アメリカスポーツ三昧

アメリカ永住コースか、または第三国に出国か!?スリルとサスペンスの人生とは別にアメスポは楽しい。

Sports Business/ジャンル比較

Redskinsの改名問題

NFL Washington Redskinsの改名問題。2020年シーズンは僅か2ヶ月で開幕なのでそれまでに新チーム名とロゴを完成するのはかなり時間的な制約がきついです。そうなるとどうなるかというとニックネームなしでシーズンに突入する可能性も念頭に置いておく必要がありそうです。

ニックネームなしというのは残念な状態ですが過去に例がないわけではありません。North Dakota大がFighting SiouxからFighting Hawksに切り替えとなった過渡期に3年近くニックネームなしで活動を続けたという例があります。プロだとCFLがBaltimoreにBaltimore Coltsを作って、NFLから名称使用に法的なクレームが入った時期にニックネームなしで活動した例もありました。この時期はなかなかおもしろいことがいっぱいあって話をすると長くなるので我慢してそこは避けます。

Redskinsというアメリカ原住民をニックネームを過去使っていた例としてはカレッジのMiami-OH大がMiami RedskinsからMiami Redhawksに改名した例があります。他にはSt. John's大がRedmenだったのをRed Stormに変更したのも同様の例です。St. John's大の例だと名称変更に丸2年を要し、伝統の名前を守ろうという抵抗もかなりあったとされます。いまは社会全体に勢いがありますから比較的抵抗は弱いはずです。こういう勢いというのは大事なんだろうなあとは思わされます。

他に有名どころでアメリカ原住民モチーフのチームというとMLB Cleveland Indians、NHL Chicago Blackhawks、カレッジFlorida State Seminolesというところ。


どの名称変更でもほぼ共通するのはチームカラーは変えないこと。Washington Redskinsのえんじ色とゴールドもたぶん変わることはないのでしょう。他でこの配色のチームはプロ・カレッジを通じて少ないので過去からの資産として維持するのはほぼ確実に思えます。
そのケースについては批判も既にあり、チームカラーを維持すると旧アパレルをそのまま持ち込むファンが多く残ることが予想できるので変更が現実的に無効になる可能性があるという批判ですね。そういう批判もあっても良いと思いますが、そういう点まで時間をかけて100点満点の改革を目指すお国柄ではなくスピード感が大事とされる社会なので配色は変わらないと想像した方が良いかと思います。

チーム側からすると名称変更・ロゴ変更のメリットとしては新名称とロゴの登場で公式のマーチャンダイズのセールスが大きく伸びることが予想されることでしょう。新名称側だけでなく、旧名称や旧ロゴを懐かしむ年長ファンが二度と手に入らなくなる前に既存のマーチャンダイズを買い込むことも予想できる。もちろん新ユニフォームも売れるのでチームにとってはビジネス上は悪い話ではないという面もあるわけですね。
RedskinsのオーナーのDan Snyderからするとこれまでさんざん「絶対変えない」と公言していたのが押し流されたという意味でおもしろくない面はあるでしょうが、とりあえずカネは入ると予想されるから、まいっか、ということになりそう。あとはどれほど良い新名称・新ロゴが作れるかですね。そのデキによってセールスは大きく変わるでしょうし。

人種問題とは関係ないですがメジャースポーツの新ロゴの失敗例としてはNBA New Orleans Pelicansが最近の最大の失敗例かと。あれは‥ Zion Williamsonというアメスポ最大のスーパースター候補を得てもあれだけかっこ悪いユニフォームだとなんとも売れないですよね。

やる気のないWizardsに見るシーズン再開の難しさ

ひょっとしたら日本では好意的に報道されているのかもしれませんが、NBAのシーズン再開に先立ってWashington Wizardsが実質的にシーズン放棄しています。日本のメディアにとってはWizardsとはRui Hachimuraの所属先という以上の意味がないチームかと思います。

Wizardsはプレーオフ圏内まで5.5ゲーム差の東カンファレンス9位としてシーズン再開に臨む予定でしたが、再開を前にチームの抜群のエースだったBradley Bealが参加しないことを表明。その前にチーム2位の得点源だったDavis Bertansも出場しないことになっていました。2019−20シーズンを全休中だったJohn Wallも出場する気はさらさらなく、よって今季のスタッツ上はRui Hachimuraが実際にプレーする中では最も得点力があることになります。
8位まで5.5ゲーム差と書きましたが、今年の特別ルールで参加各チームが8試合のseeding gamesを行った後の時点で8位と9位の差が4ゲーム差以内ならPlay-inで8−9位の直接対決で決着をつける方式なので、8試合で2ゲーム縮められればPlay-inゲームにたどり着ける。Wizardsに十分チャンスのある特別ルールなのに、始まる前からWizardsの主力が追撃を放棄した状態です。


Hachimuraはカレッジ時代も周りの選手には恵まれていた選手です。Gonzagaで一番のプロ有望選手として注目はされていましたが、粒の揃ったGonzagaでは相手チームはHachimuraに的を絞って守るということはできない中で好成績を残してきた選手です。今季プロ入りしてからも新人にしてはという注釈付きでは立派な成績(13.4点、6.0リバウンド)ですがある意味カレッジ時代と同じでガツガツ自分が点をもぎ取るという姿勢ではないプレーぶりであったでしょう。シーズン中にエースのBealの発言として聞こえてくるHachimura評でももっと積極的に行けというものがしばしばありました。これはGonzaga時代にコーチから虎になれと叱咤されていたのとたぶん同じニュアンスの評価と言っていいはず。
この辺はメンタルというよりは素の性格という感じすら受ける問題なので改善するかどうか危ぶまれるところ。どこかで自分の双肩にチームがかかっている、自分がエースで引っ張る局面が出てこないと、どうかなと言うイメージはかなりありました。

そんなHachimuraに主力選手の離脱でエースの立場が急にここへ来てまわってきたことになるわけです。これは絶好の試練の機会と言える、という風に見ればこれはHachimuraにとっての大チャンスという報道もあり得るだろうなあというわけです。可能性としてはHachimuraがNBAチームのエース格で試合に臨むキャリア唯一の機会となる可能性だってあるのです。

現実には2ゲームを縮められないかもしれない。縮められればOralando MagicとのPlay-inのサシの勝負。もしそれも勝てれば東1位フィニッシュ予定のMilwaukee Bucksにプレーオフ本番一回戦でスイープされてシーズン終了という具合になると思われます。もしBucks相手にHachimura率いるWizardsが1勝でもできれば大成功でしょう。これが可能な最善の結果でしょう。
試合平均30点以上を叩き出していたBeal離脱でseeding gamesで惨敗してしまう可能性もまたある。たぶんその可能性の方がずっと高い。Hachimura個人がどうであれ周りが既にやる気を喪失している可能性もありますからね。そういう中でHachimuraが周りの選手を鼓舞してなにかやってのけられればこれからの8試合もキャリア上意味のある試合になる可能性もありますが、その試練にどう立ち向かうか、糧とできるかどうかの勝負と言えそうです。


どうせ最善でもプレーオフ一回戦にボロ負けコースというWizardsの場合はともかく、シーズン再開前・シーズン途中に戦いを投げてしまうチームが出るという事態は困ったものです。NBAの1位対最下位のプレーオフ一回戦ほど予想が覆りにくい状況は他のスポーツでは少ないとは思いますが、それでも優勝の望みが失われたチーム主力選手から離脱者が続出するという状況はMLBでもMLSでもこの先ありうる話です。今季の特例としてリーグと選手会の話し合いで疫禍懸念を理由の離脱をする選手への罰則はないことになっているのがほとんどのリーグなので、先の望みが失われるとチームがガタガタになっちゃう可能性は否定しきれません。NHLは直接プレーオフに入る仕組みで、どのチームにも勝ち上がるチャンスはNBAと比較にならないぐらい現実的にあるので選手の自主離脱は少ない可能性を感じますが。

Amazonがエコなネーミグライツを獲得

2021−22シーズンからNHLに参入するSeattleのNHL新チームの本拠地アリーナの名前が決まってます。Climate Pledge Arenaというそうです。これは新しい。チーム名はまだ未定。決まってるのかもしれませんが未公表。今年はあまりにも大事件が多すぎて大変な年になっているのでチーム名の発表をして盛り上げるのは参入する2021年にずれ込む可能性が高そうですね。

さてClimate Pledge Arena。通販最大手Amazonがネーミグライツを購入して命名したもの。Amazonの本社はSeattle市内にありますから地元。スポーツ会場のネーミグライツというと企業名がほとんど、商品名が少数派かと思いますが、そのどちらでもない名前にしてきました。いまさらAmazonの名前を知らないアメリカ人は貧困層でもない限りいないわけで企業名を売り込む必要がないのはわかりますが。

Climate Pledgeを訳すと「気候の誓い」でしょうか。日本語として語呂が悪くてすみません。つまり企業イメージの向上にこのネーミグライツを使おうということですね。地球環境に優しい、継続可能な社会、といったイメージをAmazonの企業イメージに付け加えたいということなんでしょう。
確かに考えてみればGAFAの4社の中でAmazonが一番ユーザーに向けた社会的なメッセージ性が薄い気がします。

NHLの地方アリーナの名前をエコな名前にしただけではないらしいところが手が込んでます。なんでもこの新アリーナの設計は世界で初のnet zero carbon certifiedなアリーナだそう。二酸化炭素発生を抑えイベント開催しても二酸化炭素の出入りをプラマイゼロにして環境へのインパクトを抑えた形で運営されるのが認証されているとのこと、らしいです。また製氷に使う水は水道水ではなく現地の雨水を使うエコ仕様なのだとか。

西海岸のNHLアリーナのこのような試みをサポートしても当面さほど目立つことはないと想像できます。いつも言ってますが西海岸のスポーツイベントはアメリカの人口の半分以上が住む東部時間帯からではなかなか見づらい。現地午後7時の試合開始が東部では午後10時からの試合開始。NBAならともかく、かなりファン数で劣るNHLの、それも馴染みのない新チームの試合を多くの人が見ることはあまり期待しにくい。アリーナのエコな取り組みは新しい動きをリードする意味はあっても多くの人の注目は集めにくそう。特にAmazonという知名度抜群の企業の取り組みとしては地味にはなりそうです。

NBAならともかく、と書きましたが、この新アリーナ、将来的にはNBAも誘致する可能性も見てネーミグライツを買ってるのかも。NBAとNHLの両用ならNHL単独の倍以上の露出は見込めるようになるのでしょう。

トランプレトリックに見るわかりやすさとアメスポ

トランプさんは演説好きで昨夜の支持者集会での演説は予定時間を40分も超過して喋りまくったとか。ここのところホワイトハウスに籠もっていて批判を受け続けてましたから、鬱憤晴らしのセラピー効果があったのではないかと想像します。大観衆とのこういうエネルギーの交換が特殊な心理的効果を生むのはアメスポファンの皆様はよくご存知のことかと思います。これは聴衆にとってもそうですしパフォーマーにとってもそうでしょう。そのイベントがただの野球の一試合、フットボールの一試合ではなく感動のレベルに達するのは観衆のエネルギーがそれを誘導しているからですよね。
TVには映らなかったのですがアリーナは1/3以上の空き席があったそうで、さすがの強気のトランプ支持者も疫禍でかなり勢いが削がれた面はあるようですが、TVで見る限り支持者固めには成功したかに見えました。


トランプさんの強さは言い回しの単純さです。その良さが昨日の演説でも出ていたと思います。日本の方にもわかりやすい例をあげれば、彼は自陣営の人を褒めるときほとんど「Good job」しか言いません。Good jobを繰り返す。たまに「Tremendous job」というのが最上ですかね。過去の政治家が美辞で延々と喋るところをGood jobという誰にもわかる形で短くしか言わない。政敵を表現するときは「very bad people」しか言いません。トランプさんの支持者の大半は学歴の低い白人人口です。彼らにわからない単語を使ってはいけないのです。昨日の演説中でもたまに抽象表現が出てくると観衆の反応ははっきり落ちます。このわかりやすさは聞く側次第で評価が大きく割れることになります。トランプ支持になる理由はいくつもあると思いますが、自身の支持層の特徴をしっかり掴んで話すレトリックは意識的に徹底されたものです。

アメリカ総人口における4大卒の割合は33%とされます。これでも近年かなり増加したのです。根本的に大卒はマイノリティということです。ところがそのマイノリティが社会では偉そうな顔をしてカネを稼いでいる、というマジョリティの不満と劣等感をうまく捉えているとも言えるでしょう。


そういうことを考えていて、今のアメスポは大衆の娯楽だったところから既に大きく外れてしまっているのではないのかということを思いました。マジョリティに単純な楽しみを届けられない存在に変質しているのではないのか、ということです。トランプ的なわかりやすさを大衆娯楽としてのスポーツが失った可能性と言っても良いです。
そもそも当ブログがスポーツに関して理屈っぽいことを散々書いていますが、それ自体が既に大衆の娯楽から外れてしまったことをばかりを書いているのではないか。そういう話題がいくらでもあること自体がアメスポがマジョリティの興味から外れてしまっているという意味なのではないかと。試合のルールにせよ、戦術にせよ、サラリー政策にせよ、社会問題との関わりにせよです。

わかりやすい例をあげればMLBのセイバーメトリクスでしょう。セイバーメトリクスやビッグデータを活用することで戦術は進化(退化という批判をする方もいますが)しました。しかしそれによって敵の投手が剛球を投げ込みそれを我がチームのヒーローが打ち返すという単純な楽しみは、様々なデータや戦術に侵食されてしまっています。配球を読むのも、様々な変化球を見分けるのも楽しいですし、双方が最適解を求めて戦うのもおもしろいとは言えますが、それはその昔のヒーローの活躍を待つ単純な楽しさとは別種のものです。そういう新しい見方を提供することで獲得できたファン層も存在するのでしょうが、実はそれで静かに失ったマジョリティもかなりいるのではないか、ということを昨日のトランプさんのラリーを見ていて感じたわけです。

南部のスポーツの代表格だったNASCARからしてそうですよね。今のNASCARの放送ってすごく分析的な放送をしています。様々な数字がリアルタイムに画面に表示されて、解説もなぜ今の場面が出現したのか空力その他を科学的に説明してくれます。私からすればとてもおもしろいと思いますが、轟音をとどろかせてパワー全開でぶち抜けいけ~的なものはいまのNASCAR放送からはかなり減ってしまっている。MLBの例と同じで新しい見方により獲得できたファン層も存在するのでしょうが、従来いたサイレントマジョリティをケアすることを怠っているという可能性が否定できないかな、ということです。

無観客でも儲かるジャンルとそうでないジャンル

アメスポ業界全体で無観客を前提とした再開の動きが急になっています。MLBもいよいよシーズン開幕の具体策を選手会に提示して一歩前進。既報の通りWWEは唯一疫禍の中で継続的に活動を維持した他、UFCが249で復活、NASCARも次週からシーズン再開。IndyCar、PGAも6月からの活動開始を発表済み。

他にこの時期にシーズンが開催されているべきところではサッカーMLSは選手にチーム施設を開放して個人練習を可にしたばかりで、まだシーズン再開へ舵を切りきれてない。
試合への参加人員の多さ、身体接触の有無などを考えるとサッカーは上記の再開済み・再開に目処をつけたジャンルと比較すると不利な面がありますが、既に欧州メジャーサッカーで具体的に再開の動きが出ているのと比較するとMLSの動きは鈍いようにも見えます。

それはなぜかなということを考えるとMLSの収益構造が現地での動員により多くを依存しているからではないのか、という可能性が推測できそうです。言い方を変えると無観客のTVでの放映権料だけでは帳尻が合わないからということではという推測です。
欧州サッカーのメジャーの放映権料は自国にとどまらない広範な収入があり、残りのスケジュールを完遂するかどうかでの経済的メリットが大きい。同じ欧州サッカーでも群小国のリーグが残りスケジュールをキャンセルするのとブンデスリーガなどが再開に舵を切るのの差はそこにあるんだろうと考えられそう。つまりMLSは欧州群小国と似た判断をしているということかなと。もちろん欧州サッカーは既にシーズンの最終局面にあったところでの強制中断で残り試合数も少ない。MLSはまだほぼ丸1シーズン残っているという違いもあります。


昨日Indy 500をさっさとやれば、ということを書いたんですが、どうも延期した10月開催で観客動員を狙う方向のようです。他にはテニスのUS Openが例年の夏開催から12月への延期を発表済み。ニューヨーク市の12月なんて極寒でとてもテニスができそうな気がしませんがとにかく延期とされてます。

延期にしておくと既に販売済みのチケットの払い戻しをその時期まではしなくても良いことになる。このメリットが巨大なので無観客化なんて、ということなのでしょうとIndy 500については前言撤回、考え直しました。Indy 500の会場であるIndianapolis Motor Speedwayは25万席以上を誇る巨大建造物。それ以外にトラック内の席なしの入場も含めると40万人を動員するアメスポ有数のスーパーイベントです。Indy 500は全席常時予約販売済みだと理解してます。何年も入場の待ちリストに名を連ねている人もいるとされます。転売市場が充実した昨今ではもう予約待ちの人たちにチケットが回ってくることはないのかも。
さて25万席を半年でも払い戻しするか手元にカネを置いておけるかは大いに差がある。無観客化して強行開催するとこのチケット販売の売上がすべて吹っ飛ぶことになってとてもすぐにそんな決断はできない、ということなんでしょう。名より実をとるなら延期でカネをキープすべきという判断。たぶんその判断は正しいのでしょう。

収益構造としてはたぶんテニスUS Openも同じ。高額の継続購入の顧客へのチケット販売で常時完売。昨年の動員実績は73万人以上。12月に実際に開催できるかどうかではなく、どう既に販売済みのチケット代金を手元に維持しながら、できればそのカネを手元に置いたままで来年につなげられるかを考えれば可能な限り大きく後ろへ延期にしたのは上策なんでしょう。同じ延期の単発メジャーイベントでもゴルフのMastersは開催を本気で考えているような気がします。Mastersの動員は3−4万人程度。Indy 500やUS Openテニスとは文字通り桁違いです。

WrestleMania後も順調WWE

一部に先週末のWrestleMania後に無期限休止に入るのではと噂もあったWWEですがWrestleMania後も順調にRAW、Smackdownも放映を終えています。次の伏線を張るような内容からしても近いうちに休止に入る気があるようにはまったく見えません。

WrestleMania 36はWrestleMania史上最大の視聴者を集めたとの報道もあります。過去の数字と比較しやすいTVのみの数字はどうも発表されていないようなのですが、WWEはすべての視聴方法を合わせた視聴者は9億6700万人だったと主張しています。とてつもない数字と言えましょう。ほぼ全世界でライブスポーツイベントが消え去っている中、WrestleManiaの一人勝ちか。
製作は自社のスタジオで撮影しているだけなのですから制作費もしれているものがそんなに売れてしまう。Cena x The Fiendの試合などスタジオ撮影であることのメリットを極大化したとすら言えるでしょう。

WWE Smackdownを放送するFOXはその系列のスポーツ専門局FS1でWWE Network製作の番組を定時放送、また毎週水曜日には好評のeNASCARのスピンオフとも言うべきレーシングシミュレーション番組の定時放送を決定するなどコロナ疫禍下で健闘する自系列のスポーツ番組を生かして、スポーツが消えた世界のスポーツ放送で生き残りをはかっています。

対してアメスポ放送の最大手だったESPN系列は手持ちのコンテンツがことごとく活動を停止。唯一可能性のあったUFC 249も遂に開催を断念したことでこれも消滅。
現在進行中のNBA選手によるNBA 2K20トーナメントが終わると、次はNBA・WNBA選手によるH-O-R-S-E大会が次のライブイベントになります。ちょっと前にH-O-R-S-EならSocial distancingを保ったままできるとつぶやいたのですが、本当にそれがESPNの番組になっちゃうんだなあという。


WWEの一人勝ちに心穏やかでないのはUFCか。次週のUFC 249の開催は断念したもののFight Islandというアイデアが浮上して、離島に選手関係者を隔離しての定時放送を早期に模索しているようです。前回UFCの活動に触れたときに検討されていたのは米国内の先住民族居住特区での試合開催でしたが、Fight Island構想は私有の島だと言います。
格闘技で島と言われると日本だと巌流島を思い起こしてしまうのでは。アメリカ的にはリアリティ番組のSurvivor辺りを連想する人が多いのかな。

前回開催場所を検討してたときも先住民族居住区の中は治外法権的な特権も様々ありますが、地続きで検問があるわけでもない場所ですし、本当に中に隔離したり必要な人員が法に触れずに出入りできるのかが疑問でした。
Fight Island構想ではそれが米国内のなのかどうかは言及されていないので私のセンスだとそれは米国外の島を想定してるんじゃないかと想像してしまいます。米国内である限りはどうしても各州の法律や現在発令されている様々な緊急命令に左右される可能性が高いからです。米国内ならビジネス活動を最優先する傾向の強い知事の地元州でないと。カリフォルニアはそうではない、と私には思えます。

いつ観客は戻ってくるのか

前項のXFLの実質継続断念のケースもそうですが、いったいいつ社会が元の機能を回復するのかというのは大きな問題です。既に固定ファンとそのスポーツを絶対に必要とするスポーツマスコミと一体化しているメジャースポーツはともかく、XFLや中規模以下のところは社会が元に戻らないと潰れるところが続出するでしょう。

ここ数日、米国内では抗体検査の話題が増えています。この話題が増えるということ自体がここ数日中に迎えるとされる感染ピークの次、社会の正常化に向かおうとしている行政の意図を感じます。それがどれほどのスピードになるかはまったく見通せないわけですが少なくとも次を考えて行動しているところに希望が持てると思えます。

ワクチン開発にはまだ1年以上の時間がかかることが予想されているためそれを待っていたのでは経済生活が破綻してしまう。抗体を持っている人が多いとわかればワクチン開発を待たずに正常な社会生活を再開できる。少なくとも抗体を持っている人を特定できればそれらの人を活用して部分的に社会活動を再開し始められる、という読み筋なんでしょう。本当はそうかどうかわかりませんが。2度罹らないという保証はまだないはずですが、ワクチン開発に全面的に期待するだけでは経済的な死も見えているので抗体を獲得した人たちから順次OKとしていかないと、というわけです。

少なくとも抗体を持っているから大丈夫だと一般大衆が認識しないとスポーツ観戦などの人の集まるビジネスは成立しそうにないのは先日紹介した意識調査でも示されています。行政も再開OKを出しにくい。全国民の抗体検査を実施するのは簡単ではないでしょうが、大規模調査をして国民の多くが(どういう数字をもって多いと判断するかは微妙でしょうが)抗体を獲得していると示せれば前に進める。そういうことで急にここ数日で抗体検査の話が増えてきたと想像してます。

ワクチン開発のタイミングとスポーツ産業再開のタイミングの話は別項でまた準備しているのですが、メジャースポーツビジネスの選手コーチの総数は限られている。比較的大所帯のMLBでも選手はメジャー契約選手は40名 x 30チームで全部で1200人程度(30%前後の外国人選手を含む)。NFLでざっと70 x 32 =2240(たぶんこっちは大半がアメリカ人)。サポートスタッフを数に加えても、この程度の数であればワクチン開発がされた時点で早めに手当できれば試合は再開可能であろうと読めます。

しかしそれで再開できるのは無観客試合です。一般市民である観客にワクチンを行き渡らせるとなると話はまったく別。それは時間的にそう簡単には起こらない。無観客でないにしてもSocial distancingを継続したように席を空けて動員を大きく絞っての開催とかそんなことになる可能性もあるのか。そんな動員方法でも熱心な固定ファンがついているメジャースポーツなら太客に高い値段で売ればそれなりの収入になるのかもですが、XFLあたりでは無理と想像できる。
この前のトランプ大統領がメジャースポーツのトップを集めて会談したのがここでは重要な意味を持ってくる可能性が指摘できるのでしょう。あそこに呼ばれたプロ競技は将来優先的なワクチン供給を受けられるなどの恩恵を受ける可能性があるかもしれません。あそこに呼ばれなかったプロスポーツは零細とみなされてその恩恵から漏れる可能性が強い、というように私には見えます。

優先と言っても、医療従事者やEssential workers(現状でも営業している社会の根幹ビジネス・食料流通など)よりプロスポーツが優先はしないような気はしますが、アメリカ経済の復活を象徴的にぶち上げるためにはメジャースポーツ、ワクチン開発のタイミング次第ですがその時期に旬なメジャースポーツに優先的な措置がとられる可能性は低くないと思います。数百万人単位の医療従事者よりも遥かに人数も少なく宣伝効果も高いからです。ハイリスク群である高齢者にワクチンを行き渡らせるよりはメジャースポーツ選手たちが優先されるのはほぼまちがいなくアリなんだろうなと。そういうことを大ぴらに政治家は言えないでしょうが、あるんだろうなと。

ワクチンができるまで観客はもうもどらないかも

コロナ疫禍の環境下でのスポーツ関連の様々な事象について4月6~8日にSeton Hall大が世論調査を行なった結果を発表しています。サンプル数が少なくαが高めなので細かい数字を気にしてはいけない調査ですが、アメリカ人の現在のスポーツに対する視線が感じられてなかなかに楽しめるものとなっています。

元資料へのリンクで詳細なところは見ていただくとして、いくつか結果抜き出して書くと
Q アメスポが活動停止をしたタイミングは時期尚早でしたかそれとも? 76%が適切だったと回答
Q IOCが東京五輪を2021年に延期した決定は早すぎましたか? 84%がNo
Q Social distancingが継続していたらNFLは予定どおりにシーズンを開始すべきか? 70%が選手の安全を確認後にと回答
Q スポーツが今年後半・ワクチン開発前に再開したとして、あなたは試合会場に行くのを安全と感じますか? 72%が安全でないと回答 (注←これは原文設問が複雑で悪い設問と思います)
Q 無観客試合でスポーツが再開されたらあなたのTVを見る興味のレベルは? 76%が以前と変わらず見る
Q ライブスポーツが見られなくてさびしいですか? 29%がとってもさびしいと回答

といったところ。最後の質問で回答者をスポーツファンであるかないかを特定してスポーツファン内での内訳もわかるようになっています(ここでは非公開)。自身をスポーツを熱心に追っていると回答したのは17%に過ぎません。スポーツの熱心なファンっていうのはマイノリティなんです。知ってましたけど。


上でも注意書きをしておきましたが、こういう世論調査での質問で「今年後半で」「ワクチン開発前で」と複数の条件づけをした上に、選択肢が複雑な質問をしてはいけません。きっと調査側はぜひこの質問についての大衆の答がすごーく知りたかったのだろうなぁとは思うものの、こういう質問をするのは調査としてはダメです。考えてもみてください。突然電話をかけてこられた上でよく考えないといけないめんどくさい質問だといいかげんな回答がされる可能性が高まります。
なので安全でないと感じる72%という大多数の回答の数字はあまり重要視できませんが、それでも今現在の気分ではとても安全とは回答し難いのもまた事実なのでしょう。


米国内では感染が広がり始めた当初の2月からワクチン開発には12~18ヶ月かかるというのは何度も情報発信されている。スポーツ観戦でワクチン開発前では大多数がスタジアムに行くのが危険だ行かないと言い出したら向こう一年以上スポーツは観客ありで開催し難いし、コンサートもできないし礼拝にも行けないしBlack Fridayもナシ、11月の大統領選にも大いに影響が出そうです。選挙運動も様変わりとなります。そんなに待てるのかな。スポーツで言えば今季だけでなく来季も観客がフルに戻ることはないということになりかねない結果になってます。

日本での感染がなぜか全然広がらない謎を巡ってBCGのオフターゲット効果について言及されるようになりました。私も例のハンコの跡が腕にあります。最近は話のネタにみせびらかしたりしてます。これ、もしBCGが有効だと判明したらどうなるんですかね。アメリカ人の老若男女が判明から半年ぐらいで片っ端からBCGハンコをポンポン押されてしまうんでしょうか。NFL選手やNBA選手の腕にも皆ハンコ跡、かさぶたで痒そうでもかいちゃダメだよ、とかになったらけっこうおもしろいような気もします。あーそういえばKobeはハンコないままで死んでいったんだなぁとか。
BCGってハンコ型である必要性がなんらかあるんでしょうが、他の予防接種ではハンコ型じゃないのになぜBCGだけあのスタイルなんですかね(って疑問に思ったらすぐ検索。理解しました。)

自分で書いてから思いましたが、いまアメリカの製薬会社が競ってワクチン開発に全力投入、一攫千金を狙ってるんですから誰の儲けにもならないBCGが効くとなってもアメリカの医薬業界はそれを全力で無視するのかもしれませんね。効くという検証自体を忌避するかも。

WWEがメジャースポーツの一員としてホワイトハウスに認められる

これはなかなか意外でおもしろい話ではないでしょうか。コロナ疫禍で舵取りに追われるトランプ大統領がアメスポメジャー団体のトップと電話会議を今朝開催。それにWWEのVince McMahonも含まれています。

参加した団体名がソースごとにブレがあって詳細が確認できないのですが、4大メジャーであるNFL/MLB/NBA/NHLに加えて、女子バスケWNBA、ゴルフ男女PGA/LPGA、男子サッカーMLS、競馬Breeders Cup、UFC、WWE、IndyCar、NASCARなどの首脳が呼ばれたとか。ソースによってはNASCARやLPGAが参加者のリストに名前がなかったりちょっとよくわかりませんが、とにかくそういう電話会議が行われたことは事実のようです。
いわく大統領からは現在の疫禍が終わった時点で各スポーツ団体が活発に活動してアメリカ経済復興のイメージリーダーになって欲しいという要請があったとか。会談の中身に実質的な意味のあるものがあったかどうかは定かではないですが、どこかのタイミングでアメスポの復活があった時期にトランプ大統領とスポーツ界がタッグを組んでアメリカの復興をアピールするなどの下地作りですかね。11月投票の大統領選に向けてそういう絵・舞台はトランプにとってはぜひ欲しいところでしょうし。

呼ばれた側を見ると、準メジャーであるMLSにとってはこの仲間に入れてもらえたのは名誉なことのはず。法律上はスポーツ団体ではないWWEが含まれていますが、トランプさんはWWEの殿堂入りメンバーであるなど繋がりが強いのでそういうのも込みか。競馬が含まれたのはトランプの支持層である資産家富裕層が競馬界と大いに重なるのでそれもまた納得か。
呼ばれなかった側で一番目立つのは女子サッカーでしょうか。過去のいきさつから言ってトランプと相性最悪ですし、女子プロ団体NWSLはマイナーですから呼ばれなくてもその点では文句は言えないでしょうが。でも斜陽IndyCarですら呼ばれているしなあという。

先日来書いてますが、トランプ大統領は毎日楽観論を述べるのが仕事のようになっていて、現場を仕切る各州知事や公衆衛生当局者が危機感をあらわにしているのと温度差がかなりあります。今朝の電話会議とは別に、ツイートで大統領は「Little Leagueのシーズンがもうじき始まるぞ」という、非現実的な発言もしてます。いや無理だろ、という。
昨日辺りは連邦政府が備蓄していた人工呼吸器を州が譲って欲しいというのをはねつけたりしてバトル。たぶんホワイトハウスの政治的な思惑ではニューヨーク州などどうやってもトランプの票にならない州には人工呼吸器は渡さず、いわゆる紫色州・Swing State(フロリダ州がたぶんその焦点のひとつ)へ集中的に連邦政府からの援助を送ろうということなのでしょうが、そこまで選挙を露骨に意識したやり方で支持はつなぎとめられるんですかね。
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