは白人男性とされ、もっとあからさまに言うとNASCARファンは南部のレッドネック=白人優位主義者が多いというステレオタイプがあるわけです。そういう偏見(と呼ぶかどうかは別として)がある中、選手の圧倒大半が黒人選手であるNBAの中で誰が好き?と問われてわざわざ白人のNowitzkiと答えちゃうのかぁ〜というのが私のあーの中身です。いや別に正直で良いし、それぞれが楽しめればいいんですけど。

でそのHamlinが昨夜のレースで人気者のDanica Patrickの後方を引っかけてスピンさせてとしてDanicaに詰め寄られる場面が大々的にマスコミ報道に載ってしまってます。Danicaはこれで二度目だ我慢できないと怒って衆人環視の中での猛抗議だったようですが、これもまたDaytonaの宣伝には良かったような。Danicaが怒って他のドライバーに食ってかかったシーンというと以前にもっと凄い怒り方をしたことがあって、そのときはヘルメットをとるいとまもなく単騎相手陣営に乗り込もうとしてセキュリティに警告を喰ったりものすごい形相でした。あのときに比べると今回は少しおとなしめの抗議だなあなんて見ていました。対応するHamlinもDanicaの剣幕に押されながらもなんとか余裕があって、男女間の口論としては模範的とも言える場面だったような気もします。

DanicaはDaytona 500本戦への出場が危うい中、その壊れたレースカーでDuel 2を完走、最終ラップで10位に滑り込んで本戦出場を確定させました。最終ラップで3台抜いたみたいでぎりぎり人気者が本戦出場。うーんそれはプロレス的なデキレースではなくて?さすがにそこまで疑ってはいけないのかもしれませんがちょっと出来過ぎかなという感もなきにしも。

ベテランスターの幸せな引退ロードとは

他の話題がホットなので、先日書いた「大都市圏内移転」の話題のようにあまり急がない話題は書いたものの公開するのを遅らせようかなとも思ったのですが、遅らせなくて良かったです。次々と書きたい話題が出てきているので。今回は気になっている話題を二つ一度にしてしまいます。ひとつはNASCARのスタードライバーであるJeff Gordonが今季2015年シーズンをもってSprint Cup Seriesの本格参戦を最後とすることを突然表明したこと。もうひとつはNBA Los Angles LakersのKobe Bryantのケガ。こちらはMRIの結果昨日遅くになって今季残り全休を余儀なくされそうだという話になってしまっています。

まずJeff Gordonの方ですがNASCARがジャンルとしてアメスポ内序列を駆け上がってメジャースポーツ入りを果たした時期に最も高い知名度を誇った選手と言えます。それまでは人気の地域は南部に大きく偏っていたNASCARが全国区へ浸透していったのはGordonが勝っていた時期とほぼ軌を一にします。それまでの南部のレッドネックぽい風貌のドライバーたちと明かに違う顔立ちのGordonが荒くれどもを差し置いて勝ちまくった90年代から21世紀初頭 。現在43歳。アメリカのレースドライバーとしてはさしてお歳というほどでもないし、昨季の最終戦あたりでの優勝争いをするChaseドライバーたちを向こうに廻しての熱い走りっぷりなどまだまだ引退する必要なんてないじゃないか、という感じではありますが、余力を残しての引退ができるのもまたNASCARが十分に大きくなって十分に既に稼げたからでもありましょう。

シーズン前に引退を宣言するというと昨季のMLB Derek Jeter、さらにはその前年のMariano Riveraが同様のことをすることで、各地を転戦するたびに祝福されての幸せなラストシーズンを送ったことが連想されます。Jeff Gordonも同様の歓迎と祝福を受けながらのシーズンとなりそうです。本人のコメントによれば計画はないが将来スポット参戦することもあるかもね、ということです。

個人的な好みで言えば将来のことを一切口に出さずに今季は引退ロードを楽しんで、その後別ジャンルで復活してくれたらおもしろいかななんて思いますが。例えばDakarとか耐久シリーズとかまさかのF1とか。F1のアメリカ進出加速の切り札として水面下でJeff Gordon獲得劇が進行中かもなんて想像するとおもしろいです。

さてKobeの方。Lakersが成績不振なのもあってチームの事情は復帰と関係がない。プレーオフ進出の望みもないのでシーズンも残り多くない。これで2シーズン連続でプレーしないままでのシーズンエンドとなります。現在36歳。バスケットボール選手としてはかなりの高齢となっています。特にガードですし。

しかしながらこのタイミングでのケガでの長期欠場は痛い。これでは負けん気の強いKobe、引退もできない状況になってしまったような気もします。年齢と復活を期した今季のパフォーマンスを冷静に見ればここで引退を宣言しても不思議はないところなんですが。あとは本人の気持ちが折れているかどうかですね。

オールスター戦のファン投票が終わり西カンファレンスの先発として17度目の当選を果たしたばかりでの欠場確定。大舞台@Madison Square Gardenのオールスター戦には顔を出してくれると思いますが、そこでどういう発言をするのか。再び復活ロードを目指すと言うのか、それともその注目の場を借りて引退を表明か。彼の性格からしたら…どっちですかね。Jeter型の幸せな来季ラストシーズン宣言という手もあるのかどうか。NBA オールスター戦は2月15日です。

演出か素か めちゃめちゃおもしろかったNASCARシーズンフィナーレ

NFLの午後4時からの二部の看板試合Philadelphia Eagles@Green Bay Packersがあっという間に勝負が決してしまったのでしっかり見られたNASCAR最終戦の話を。


NASCARファンの間でも評判の悪かった新方式Chase=プレーオフによる初のシーズンの最終戦@Miami-Homesteadがありました。簡略に繰り返すとここまでの何度かの足切りを経てポイント上位4位までに入ったドライバーがこれまでのシーズンポイントを全部チャラにして一発勝負でSprint Cup(最上位カテゴリ)の年間チャンピオンを決定するという仕組みです。通常のNASCARのレースでは各周回トップのドライバーに1ポイントずつボーナスポイントが加算されたりするのですが、ここではそういうのは一切関係なく四人のうちこのレースの最上位でフィニッシュしたドライバーが年間優勝ということ。43名出走なので極端な話、該当四人全員クラッシュしたら周回数が多い39位フィニッシュでも年間優勝になるとそういう意味です。まあどのモータースポーツのシリーズでも最終戦はそんなもんですが。該当の四人は勝てばいずれもこれがSprint Cup初優勝となります。

ところがレースの中盤以降はほぼこの四人が上位6位以内に収まってデッドヒートという展開に。四人に挟まって年間優勝6度Jimmie Johnsonと同4度Jeff Gordonのトップレーサーが全力で競り合う。年間優勝経験がなく知名度に劣る四人が中位に沈む地味な優勝争いだってあり得たのが、現実はトップを突っ走るJeff Gordon、優勝争いの真っ直中のドライバーたちを相手に熱く競り合うJohnsonという構図。何度かのイエローフラッグ&リスタート、最終盤のピットでジャッキ失敗などでドラマがあった後、ラス前先週の@Phoenixでも優勝したKevin Harvickが二週連続優勝でSprint Cup優勝。今季未勝利のままで年間優勝の可能性があったRyan Newmanは2位フィニッシュで珍記録には及ばず。結果的には年間5勝(最多勝は6勝のBrad Keselowski)を挙げたHarvickが年間チャンピオンになったことで、そして最終レースが大変なデッドヒートとなったことで新方式Chaseへの批判はやむのでしょうか。

レース自体は大変おもしろかったのですが大きな疑問がひとつあるのです。これ、ちょっと演出かかってないのか?というものです。このレース見落としがなければクラッシュは終盤に後方でおこったオマケの二台によるものだけ。イエローフラッグは多かったですが外壁にソロでこすったものがほとんど(一度だけ誰かにはね飛ばされて外壁というのがあったですか)。あとはパーツ落下ばかり。NASCARはクラッシュが華で毎度毎度発生します。それがほぼゼロに近かった。あれ?という感じなのです。

またほぼレース全編でトップ近くに位置したJeff Gordonが最終盤の勝負所のイエローフラッグ連発のときにほぼ勝利を放棄したかのようなピットイン。これもあれ?っと。それ以前に先々週荒れたJeff GordonとKeselowskiの因縁関連のことを放映陣がまったくコメントしません。私からするとトップに立ったGordonがKeselowskiのチームメイトで優勝を狙う四人のひとりであるJoey Loganoが上がってきたときになんか仕掛けてきたりしないだろうかとハラハラしていたんですがそういう面の言及もなければそのような動きもありませんでした。ふーむ。

なにが言いたいかというと舞台裏で事前にNASCAR運営から各チーム・ドライバーにきつーく優勝争いに関係ないドライバーの妙な動きは絶対に許さない、事故を誘発する動きへの処罰は通常以上に厳しく取るという通達があったんじゃないかな?と思ったのです。事故ゼロはまあそんなこともあってもいいですが、Gordonの離脱は(このレースでの)優勝が狙えるタイミングとして変でした。あれ、Gordonが離脱する理由はなに?というと、ああいう展開のレースになってきていたのでムリな突っ込みをしてくるであろう優勝争いの面々との接触トラブルを避けた感じではないのか。また放映陣が因縁を一切煽らなかったのもNASCAR側から依頼があったんじゃないかなあなんて思うんですが。また四人のうち最後方11列目(だったかな)からスタートした特に車が速いとも思われないNewmanがあっさり上位まで上がってきたのも後から考えれば通達にびびって他の車が競り合い避けて譲ったか?とさえ思える。またGordonがトップを走る中、KeselowskiがGordonに一度も近づかなかったのは好判断だと思います(これはNASCAR側からの通達というよりチームメイトが優勝を争っているPenske Racingからの指示かも)。

それらすべてを演出と呼ぶかどうかはともかく、ファンの前に示された結果は間違いなくエキサイティングな最終レースだったわけです。毎度言いますが混み合ったアメスポのこの時期にアメスポ最強NFLを向こうに廻して戦わなくてはならないNASCARがこういう工夫を一段と凝らしてくること(だとしたら、ですが)は運営側の努力として認めるべきかなと。あまりにも人工的に最終戦まで優勝者を引っ張りすぎだ、シーズン全体を無視しているという批判は来季も続くのでしょうが、これだけエキサイティングなレースを見せられるとそれもまた良いのかななんて簡単に納得してしまう、普段は見ていない無責任な私ではあります。いやとにかく面白かったのは否定できないです。

NASCARシーズンラス前レース 遺恨をフレーバーにする

今年から優勝者を決める方式を変えたアメリカのモータースポーツ最大手NASCAR。Chase=プレーオフ自体は今季で施行11シーズン目ですが、今季からは最終レースまで優勝者が決定しない方式。欧州F1も最終戦のポイントをダブルにする(なんかバラエティクイズ番組みたいですが)方式を今季から採用したそうで各ジャンルともシーズンの興味を引っ張るために原則を崩しても試行錯誤している様子がうかがえます。

NASCAR Chaseの今季の仕組みでは今日午後の@Phoenixでのレースを終了した時点での上位4選手が次週の最終戦を前にそれまでのポイントを全部チャラにして最終戦の一発勝負の優劣で年度優勝を決めるというもの。それがいいのか悪いのか微妙ではあります。上位4人に残る可能性のある8人のうち今季未勝利のドライバーが2名もおり、現在それぞれ3位と5位。つまりは未勝利ドライバーが年間優勝者となる可能性がまだかなりあるということです。今季Sprint Cup Series(最上位カテゴリ)は全36レース(34レース消化)。F1のように勝利者が偏っているわけではなく今季の最多勝は6勝のBrad Keselowski、4勝以上あげたドライバーが6名と分散。1勝でもあげたのは13名。なのに未勝利のシーズン王者が出てしまうかもという危機(と表現しておきましょう)です。Chaseに入ってから何度か足切りを実施するため途中1レースでも事故で大きくポイントを落とすといきなり苦しくなるという仕組みで次々と勝利数の多かった人気ドライバーが脱落して、Chaseに入って以来無難に過ごした未勝利ドライバーが好位置につけているという具合。プレーオフ方式変更して初年度にいきなりダメ出しされかねない事態になっているというわけです。1949年より続くNASCAR最上位カテゴリの歴史上、未勝利の年間優勝者は一度もありません。

で、しばらく前にコメントでNASCARは野蛮で許せないということを意見していただきました。そのときは車のぶつかり合いはアリとして、レース外の乱闘はそんなに多くないですよ、なんてお返事したのです。ところがここ数週間レース後のドライバー・スタッフの乱闘が多発中です。上で指摘した通り一度のリタイアがChaseの足切りに引っかかる=年間勝者を逃すだけに、ライバルによる接触や幅寄せに神経をいらだたせることになっているわけです。先週のレース後に乱闘となった当事者のJeff Gordonが現在4位、Keselowskiが7位。Gordonは最終戦への4人の足切りのギリギリ。Keselowskiの無謀な突っ込みで先週スピンさせられたと思っているようなのでGordonやそのチームメイトがKeselowskiにレース中になんらかの報復を仕掛ける可能性が取り沙汰されています。こういう遺恨がらみは興味はそそるけれどどうかなーと。プレーオフが機能しているからこの時期になっても熱くなっているとも言えます。昨年のこの時期はもう2名しか優勝の可能性はなく、その2名も差がはっきりついていました。それからすると機能していると言えるし、他方上で述べた通り未勝利ドライバーの年間優勝のチャンスがまだ現実的にある。GordonとKeselowskiが熱くなってポイントを削りあえば3位5位で堅実なレースを重ねている未勝利ドライバーたちが漁夫の利を得て新Chase方式の問題点をクローズアップすることにもなる。

まあそもそもプロスポーツのプレーオフなんていうのは盛り上がれば勝ち、普段見ない人にも興味持たせれば勝ちという代物。普段NASCARのことなんて書かない私がこんな記事を書いている時点で既に新Chaseは釣りとしては成功しているとはいえるわけですが。

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