アメリカスポーツ三昧

アメリカ永住コースか、または第三国に出国か!?スリルとサスペンスの人生とは別にアメスポは楽しい。

Sports Business/ジャンル比較

UConnバスケの女子選手が来季もカレッジでプレーすることを発表

Caitlin Clarkじゃなくてもカレッジに残った方が得だという選手がいるってことのようです。カレッジ女子バスケの名門校であるUConnのPaige Bueckersが今季後のWNBAドラフト入りを回避して来季もUConnでプレーすることを発表しています。Bueckersは今季後のWNBAドラフト予想では全体3位で指名がされるのではと予想されていた好選手。しかしながらカレッジに残留して5年目のシーズンを戦うんだそうです。パンデミックの年に全選手に特例措置がされ通常のプレー期間である4年間にカウントされなかったため今3年生4年生辺りの選手たちは本人が望むならば5シーズン目がプレーできる状態になっています。

少し前に「WNBAよりBig Tenの方が払いが良いのではないのか」という記事を書きました。今週女子バスケのキャリア通算得点記録で史上最多に到達したIowa Hawkeyes所属のCaitlin Clarkが来季もカレッジに残った方がWNBAに行くより儲かるのではないのかということを書いたものです。根本的にはWNBAが零細風でサラリーが安く、特にルーキー選手のサラリーは低く抑えられておりなんと$74,305。そんな額ならカレッジから新卒で就職しても稼げる学生はいくらでもいそうです。なんとも夢のない金額。
WNBAのオフシーズンに選手たちは海外リーグでもプレーして年収を上げるべく働くという労働環境になっていて、WNBAからのサラリーだけがプレー収入ではないですが。

Caitlin Clarkの場合は現在知名度も抜群。今季は男子バスケの方でNBAドラフトの目玉になるようなカレッジスターがいないのもあってClarkが最も知名度の高いカレッジバスケ選手と言って良い。ホームゲームは常に満席。アウェイに行くとそちらも満員&敵地の動員記録を出す。地元のフットボールスタジアムで特別試合をやれば55,646人を動員。Iowaも敵地の側もホクホクのマネーマシン状態です。

現行のルールではカレッジ選手がお金を稼ぐことができる仕組みNILが成立しており、そんなに動員ができるならWNBAの安サラリーの数倍を支払ってもIowaはClarkに来年もプレーして貰った方が得だし、アウェイでの試合を確保できるBig Tenのカンファレンスの他チームだってお金を払って残留してもらうほうが良いほどです。WNBAのルーキーサラリーが余りにも安くてバランス感覚を欠いている状況とも言えます。

Clarkは特別かなと思っていたら今日のUConnのBueckersですらカレッジ残留。取材に答えてチームが好きだから云々綺麗事を言ってますがClarkクラスでなくてもBueckersでもカレッジに残った方がお金ではっきり得なんだろうなというのはかなりショックな話になりそうです。
カレッジ5年目をプレーできるのは今の世代はパンデミックの事情でほぼ4年生全員がその資格があるはず。下手をするとWNBAドラフト回避の選手がこれからも大量発生してドラフトがスカスカになってしまう可能性があります。弱くてドラフト上位指名権を得たチームが好選手が軒並みカレッジ残留で通常年なら2巡目ぐらいの選手を最上位指名しなくてはならなくなるかもとなったらどうするんですかね。なにか救済措置でも取るのか。

WNBAが儲かっているという話は聞かない。検索してみると最新のシーズンで収入は$180-$200 Millionの間だろうと出てきます。収入です。利益ではない。これでも2019年と比較すると2倍近くに増えている模様ですが、利益はほとんど出ていないらしいという話が過去に何度も出ている。男子NBAとホームを同じアリーナとし男子のオフの時期をシーズンとすることで二毛作状態となりコスト削減や固定費・雇用維持にはなっているので利益はさほど出なくても良いという話はあります。いろいろ言ってますがとどのつまりはあまり儲かっていない。だからサラリーもそんなに出せない。特にルーキーには渋い。

昔はWNBA以外にも女子リーグがあってそちらの方が選手のサラリーは出していたんですがWNBAのイメージ戦略勝ちでもう国内に競合する女子プロバスケリーグは存在せず、WNBAのサラリーの額が安くとも云々しようがありませんでした。

ところがカレッジスポーツのNILが施行されたことでNCAAというWNBAよりもチーム数も多く歴史もある事実上のプロリーグが発生した。そしてWNBAと違って全員にカネを払う必要はなく商品価値のある選手だけにカネが集まるという仕組み。これでWNBAが駆逐されようとしているってことになります。

この事情が発生したのはパンデミックで5年目のプレー資格がほぼ全選手にあるのとNILの施行のタイミングが重なったからで、パンデミック後に入学してきた世代になればしかたなくもWNBAに来てくれるのかもしれませんが、WNBAってそんなに安いのか‥と今季後に悪目立ちする可能性がありそうです。

Super Bowlコマーシャルは小ぶり

Super Bowlの呼び物の一つである新作コマーシャル。
Tom Bradyが目立ってましたね。まずまずのできで佳作。ただ1本はSuper Bowl前に既にオンエアになっていて、Super Bowlで流されたものはショートバージョンなのが不満。数日前にロングバージョンが流されていてそちらでは笑わせてもらっていたものです。「トム、キミはもう十分に勝ったろう」というスポーツ賭博の宣伝なんですけど、ロングバージョンの方がおもしろい。で事前に流れていたので、これはSuper Bowl本番では流さないのかな?それとももう一捻りした本番バージョンがあるのかなと思っていたら簡略バージョンが本編で流されていてちょっと残念でした。
出演している老齢の女性はTom Bradyが子供の頃にベビーシッターだった女性です。このCMへの出演料で当時の恩返しのギフトなんでしょうね。

全体としては力作が少なくうまくまとめたCMが続いたかと思いました。過去の一時期のSuper Bowlで増えてがっかりだった無名企業がSuper BowlのCM枠を買うのに精一杯でCMの中身は低予算で自社の名前を出すだけのスカスカ視聴者にとっては無意味なCMはほぼ死滅。あれはNFL側がなんらか制限を課したんでしょうか。

あとは試合序盤にRobert Kennedy Jr.氏の大統領選選挙向けの宣伝が意外でした。今年は大統領選挙年ですが独立系候補としての選挙資金の大半を注ぎ込んでこの枠での宣伝ってことでしょうか。二大政党の候補者が81歳対77歳という選択肢の少なさにうんざりという層はアメリカ国内には多いのでしょうが、Kennedy氏も70歳。ご存じない方も多いでしょうがRobert Kennedy Jr.氏は喋りも若々しさなんてないしこのSuper Bowlでの一発花火で知らない方がKennedy陣営のビデオを見てみようかというのはあるかもしれませんが、見てがっかりするんじゃないかな。

同じく試合序盤にユダヤ人ヘイトについてのコマーシャルが出ていたのも意外性があったかと。たぶんユダヤ人団体はいまかなり焦っているんだと思います。私が車で常に通る場所にある大型ビルボードにも大量に「ハマス=ISIS」だのユダヤ人人質の方々の写真を掲出したものがよく出ていて、あーこれを我が都市だけでなくて全米でコレをやってるんだろうなあ、そこまで資金を投入しなくてはならないほど危機感が強いんだろうなあとは思っていました。それにとどまらずSuper Bowl枠まで買い込んでアピールしないといけないぐらいなんですね。
内容もユダヤ人差別は黒人差別と同じだ的な謎理論でムリのある内容。その件に興味のない黒人層に訴えたかったってことでしょうか。

AppleTV+って儲かってるの?

表題はそのまま私が最近感じたことです。
私はこんなブログを長年やってますから基本的にはスポーツファンなわけです。各陣営のストリーミングサービスもなんのかんのと言って見る。その過程でしばしば大昔に見て以来忘れていたような映画がストリーミングにあるとああじゃあ見てみようかともなる。日本語で昔見て、今初めて英語で見るとそれはそれなりにまた味わいも違う。新しい映画でもちょっと気になっていたけど映画館に足を運ばなかったものがあったり。

でAppleTV+なんですけどスポーツコンテンツは弱い。昨年何度か紹介したサッカー国内リーグMLSのほぼ全戦視聴のMLS Season PassであるとかMLBのFriday Night Baseballが見られるのですが正直コンテンツとして強いとは思えない。どちらも冬がオフシーズンで補完関係になっていないため冬はスポーツコンテンツはゼロに近い。MLSは2月開幕12月終了なのでぼちぼちMLS放送が始まる時期ではあります。今週末はInter Miamiが香港で行った親善試合が見られました。

Messiはケガだとかで出場せず。会場は満員に見えましたが試合終了後には大きなブーイング。Messi見たさでチケットを購入した人が大半なんでしょうしブーイングは理解できる。その辺は日本でも報道になっているかと思います。試合の元の出場契約がどうでもケガなら出場は強制できないというのはスポーツですから当たり前ですがとはいえ出る気がなかったんだろバカにされたボッタクリだというのも真実の一部でしょう。Inter Miamiは国内での売上だけではMessiその他の投資の回収がおぼつかないですからこういうプレシーズンの集金も大事。特にInter Miamiはホームスタジアムが狭いし値上げするにも以前からのチケット購入者からの反発も怖くて新シーズンのチケットの値上げ幅も腰が引けていたし。

次週ももう1試合Inter Miamiのプレシーズンマッチが放送予定(相手が「VIS」と書いてあったので気づきませんでしたがこれ、日本の神戸相手なんですね)でそれを過ぎるとやっと開幕となります。香港では出場しなくても日本では出るんでしょうか。

2月というと北米大陸はまだ多くの都市が寒い時期です。昨季はMessi騒ぎで盛り上がり、今季は昨年は行かなかったMLS都市にもInter Miamiが行く試合が多数予定されています。長いシーズンですから一発だけの売興行であろう香港辺りに義理立てしてMessiを疲弊させるのは得策ではないのはわかりますが、ヤクザな商売ではあります。

ともかくロクに見るものがない。これがスポーツだけでなく映画も弱い。AppleTV+は自前作にこだわっていてオススメに出てくるのが大半AppleTV制作のオリジナル映画。オリジナルだから悪いということもないでしょうが見たいと思わせるだけの引きのあるタイトルは少ない。見ていくと意外にも大物俳優の出演している自前作も多数あるんですけど、ああそんな映画があるのねというぐらいタイトルを見たこともないとどうなのよと。

AppleTV制作の番組は囲い込みが激しく制作者側から見ると作品は完全に売り切りと承知しています。それ故に作家側からすると能力とアイデアを全力投入しづらい環境らしいですね。もともと売り切りのような形である出演俳優はこだわらないでしょうが。スポーツコンテンツは後日見るだけの価値のある試合ってそうそうあるものではなくAppleTV+の邪悪な囲い込みにもさほど影響を受けなさそうです。放映権であって試合ビデオをMLBなりMLSが放送する権利を失うわけではないでしょうし。

Sports Illustratedの終焉

世界のスポーツ報道に多大な貢献をしてきたSports Illustrated誌が職員の大量解雇を実施。Sports Illustrated誌の発行の停止はまだ発表されていませんが紙の雑誌という形態が瀕死という時代の流れはスポーツの名門誌でも容赦なく飲み込むのですね。1954年創刊。

Sports Illustrated誌は美麗かつスペクタクルな大判スポーツ写真を大々的に雑誌の世界に持ち込んだパイオニア的な存在です。TVの画質がいまとは比べ物にならないぐらい低い時代に迫力あるスポーツの美しい瞬間を切り取って読者に届けることに成功したスポーツ報道を大きく変えた雑誌でもあったでしょう。

日本だとNumber誌が創刊当時はSports Illustrated提携誌だと謳って発行を開始していました。同系統の雑誌は後年にESPNが「ESPN The Magazine」誌を発刊するまでライバルもなくその分野で孤高の存在として存在。Sports Illustrated誌の表紙になることは一流アスリートの証とも言えるステータスもありました。

それも今は昔。ESPN The Magazineが同業に参入してきたのはタイミングは悪かった。同誌がSports Illustrated誌の牙城に挑んできたのが20世紀末。それからケーブル局の爆発的多局化が始まり手厚いスポーツ報道が普及。さらにその後はインターネットの普及。週刊だとか月刊だとかというサイクルではニュース性のネタではまったく太刀打ちできなくなった。肝心のスポーツ写真もネットに溢れる物量にも速報性にも敵わない。

そうなるとディープな取材での記事ぐらいしか命脈はつなげませんがその手の記事は読み手を選ぶ。読者の狭い方向に行かざるを得なくなってしまっていました。雑誌の厚みも手に取る機会があるごとに薄くなっていたように感じました。
後発だったESPN The Magazineは2019年をもって廃刊。ESPNは本業がTVですからジャンルとして見込みがないと思えば撤退できましたが、これが本業であるSports Illustrated誌は状況が悪くても撤退の判断をできず5年遅れということになったようです。

一時期CNNがスポーツ部門の強化でSports Illustrated誌と提携、CNNSIというスポーツ情報専門のケーブル局を開局していたんですけど、それが実におもしろくなくて、なぜコレはこんなにおもしろくないんだろうと疑問が湧くぐらいひどかった(たぶんインテリ臭がキツかったからかなと後から思えます。TV慣れしていないSIのシニアライターに喋らせていたのも良くなかった)。いつしか当時私の契約していたケーブルTVのラインアップからも消えていました。あれが20世紀末か21世紀初頭ぐらいだったんでしょうね。

紙の雑誌としてのSports Illustrated誌は消えるとしてSI.comはどうするんですかね。今のSi.comは訪れる人の少ないスポーツ総合ポータルの体裁ですが各種陣営がスポーツサイトは持っている中、わざわざこのサイトに行くべき理由は見いだせない。
歴史を重ねた表紙の数々はそれ自体が博物館的な魅力を持つものですし、Sports Illustratedの選ぶ今週の一枚みたいなものはSI.comで継続するんでしょうか。暖簾の価値はありそうですが、それに価値があると思うのは昔を知ってる私とかだけなのか。

すべてがOlivia Dunneに破壊される

大袈裟な表題にしてみました。Olivia Dunneとは何者か。カレッジで昨季から認められたNILによる報酬ランクで全体2位のカネを稼ぎ出す女子体操選手です。所属はLSU Tigers。時期・記事によってはニックネームのLivvy Dunneとなっている場合もあります。

LSUの出身者のNFL Cincinnati Bengals QBの Joe BurrowとのSuper Bowlの時期のツーショットがこの2人どうなってるんだよとファンの間で混乱とやきもきを招いた現役女子アスリートです。白人ブロンド、絵に書いたようなそういう方です。

カレッジの体操部というのは割と各学校にあるのですが大雑把に言ってカレッジに進むような選手たちは五輪を目指せるような選手たちではない。五輪を目指せるレベルの選手はカレッジなんかでは戦わない。他でもこれはテニスでもそうです。カレッジのテニス部は多々ありますがほとんどの場合カレッジに進んでるようじゃプロのテニス選手として大成することは望めない。体操にせよテニスにせよ選手としてのピーク年齢とカレッジ進学年齢というのがあまり合っていないのでそうならざるを得ない。テニスはなんとかカレッジ出身者でも時々プロツアーに加われる選手が出ますが、体操はほぼ絶望なんじゃないかと思います。

そういう先はないジャンルであるカレッジの体操競技の選手がNILで今年夏時点の算定で全米2位に稼いだとか。男女合計のランキングの2位です。

1位はUSCの男子バスケBronny James。LeBronの息子です。3位はフットボールTexasのQB Arch Manning。Peyton Manning、Eli Manningの甥っ子。よって1位と3位は本人が稼いだのではなくて家族の知名度で稼いだ面が強いランク上位。4位がUSCフットボールで昨季のハイズマン賞QB Caleb Williams、 5位がフットボールOregonのBo Nix。こういう顔ぶれに割って入って男女合計で2位に入っている2位のOlivia Dunneの商品価値の高さは異常値と言って良いのだと思います。そしてそれはほぼビジュアルが理由だと言って良い。

他で当ブログでも書いたことのあるランクインしている選手たちを挙げると今季序盤のカレッジフットボールの話題をさらった7位にTravis Hunter、9位にShedeur SandersのColorado Buffalosフットボールの2人がランクイン。10位にMichigan QBのJJ McCarthy、11位にOhio StateのWR Marvin Harrison Jr.、Florida Stateが全勝でプレーオフを逃す原因となったシーズン終盤での怪我をしたJordan Travisが12位などとなってます。

結局こうなるんじゃんという身も蓋もないような事態と言えます。当ブログではNIL施行直後にThe Cavinder Twinsが大型契約を結んだことについて書いて「NILは結局カワイイ子が勝つ」という記事を書きました。当時も喝破しましたが結局見た目かよ!という阿鼻叫喚の事態になっていくその事態がOlivia Dunneという個人において実現している状態と言えます。

実はトップ10にはもう1人女子選手が含まれています。Dunneと同じLSU所属の黒人バスケ選手のAngel Reeseが全体6位、Bo Nixのすぐ下に付けてます。これねー。どうなんですかね。一旦有名人化すればスポンサーは増加するのでしょうが初期はこれは実需だったんでしょうか。

なにが言いたいかというと白人ブロンドのDunneが突出して売れていると白人ブロンドという属性に学校側やその周りのブースターが群がったという批判を受けかねないんでLSUが力を入れて黒人選手のReeseを猛烈に推した結果もこの選手のNIL上位進出に効いてるんではないのかという疑惑を私は持っているってことです。2021年に書いた記事で指摘した女子アスリートに黒人選手が多いのにNILのカネが白人美人選手に集中したらどうすんのさという問題です。
既にReeseもセレブ化に成功しているのでLSUとしては白人ブロンドだから学校が贔屓にした的な批判は避けられています。LSUは舵取りに成功したってことでしょう。

Reeseの場合は女子バスケという女子のカレッジスポーツ内では一番人気の高いジャンルの選手で来年のプロWNBAのドラフトでもトップ10での指名が見込まれる実力派。WNBAはアメリカの女子スポーツの中では一番稼げるジャンルでもあるし運動で稼ぐアスリートとしての価値もあるわけです。
一方前述したようにカレッジの体操競技には競技自体にはカネを稼ぐ力はない。まったくもってビジュアルです。


話はズレますが2024年のWNBAの文句なしの全体1位指名候補はIowa所属のCaitlin Clarkです。Clarkは昨季女子バスケ全米優勝戦が史上最多の視聴者を集めたときの立役者です。その時の対戦相手がLSUで、その試合でClarkに向かって「U Can't C Me」のポーズなどをかまして煽って目立ったのがAngel Reeseです。若干悪役な形で多くの人の目に止まったわけですがとにかくそれで名前は売れたと。その出だしは悪目立ちに近かったのをうまくカネに変えてセレブ化に成功した周りの大人はうまくプロデュースしたということになると思います。

Caitlin Clarkの方は今季も好調。現時点で昨年を上回る試合平均得点30点超。来季のWNBAのドラフトでは文句なしの全体1位が確定的。
Iowaは同校初の女子スーパースターアスリートとなったClarkの最終所属シーズンとなる今季の序盤に同校のフットボールスタジアムで野外試合を開催してます。55,646人を動員。Caitlin Clarkはこの特別試合でトリプルダブルを達成してます。

女子のスタジアムでの特別試合というと今季は例のNebraskaの女子バレーボールチームが92,003人動員の女子スポーツの世界記録を打ち立てている。それにはかなり数字で見劣りしてしまってますがそれでも普段地味な女子バスケでフットボールスタジアムを埋める観客を呼べるぐらいの求心力は地元では発揮してるってことです。Nebraskaのフットボールは全米最強クラスの動員力を誇るためスタジアムも巨大。Iowaはそうじゃないのでスタジアムの箱の大きさからしてNebraskaにはかなわなかったんでしょうがIowaなりにはベストを尽くした感じなんでしょうね。

で、じゃあCaitlin ClarkのNILはっていうと今年夏の時点ではAngel Reeseの半額以下で女子で5位だったようです。あーそうなっちゃうんだ、という。昨季のトーナメントの決勝までの部分ではCaitlin Clarkが毎試合のように40点ゲームだったりハーフコートからの3ポインターなどスーパープレーを連発して選手としては圧倒的にClarkの方が露出が上だったのに結局そうなんだなあと。
ただし最近TV放映が始まった大手保険会社のClarkのCMの出演料がそれには含まれていないのでひょっとすると現時点ならAngel Reeseを抜いているかも。そのCMはNBA中継の間なんかにも盛んに流れてます。

でこういうことを言うと問題なのでアメリカのマスコミはそれを言えないのですが、Caitlin Clarkというのは見た目は実にそこら辺にいそうな普通の白人女性です。背は6 feetあるので実際に会えば普通の女性とは異なるんでしょうが画面で見てる限りでは平均的で地味。田舎の中学生みたい。前述のAngel ReeseやOlivia Dunneのような見た目からしてセレブになれそうな見た目でもないし、そういうことに向いた性格でもなさそうです。

性格が向いていないというのはそれ自体が才能の有無と言えるしSNSでのフォロワー数でも不利なんですけれど、アスリートとしての性能が上でも見た目が良くないからNILで価値が下というなんとも身も蓋もない話がここでも継続しているという評価も可能です。

バスケ双子姉妹が分離

いろんな部分で当ブログの守備範囲に抵触する話題なので取り上げてみます。カレッジ女子バスケットボールでMiami-FL所属だったHaleyとHannaのCavinder姉妹についてです。The CavindersまたはThe Cavinder Twinsと呼ばれていてTikTokで人気者になりその後NIL施行後に即契約第1号(と2号)になったことでも話題になった2人です。当時はNILで想定されていた実力派の人気種目のスター選手をさしおいて女子バスケのソーシャルメディアスターがNIL契約の一番乗りとなったことで取り上げました。

その後、所属していたカリフォルニアFresno Stateから北米大陸を横断、フロリダMiami-FLに転校。1シーズンをMiami-FLでプレーした後にバスケからの引退を表明していました。しかし方向転換してHaleyのみ来季再びカレッジバスケをプレーすると表明。トランスファーポータル入りするとのこと。もうすぐ始まるシーズンはMiami-FLでも他校でもプレーしない。
春に引退と言ってしまっているのでMiami-FLにしても他校にしても選手枠はそれに応じて埋めてしまってる時点ですから急には受け入れられないですから今季プレーできないのは仕方ないでしょう。

昨季は2人の成績に大きく差がでて、Haleyの方は12.2得点4.9リバウンドと健闘してMiami-FLの学校史上初の全米8強進出に貢献。Hannaの方はベンチ要員となり3.8得点。一卵性双生児で生活もトレーニングもずっと一緒にしてきても差が出るときは出てしまうんですね。
春時点では2人揃って引退を表明したのですがHaleyのみ来季に向けてバスケでもう一度ということになったようです。

引退してどうするつもりだったかというとプロレスWWEに参加することを目指していたという話になってます。The CavindersがWWEのNext In Line契約でNIL契約を結んだことは2021年の契約当時にも書きました。当時は2人はNIL契約は結んだけどプロレスには興味がないプロレスラーになる気もないと明言していてそっけなかったのですがそちらも方向転換。Hannaはバスケを引退してWWEでプロレスデビューに向けたトレーニングを開始。Haleyの方は2024−25シーズンにカレッジバスケシーズンをもう1シーズン戦った後にHannaに合流してWWEデビューを目指すということです。

なかなかうまいんではないでしょうか。バスケの才能はないと見切ったHannaの方が先行してWWE入り。Haleyの方はもう1年別のフォーラムである女子バスケ界でさらに名を売った上でWWE入り。合流のドラマ作りはWWEも得意とするところでしょうから同時に来られるよりも良いかもですし、いろいろうまくいきそうかもなとは思います。Cavindersのマネジメント会社は「他の事業」もあると匂わせているのでバスケもプロレスもそのほかの事業とやらのために2人の各所で知名度認知度を上げる手段ということと見ても良いように思います。

WWEは女子選手のストックは多い。元々の優良な手持ちの一軍選手も豊富な上に先日のPLE NXT No MercyでBecky Lynch相手に堂々の名勝負をやってのけた前NXT王者 Tiffany Strattonも遠からず上がってくるだろうししケガで出遅れていますが大物のNikkita Lyonsもいる。AEWから無敗王者だったJade Cargillが移籍加入。浪人放浪中のSasha Banksもどこかで戻ってくるでしょうし手駒はたっぷり持ってます。
そういうところへプロレスが好きでもないHanna Cavinderが入ってきてもそう簡単にロースターに食い込めるかどうかはわからないですが、WWEからすればNext In Line契約初年度の目玉選手だったわけですから受け入れはよろこんでというところなんでしょう。

The Cavindersの動きというのはいろいろ従来のプロのアスリートというのとはかなり異なる歩みですが、いつも当ブログで書いているただスポーツをやってそれを見せるだけでお金を貰うというのはもう時代に合わないのではないかという主張から見れば、確かにこういうのが新しいスポーツでお金を稼ぐ方法=プロなのかなとも思います。

Coloradoバンドワゴン終了

先週末のColorado State@Coloradoの試合がESPNにおけるレイトナイトの試合で史上最多の視聴者を集めたそうです。TVの視聴者数が減り続けているこのご時世に(時間帯限定記録であれ)史上最多が更新されるというのはただごとではないです。Coach Prime Deion Sanders率いるColoradoがカレッジフットボールシーズン序盤の最大の話題校であって試合がダブルOTの激戦だったにしても東部時間10PM試合開始の試合を見ようと思う人がそれほど多いのかというのはちょっとした驚きです。ピークは東部時間の夜半前頃でその時間帯には1110万人が視聴したとか。

こういう豪快な上ブレがあるからカレッジフットボールにカネが集まるんですね。いまどきは100万人集められない定時番組でも好コンテンツ扱いされる時代なのにあっさりその11倍以上です。この数字は普段見ていない人も見ていたという数字であって広告主にとっては重要。

Coach Primeの息子QB Shedeur Sandersのドラフト株は急上昇。1巡目指名、それもQBとしては2番目ではないかとまで言われ始めました。またケガで欠場中となっている攻守二刀流CB/WR Travis HunterもCoach Primeの現役時代の二刀流からの類推もあってスーパースター候補化。
実際は2人ともプロとしては小柄な部類になってしまう(たいてい学校発表の身長はサバ読み込)ので今のブーム的なColorado人気が落ち着けばその辺の現実も加味されて評価は落ち着いていくはずですがそれでも大変な事態になってます。QBでドラフト指名2番手というのは全体1位が見込まれる昨季のハイズマン賞USC Caleb Williamsの次っていう意味です。Shedeurを今季のハイズマン賞候補とするところも出てる。
Shedeurが急浮上する前だと来年のNFLドラフト予想ではCaleb WilliamsのQBの次の指名候補はNorth CarolinaのDrake Maye辺りでしたから不作傾向の年ではあるんですが。

今日はNo. 18 Colorado@No. 10 Oregonの全勝対決。シーズン前にこのカードが全米規模の注目カードになると予想はされていなかったかと思います。ABCで地上波全国放送試合。東部時間で3:30PMのキックオフ=現地だと12:30PM試合開始。
同じ時刻にはFOX地上波ではNo. 22 UCLA@No. 11 Utahというカードが放送。いまとなっては脱退予定校だらけなんですがなぜかPac-12の4校2試合がカレッジフットボールの一番良い放映枠である3:30PMの枠でダブル全国地上波放送ってことになってます。FOXの方はBig Tenの放映権を失ったばかりで東部時間帯向けの好カードの手持ちがないっていう意味でもあるんですが。


という状況で迎えたColorado@Oregon戦。大変なワンサイドゲームになってしまってます。前半終了時点で35-0でOregonが圧倒。ボコボコです。ハーフタイム終了時点の圧勝モードOregonのHCはTVインタビューに応えて「まだまだ満足してない。まだ何も成し遂げてない。」と手を緩める気なし。Oregonは前半にOregon 13−0とリードで自陣ゴール前での4th ダウンでトリックプレー・フェイクパントで1st ダウン更新。勝ってても超攻撃的で気合が乗ってるのは他のシーンでも試合中も見えましたがチーム全体がHCから末端まで気合が入りまくりってとこですか。

これが背中に標的を付けた状態ってことですね。注目チームには相手チームがそれぞれのとっておきの奇手新手をしかけ気合充分で臨んでくる。それを受け止めて毎週毎週退けていたのが歴代の常勝チームだったと。Coloradoはその域にないのに背中に標的を背負って実力派チームのパワーを全部受ける羽目になった試合だったと評価しても良いかも。

後から考えれば先週の対Colorado State戦での苦戦もそうだったのでしょう。今週は実力派のOregonが奇手も込みで攻めまくり。紙一重の競り合いのプレーでもOregonの選手の方が球際に強いのが目立ちました。
後半に入ってもDucksはColoradoゴール前で4th &ゴールでもFGには行かずこの試合で冴え続けていたオフタックルのランでねじ込んでTD、42-0。OregonのQB Bo NixはAuburn時代から何度も見てるQB。今日は効率の良いパスとテンポの良いオフェンスで手数多く攻めまくり。

OregonのHCはこうも言っていました。「普段我々の試合を見てもいない人たちは今日は見てるのか?」と。あの言い方。今週までのランキングでOregonはNo. 10とされていますがこの言い方だと俺たちはもっと強い、試合を見て評価しろ◯◯!ぐらいのことを言外に言ってるようにも見えました。

ニンジャジム

ボルダリングのジムのことは先日書きました。ついでこれも書いておこうかなと思ったのがニンジャジムです。Ninja Gymなどでグーグル検索でもしてもらうとわかりますが全米けっこうな数があります。
これもニュービジネスと言えるでしょう。但しこれは忍者を養成するものではないです。刀も手裏剣も黒装束もでてきません。American Ninja Warriors、日本名SASUKEの米国版ですね。あれ向けの練習トレーニング環境を提供することに特化したジムです。
今日試しに我が近隣を検索したらなんと5箇所もありました。そんなにあるのかと衝撃を受ける数です。数だけならボルダリングジムより多いじゃないか。

当ブログではよくやるアメスポのジャンル比較の話題のためにGen Z世代の調査を最近参照しました。この調査にはジャンル比較にeSportsが含まれていた模様で、eSportsgがMLBとほぼ同レベルの支持をうけていることが示されていました。eSportsはホッケーサッカーを知らぬ間にさっさと抜いていたという調査結果になってます。

それで思ったのですが、Ninja Gymの普及やチャンネルを合わせるといつでも放送しているかのようなAmerican Ninja Warriorsの様子。あれってひょっとしてその手のスポーツジャンル人気調査の選択肢に「American Ninja Warriors」を含めたら「好き」票がそうとうに集まるんじゃないのかと。

eSportsなら「あれはスポーツじゃないだろ」と概念的に排除することができますがそれとは違ってNinja Warriorsをスポーツではないと切って捨てることはできません。そして再放送も含めて年がら年中同番組が放映されているということは視聴者の人気も高いってことのはずです。数年前のピーク時には600万人以上が視聴したのが昨今は半減してますが、それでも昨今も300万人は確保。10年以上放映し続けて平均でこの数字は相当すごい。あとはこれをスポーツジャンルとして認定するかどうかだけのようにも思えます。

Ninja Gymはたぶんアスレチックの基準が高い場所になってそうな気がします。元体操選手だったりその他の運動能力自慢が集まってそうです。ボルダリングジムはもっとカジュアルな客層。ビジネス経営なら客層の裾野を考えるとボルダリングの方が有利な可能性は高いでしょう。安全面でもたぶんボルダリングの方が有利。職業を持つ大人にとって安全性は無視できない要素です。

まったく別のアングルから優劣を見れば分厚いTVでの視聴者を既に確保しているという点ではNinjaの方が圧倒的に強い。アメリカに住んでいたらたいていの人は知っているであろうAmerican Ninja Warriorsは人気娯楽番組として確固たる地位を築いているように見えます。新興スポーツで観戦人気が牽引して参加人口が増えていったというとX Games系がそうだったかと思いますが、短期集中放送イベントのX Gamesと違ってAmerican Ninja Warriorsは(収録は短期間でしょうが)放映は毎週ですから視聴者獲得の力では後者の方に強みがあります。

AEW All In後の展望が見えにくい

プロレス業界第2位のAEWが先週末に英Wembley Stadiumで行ったビッグマッチ「All In」のPay Per View(PPV)購入数の数字が出てます。168,000件がPPVでの販売数。それに過去のイベントの例から類推される一部の国でのストリーミングからの視聴者数を加えると184,000人以上が視聴したということになるようです。英国現地会場での盛り上がりと比べて渋い数字かなという気がします。

大会場であるWembley Stadiumは盛況で現地動員は81,035人と発表されていました。最初に大箱のWembley Stadiumでの開催が発表されたときにはそんな大スタジアムで大丈夫か埋められるのかと思ったのですが立派な動員を達成してます。一方ざっとあそこに集結した人たちの倍程度がPPVで見たということになります。アメリカを含む全世界であの倍程度しか視聴していないと表現した方がより現実か。

AEWは2019年の設立。過去のPPV販売の最多記録は2021年の「All Out」が215,000件、2022年の「Revolution」が175,000件で過去2位の実績。ストリーミングからの数をカウントするのかどうか次第ですが前年の同団体2位実績のイベントから減ないしは横ばい程度と評価すべきでしょう。伸びているとは絶対に言えない。
これはここ1〜2年のAEWの定時放送の視聴者数の推移とほぼ同じ傾向と言えます。2021年頃には多くの週で110万人を超える視聴者を持っていたのが2023年にはいってからは100万人超は2度だけ、90万人台70万人台の週もありますが概ね80万人台の狭いレンジで推移してます。昨今のスポーツ番組と比較すれば80万人台でも合格な数字でしょうが伸びははっきり止まっている。2年前からはおよそ2割減での安定。
ついでに言うとプロレス放送の視聴者って裾野が狭い。好きな人は好きですがそうでない人には完全にスルーされるし避けられる。同じ80万人でもクセのある層になってしまうので評価が分かれる視聴者数・層ではあります。数字も安定しているしファン層が狭いのも手伝っていつも同じ人が見ている可能性が高そうなのがスポンサー的にはおいしくないかも。

さて2021年から2022年頃はAEWには勢いがあって業界トップのWWEのMonday Night RAWを視聴者数で瞬間的にでも抜ける週があるかもという期待がAEW支持者にはあったかと思います。WWEのMonday Night RAWはその名の通り月曜夜の放送で、毎年9月にNFLシーズンが始まるとMonday Night Footballの真裏の放送となってしまうため毎年その時期は視聴率が2割前後がっくり落ちる。そこをめがけてAEW Dynamite(毎週水曜日放送なのでフットボールシーズンの影響小)が全力でピークを持って行って一週だけでも抜くことができればスポンサー向けやファン向けにWWE超えと大きなアピールとなったはずでした。WWE一強を崩せるかもという期待感が膨らんだはず。しかし老舗WWEはしぶとく結局一度も抜くことができないまま。そして2023年はAEWの方が退潮停滞期に入ったという流れになってます。

AEWの今回の英国でのビッグマッチが8月末に企画されたのもきっと昨年と同じくNFLシーズン開幕=Monday Night RAWの年間でWWEが一番弱い時期に挑戦する意図もあってその時期にしたんじゃないかと思うんですがいかんせん前年前々年までと違って米国側で視聴率競争を挑めるような状況ではない。最近はRAWとAEW Dynamiteはほぼダブルスコアの視聴率の差になってますからここからRAWがNFLシーズン開幕で2割落としてさらにAll Inからの波及効果ブーストがあっても迫ることはできない差に見えます。そして今回発表されたAll InのPPV数も伸びていないので波及効果は限定的になることが予想できます。


AEWの停滞の理由はいろいろ指摘できます。2022年まではWWEが自陣営のリストラを敢行、大量解雇したレスラーがAEWに移籍。それがAEWの勢力拡大に見えた時期がありました。WWEから放出された選手の大半はAEWが収容したんですけどあとから眺めてみるとWWE側のリストラ選別の目は正しかったのだろうと思えます。AEW移籍デビューを大ニュースのようにAEWファンは歓迎していましたけれど結局のところ移籍そのものが最大のイベントでその後は尻すぼみの展開がほとんど。落ち着いた今から眺めればWWEの選別で落とされた選手ばかりを大量に抱えた状態になってしまってます。深読みすればWWEに抱えさせられた状態とすら言えそう。

先週亡くなったBray Wyattも一時点でフリーエージェントだったんですがAEWは獲得できませんでした。ちなみに先週末のAll InでBray Wyattの定番小道具だったランターンを入場のときに持ち込んでいるシーンがありました。他団体選手からの追悼の表現だったと思います。
他のフリーエージェントの大物では女子のSasha BanksもAEW入りを渋っていてAEWは獲得に至っていない。今もフリーランスのまま。この夏前から英国出身のDrew McIntyreがWWEとの契約更改がうまく進んでおらずTVマッチへの登場が激減。AEWの引き抜きと出身地元英国のシンボル的会場であるWembley Stadiumでのビッグマッチにサプライズ登場という可能性が考えられました。しかし結局はそれも実現せずWWEと契約更新。SashaやBrayがAEWに加入していたらもう少し状況は異なっていたかもなぁと思いますがどういう事情だかそうなっていない。McIntyreの引き抜き失敗も含めなにかAEW加入を躊躇させる裏事情がありそうです。

一方AEWの創始者だったCody RhodesがAEWから離脱、American NightmareのままWWEでベビーフェイス復帰で成功している。タマ数ではWWEからAEWに行った選手の方がずっと多いけれどCody一人だけがAEWからWWE移籍しただけでWWEの方が得をしてるように見えます。CodyはAEWの創始者なのに明確なストーリー上の理由もなくAEWファンから意味不明なブーイングを食っていたりよくわからないAEW離脱経過だったように見えました。あれってCodyの奥さんが黒人女性だからだったんですかね。それとも夫婦で仲良くリアリティTV番組に出ていたのがチャラいとコアなAEWファンからみなされたか。
Codyは最近制作された「American Nightmare - Becoming Cody Rhodes」という本人が半生を語りまくるドキュメンタリー番組でもAEW離脱についてだけは「それについては話せない」ときっぱり断っていました。他の話題はたっぷり語っていたのでその拒否が目立ってました。


AEWは資金のバックがNFL Jacksonville Jaguarsのオーナー家から出ていて資金は潤沢。よって過去のプロレス新興団体のように資金切れで息切れすることは近い将来はないはず。AEWの代表はJaguarsのオーナーの息子Tony Khanでありまだ40歳と若い。Tonyはプロレスオタクだったそうで、その昔Ted Turnerが率いたWCWが退潮になったらあっさりWWEの軍門に下ったような早急な精算での幕引きはまだしばらくはないはず。あるとすればJaguarsのオーナーであり父親であるShahid Khan73歳が退任してTonyがJaguarsの経営を引き継ぐなどでAEWへの熱意や時間が失われたときでしょうか。

資金は潤沢とは言え業界トップから離された万年2位が固定してしまった場合にAEWにつぎ込むエネルギーや資金がどう経営判断されるかはわからない。
今回のAll Inでの英国での成功は今後の展開への期待感をつなぐ成功とは言えるのでしょう。特に海外展開でしょうか。Khan家はパキスタン系。イスラムには親和性はあるということになるので昨今目立つ中東からのスポーツ産業への投資呼び込みや進出という展開もあるのかないのか。ただあの中東マネーってはっきりと一流好みですからマイナー臭がついてしまうとつきあってくれなくなるかもしれないというおそれはあります。マイナー臭がつかないようにAEWをどう迅速に展開発展できるものか。WWEをサウジ資本が買収しようとして失敗したという顛末もあったので方向を変えてAEWを買収、資金投入でWWEから大量の大物引き抜きというようなことがあるのかどうか。そこまでやろうと思うほどの投資の魅力をAEWが出せるかどうか。
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