アメリカスポーツ三昧

アメリカ永住コースか、または第三国に出国か!?スリルとサスペンスの人生とは別にアメスポは楽しい。

Sports Business/ジャンル比較

アメスポの欧州サッカー侵略としてのSuper League

欧州サッカーのSuper League構想が具体化してきて彼の地では荒れているようです。いろいろ歴史的な面、地元の草の根クラブから世界最強のエリートクラブまでが有機的につながっているという意識など、地元のファンが慣れ親しんだ仕組みが破壊されるという危機感からか強い反対の声がとりあえずは強いようですが、現実的な話としてUEFA側がよほどの譲歩でもしない限り収まりはつかないのでしょう。アメリカ資本のJP Morganが大規模な融資を既にSuper League側へ実施したという話もありますから、金貸しに手を引かせるためには相当の手打ちの金額を積まないといけないのではと想像できますが、そのレベルの譲歩がUEFAにできるものか。

反対派は国内リーグやUEFA/FIFAの主催試合にSuper League参加クラブやそれらのクラブに所属する選手を参加させないというような報復をぶちあげていますが、実効性は疑わしい。その点は過去にも当ブログでは指摘済み。

EPLから6クラブがSuper League参加。スペインも二強+AtleticoがSuper League参加の意向なのですから、これらを強引にパージして国内リーグを開催することなど現実的には不可能に近い。まず法律的に通るかどうかがわからない。UEFAやFIFAが言ってることは独占禁止法で禁止される優越的地位の濫用でありほとんどの国で法律違反になりかねません。
よしんば法律的に通ったとしてもその場合に放映権を買った国内外のメディアが現行契約通りのお金を払ってくれるかどうかわからないですよね。EPL6強が出場しないEPL放送とかBarcaやRealが出ないスペインリーグとかスカスカの放送となることは必定。Aston VillaとかLeedsにはEPL制覇のチャンスですけど、海外の放映権者・海外のファンからすれば無意味です。

そもそも現時点ではSuper League参加組は国内リーグから抜けたいと言ってるわけではないので、今は発表のショックで反対と叫んでる残される中小クラブのファンも落ち着きを取り戻せばSuper League組が国内リーグにとどまる方が、国内リーグから追い出すよりマシだと気づく。


というところまではわかるんですが、その先はどうなるか。Super Leagueがすごい放映権料で売れると想像するからJP Morganも大きな金額を突っ込んできているわけです。当面は各国国内リーグと事を構えないために国内リーグと同居できる形をオファーしてますが、その先には国内トップリーグの縮小案も待ってるでしょう。そこまで見せてしまうと混乱の収拾がつかないのでとりあえず国内リーグへは参加だと言うことをこの夏のオフシーズン中に衆知させていくことになります。

まだあまり批判の矢面のようには言われていませんが昇降格がない固定メンバーでの世界最高峰リーグを運営するというのはアメスポ経営の影響なのは明らか。アメスポ文化どっぷりの私などからすると、5枠でもゲストが参加できるのならずいぶん欧州型昇降格制度に配慮しているじゃないかという気がしますが、欧州型に慣れている方にはそうは見えないみたいですね。
Super Leagueがアメスポ型経営の利点をさらに取り入れようとしているとすれば、将来にはサラリーキャップなどのサラリー抑制策の導入もありえるかも。ただしサラリーキャップは反トラスト法違反とされるかもしれませんが。(この点は米国内でも議論あり)


アメリカのサッカーファンからすると今回のSuper Leagueに参加表明したクラブというのは毎年のように夏のプレシーズン北米ツアー(International Champions Cup, ICC)に来るメンバーそのものなんですよね。
2018年が典型的でICCには計18クラブが参加、Super Leagueに参加表明した12クラブが見事全部含まれます。プラスPSG、Lyon、Bayern、Dortmund、Benfica、Roma。PSGやドイツの2クラブはSuper League参加が有力視されているので、ほとんどまんまなんですよね。米資本JP Morganが投資しているのと併せてSuper Leagueの集金先の焦点はアメリカ市場であるのは明白というように私には見えます。

Super League構想が現実化すれば欧州サッカーの放映権で後手を踏んでいたアメスポ最大手のESPNがとんでもない金額を積んでSuper Leagueの米国内放映権を取りに来るのは目に見えてる。現時点でEPLを放送して先行優位に立っているNBC系列や、UCLの放映権を持つCBS Sportsもババつかみの可能性から焦って参入してくる可能性も十分。アメスポ3大メジャー(NFL/MLB/NBA)は複数の系列にカネを出させて儲かりまくってますが(第4位のNHLは現時点ではNBC系列単独)、欧州Super Leagueもいきなりアメスポメジャー並に複数系列との大型放映権契約が望めるのではないか。その辺まで見込んで投資家は投資しているように思えます。

International Champions Cupはプレシーズン戦にも関わらずほとんどが米国内各地のスタジアムを大入りにします。勝敗に意味のないプレシーズン興行ですらチケットが売れるのですから、Super Leagueとなって真剣勝負の試合の一部を中立地の米国内で行えばさらに売上は伸びることでしょう。例えばEPLの6強はEPLでもH&Aで戦うわけですから、同じシーズンのSuper Leagueでの対戦は中立地でやったって良いわけですよね。
もっと進めればSuper Leagueのゲスト枠に北米のチャンピオンチームが加わる可能性もまたあるはずで、そういった発展の可能性もすべて見通せば、現行のUCL以上のカネを生み出す可能性は相当に高いように私には見えます。

Masters報道とWrestle Mania報道

Hideki MatsuyamaのゴルフMasters制覇の試合。4打差のトップだったためティーオフ前からCBSが完全フォロー全打生中継となりました。私も全編見てしまいました。途中日本のTBS(Tokyo Broadcastingと紹介していました)の中継音声も何度か流して日本での盛り上がりを伝える努力をしていた放送でした。1番でいきなり曲げて、4打差リードがいきなり1打差になってうわーという出だしでしたが、なかなか楽しめました。メジャー大会の中でもMastersはゴルフでは別格のイベントなので(少なくとも米国視点ではそうです)そこでの勝利はまた格別のものとなったかと思います。

スポーツメディアでMasters報道がトップ扱いなのは問題なくそうなのですが、意外にも同日に行われたWWEのWrestle Mania 37の報道量がMastersに劣らないぐらいメジャースポーツマスコミサイトがいくつもあるのが目立ちました。WWE報道が一般スポーツマスコミでこれだけ多くなっているのかと感心。

アメスポ報道最大手のESPNはMastersの木曜日金曜日の放映権を持っており、土日もメインの地上波CBS(=別系列)とは別のアングルの放送を有料ストリーミングのESPN+で同時中継するなど力が入っている。1956年以来60年以上にわたってMastersを放映しているCBSに対して、ESPNは2008年から木金の放映権を確保。いわばMastersはESPNにとっても準手持コンテンツ。

対してWrestle Maniaは今年はNBC系列の新しい有料ストリーミングであるPeacockでの独占放送。ESPNからすれば完全に他系列のコンテンツです。それでもこんなに扱いが手厚いのかと感心するような試合レポート記事が載ってます。記事内容もESPNの他のジャンルの記事と遜色のないトーンのもので、WWEのスポーツ扱いが相当に定着してきたのだなと思えるものです。

以前にも書いたことがありますが、大手スポーツ報道サイトでWWE報道に先鞭をつけたのはCBS Sportsでした。現行のWWEの定時放送はMonday Night RAWがUSA Network(=NBC系列)で、Smackdownが地上波FOXでなのでCBS Sportsにとっては系列でもなんでもないのですが、なぜかCBS Sportsが先行。
その後ESPNもWWE報道に参入したので、それはたぶんアクセス解析でCBS SportsのWWE報道が奏功していたからなんでしょうね。ちょうどあの頃ってESPN.comがコマーシャルだらけになってとても見にくいサイトになっていた時期でもあり、私もさらっとスコアを見たいときにESPN.comを避けるようになった時期にも一致します。
そんなこんなもあってESPNも他系列のWWE報道に本格参入せざるを得なくなったということのように見えます。

格式高いMastersと、色物WWE Wrestle Mania。視聴者層はあまり重ならないと思いますが、この混在というのもアメリカらしいところではあるんでしょう。

スポーツ選手に優先的接種は是か非か

ところで離脱者が多発していた時期にNBAが各チームに、コロナの予防接種で一般の人たちより先に接種を受けるような割り込み行為をするなという通達を出していました。オーナーが地域の名士である場合も多く、資金力と政治的なコネを駆使して選手関係者が優先的に予防接種を受けることができるように動くことが想像できたわけですが、NBA本体がそれに先手を打ってそれはやるなと通達。同時にそれをマスコミにも知らせています。罰則があるとは聞いていませんが、NBAがはっきり意思表示した中、さすがにそれに逆らってまではオーナーたちも動きにくいはずです。バレたら大変なバッシングを食うことになりますから。
アメリカ国内では寒い中予防接種を求めて長い行列を作るひとたちも多く出ている現状で、NBAチームがコネを使って割り込みをすれば一般の強い反発を招くという点をNBAは憂慮したと想像できます。
この辺のNBAの目利きと動きの早さは褒めて良いところでしょう。いくらNBAが人気の優良スポーツビジネスだと言ってもそれはファンの支持という実体のないものの上に成り立つもので、一般の支持を失ったらその根底が覆されるという点をよくわかってるということなんでしょうね。

各州で多少の差はあれいまはフロントライン労働者と高齢者と重篤化しやすい既往症を持つ人が優先で、なかなか若い世代まで順番はまわってきそうにない。現役のスポーツ選手なんて若くて元気な人たちは最後にまわされそうです。普通に待っていたら7月終了の予定のNBAやNHLのシーズン中には無理かも。

ただどうなんですかね。この前の少し書きましたがアメリカ社会全体が鬱になっている可能性がある中、スポーツエンタメの出演者であるスポーツ選手たちを特殊な存在として優先対象にする可能性はあるのかないのか。ないのかな。あっても良いような気もするのですが。

プロスポーツはないとしても、東京五輪が開催されるのかどうか存じませんが、もし開催される場合に派遣されるアメリカ人代表選手たちは予防接種を受けてからいけるんでしょうか。アメリカでこの進捗状況なのですから他国の情況は推して知るべし。対戦相手は未接種の国の選手ばかり、とりまくホスト国の職員へのワクチン接種が終わってるかもわからないなんていう環境になるのは必至かと。少なくとも国を代表するアスリートたちは守ってあげたいような。

五輪出場が究極の目標である種目のアスリートは相当無理な情況でも行きたがるでしょうが、他方こんな情況で行くと言い出す選手が出るかどうかわかりませんが可能性としては一流プロのアスリートも東京五輪に参加することは可能です。NBA選手もそうですし、ゴルフやテニスのプロ選手も参加可能。しかし本業の方がずっと稼げるプロたちはよほど条件が劇的に改善しない限り出場はしないような気はします。
が、参加選手には国の代表なので優先的に予防接種ができるとなったら出場しますと言う選手が出るかも。接種を受けるだけ受けて本番にはケガをしたと言って出ないという手も当然想定すべきでしょう。そうでもないと夏までに若い人まで順番が回ってくるかどうか実に怪しいですから。NBA選手は上述のNBAからのお達しで横入りが封じられているし顔も売れているからバレるし、正当な理由で先に受けられるならという動機で最終選考に手を上げるとかはありかもな、と思います。

以前リオ五輪のときにはジカ熱で大騒ぎして、アメリカ人選手団は米国五輪協会が手配したクルーズ船に宿泊したということがありましたよね。似たようなことは既に五輪協会は想定しているかもですが、クルーズ船というのはソーシャルディスタンスを取るのに不向きな構造の部分もかなりありそうですし、どうなることか。

NHLのコロナ情況 予防接種とプレーオフ

NHL Philadelphia Flyersがコロナ感染の理由で今夜の試合を延期。ここからFlyersはチーム全体として隔離措置に入るようです。1月中旬に始まったNHLシーズンは1ヶ月も経たってませんがチームとして活動中断に追い込まれたのは5チーム目です。NHLは全31チームなので16%ですか。

但し活動停止に追い込まれた5チームは全部アメリカのチームです。カナダの7チームが所属する北地区では活動停止となったチームはなくスムーズに運営中。米国側に限れば24チーム中5チームが活動停止しているんですから20%という言い方もできます。5チームの内訳はFlyers、New Jersey Devils、Buffalo Sabresの3チームが東地区、Minnesota WildとColorado Avalancheが西地区。アメリカ国内でも中地区は現時点では活動停止チームを出さずに済んでいます。東地区に限れば8チーム中3チームが活動停止ですからかなり多い。
今季の仕組みでは対戦は地区内に限る形になっているので感染チームやその対戦相手の試合消化の遅れは地区内での問題に留まってますが、チームごとの試合消化数のばらつきはかなり目立ち始めています。

開幕1ヶ月の時点でこの多発はどうなんでしょうね。NHLより数週間早く開幕したNBAでも出場可能選手の数が足りなくなっての試合延期はかなり発生しましたが現時点では収まってきています。NBAでは試合中止が増えてきた段階でアウェイでホテルから一切出るななど防疫態勢の強化をしたのが効果をあげてると考えるべきなのか。そうだとすればNHLも同様に防疫ルールの見直しが言われるようになるかもしれません。
これから開幕していくMLBも他人事ではない話です。MLBでも昨年開幕直後にMiami Marlinsが離脱するなど、どうも開幕直後が一番危ういというのが各リーグで証明されてきたかにも見えます。
NBAにせよNHLにせよ昨夏の再開時はバブル内で全員が軟禁された状態でうまく感染を抑え込んで運営しましたが、あんなことができるのは短期間の拘束だからで、長期にわたるシーズンの運営はそれでは続かない。20%内外の離脱はしかたないと腹をくくるのが正しいということになるのか。
逆に言えば一番困難が見込まれる開幕時期がNHLでも終ったのもありこれから落ち着いていくならばそれが一番ですが、さて。
そういう他のリーグの情況を鑑みるとNFLは試合の延期こそあったものの全試合を消化、プレーオフは延期も一切なく完走したのですから立派なものです。


ところで各州で多少の差はあれ現在アメリカではフロントライン労働者と高齢者と重篤化しやすい既往症を持つ人たちに優先でワクチン接種進めています。これがなかなかスムーズに進んでいない。アメスポの巨大スタジアムを接種会場にするという形でアメスポも協力しているのですが遅々として進まず。なかなか若い世代まで順番はまわってきそうにないです。この分では現役のスポーツ選手なんていう若くて一番元気な人たちは最後にまわされそうです。7月終了の予定のNBAやNHLのシーズン中には無理かも。

以上書いた予防接種の進行状況はアメリカ国内の話です。ところがNHLの北地区のチームは在カナダなので事情が違うことになります。カナダではアメリカと比較してコロナ感染は広がっておらず、上に書いたようにNHLの北地区は被害が広がっていない。カナダ優位の情況です。
ところがこれが予防接種の話になると北地区のチームにはいつまで経っても予防接種の順番が回ってこない可能性があります。カナダが国家として確保しているワクチンの数がアメリカを大きく下回っているからです。
つまり現時点では他地区と比較して北地区は比較的安全といえるんですけど、これが夏頃になってアメリカ国内では予防接種がかなり進行して集団免疫の獲得に近くなっていくのに、隣国カナダではそれが進んでいかないという立場の逆転になる可能性があるんですよね。


NHLの現時点での計画ではプレーオフの1−2回戦は同地区の中での対戦に限る。他地区との対戦が始まるのはNHL全体で4チームが勝ち残った準決勝時点(例年ならカンファレンス決勝に該当)からです。準決勝決勝の試合の開催場所は現時点では決まっていないですが、何をどういじろうと北地区=カナダから1チームがその4チームのひとつになる。どういう形でかアメリカ・カナダの国境を超えて戦うことになります。その頃までに参加選手関係者全員が予防接種を済ませていれば話は簡単ですが、カナダ側のチームだけ遅れていたらどうなるのか。供給が多いアメリカ国内でも7月頃でも怪しいのにカナダだと国が特別に配慮して優先でもしてくれないとカナダ北地区からの勝ち抜いたチーム(及び対戦するチーム)が国境を超えての移動が微妙になる可能性があります。

カナダという国にとってNHLは大事な娯楽ですから北地区の2回戦に残ったチームに優先接種=勝ち上がって他地区と対戦する頃には効果が出る状態になるとかそんな感じの策はこうじられるかもしれません。

久々欧州スーパーリーグネタ再登場

昨日のスポーツマスコミで複数の非アメスポなネタがニュースの上位にきていました。東京五輪が中止になるという観測の件と、欧州スーパーリーグが実現した場合参加チームや選手にFIFAが報復するという件。どっちも前にも聞いたなというデジャブ感のある話です。

欧州スーパーリーグについては以前も書きました。当ブログは基本的にはアメリカつながりのあるものだけを書くようにしてるのですが、欧州スーパーリーグ構想は可能性としてアメリカのチームが将来的に混ざることができる構造にするであろうことが想像されるのと、参加する各国の人気チームのオーナーがアメリカ人投資家となっている点で一応アメスポ繋がりということで書きました。
ESPN辺りでも今日の一時点でこの件をトップニュース項目に含めていたのは普段サッカーに冷たいESPNだけに目立ちました。

当ブログでスーパーリーグについての記事を書いた2018年当時は、早ければ2021年にも始動とされていたわけです。そして今まさに2021年です。この時点になってFIFA側から強い警告が出たということはスーパーリーグ構想はいまも水面下で進んでいる、かなり具体化しているということなのでしょう。

FIFAのぶちあげた報復内容はスーパーリーグ参加チームも、大会に参加した選手もFIFAの主催する大会には一切出場させないというもので、それにはW杯も含まれます。スーパーリーグに参加したらW杯から追放とはなかなか報復としては強力であるとは思います。
が、わずかにでもビジネス法のセンスがあるなら即座にこれは違法行為の可能性が高い内容だと感じるはずです。FIFAの言っていることは独占禁止法で制限される優越的地位の濫用にほかならない。その優越的地位を利用して競争相手であるスーパーリーグの出現を阻もうとしているのを隠してすらいません。

独占禁止法(名称は国地域ごとに異なることもあるでしょうが総称としてこう呼びます)というのは基本コンセプトはどこの国でも同じでしょうが、その運用は各国まちまちのはずです。今回の舞台は欧州なのですが、英国がEUから離脱完了したばかり。たぶん欧州裁判所がこれを裁くことになるのかなと思いますが、そこが迅速タイムリーにその判断を下してくれる裁判所なのかを私にはわかりません。
アメリカの裁判所はタイミングが大事な案件に対しては夜中や休日でも緊急判断を下してくれる迅速性がウリです。日本から見ていても昨年末に大統領選挙に関わる各種訴訟が次々と判断をくだされていったのは記憶に新しいところかと思います。しかし世界の他の国がどこもそうだとは到底思えない。現実的にはまったく使えないスピード感の乏しい司法の国も存在します。

もしスーパーリーグ推進側が各クラブオーナーや所属選手の動揺を抑えようとしてFIFAの今回の恫喝の違法性の確認を裁判所に訴え出て通るものなのかはわかりません。アメリカの司法ではそういう訴訟が成立しえますが、他国は他国のルールがありますから。迅速に審理してもらえるものかもわからない。
EUの裁判所=European Court of Justiceはルクセンブルグに所在するようです。FIFAのお膝元のチューリヒなんかに在ったらFIFAが既に裁判官に手を回しているのではと疑いたくなるところでしょうか。

Belichickさんに褒賞 受けるかどうかが話題

政権最末期となっているトランプ政権がNFL New England Patirotsの名将Bill Belichickに文民褒賞のMedal of Freedomを授けるらしいと話題になってます。Bill Belichickがトランプ支持者なのは2016年の選挙戦のときから明らかになっていたことで、政権末期に功労者に大統領が褒賞を与えること自体はそれほど珍しいことではありません。これが話題となるのはアメリカ社会に緊張感が高まっているタイミングだからですね。

1月6日にトランプ支持者がアメリカ連邦議会に突入するという事件が起こったそのまさに翌日にもスポーツ選手へのPresidential Medel of Freedomの褒賞の授与が予定されていました。ゴルファーのGary PlayerとAnnika Sorenstamに対してのもの。前々から予定されていたものだったようで、そこへ事件が発生。このタイミングで嬉々として受賞するのはトランプへの加担になるから出席をおもいとどまるようSNSその他で二人には圧力がかかったようです。その様子は今も読める状態のまま残ってますね。

トランプ自身はこの事件が起こる可能性は把握していたでしょうが、受ける側の二人がそこまで予想していたとは想像しにくく、受賞の前夜になって突如大統領との公式面会をドタキャンするかどうかの判断を迫られる面倒に巻き込まれたことになります。その上、たまたまかわざとか二人とも外国人。Playerは南ア、Sorenstamはスウェーデン国籍。結局受賞の場面は非公開のまま授与は行なわれました。
タイミングを除けばいまさらGary Playerでもあるまいし、Sorenstamにしてもスポーツ選手として名前を聞かなくなってからずいぶんになるので議会乱入が起きなければ受賞していてもさしたるニュースにはならなかったんでしょう。

さてあれからほぼ1週間後となるタイミングでこちらはいまも盛んにスポーツメディアに登場するBelichickさんへのメダル授与を行なうとかというので、また同じ話になってます。1月14日に授与の予定のようです。
Belichickがトランプ支持者なのは隠れもないことなのでいまからBelichickが受賞を辞退ということはないように私には思えるので話題にしてもしょうがないような気がするのですが、引退ゴルファーたちと人気ナンバーワンスポーツの現役の名将Belichickでは知名度に大きな差があるので関心が高いのはその意味では自然かもしれません。

政治的な山はBelichick受賞後起こるであろうトランプ自身や親族への恩赦や、さらにひどい話としては今回議会に突入した人物などへの恩赦なんていうのも起こるかもしれず、まだ一波乱も二波乱も起こる残りの任期のはず。緊張感は高く、この時期Washington DCには絶対寄り付かない方が良いです。
寄り付かない方が良いと言ってもNBA Washington Wizards所属のRui Hachimura選手なんかは住んでるわけですからどうしようもないか。

NHLが新地区のネーミングライツ販売に成功

これは珍しいです。NHLが今季通常とは違う地区割をする事情は既報ですが、その新地区にネーミングライツを設定、NHLのお馴染みのスポンサー企業がその地区に名前を追加しています。 
各地区の正式名称は、Scotia NHL North Division、Honda NHL West Division、Discover NHL Central Division、MassMutual NHL East Divisionとなります。ScotiaはScotia Bankがスポンサー。一語に限ることで統一してBankが削られたんでしょうか。DiscoverとHondaはNHL放送でのTV宣伝も活発なNHLファンにはお馴染みのホッケーびいきの企業です。

NHLは過去にリーグ功労者の個人名を地区名・カンファレンス名としていた時代もあり他のプロリーグと比較してこの面で柔軟な発想を持ちやすい文化なのかもしれませんが、細かいところでお金を稼ぎにきたなという感じでもあります。今季の地区割は現時点では今季限りの予定なので巨額のネーミングライツ販売にはなっていないでしょうが、これが成功したら恒常の地区名にも企業名を付けるなんてことになって行くのかもしれません。

NHL.comや放映権を持つNBC系列のサイトの勝敗表はきっとしっかりこの新地区名がフルに表示されそうですが、利害の薄い一般スポーツマスコミは気にしてくれなさそうでもあります。どう表示されるかちょっと興味あります。


Indiansはムリ、Chiefsは存続可能

以前にNFL Washington Redskins 現Washington Football Teamの改称問題について書きました。その後MLB Cleveland Indiansも2021年を最後にIndiansの名称使用を終えると発表しておりその方面の話題が現在も継続していると言えます。
別項でご質問もいただき、最近それについては書いたばかりのような気がしたのですが、実際はRedskinsのときの記事のコメント欄で書いていただけだったので、今回まとめてこの問題について記事を書いておこうかと思いました。記事は検索可能ですが、コメントは検索対象外なので。

過去大量にあった北米先住民族をモチーフにしたスポーツチーム名が減っている件ですが、抗議を受けて廃止する、というだけの通り一遍の理解ですとどれがOKでどれがダメかの理由がわからないと思うので、どういう思考経路でダメ出しがされているのかを私の理解を記しておこうと思いました。抗議の説得力の差別化と言っても良いでしょう。

話が回りくどくなりそうなので先に別項でご質問いただいた件に先に答えてしまいますと、私の知る限りNFL ChiefsやNHL Blackhawksへの名称変更への圧力が現在強まっているという認識はありません。
但しCleveland Indians、Washington Redskinsという一番問題の大きそうだった2チームが陥落・名称変更に舵を切ったことで次なるターゲットとしてChiefsやBlackhawksが格上げになっていく可能性はゼロではないでしょう。そうなった場合でも回避方法はあるように見えますしIndiansやRedskinsが浴びたような批判の高まりにはならないのではと思えます。IndiansやRedskinsの場合は回避しようがなかったかと。あとは現在進行形の政治の風向きとの絡み、ホームのある土地柄との関係など不確定要素はあると考えるべきでしょう。


Indiansがダメだった理由はわりとはっきりしていると思います。先住民族を意味するIndianという言葉が不適切と一般に認識され、Cleveland Indiansのチーム名以外でそれが使われる機会は現在のアメリカ英語ではまったくなくなってしまっているからです。死語だからです。
「インドの」という意味ではいまも英語として存在してますが、Cleveland Indiansがその意味ではないことは明白です。

なぜ死語になったかというと、日本でもご存知の方が多いと思いますがコロンブス始め17世紀の探検家入植者たちが北米に到達、西廻りでアジアに到着したという誤認から北米先住民族をIndianと呼んだというのがその語源で、そもそもが錯誤なわけです。錯誤なのに侵略支配側の無知無反省でこれがはびこったままになった、という理屈ですね。これを他のChiefs、Warriors、Bravesなどと同列には考えられない、より悪質ということになります。私には理屈の通ったクレームであるように聞こえます。よってチーム名変更もやむなしという方向かと。馴染みのあるチーム名が消えるのは残念な部分ももちろんあるのですが。

さて、Indiansとの比較でChiefs、Warriors、Bravesと並べました。これらはどれも先住民族をモチーフとして命名されたチーム名です。しかしながらIndiansとは異なり、これらの単語自体の意味するものは先住民族である必要がありません。その昔ならChiefsは日本語で酋長と訳されたでしょうが、酋長という言葉自体死語ですよね。現代英語の普段使いでChiefという肩書は広範に使われているものなのでその名称自体が問題になるIndiansとは意味あいは大きく異なります。戦士Warriors、勇士Bravesについても同じでしょう。元々は先住民族モチーフなのは事実でも、名称自体は一般的な名称です。
Chiefsは石の矢尻のロゴを使用中なので先住民族モチーフから離れられていない。Bravesも石斧がロゴに添えられていますので同じく先住民族モチーフなのは明らかです。しかしこれがWarriorsになると、先住民族ロゴから早い段階で離れているためその名称が先住民族由来だと認識している人は少ないはずです。Warriorsが創設時のPhiladelphia Warriorsであった時代のロゴはこんなのです。
warriorsoldlogo
紛れもなく先住民族モチーフだったわけですが、西海岸に移転した時期に別のロゴを採用して長年が経過しており、現在のWarriorsがそういう由来であったとほのかにでも感じられるのは場内での観客のチャントぐらいでしょう。Golden State Warriorsが名称変更要求の対象になっているという話は私は聞いたことがありません。
ChiefsやBravesについてはIndiansやRedskinsとは抗議のレベルが違うなりにも否定的な見解があると認識しています。矢尻や石斧とセットなところに先住民族が未開であるとか暴力的であるとかというイメージ付けがされているとクレームがつきうるわけです。
逆に言えばWarriorsがやったように名称は残して先住民族を連想させるものを削ぎ落としてしまえば良い、そうすればチーム名変更は免れるということになります。Bravesの新しめのマーチャンダイズだと石斧抜きの「A」のロゴになってるものが多いはずで、徐々にその方向への準備かなと思えるフシはありますね。

別のタイプの先住民族モチーフのチーム名としては、BlackhawksとかSeminolesは部族名そのものというパターン(Blackhawksは英訳ですが)。部族名そのものですからそれ自体が侮蔑的であるわけはない。但しBlackhawksだとロゴにやっぱり石斧が入ってるのがどうかなという部分でBraves Chiefsと同様の問題が若干あり微妙な面も。名称の英訳を使用というのも微弱ながらクレームの付きうるところですが、全体としてはネガティブな要素はかなり少ないように私には見えます。よって名称変更圧力はBravesやChiefsよりは薄いと想像できます。
ただしもう一捻りすると場所がシカゴなのがどうかなと。Chicago市というのは政治的にはリベラルと保守の対立はかなり激しく、しかしながらリベラル優勢という土地柄というのが私の認識です。市長と市警が厳しく対立している代表的な都市でもあると思います。
Blackhawksという名称自体は強い批判対象ではないけれど、地元Chicagoの市民感情・政治的な傾向を慮ってチームが率先して変える可能性はゼロじゃないかもなーということは思います。この辺になってくると別の問題が混じってきていて議論が純粋じゃなくなってくるので最終的にどうなるかわからない。


他の話としてそれらのチームが会場内の応援での先住民族の闘争の雄叫び(だとステレオタイプに理解されている)例のおーお おおおー という掛け声とそれを煽る場内放送辺りをどう考えるかというのがソフト面で批判を浴びやすいところです。BravesやSeminolesの応援ではこれは絶対欠かせない要素になってると思いますが、これはどうかなということになります。これも矢尻・石斧と同じく未開野蛮暴力的というイメージ付けとの批判を浴びうるところでしょう。

観客のワクチン接種情況をスタジアムがチェックできる仕組み作り

いよいよアメリカ国内での対コロナウィルスのワクチン接種が始まろうというタイミング。現在進行中のフットボールシーズンはカレッジもNFLも今季はもうワクチン接種開始の恩恵を受けることはないでしょうが、今月末から始まるNBAや、その後シーズンが次々と始まっていくNHL、NASCAR、MLBなど各ジャンルはワクチン接種が広がっていく中で観客動員再開の可能性を探っていく2021年シーズンになるのは確実です。

それを効率的に実施する方策として、スタジアムやアリーナのゲートで入場者のワクチン接種情報をリアルタイムでチェックする仕組みが開発構築されつつあるようです。生体情報や携帯電話で入場者を特定。スタジアム側はワクチン接種済みの人とそうでない人をその場で判別できる、というものだとか。パンデミック下でもIT会社はいろいろやってくれますね。立派なもんです。この仕組みの良いところはスタジアム側は観客個人の個人情報を一切取得しないという点です。

疫禍初期にコロナ感染のパスポートを発行するというアイデアが提唱されていたことがありました。二度感染はしないという想定の下で、既に一度感染した人たちを優先的に経済活動に戻すために罹患証明書、言ってみれば通行手形のようなものを政府が発行する可能性が欧州各国で現実的に検討されたことがありました。しかし結局はそれはアイデアだけで終わったはず。
そのようなパスポートを発行しても個人の身分証明とワンセット紐付きでないとパスポートが譲渡される危険性がありました。紐付けしたとしても出入り管理チェックは煩雑にならざるを得ない。またパスポートを得て仕事に戻りたいとかレストランや飲みに自由に行きたいという需要からわざと罹患することを目指す馬鹿者が出るのが避けがたいという理由で実施されなかったと理解してます。

時は移って今。ワクチン接種が始まる時点でまた同じ議論が出てくるわけです。接種済みの人から順次経済活動に復帰して欲しいというのは社会的要請としてはわかる。これが安定した職業なら個人との紐付けでも良いのですが、スポーツ観戦となるとそうもいかない。それを上述の新ワクチン接種判別システムでピンコーンと入れても良い人、そうでない人を瞬時に判別できるとしたら不特定多数を扱う業種にとっては大いに有用でしょう。

たぶん最初は導入コストが高くてメジャースポーツイベントやアミューズメントパークぐらいしか導入できないかもしれませんが、コストが落ち着けばショッピングモール映画演劇コンサートなども恩恵を受けることができるようになっていくかもしれません。

ワクチンがどれほどの期間有効なのかはまだ誰もわからないのでこの新しいシステムがほとんど2021年だけの使い捨てになるのかもわかりませんが、それでもMLB辺りは喜んで導入しそうな気がしますね。
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