アメリカスポーツ三昧

アメリカ永住コースか、または第三国に出国か!?スリルとサスペンスの人生とは別にアメスポは楽しい。

Sports Business/ジャンル比較

じゃあラグビーリーグを見ようじゃないか

(ラグビーリーグのことは以前から一度書きたいと思っていたんですが、アメスポじゃないですし控えてきましたが良い機会なので一項を設けます)


アメリカンフットボールまたはラグビーの試合中のプレー停止・ぶつ切りの問題を解決したスポーツとしてラグビーリーグがあります。ラグビーリーグは13人制のラグビーです。日本で行われているラグビーはラグビーユニオンで15人制ないしは7人制。同じラグビーという名称ですがルールはかなり異なります。19世紀後半に枝分かれしておりどちらも長い独自の歴史を持ちます。(アメリカンフットボールの成立も偶然ながらほぼ同じ時期です)

ラグビーリーグのルールは実はアメリカンフットボールと発想がほぼ同じと言っていいほど似てます。ラグビーリーグではフェイズ、アメリカンフットボールではダウンと呼ぶ攻撃権の制限がそれです。攻撃権を制限まで使って攻めて、ダメならキックで相手陣深くへ戦線を移動させます。

アメリカンフットボールとラグビーリーグの試合の流れでの最大の違いはタックルでボールキャリアが倒れてボールデッドとなったのあとのリスタートが即時であること。ほとんど試合が止まりません。ボール保持者がダウンした場合、保持者本人がボールをリセットしてそのままリスタート役をします(手は使えません)。アメリカンフットボールのように攻守22人が時間をかけて全員セットしたりしない。ラグビーリーグにはほとんどスクラムもない(ありますがユニオンのそれとは違う)のでそこで途切れることも試合中僅か。
ぶつ切りだから見にくいという(対アメフトに限らず)競技批判を聞くといつも「じゃあラグビーリーグ見たらいいのに」と思います。私の知る限り最も試合が止まらないスポーツがラグビーリーグなので。

ラグビーリーグ、ラグビーユニオンともに英国内にプロがあるんですが、でも人気があるのはユニオンの方なのです。じゃあぶつ切りだからおもしろくない、というのは言い訳なんじゃないかなあと思うんですけどどうなんでしょうか?

世界でラグビーリーグが最も盛んなのはオーストラリアで、優勝戦=NRL Grand Finalはときには10万人規模の観衆を集め人気。この試合は毎年アメリカでも地味ながら放送があります。

若い人はスポーツを見ない?

このクリスマス休暇中に中高大学生年齢の方たちとスポーツについて語り合う機会がありました。一人は男子学生なのですが、彼は私との会話を大変楽しんでくれたようでした。曰く学校の同級生たちにはスポーツファンが少なく、少し見ている子たちでも贔屓のチームの事情を知っていれば良い所。ちょっと深い事情やリーグ全体の話になるとまるで会話が成立しないので、彼としてはフラストレーションが溜まっていたところに私と話す機会があってさまざまなジャンルの話ができて大変すっきりしたとよろこんでくれました。

彼によると今の若い子はホントにスポーツを見ないというのです。もちろんアメリカの大学生は日本とは違い相当に学業が忙しいのでスポーツ以外の娯楽もさほど楽しめる時間的余裕がない世代ではあるんですが、その少ない余暇でTVを見るというとドラマや映画が優先して、自校の試合ですら興味が薄いそうです。特にTVドラマシリーズなんかはスポーツの強敵の模様。彼の学校はフットボールでまあまあ、バスケはほぼ常にNCAAトーナメントに行くというレベルのD-Iの学校ですが、それでもそんなもんか、と。なるほどなあと。


アメスポは競技間の競争もありますが、競争自体は健全で、バスケファンがフットボールをけなすだとかそういうネガティブな話は少ない。スポーツの人気選手が別ジャンルの競技の観戦に来ているというのは自然でよくある風景です。アメスポは全体として質量とも相当に分厚い産業になっているとは思いますが、それでも外の他のエンタメとの競争がアメスポファンが思う以上に激化、地位が脆弱化しているのかもしれません。普段アメスポの隆盛を当たり前のように感じていた私としては、若干のカルチャーショックでもあり、これからは一歩引いてアメスポの状況を見るという視線も必要かなと思ったのでした。

3大スポーツはもう攻められない?

バスケットボールNBAとホッケーNHLはいくつかの都市でアリーナを共有してホームとして利用しています。最新だとDetroit PistonsとDetroit Red Wingsとが新設のアリーナに入居したばかり。

他には(前がNBA、後ろがNHLチームです) New York Knicks/Rangers, Brooklyn Nets/Islanders, Washington Wizards/Capitals, Boston Celtics/Bruins, Toronoto Raptors/Maple Leafs, Philadelphia 76ers/Flyers, Miami Heat/Panthers, Chicago Bulls/Blackhawks, Dallas Mavericks/Stars, Denver Nuggets/Avalanche, Los Angeles Lakers+Clippers/Kings, 見落としがなければ12都市13チームが共同で使用。Los AngelesのStaples CenterはNBAの2チームとNHL Kingsと併せて同じ時期に3チームがシーズンを行う、たぶんアメリカ中で一番稼働率の高いアリーナでしょう。

NBAが全30チーム、NHLが31チームのうち重なっているのが12~13というのは少ないように思います。NBAでは単独でアリーナのメインテナントになっているところが17チーム、NHLで19チームもあるということですから。同じ都市圏だけれどアリーナはNBAとNHLで別というところもあります。Minnesota TimberwolvesとWildがその例。ほとんどのアリーナは1990年代の後半から21世紀初頭に建てられたもの。


細かくみていくとそれぞれのリーグの歴史が感じられておもしろいです。NBAのNHLと重なっていない都市のチームを見ていくと1970年代に合併したABAのチームのホームが目につきます。当時までにNBA自身が進出していた都市は誰でもが選ぶ王道の大都市が多い。対してABAがNBAの対抗リーグとして進出したSan AntonioであるとかInidianapolisであるとかは当時の基準ではNBAに限らずメジャースポーツは出て行かなかった中都市だったわけです。NBA自身ではそういう地方都市への進出は二の足を踏む。でも後発のABAはそういうところへ攻めて出て行った。結果的にはNBAはABAを吸収したことでそういう地方都市への進出を果たすことになりました。いまでこそIndinapolisにはNFL Coltsがあります(1984年にBaltimoreから移転)がNBA-ABA合併当時は唯一のメジャースポーツが同地にできたわけです。San Antonioはいまも唯一ですね。その後もNBAはNFLやMLBがチームを持たない土地に出て行った。Sacramentoもそうですし、Utahもそうです。NFLやMLBよりも運営コストが低いという強みもあり積極的に攻めの拡張をしてきたのです。

昨今のサッカーMLSの攻めの拡張中、MLSほどでないにしてもNHLが再びリーグを拡張モードにしようとしているのに比較してNFL/MLB/NBAの拡張意欲は低いです。現状のビジネスが順調であるから無理な拡張は必要性が低いのも大きな理由でしょう。同時に3大スポーツはそのビジネスが巨大になり過ぎて新チームの結成にかかるコストが大変な額になる。メジャースポーツチームのオーナーになりたい投資家はたくさんいるので既存のチームの転売価格も上がる一方。サラリーを始め運営コストも巨大だ。そういう投資を回収できるような新たなマーケットはもうなかなかないので拡張できないというのが実際のところなのでしょう。

対してMLSはリーグへの参入金が一時点と比較して驚きの50~100倍ぐらいになってますが、それでもメジャースポーツよりは遙かに安い。そして選手のサラリーは激安。いまでもリーグ平均で3000万円程度、メジアンなら1人1000万円です。この年間コストの低さがあるのでMLSは他のメジャースポーツが絶対に入っていけない中都市にも入っていけるというわけです。(MLSの選手の待遇はちっとも上がらなくて選手達は不満が募っているのであろうと考えられますから今後の不安定要素ではありますが)

攻めの拡張MLS/NHL そうはいかないMLB/NBA/NFL

今後各リーグの拡張政策について書いてみたいので、その下準備としてこの項を設けました。

21世紀に入ってから4大メジャースポーツで新チームができたのは今年から発進したホッケーNHLのVegas Golden Knightが唯一です。NHLは先日も報告したとおりでSeattleに新チームを結成することを表明済みでもあり、メジャーの中では唯一積極的な拡張策にでているリーグということになります。他にもQuebec City、Torontoの第2チーム、Houstonの積極的誘致と有望な候補先あり。

NHLより遙かに大規模なビジネスである三大スポーツですと、NFLはチームの都市間移転は活発で、今後もカナダToronto、イギリスLondonにチームを移転して商圏を広げる可能性がありますがチーム数の増加・リーグ拡張となるとトーンダウンする。MLBはカナダ仏語圏Montrealへの帰還を具体的に検討。他にMexico CityとCharlotteを検討中とコミッショナーが発言してますがMexico Cityは眉唾な気がします。実質新マーケットはCharlotteのみ。MLBはそのスケジュール上2チーム同時の追加が必須ですからコミッショナーが三都市の名前を挙げた時点で1カ所は確実に落選ということです。NBAはSeattleへの復帰のみがコミッショナーの口から出る拡張先ですが、それすらもこの夏の発言では「優先事項ではない」とのことで大きな拡張はなさそうです。

4大からはひとつ格下として扱われますがサッカーMLSはこれは別天地。勢いよく次々と全米各地へ新チームを結成。メジャースポーツチーム数が停滞している中、2000年には12チームだったのが来季は23チームへほぼ倍増。ほとんど増加のない4大スポーツとはまるで違う。さらに2020年には2チーム追加の具体的なプランも進行中で、近い将来の25チーム化は確定的。25チーム中22チームが米国内3チームがカナダ。
2018年時点でまとめるとこういう感じです。括弧内は米国外のチーム数(=現時点ではカナダしかないですが)
NFL 32 (0)
MLB 30 (1)
NBA 30 (1)
NHL 31 (7)
MLS 23 (3) 
ざっと数字を眺めると誰でも思いそうなのがアメスポは30チームぐらいがだいたい限界なのか、ということ。MLSはまだそこにたどりついてない。NHLもアメリカ国内のチーム数だけとればまだまだ30にとどいていないから伸ばせる余地がありのように見える。そんなところでしょう。MLSの新チームへの需要が高いのは拡張限界(と見える)の30チームが近づく中で、最後のチャンスとして投資家・ホスト都市が飛びついているということでもあるでしょう。
本当のところ30チームが上限なのかどうかはわかりません。いまのスポーツビジネスで一番大事な放映権契約を取る上で全国をカバーしていると主張するためには概ねこれぐらいのテリトリーが必要ということではあるでしょう。同時にそれぞれのチームが満足できる観客動員ができる都市は今メジャーチームが出ている都市程度で限界だ、という意味でもあるでしょう。ただしこの満足の基準がそれぞれのジャンルで違う。基準が違うのでMLSには攻めで入っていけるマーケットでもNFLやMLBだととても基準を満たせないということになります。

Can't go sleep!

先週末からFOXが昨日今日=土日を「スポーツ史上最大の週末」と銘打ってまとめて宣伝していました。土曜日にカレッジフットボールの今季の行方を左右する一戦=Penn State@Ohio Stateと、MLB World Series第4戦。今日日曜日はNFLの地区ライバル対決Dallas Cowboys@Washington Redskinsと、World Series第5戦をすべて地上波FOXが全国放送するのをまとめてプロモートしていたわけです。先週の時点ではWorld Seriesは第5戦が存在するかどうかもわからなかった(スイープ以外なら存在するから可能性は高いですが)のも含めて。バックグラウンドに「♪I can't go sleep!」なんていう曲が流れてスポーツ三昧を強調していたんですね。

で今日曜日の11:30PMです。さすがに多過ぎる気がしてきました。試合の善し悪しではなく、さすがに見てるだけで疲労を感じるレベルの情報量かと。FOX押しのこれらの試合以外にもカレッジフットボール・NFL・MLSプレーオフ、NASCAR Martinsville、NBA、NHLで様々なニュースとスコアが飛び交ってます。NBAではCleveland CavaliersもGolden State Warriorsも日曜日に惨敗して勝率5割圏を低空飛行中、どうなってんだ。NHLはディフェンディングチャンピオンPenguinsがまたも第1ピリオドだけで0-5の破綻試合を展開どうなってんの?NASCARのプレーオフも大詰めが近づいてます。気になる。これにカレッジとプロのフットボールが大量に試合開催。もうとても一人の人間がフォローできる様な量ではないです。


この週末の最後のメニューとなるWorld Series第5戦。現在7-7同点です。両チームのエースが轟沈。6回途中でとうに試合開始から三時間を経過。ここまでのシリーズの流れからして残りのピッチャーがぴしっと抑えることができるかは大いに疑問でこれは25時コースかと。日本のファンからすると遺恨のGurrielが打っちゃったり、前田が遂に捉まったりと歯がみして楽しんでいらっしゃることかと思いますが、東部時間在住者の私は今夜のところはギブアップしておこうかと思います。スミマセン。

スポーツ人口の話

アメリカでの各スポーツの競技人口の最近のトレンドの話を少しまとめてしてみたいとおもいます。とりあえず叩き台としてこの資料を使ってみます。年代の切り方、男女別などで若干の差はあると思いますが他の資料でも傾向としては似たり寄ったりですから。この資料は6歳から17歳、2009年と2014年の5年間の比較で増減が示されています。

http://www.engagesports.com/Portals/0/images/Blog%20Images/Youth%20sports%20report.png


日本語でアメスポを語る際に、とても極端なというか荒唐無稽な(正直言って嘘と言って差し支えない)ことを語っているのを見かけます。そういうのがどれほど嘘なのかという事を少し資料で正してみたいかなというのが今回の記事の動機です。

資料を見ていただくといわゆるメジャースポーツは軒並み減っているのがおわかりになるかと思います。そう、いまアメリカのスポーツ参加人口全体が細り気味なのです。人気メジャースポーツでは上に行くのに専門性が高くなって一般で忌避されつつあることの現れなのかもしれません。増えているのは母数の小さい新興スポーツばかり。ラグビー、ラクロス、サンドバレーというところ。体操は増加している中で唯一母数の大きい例外でしょうか。体操というのはアメリカの場合、伝統的にはチアリーダーをやりたいからという動機の子が多く、そこへ昨今の五輪での米女子代表の活躍が刺激になって体操競技に興味を持った子と両方が混ざっているのでちょっと分析し難いところがあります。

メジャースポーツでは減少幅の大きい順にアメスポ最強フットボールを始めサッカー、バスケ、野球など軒並み減です。アメリカのサッカーを語るときにサッカー人口が増えているとか言いますが、それはもう過去の事で既にそのトレンドは終わっています。減少率は野球よりサッカーの方が大きいほどなのです。

フットボールの競技人口が減っている。フットボールは見るスポーツとしてはキングですが元々競技人口はさして多くない。そこへここ10年ほどの間にNFLでの脳震盪問題がクローズアップされたことで「自分の子供にはフットボールはやらせたくない」という親が増えているということでしょう。この点は重要で、先日少しコメント欄でも触れて、今後またブログ記事でも論じてみたいのですが、現在最強のNFLの死角の一つはこの脳震盪問題があり、その問題のないNBAチームへの投資がNFLチームへの投資よりも優良な投資対象である、という議論につながります。

野球の競技人口が多いの少ないのという話が数字を無視してときに一人歩きしますが、野球の競技人口はいまもって全米最大級です。この表をただ漫然と見るとバスケやサッカーの方が多く見えるわけですが、バスケ・サッカーは男女合計、野球はほぼ100%男子のみの数字です。確かに野球の競技人口は長期トレンドで減っているし、先日来言っている通り観戦スポーツとしての人気はバスケに押され気味です。私自身観戦者としてMLBに文句を言いたい事もたくさんあります。だからと言って野球が滅亡に近いかの様な極端な悲観論は事実からほど遠いです。相当に根強いです。

野球人口の強みとしては伝統的に野球が春スポーツだからでしょう。秋シーズンはフットボール、冬はバスケ、春は野球という伝統的な棲み分けが深く定着しているので一番優秀なアスリートたちはこの三種目をすべてやる、その中でそれぞれが適性を見つけていくということになります。

ラクロスや男子バレーは春。サッカーはこれは気候の違う土地によって違い、秋スポーツだったり冬スポーツだったりします。例えば温暖なカリフォルニアだとサッカーは冬スポーツですが、人口の多い東部だと秋スポーツ。秋だと最優秀アスリートがフットボールに取られてしまうんですよね。高校のフットボールはただの一競技以上の存在ですから。日本では想像しにくいと思いますがフットボールシーズン(つまり今まさにそうです)の毎週金曜日夜のフットボールの試合は、試合を見る見ないに関わらず多くの生徒が試合に集まり楽しむお祭りの様なものです。とにかくみんな来るから楽しい。これは文化の域です。これに対抗して他の秋スポーツが人気スポーツになるのは至難でしょう。

ラクロスやアイスホッケーといった用具コストがそうとうに嵩むスポーツも母数が小さいながら大きく伸びているところにアメリカ経済の好調さをそこはかとなく感じます。フィールドホッケーが大きく減らしているのは同系スポーツであるラクロスの普及の伸びと関係があるかと思います。カレッジでラクロスを正式種目化した学校が増えた(=奨学金の機会も増えた)という事情もあります。

Lochteのスポンサー契約全滅

リオ五輪で狂言強盗事件を起こした米代表スイマーRyan Lochte。最大で10億円規模の損害になるのではと先日記事を書いて見ました。五輪を終えての週明け月曜日にスポンサーが次々と撤退を表明してLochteは経済的に完全に丸腰になってしまいました。一番判断が遅れたのは寝具メーカーで、社長の名前が日本人のそれでしたので日本の会社なのでしょうか?他のスポンサーが全て撤退を表明したのを見て慌ててこの日の午後に契約解除を発表しています。

こうなってしまうとお金の事を考えれば選手生活を続行して競技で稼ぐのか。それともこの負の知名度を活かしてリアリティ番組に登場してイヤミなヤツを演じてみるのか。いろいろ個人の好みはあるでしょうがルックスではMichael Phelpsより上という評価が多いようですからTVに進出っていうのはあり得るんでしょう。そこまでご本人が突き抜けられるかどうか。ちなみにLochteは以前にも一度リアリティ番組(What Would Ryan Lochte Do?)に登場したことがありますが、今回は注目度が違うし見られる目線も違うことになります。

Lochteはベテランでありこれまでにかなり稼いできたのでそれは良いとして、同罪に問われた残りの3人がどうなるのかも気になります。若手なので2020東京五輪にも登場してくる可能性があります。Jack Conger 21歳、Gunnar Bentz 20歳、Jimmy Feigen 26歳。Bentzは帰国早々に所属するGeorgia大を通して反省の弁を発表していました。アメリカは飲酒年齢が21歳からで、日本では考えられないぐらい頻繁に21歳未満の飲酒を取り締まりますし、NCAAもこれを罰します。Bentzは20歳なので米国内ならそれだけでNCAA規則違反です。ブラジルでは20歳は飲酒は合法、法律上の問題はなし。NCAAなりGeorgia大がなんらかのペナルティを加えるのかどうか。まあペナルティがあったところでマイナースポーツの水泳の出場停止を一般スポーツファンが知ることはほとんどないでしょうが。

リオ五輪の閉会式での東京のプレゼンは良かったと思いますが、たぶん日本はLochteみたいなご乱行をされたらやられっぱなしになってしまう国だと思うんですが、その点は大丈夫なんでしょうかね。



ラクロスMLLの曲がり角シーズン

8月になりました。アメスポの各種マイナープロスポーツ・春夏型リーグが結末を迎える月です。9月のフットボールシーズン開幕を前に、または各種学校の夏休みの終わりとともに店じまいをする感じであります。先日お伝えした新設15人制ラグビーPRO Rugbyもその一つ。最大規模のものはマイナーリーグベースボール各レベル。他にもArena Football League、野外ラクロスのMLL、女子サッカーのNWSL、女子室内フットボールLFLなどなど。かつてはメジャースポーツにほど近かったIndyCarシリーズも昨今は9月にシーズンを終了する春夏型のスケジュールでマイナーの側に寄ってきています。

そのひとつ、ラクロスのMLLについて少し。過去当ブログではMLLについては何度も取り上げています。今季はMLLにとって創設16年目。チーム数が過去最大の9チームによるシーズンで過去数シーズン続いていた二回総当たり制でのスケジュールが組めなくなっています。各チームの試合数は昨年までと同じ14試合。現時点で各チームが2~3試合を残して首位から2ゲーム差内に7チームがひしめく大混戦となっています。上位4チームによるプレーオフが待っていて、レギュラーシーズンの最終盤の生き残り戦からファンにとっては大いに盛り上がるところかもしれません。(2チームだけ脱落しているのは今季新設されたAtlanta Blazeと2014年に設立のFlorida Launch。健全です)

ただ気になるのが今季MLLの試合放送が昨年から激減したように我が視聴環境からは見えるところです。カレッジラクロスの放送が今年は大幅に増えたのと比べるとこの激減は目立つ。但しこれはそうは見えない家庭もあるはずではあります。MLLの放映権を地元のケーブル専門局が積極的に購入している余波でそうなっているようです。我が家ではケーブルではなくサテライトなので全国一律の数百チャンネルが見られるわけです(それに各種スポーツパッケージを追加)。そのサイズメリットに対抗すべく地域限定型のケーブルTV運営会社は近年地元のマイナースポーツ(プロ・カレッジ問わず)を積極的に放送するようになっています。つまり全国型サテライトと地域型ケーブルの顧客の取り合いの武器としてマイナースポーツ放送の囲い込みが進んでいて、その流れにMLLも巻き込まれ、その結果全国型のプロバイダと契約で見ている我が家ではMLLの試合を見る機会が激減したという流れです。

MLLのような一般的人気が微妙なプロリーグにとってはこの争奪戦は有り難い収入なはずです。先日見に行ったPRO Rugbyの試合にも地元のケーブルTime Warnerの放送車が横付けされて、ああ地元ケーブルではPRO Rugbyの放送があったんだなと感心。アメリカ市場経済・競争原理の結露だなあと思って眺めていました。全国放送には向かないけれど地域ならそれなりに人的地域的につながる人たちが見る(かもしれない)ものを他にもいろいろ細かく囲い込んで全国型TVプロバイダに対抗している。このビジネス戦略パターンは極マイナーなものが大半ですが、マイナーとメジャーの中間というべきサッカーMLSやさらにその上のホッケーNHLや野球MLBにも食指を伸ばそうかという勢いがある。人目に触れ易い時刻・チャンネルでの全国放送がしっかりとあるメジャー級のスポーツはそうなっても全国レベルの露出はあまり落ちませんが、ラクロスMLLのように全国放送が脆弱(今季はCBS Sportsnetworkでプレーオフ3試合など極僅か)だと一気に露出が落ちちゃうんだなあと。これからまだ伸ばしていかなければならない立場のマイナープロとしては痛し痒し。当面は地域チャンネルからのお金で財政立て直しという感じでしょうか。せっかく大激戦になっているリーグ戦終盤が露出が落ちているのはもったいないかも。

なお私の視聴環境でも試合を積極的に見ようと思えばESPN系のネットストリームであるESPN3を通じてほとんどの試合は見ることはできます。単にTVでたまたまという露出機会の喪失という話です。カレッジラクロスが大幅に露出を伸ばしたタイミングでプロがそれを上手く拾う機会を逃しているのはもったいないですが、経済的体力を養っている時期ということになるのかもしれません。

Pokemon Goはスポーツ産業にとっても脅威

冗談ではありません。Pokemon Go、めちゃめちゃ流行ってます。日本ではリリース前でお楽しみの方はまだ少ないと思いますが、すごいですよこちらでは。既に一日当たりのアクティブユーザー数や平均使用時間でFacebook、Twitterを上回ったとか、ヒットとかブームという言葉では足りない状態に陥っています。FBやTwitterのような全年齢のインターネットユーザーが日常的に使うのが当然となったプラットフォームを1週間で凌駕とか信じられないです。私が毎日車で通過するルート脇にもPokeStopがあっていつも人が集まってます。Pokemon Go以前はあんなところに人がたかっているなんてなかったのに。

日本では毎夏劇場版の映画が公開されているのでアニメとしてのポケモンにも一定の需要があるのだと思いますが、アメリカでは劇場公開はなくなって久しいはず。アニメ専門ケーブルチャンネルで映画版は公開はされるものの、アニメとしてのポケモンは既にアメリカでは影響力を失っていたかのように思っていたのが、今回のPokemon Goで20代以下が揃って狂ったようにポケモンゲットに走っている様は、あの頃の未来に僕らは立っているのかなぁ、などとつぶやいてみたくなるすさまじさです。小学生年齢の子達でもPokemon Goに熱狂しているのを見かけるのも意外。あの年齢層も下火になったと思ったポケモンを知ってるのね…という感じです。(まあそれ以前になんで小学生がみんなスマホ持ってるんだよ=それもデータプラン付きで…というのもアレですが)日本でリリースが遅れているのはたぶんまだ夏休みに入っていないからですよね。いまは期末試験の時期で、こんな時期にPokemon Goがリリースされていたら試験勉強を放棄して狂う子が大量に発生して社会問題化するから、でしょうね。

これだけ爆発的に流行っていると他のエンタメ、一番分かり易いところではその年代向けのテレビ番組の視聴率に下向きの影響が出るのでは?と思われるほどです。ここでやっとアメスポに話がつながります。

スポーツエンタテイメントビジネスを語る場合、競技ジャンルでどの競技が上だ下だという話題は尽きませんが、しかしスポーツジャンルを超えてさらに大きな目でみた場合のスポーツ以外のエンタメとの競合が実はもっと大きなテーマでしょう。アメリカはスポーツエンタメが強力で一大ジャンルですが、日本なんかだとスポーツエンタメ全体のパイが小さく、アメリカよりもそれ以外のエンタメに押されている面が強いように思われます。それなのに日本では狭いスポーツエンタメ界でパイの取り合いをしている感じがもったいない。いや、ムダなエネルギーを狭い中で費やすような活動はくだらないよなあと思います。アメスポの場合、スポーツエンタメ内のジャンル同士のいがみ合いは少ないのが特徴なのは過去にも当ブログでも何度となく紹介してきています。

ではスポーツ以外のPokemon Goのような21世紀的エンタメとの競合でアメスポはこれからの長期にわたってその地位を維持できていくんでしょうか。同じ土俵で戦っていけるのでしょうか。メジャースポーツは文化レベルで定着しており大丈夫なはずだと思いますが、いくつか気になったことがあります。Pokemon Goが熱狂的にウケている理由はその臨場感、リアルさにあります。本当はこれがおかしな話なのです。アニメの世界の住人が我々の日常レベルに登場するというその融合が新鮮なんですけれど、じゃあ例えばNFL Maddenやらのスポーツのコンソールゲームが選手(それも実在する人物)を我々の前に登場させてくれたとして、その描画がポケモン以上にリアルだったとしてもPokemon Goほどは興奮しないんですよね。これは大変なことになったという気がしました。バーチャルな登場人物が登場するとリアルに感じ、実際に存在する選手が登場してもリアルには感じない。うむうという感じです。NBAファンが増えても実際に会場で試合を見たことのあるファンは1%程度というような発言が昨年コミッショナーからありましたが、会場に行っても上の方から眺めるだけで選手とのリアルを体験できないファンもいるでしょうし、リアルの世界のヒーローはポケモン並の臨場感をどう確保していくのでしょうか。

また初期の各種ポケモンが歳を取っていないというのも強烈な強みです。1996年の152体から始まり現在700体ほどですか?それがすべて現役。野球で言えば1996年の新人王はDerek Jeter。我々の現実では昨年パフォーマンスの落ちたJeterを暖かい目で見送ったところ。NBAならDamon Stoudamireが新人賞受賞。しかしPokemon Goでピカチューが登場すれば年齢を感じさせず(当たり前なんですけど)躍動してくれるはず(まだ出会ってないです)。すごいよなあ…と。ポッポあたりで皆大興奮ですよ。

物珍しさが落ち着く時期は必ず来るし長期的にリアルのエンタメであるアメスポがそう簡単に負けるとも思いませんが、とにかくすごいものが出てきたという感じは強いです。

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