アメリカスポーツ三昧

アメリカ永住コースか、または第三国に出国か!?スリルとサスペンスの人生とは別にアメスポは楽しい。

Motorsports

HondaがNASCAR参戦の噂

アメリカのモータースポーツの最大手のNASCARにHondaが参戦するという噂が出てます。出どころは過去の実績から信憑性の高いYouTuberからなので単なる噂よりは関係者やファンをザワッとさせています。

現行NASCARはChevy、Ford、Toyotaの3社態勢。そこにHondaが4社目として参入を目指しているという話です。事実上アメリカモータースポーツの一強のNASCARにカネが集まるということではありましょう。
ただこの話はそれだけで終わらない可能性がある。というのはHondaはオープンホイールのIndyCarを2006年から2011年の6年間を1社態勢で支えてきた時代がありました。Hondaがウチも降りるわと言ったらIndyCarシリーズがそのまま完全に消滅しかねない苦しい時期を支えたわけです。その後Chevyが参入してエンジン2社供給態勢となってるんですが、そこでHondaのNASCAR参入の噂が出た。NASCARに参入が追加投資なら良いですが、IndyCarの方をやめてNASCARに移行するという話だとまたもIndyCarがピンチになるということになります。Honda1社態勢時には辞めにくかったのが今ならChevyがいるから辞めやすくなっているかも。

IndyCarって日本車のHondaの1社供給の時代があって、日本のNTTがメインスポンサーでシリーズの正式名称は「NTT IndyCar Series」。なんでまたそんなに日本がIndyCarに入れ込んでいるかといえば日本人ドライバーのTakuma Satoが参戦しているからですかね?
Takuma Satoは47歳。レースドライバーの引退時期というのは良くわからないところがありますがSatoがIndyCarから引退した後にNTTなりHondaなりにIndyCarを支える動機ってあるのかどうか私には良くわからない。その辺も睨むとHondaからしたらもうIndyCarには十分尽くした、もう良いだろ、アメスポのモータースポーツ一強のNASCARに移籍の潮時という判断はあっても良さそうです。

そこまで突っ込んだ議論は今のところ聞こえてこない。NASCAR参入の噂がまだ出たばかりの段階ですから。でもHondaにIndyCar継続とNASCAR新規参入を両方やるほどの体力やメリットってあるのかなあと想像するとIndyCarの存続ピンチ再燃というのは想定内としておくべきな気がします。

3-Wideでハナ差の決着

個人的にもいろいろありまして更新ができておらず失礼してます。今日は久々に興奮の場面を観戦できたので短めにさっさと書いてみようかと。

NASCARシーズンの今季の第2戦となったAtlantaでのレースが最後に3台が真横に並んでゴールラインをつっきる緊迫のフィニッシュとなり、外のラインを走ったメキシコ人ドライバーのDaniel Suárezがハナの差、公式発表で0.003秒差での勝利。この差はNASCAR史上3番目の僅差だそうで、その上今回の場合は横一線の3着もミリ秒差、ライブの目視では誰が勝ったのかまったくわからず。解説陣も「こんなのは初めて見た!」と興奮していた極僅差で良いものを見たなというフィニッシュになってます。3台横一線はさすがに珍しいです。

このレースはクラッシュが多く無傷の車体がレースの経過とともにどんどん減っていくサバイバルの様子の強いレース。
先週の開幕戦のDaytona 500。Daytonaはいつもそんなものでクラッシュに巻き込まれないことがDaytona 500に勝つ最大の要素でかなりの部分が運次第。Daytona 500というレースのネームバリューがあるから多くの人が見ますがレースとしてはあまりおもしろいレースにならないことが多いというのが私の感想です。今年も終盤の多重クラッシュで上位のドライバーが大量に脱落してのイマイチのフィニッシュとなってます。

そういう先週の消化不良を吹き飛ばす好レースとなった今週のAtlanta。先週よりもイエローフラッグは多かった。レースに残っているもののレース途中でダメージを受けた車体が粘って最終盤まで熱い展開となり昨季以来やっと久しぶりにちゃんとしたNASCARのレースを見た気分になりました。


ついでなので書いてしまいます。これはアメスポとなんら関係がないので毎年ほとんど触れないのですがアメリカでフットボールシーズンが終わるのとほぼ入れ替わりで始まるのが欧州の6 Nationsラグビーです。
今日は6 Nations最弱イタリアが敵地でフランス相手に健闘。最後の時間切れ間際にフランス代表の反則を引き出して、ペナルティキックを決めれば歴史的勝利という展開。それがキックする直前にTVではよく見えなかったんですが何か邪魔が入ったかなにかで焦ってキック。これがゴールポストに当たって失敗。30年ぶりだかのイタリアの@フランス勝利を逃して13-13の引分となってます。

この試合はフランス側にハーフタイム直前にレッドカード退場者が出て後半をフランスが14人で戦うハンディキャップ戦。それでも崩れなかったフランスの方が上なのは見ていて確かだしイタリア側には稚拙なプレー判断が何度もあってやきもきする試合ではありましたが、このカードにしては大いに楽しめたという試合になってます。

私はアメリカ在住者としては極々少数派であろう6 Nationsを見て喜んでいる人間ですが、今頃他のフットボールファンは虚脱しているんですかね。サッカーのEPLは好カードがけっこうあってそれを見る気のある層はそちらでしょうし、またバスケに移行している人がたぶん一番多いのではあろうかと思いますが、NBAはまだシーズン半ば。

これもちょっと書きかけてアップしそこなった話ですが、先週末にNBAのオールスター戦があったわけです。そしてオールスターの周りにはNBAは一週間試合がありませんでした。その時分というのはアメリカの3大プロスポーツが不在ってことになったわけです。カレッジバスケとプロだとNHLしかないという空き状態になっていました。NFLロスが強調されるような状態とも言えます。
NBAは労使協定での取り決めで近年はオールスター周りの休暇となっているわけですけど、NFLが終わってすぐ次の週末にNBAのオールスター休みがすぐ入ってしまうのでNHLだけになっちゃうんですよね。

NASCARフットボールスタジアムでの開幕戦に電動車が登場

NFLシーズンはもう3試合を残すのみ。この時期になるとNFLシーズン後をアメスポ市場の空きを待っているジャンルが始動する。NASCARが最たるものでしょう。2月4日日曜日にBusch Light Clash at The Coliseumでシーズンスタート。この日はNFLの方ではPro Bowlの日に当たります。翌週のSuper BowlのSuper Sundayはレースがなく、その翌週の2月18日がNASCARの年間の最大のレースDaytona 500。このレースからが年間王者を決めるポイントが付加される仕組み。

他だと別稿で触れたWWEのRoyal Rambleがこの冬初めてのフットボールのない土曜日となる明日開催。

Clash at The Coliseumの方は公式エキシビションという扱いになります。これはLos Angeles市内の元五輪会場でありカレッジフットボールのUSC TrojansのホームスタジアムであるLA Memorial Coliseumでの特別レースです。フットボールフィールド内をくるくる回る。スペースもないのでピットはない。正直レースとしては見てもなんらおもしろくもない、機能していないそういうものです。レースというよりイベントですね。毎年ハリウッドのセレブやらミュージシャンやらが来てわらわら。ムードはアメスポ各ジャンルのオールスター戦の前日に行われるスキルチャレンジとかああいうのと似てるかな。

そのClash at The Coliseumに電動プロトタイプの車体が投入されると今週になって発表されています。開催1週間前になって発表でも下準備はずっと前からしていたはずで、話題提供の意味があるんでしょう。NASCARに限りませんがモータースポーツにとってはガソリンエンジンの爆音は大事な要素でしょう。E-1は既に何年も前から活動してますが、NASCARはその点はかなり懐疑的で慎重だったのですがやっとこっそりお披露目することを発表した状態ですね。

轟音爆音が大事なので電動よりも水素エンジンが良いということをNASCARのエグゼクティブが以前に発言しています。市販の動力の未来が確実には見えない中、裏では他のタイプも実験しているということを言ってます。トランプ支持者の牙城で時代遅れ感を大事にしている面も強いNASCARですが、経営者は有能でそのイメージを傷つけないような、しかし準備はしているということのようです。

NASCARの新放映権契約 多局化達成で強化

NASCARの次期放映権契約がまとまったようです。2025年シーズンから2031年までの7年間を総額$7.7 Billionの契約だとか。額もかなり高額でまとまったのに加えて放映権を持つステークホルダーの幅が広がったのが目立ちます。この契約をまとめたNASCARの経営陣は勲章ものなのでは。

先行して下位カテゴリのXfinityシリーズは地上波The CWで放映されることが発表になっていましたが、今回は最上位のCup戦の放映権がまとまってます。全38戦の冒頭の14戦をFOX系列が放送。続く5戦をAmazon Prime Videoが放映。その後5戦をケーブル大手TNTが放送。その後のプレーオフ全レースを含む14戦はNBC系列がシーズン末まで放映するという4系列にまたがる放映スケジュールになるそうです。

現行はシーズンの前半がFOX、後半がNBCの2系列で分け合っていたのにAmazon PrimeとTNTが夏の時期にそれぞれほぼ1ヶ月間の短期間放映するってことです。Xfinityシリーズが新たにThe CWに移行するのも含めれば現行2系列態勢だったのが5系列になるという表現もできる。これだけ味方が増えるというのはNASCARの経営にとってはおいしそうです。どこかに独占放送・寡占放送態勢よりもこういう味方の態勢の方が強いのではないでしょうか。

収入の側の放映権契約が固まったことでここからはNASCARの内部闘争=NASCAR本部対各チームのお金の分配についての闘争が加速するという運びになります。


わずか1ヶ月の放送でも割って入りたいとTNTやAmazon Primeが考えたというのはなかなか興味深いです。
TNTにとってはNBAやNHLが主たる手持ちのスポーツコンテンツ。いずれもシーズンが秋10月から春5月頃にかけてでNBAとNHLがともにオフシーズンとなる夏場にNASCARの放送を持つことで補完、年間を通してスポーツ放映ができるという風にと目論んでるってことでしょうか。たぶんTNTでの放映は7月から8月頃になりそう。

Amazon Primeの方は意外。ストリーミング専業ですからNASCAR側から見ればその1ヶ月はCup戦のTV放送がなくなるってことでもあります。15戦目から5レースというと今年2023年のスケジュールに準ずるなら6月から7月の頃になります。2025年のスケジュールはまだわかりませんが今年だと例の話題になったNASCAR初のChicagoでのストリートレースがその時期でした。きっとAmazonが1ヶ月だけでも放映するというのですからなんらかの目玉レースがその5戦のうちに含まれているのでしょう。それがストリートレース@Chicagoになるのか。それがTVで放送されないっていうのはどうなるんですかね。

Amazon PrimeはNFLのThursday Night Fooballという看板スポーツ番組はあれども正直スポーツ番組は得意ではない。遅ればせながらNFLのオフシーズンのスポーツ番組としてNASCARに手を出しておくってことで、そういう意味ではTNTと似た意味合いもありそうです。TNTの手持ちのNBAやNHLは10月11月開幕で7−8月にNASCAR。Prime VideoのNFLは9月開幕で、6-7月にNASCAR。それぞれわずか1ヶ月ですが意味はわかる感じです。アメスポメジャーの少ない夏場に短く切り売りして価値を創出した形です。そこに価値があると気づいたNASCAR経営者は鋭いですね。

NASCARシーズン終了後にF1ナイトレース

先週末にNASCARシーズンが終了。既にIndyCarも9月にシーズンは終わっているのでアメリカのモータースポーツはオフシーズン入り。そのタイミングでF1が今季米国内3戦目となるLas Vegas Grand Prixが開催されます。Las Vegasの市街コースで夜暗くなってからの開催とすることでの電飾での視覚効果を狙ってるのだと理解しています。F1を見ない層にチラ見でえこれなに?的な反応をしてもらいたいってことでしょうか。

5月のMiami Grand Prix、先月10月のCircuit of the AmericasでのUS Grand Prixに続いて今季米国内3戦目。6月のカナダ、10月のメキシコでのレースもあり北米という括りなら5戦目です。2016年のアメリカ資本によるF1買収から7年。当時当ブログでもアメリカ資本化することでの北米レースの強化は想像できましたが(米2+カナダ1ぐらいを想定)それをさらに上回る北米重視スケジュールです。
Circuit of the Americasでのレースなんか見てると観客にヒスパニックが多いのが目立つような。

Las Vegas GPを前になにやら盛ったF1のアメリカ進出についての煽りマスコミ記事が出てますが、これはたぶんサッカーがアメリカで大人気みたいな妄想に耽ける人たちと同根な匂いがします。欧州で人気の◯◯がアメリカでもブレイクみたいなことを言わないと心の平静が保てず死んじゃう人たちがいるんだろうなあという。

現実はF1の視聴者数は買収があった頃よりは増えてるんでしょうがCircuit of the AmericasでのUSGPは視聴者数が3年連続下落。今季のF1USGPの視聴者数は88万人。
同じ週末のNASCARの方は最上位カテゴリのCup戦は225万人。NASCARの第2カテゴリのXfinityシリーズが84万人とほぼF1と同程度。Xfinityシリーズを大人気だと表現する人は珍しいでしょうが、同じ程度の露出でもF1だとアメリカで人気爆発と書いちゃう人が出る。
他のジャンルの数字を挙げて比較すると例えば女子プロサッカーNWSL優勝戦は2022年が91.5万人が視聴していますからF1USGPより多い。今季2023年は82万人。じゃあアメリカで女子プロサッカーは人気がすごく伸びているとかいうことになるかというとそんなこともないような。今回のNWSL優勝戦はリンク先の記事でも書きましたが人気選手たちの現役ラストマッチでもあったという要素もありました。
マイナージャンル(準メジャーでも呼び方はなんでも良いですが)としてはこの80−90万人規模=ミリオン超が目標の状態は割りと良くある感じの壁じゃないかと思います。プロレスの第2勢力のAEWも今同じ80万人台で苦戦中。AEWの場合は毎週放送していてのこの数字ですからNWSLやF1よりも優秀なんですけど。


F1の話に戻って欧州出身者記者がアメリカでも欧州の好みが反映してきているのだと妄想込みで書いてるマスコミ記事が多いんだろうなと想像できます。アメリカは移民の国なのでこういうことは起こるのはスポーツに限らずあることですが、その辺を脳にちゃんと入れて読まないとミスリードされることになります。または日本の広告代理店介入に類する太鼓持ちマスコミが動員されているということかもしれません。

Bray Wyatt死去

Bray Wyattが今週死去していたようです。遅れて気づきました。追悼ビデオというのにたまたまぶちあたって、えっという。しばらく見かけないなとは思っていましたが彼が以前からメンタルヘルスに問題を抱えていたのも知っていたし昨年のWWE復帰後の自己プロデュースとされるストーリーもうまく回っておらずまた長期休養か社の制作側との諍いで半離脱中かかなと思っていたんですが、実は2月から健康を崩していたというのは最近になって出てきた情報となってます。そこからの復帰が近いという情報が流れたその矢先の心筋梗塞での死去。36歳。

異能で演技力が高い。ボキャブラリー選択の絶妙さや表情の作りのホントに狂ってるかもなと思わせるところがあった。サイコな怪奇派でほとんど試合らしい試合はしないのに実際に動いたら動ける。有名レスラーを多数親族にもつレスリングファミリー出身者でもある。メンタルの問題もあったし復帰が近いとなってからの急死なのでいろいろ憶測は飛ぶでしょう。The FiendもFirefly Fun Houseもこれでもう二度と見られないってことになります。Firefly Fun House好きだったですが。


全然違う話をつなげてしまうんですけど昨日のNASCARで大変な事故が発生してます。見ていてこれはマズいのかもという吹っ飛び方。数えた方がいて空中で12回転ぐらいしてるそうです。でもドライバーRyan Preeceは自力で車から出て生存、大きなケガもしてません。スーパースピードウェイと呼ばれる超高速サーキットでの事故で近年では数少なくなった飛びかたでした。
でこれでも生き残れるって現行のNASCARの車体の安全性の高さに感心します。

ドライバーの命を守れたNASCAR。特殊な才能Bray Wyattを守れなかったWWE。全然関係なくて申し訳ないんですけど人の死と隣り合わせの心身を削って戦うスポーツもそれぞれか‥と。

あっさり終わる興行

前日の予選で既にKamui Kobayashiは28位、Jenson Buttonが31位と今日の本戦も期待できなさそうな下位に沈む中、豪Supercarシリーズから初参戦のBrodie Kosteckiが11位、Chicagoで初参戦初優勝したShane Van Gisbergenは8位。予選は他車との競り合いがないわけですからそれでも下位になっちゃうゲストドライバーは本戦も期待できそうにないなあというところで始まったIndianapolis Motor SpeedwayロードコースでのNASCAR Cup戦。

レースの方は全体でイエローフラッグ1回しかない。それもレーススタート直後の2周目だけ。NASCARの普段のレースだとリスタート扱いとなるステージの切れ目もそのままレースが継続するルール。レースにほとんど起伏もない過去最低レベルのなにも起こらないレースとなりました。リスタートがない。ローバルで接触しようにも周りに他車がいないというか。こんなのもあるのねというあっさり味でTVも残り時間が1時間以上余りまくりで困っていました。ゲストの外国人ドライバーはレースの要素にならず。書くことがないなと思ったんですがこのレースに関しては以前に何度か予告していたので義務感で報告している感じです。


あっさり終わった試合というと前日のMLBのNew York Yankees@Miami Marlins戦も早かったです。あたまたま見ていたのですがMarlinsの先発Sandy Alcantaraが省エネ投球で初回から早打ちするYankeesを手玉にとって完投、2時間3分で3−1、Marlinsの快勝。今年はピッチクロックの導入でサクサク進む試合が多く見やすくなってますが2時間で終わっちゃうのはさすがにすごい。
Alcantaraは2022年のNL Cy Young賞投手ですが今季は並のピッチャーの成績になっていたので期待してみていた試合ではなかったんですが意外な快投で見て得したかなという試合。

Marlinsのホームゲームとしては今季最多の33,980人の動員。なんでも場内の物販も好調で普段なら売り切れることのない食品の売り切れ続出だったとか。2時間で試合が終わっちゃったのでそれで済みますがもし試合が3時間半ぐらいかかってたら試合の後半にはお腹をすかせた観客続出だったかもなとちょっと想像すると楽しいです。

このLoanDepot Parkは今年春のWorld Beseball Classicの準決勝決勝の会場。WBCのときは満席。でもMarlinsは動員で弱いのがデフォルト。毎年MLB最低クラスで上部席はチケットを売らなくて空なのが通常です。Yankeesなど東海岸のチームの来る試合はそれらの都市からフロリダへの移住者が望郷で入りが良くなる傾向がありますがどういう事情でかこの日の動員は予想以上だったようです。上部席も半分ぐらいは埋まっていたようにも見えました。
MarlinsがNLワイルドカード争いの真っ只中でまずまずの好成績なせいか観客の歓声はMarlins側にもかなりかかっていたように聞こえました。RaysとかだとYankees戦とかRed Sox戦とか完全にビジター側の声援の方が多いですし、それと比べたらMarlinsファンもちゃんといるんだなという感じの試合でした。


時間的なあっさりの試合とは関係ないですがついでに。
サッカーLeagues Cupの準々決勝の最後の試合となったMonterrey@Los Angeles FC戦。この試合Rose Bowlでの開催。メキシコのMonterreyとの試合なので大量動員を期待したのかLAFCの側が通常のホームではなく急遽収容9万人のRose Bowlでの開催にした試合だったのですが、その判断はハズレだったようです。公式発表で動員は15,649人。ガラガラでした。TVのメインのカメラに映らない手前側は客を入れていなくて完全に空。15,649人だったらLAFCのホームのキャパが22,000人なんでそっちでやった方が満員感も出ただろうし会場リース料も節約できた。興行判断ってのは難しいですね。1ヶ月ほど前にあったLAFCと市内ライバルGalaxyとの特別試合で大観衆を入れた幻が欲をかかせた感じかもです。
MLSが自前のスタジアムなんて持てなかった時代にフットボールの大スタジアムに1万人そこそこ動員してもがらーんとした雰囲気の中でさびしく試合をしていた頃をちょっと思い出してしまいました。

この試合はLAFCが2−0でリードしてこのまま押し切りそう、Leagues Cupの準決勝進出4チームが全部MLSのチームになっちゃうなあと思いながら見ていたんですがMonterreyが終盤に次々と畳み込んで3−2で逆転勝利となってます。あらあらという感じでの逆転。多くはないけれど熱いMonterreyファン歓喜。

これで準決勝のカードはMonterrey@Nashville SC、Inter Miami@Philadelphia Unionとなってます。Philadelphia Unionの関係者がファンにこの試合のチケットを転売市場で売らないように呼びかけてます。Messiの東部初登場試合になりますがUnionの地元ファンでスタジアムを埋めてホームフィールドアドバンテージを維持したいからなんて言ってます。チームの関係者が転売するななんて言ってるのは普段ファンを入れないエリアに人を人を入れてチームが儲けたいからじゃないのかと疑いたくなりますけど。

関係者がなにを言っても転売市場でのチケット価格が高騰するのは確実。いまちらっと転売サイトを見てきましたが最低価格が$326(ざっと5万円弱)から。このスタジアムは小スタジアムなので最悪席でも大型スタジアムの悪くない席と距離は変わらないので$300ちょっとなら(意味不明な手数料がいろいろかかって実際は$400を超えると思いますが)悪くないんじゃないかな。最高価格で$3000超。そんなもんなのか。もっと高くなるのかと思ってました。平日夜だからか。それとも東部Philadelphia辺りではMessi熱も広くは感染してないのか。

外敵の進出にNASCARが立ち向かう

Chicagoでのストリートレースで初出走即優勝を遂げたオーストラリア人ドライバーのShane van GisbergenがNASCARに再参戦することが確定したと発表されてます。オーストラリアのSupercarシリーズでGisbergenとともに参戦中のBrodie Kosteck25歳も同時参加。彼らが出走するのは8月13日のndianapolis Motor Speedwayのロードコースでのレース。いわゆるローバルと言われるロード部分とオーバルコース部分の混在のコースとなります。ストリートコースでGisbergenに余裕の初優勝を許したNASCAR勢の反攻奮起が期待されるレースとも言えます。

このレースには他にも日本のKamui Kobayashiや元F1王者のJenson Buttonも出走予定。オーバルコースが本業といえるNASCAR勢がストリートレースでしてやられた豪Supercar勢に借りを返すべきレース。その舞台はNASCAR勢が得意とするオーバルとF1も使用したロードの折衷。異種格闘技戦的な舞台ともいえるわけです。
同時にこのレースはレギュラーシーズン全26戦の第24レース。今季未勝利で得意のロード/ローバルで勝ってプレーオフ出場を決めたい人気ドライバーのChase Elliotや他のプレーオフの足切りに向けてのポイントを稼がなきゃいけない当落線上のレギュラードライバーたちが実力派のスポット参戦の外敵に阻まれ順位を落とされてポイントを稼ぎそこなって歯噛みするなんて場面もあるとそれも楽しそうです。

Chicagoストリートレースで勝ったときにはNASCARにフル参戦するとしても2025年かなと言っていたvan Gisbergenでしたが今回の再渡米で獲得希望のNASCARチームとの突っ込んだビジネストークが持たれると予想されており来季のNASCARフル参戦の可能性を一気に詰めるかも。

ChicagoでもIndyでもvan Gisbergenが出走する91番のTrackhouse RacingにはCharter=年間出走権の枠の空きがない。昨今はCharterの取引価格が$30 millionを下ることがない状態で可能性としては次のCharterの取引では$50 million近辺まで高騰する可能性もあるとか。Trackhouseのような規模のチームでは手が出ない価格になってきているという観測があります。NASCARはCup戦の次期放映権契約の交渉中かつNASCARとチームとの収入分割の交渉も継続中。新放映権契約で景気のいい金額が踊る可能性があります。

この手の話を聞いてるとアメリカの経済は好調で皆金回りが良いんだなあと。準メジャージャンルのNASCARでも景気の良い話ばかりです。

そして最後はスポーツ番組がTV局の命綱

アメスポ最大のモータースポーツジャンルであるNASCARの第2カテゴリであるXfinityシリーズが2025年から地上波のマイナー系列The CW(以下CW)で放送されると発表になっています。大いに意外ではありますがケーブルTVの緩やかな死という大きな流れのひとつの動きと考え合わせるとこれもアリなのか。

CWというのは地上波の全国放送網。全米192局でカバー米国内の100大都市圏は網羅。しかしいわゆる四大ネットワーク=ABC、CBS、NBC、FOXからは番組内容視聴者数その他で大きく離されている存在です。私もめったに見たことがないです。幼稚な内容のホラーともオカルトともつかないB級ドラマを延々流してるイメージのマイナー局です。それが下位カテゴリとはいえNASCARの放映権に食い込んでくるというのは意外な展開です。

ただこうなってみるとこの動きの呼び水になったかなという事件はありました。今年から始まったLIV Golfの中継です。LIV Golfがアメスポ市場への侵略者とみなされて守る側のPGAに予防線を張られたのか地上波の四大ネットワークもケーブルの大手系列もLIV Golfの放送をしようとはしなかった。それでLIV Golfは窮余の策でCWにダダ同然ともされる形で放映権を提供して放送を開始。年数が確認できませんが複数年の放映権契約を結んだと報じられています。

想像するにLIV Golfの放送がCWで始まったことでCWの基礎視聴者数が大きくアップしたんじゃないでしょうか。だってCWなんて何年もチャンネルをあわせたことがなかったような私ですらLIV Golfの放送はどんな具合になっているのか気になってCWでの放送を見ましたから、そんなことが全米各地で起こったことは想像に難くないです。そして地上波放送なので面倒な手続きもなくチラっと見ることができた。ケーブル局やストリーミングサービスだったらご家庭ごとに視聴契約事情が異なるのがここで手続き不要な地上波であることの強みが生きた可能性があります。

LIV Golfのアメスポ市場侵略問題はLIV GolfとPGAと合弁会社を組むという急展開で終結。もう大手TV局もPGAの顔色を気にしてLIV Golfの放映を避ける必要がなくなったので現行のCWとLIV Golfの契約が終了次第LIV Golfはもっとまともな系列に移るのでしょう。
しかしCWはこの一連の顛末でスポーツ番組の引きの強さを目の当たりにしたことになったのでは。それがCW側が次のスポーツ番組としてNASCARとの契約を結ぼうと考えた理由かなと想像しておきます。いままでの万年マイナーから第5の英語地上波ネットワークに育てようという野望と意欲が経営者側に湧いている可能性がありそうです。(英語の とことわったのはスペイン語放送のUnivisonがあるため)


ではNASCAR側から見てこの契約はどうなのか。現行Xfinityシリーズは最上位カテゴリのCup戦を放映するFOX系列とNBC系列のケーブル局で放映。シーズン前半の放映権を持つFOXならFS1、NBCならUSA Networkが放送します。ざっとの話Cup戦は日曜日に本戦レース、Xfinityは土曜日にレース。Cup戦は地上波とケーブルが半々。Xfinityシリーズは大半がケーブルで放送。
Xfinityシリーズの視聴者数は年間を通じてF1やIndyCarと三つ巴。NASCARの第2カテゴリではあってもモータースポーツ全体で第2位集団クラスの視聴者を集める番組と言って良いです。F1は世界を転戦するので放映時間帯が不利な場合も多いので単純に視聴者数の数字で人気の実力は云々できませんが。

このXfinityシリーズがCWに移籍する。Xfinityシリーズ単体が売物となるという意味で放映権収入が増えるはず。Cup戦の次期放映権交渉はまだまとまっていませんがそうなるはずです。
そしてまがいなりにもXfinityシリーズが地上波で全戦放送できるようになるのもこれからのTV業界の構造変革の流れからすれば正しいのかもしれません。ケーブルTVの緩慢な死という流れからしてCup戦のオマケ的に放映権販売されていたXfinityシリーズが視聴者がこの先減るばかりの可能性のあるケーブル局にこれから10年近くも縛りつけられるのを避けられたという評価が可能です。その上CWは生き残りをかけてスポーツ番組の充実に力を入れている最中でXfinityシリーズをプッシュしてくれるのは確実です。

過去何度か書いてますがアメリカではcable cuttingが進行中。ケーブルTVの視聴契約家庭数が減り続けているとされます。特に若い世代が加入してくれない。昔からケーブル契約している家庭がそのまま視聴し続けていることで命脈を保ってる様子です。
同時進行で四大ネットワーク(FOXは遅れをとってますが)や新興大手(AppleTV、Prime Video)が有料ストリーミングで覇を競っている真っ最中。大雑把に言ってストリーミングがケーブルTVを置き換えている構図です。ただしまだその途上で決着はついていない。

ストリーミングでのメジャースポーツコンテンツに関しては今はまだ既存の各種放映権契約がケーブル局にも残っているのでストリーミングサービスへの移行のスピードは緩いですがここから各メジャースポーツの放映権が更新されていく中で今ケーブル局が持っている番組は次々とストリーミングに移っていくことが予想されます。TV業界の構造が変わっている中、地合いが一番悪いのがケーブル局だとすればそこに縛られる放映権契約は各スポーツとも避けたいんじゃないでしょうか。カネの入りよりも変に囲い込まれて露出が低下することの弊害が大きい。
一方ケーブルの地盤沈下と相対的に地上波TVが地位が見直されてくる可能性があるわけです。そのさきがけとなるのが今回のCWのXfinityシリーズとの放映権契約という具合にも見えます。地上波大手と違って放映枠に自由度が高いのもCWの強みになります。

でやっと表題の件にたどり着きました。ケーブル局しても地上波にしてもそして新興の有料ストリーミングにしても結局はアンカー命綱になるのはスポーツ中継になっているっていうことになってるんですよね。メジャースポーツだけでなくその周辺の準メジャーやマイナースポーツもここの機会を狙っていきたいところでしょう。
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