アメリカスポーツ三昧

アメリカ永住コースか、または第三国に出国か!?スリルとサスペンスの人生とは別にアメスポは楽しい。

NFL/Pro Football

なぜTyrod Taylorを獲る

他の話を書こうと思っていたのですが、このニュースがなぜか私の琴線に触れてしまったので。NFL Cleveland BrownsがトレードでQB Tyrod TaylorをBaffalo Billsが獲得しています。同時に手持ちのルーキーQB DeShone KizerをトレードでGreen Bay Packersへ放出。これ、なんなのでしょうか。このトレードのドラフトへ与える影響は?

これは私だけに限らないでしょうが、NFLを見ている者はBrownsの先見性のなさを知っているだけに、今回のトレードを聞いてもまた迷走か?とまず先入観で思ってしまうのではないでしょうか。来るドラフトでBrownsが持つ全体1位と全体4位の上位指名権のどちらかを使って将来のBrownsを背負うQBを指名する、というのが大方の見方だったはずですが、このタイミングでトレードでよそで先発を張っているQBを獲るというのは、つまりドラフトでQBを指名しないということでしょうか。それとも新たにドラフトする新人QBが育つまでの危機管理QBという意味あいでしょうか。

ものすごく短絡的な話をすると、DeShone KizerからTyrod Taylorへの乗り換えでアップグレードになった、というのはとりあえずは事実かもしれません。QBレイティングを見ればKizerはNFL先発QBで最低クラス。来るシーズンで8年目となるTaylorはそれよりは遥かに良い。既に年数を経ているので来季の成績も大きくはブレないはずと予想できます。Kizerは新人で戦力の整わないチームで先発させられてひどい成績とはなりましたけど、素材としてはまだ育てがいはありそうにも思えます。Kizerを獲得したPackersもそう見てトレードを受けたというところではないか。Clevelandとしては二人も若いQBを育てる意味はないと見てKizerは1年で諦め、新人QBを獲る、ということですかね。仮免でいきなりNFLのフィールドに放り出して大破したKizerの育成失敗を反省してドラフト指名するQBを当面守るためにTyrod Taylorを獲ったというふうに解釈するのが一番自然ってとこですか。


かと言ってTaylorという選手がBrownsが再建を託せるようなQBをかというと疑問です。

Shaquem Griffin 評判良し

UCF出身のOLB Shaquem GriffinがNFLコンバインで好評です。Griffinは左手を子供の頃に切断。障がいがありながらNFLに現実的に手の届くところまで来ていることはすごいと思います。最高レベルのプロに到達した片手のアスリートとしては隻腕投手のJim Abbottという方もいましたね。

私は下半身麻痺のレスリング選手の試合に立ち会ったことがあります。アメリカにはAnthony Roblesという一方の下肢のない大学レスリング王者もいて障がいをもつアスリートに希望をもたらす存在でした。他にも両下肢のない大学レスリング選手のドキュメンタリーも見たことがありました。Roblesの場合は足がないことで同じ体重のクラスの選手よりも遥かに上半身に筋肉がついており一旦組んでしまえば同体重クラスの選手よりもパワーがあって相手をねじ伏せていたわけですが(そこまで鍛え込んだその努力、相手に決してバックをとらせない俊敏なスピンなど、刮目すべきことばかり)私が個人的に試合を見た選手は高校生で両足麻痺。たぶん下半身不随であったかと思います。つまり体重面でのアドバンテージなしでした。Rablesと同じようにそう簡単に相手にバックをとらせない動きに感心させられました。
それよりも感心したのが彼がマットに登場するまで彼のチームメイトもコーチも彼を他のチームメイトと同じに扱い、介護を一切しないところです。時間がかかりつつもひとりで松葉杖をついてマット際までやってきて、そこから這ってマット中央まできて対戦相手と握手して試合開始。予備知識のなかった対戦相手がとまどう中で試合をこなしていました。試合では接戦も敗戦。また這って松葉杖まで戻って苦労しながら自力で立ち上がりまたチームのベンチエリアへ戻っていきました。本人はもちろん立派ですが、周りが特別扱いしないというところに強さと独立心とその独立心への尊重を感じました。彼はきっと単なる社会の被保護者にはならないことでしょう。

話をNFLコンバインでのGriffinに戻すと、マスコミが報じているところではLBとしては40ヤードダッシュで2003年以来の最速とか。すごいですね。現実的に採用の可能性ありとのことです。実際にプレーとなると手先のある側を効かせるために一方にポジションが限られるし、サイズもNFLのLBとしては若干足りない。相手も容赦なく片手の彼の弱点を突いた攻撃を研究してくることでしょうから簡単ではないとは思います。それも跳ね返してみせるか。
しかしそれはそれとしてAbbottがそうだったように、またはRoblesがそうだったように、そして無名の高校生レスラーがそうだったように、我々に努力というものの意義、くじけないこと、与えられた境遇の中でベストを尽くすことを教えてくれる存在となることは確実でしょう。

RB Saquon Barkley株を上げる

NFLのドラフトコンバインが始まっています。Penn StateのRB Saquon Barkleyがベンチプレス、40ヤードダッシュなどで高い数字を叩き出し、本人のキャラもプロ各位に好評だったようでドラフト株が急上昇。「チームのモラルを高めてくれる、周りのすべてをポジティブに変えてくれる稀な資質の持ち主」とまで言う関係者もでるほどの好評ぶり。
当ブログでは彼が練習の虫であることを過去にも紹介していますし、またフィールド外での問題の心配ゼロの好選手ということはわかっていたわけですが、今回のコンバインで上位指名権を持つチームがこぞってBarkleyへの好感触を示して追認。特に全体2位の指名権を持つNew York Giantsが強い興味を示しているようです。
Giantsは今週新GMが、Eli Manningはまだ数年やれるなんてことを言い出して周りを驚かせているのとセットで考えるとドラフトではQB獲りではなくBarkleyに行く可能性があるのかもしれません。それともEliがまだできるとかっていうのは煙幕で本当はやっぱりQBで指名に行くのか。Barkleyは最弱Cleveland Brownsに指名されることも構わないとしているとされます。

Barkleyはカレッジ時代、Penn Stateに入学して最初に同校のウェイトルームに行った。その壁には各トレーニングの最高記録が記されているんだそうですが、Saqounは同僚たちに自分がPenn Stateを離れる前にあの壁の記録を全部自分が書き換えると宣言。入学当時は他の新入生たちと重量・ラップともにそれほど大きな差がなかったと同級生たちは言うんですが、Saquonは黙々と取り組んで見事にすべての記録を塗り替えたそうです。今回のコンバインでもRBでベンチプレストップタイ。40ヤードダッシュもコンバイン史上5番目の速さとか(現時点で記録は非公式ですが)。
TVインタビューでも賢そうな受け答え。様々なひねった質問にもにこやかに答えていました。ESPNでは「グリーンルームに家族・友人・チームメイト以外の誰か3人の同席者を選べるなら誰にしますか?」なんていう(くだらないといえばくだらない)質問をしていて即答で最初に「Barry Sanders」なんて答えてオールドスクールぶりを発揮していました。NFLの背広組の年齢層にはウケそうないい回答ですね。

いまどきのNFLではRBというポジションの重要性は低い。いくら好選手でも全体1位、2位で獲るということが起こるかどうかはわからないですが、Saquon Barkleyが順位を上げるようだと5位Denver Broncos、6位New York JetsといったQB指名の可能性のあるチームにQBの選択肢が増えるということになるかも。


Colts新HC、控えQB Brissettをキープ

Indianapolis Coltsの新HCとなったFrank Reichが昨季の先発QBであったJacoby Brissettをロースターに維持するとの意向を示してます。Coltsの主戦QBであるAndrew Luckがシーズン冒頭から戻ってくるのならBrissettをトレードで放出するのでは、という観測があったのですが、かなり早い段階でキープ確定へ。

だからどうだというと、それ自体は大した話ではないんです。ただの若手QBをバックアップに据えるのか、ReichはBrissettをそこそこ気に入ったというだけのことです。が、Luckの状態が実は悪くて来季も完治した状態では戻ってこれないのではという憶測を当ブログでは展開していたわけです。その憶測が実は正しかった可能性がこの決定で少々増したかな、という意味でメモ程度に記しておこうかと。

Brissettキープならそれ自体は大きなニュースになりませんから隠密でLuck抜きの二度目のシーズンの準備をするには良い動きでしょう。もしオフシーズンにBrissettから他のFAのQBにアップグレードしようという動きを見せると、Luckの状態に疑問を持つ人を増やす効果がありますから。

今オフシーズンのQBの出物としてはMinnesotaの3人のQBのうち2人は市場に出て来るなど、非エース級のQBの出物はそこそこあるはずで、Brissettからのアップグレードは可能だったはず。でもその方向へは行かなかったということですね。

Jimmy GとDarvish

NFL San Francisco 49ersがQB Jimmy Garoppoloとの5年契約を発表。総額$137.5 millionで、年平均でNFL最高額での契約となりました。但し保障額は$74 million。49ers、GaroppoloとともにNFLの栄冠を掴むべく勝負に来たってことです。これまでサラリー額で最高だったDetroit LionsのMatthew Staffordを抜いてエリートQBの仲間入りへ。金額はエリートなんですが先発した試合数は僅か7試合。異例の契約ではありますが、きっと古豪49ersを優勝戦線へ導いてくれるのでしょう。

でこのニュースを聞いてすぐに思ったのが、あーこの金額ってMLB FA Yu Darvishがいまオファー受けても断ってるとされる金額に近いなあということ。Minnesota Twinsがオファーしているのが5年$125million辺りとされます。4年かもしれない。Darvishの方は地方球団のTwinsが嫌なのか色よい返事をしていない模様、とされます。Darvishは31歳。これが最後のメジャー契約になることから慎重になっているのはわからないでもないですが、この厳冬のFA市場でこれ以上のオファーが出て来ると思ってるのかどうか。金額はともかく年数は5年より長いオファーがあるかどうかはかなり疑ってかかる必要がありそうです。

Jimmy Garoppoloは26歳。5年契約が終わるシーズンでも31歳です。働き盛り。Darvishは31歳からの新契約、5年契約として36歳までの契約。それでもJimmy Gよりも良い契約がもらえるのがMLBなんだな、と改めてMLBの選手契約の手厚さを感じます。アメスポ最強のNFLの最高額選手より良い契約が31歳の、MLBでたぶん先発投手で14番目ぐらいの投手、投手野手合わせると52番目ぐらいの選手でももらえてしまうのです。(順位はESPNのファンタジーランキング参照しました)その上MLBの契約は当然全額保証。NFLはいつも通り総額は表向き、実際は途中で切られて半額ぐらいしか回収できないかもしれない幻の総額ですから、MLBの契約の方がずっと有利です。

今回の厳冬FAで「野球選手が稼げる」という強みが消えるのではないか、というお問い合わせを少し前にいただきました。そんなことはないとお返事させていただきましたが、Jimmy GとDarvishの比較で見てもMLBは稼げる可能性はやはり高いと言えると思います。その上現役でプレーできる年数も長いですし。

非難されるべきはMcDanielsなのかどうか

Josh McDanielsのIndianapolis ColtsのHC就任撤回問題について少し考えてみたいと思います。

2017年を全休したColtsのQB Andrew Luckの肩の怪我の状態が悪いという可能性は時々聞く話ですから、確かにColts関係者にとっては気になる噂でしょう。McDanielsの耳にも当然入っていたはず。
もうひとつの噂話としてNew Englandの内部の亀裂についてもESPNなど大手メディアも含めて報道されています。シーズン半ばでのJimmy GaroppoloのトレードにBill Belichickが激怒したのが発端とされ、シーズン終了後にオーナーのRobert KraftとBelichickの間の話し合いは不可避という話として伝えられていました。Belichickはその事実関係を問われてもいつもの調子で答えていないので事実かどうかもわかりませんが、あったとしても不思議ではないところか。
McDanielsの翻意以降、その説明としてDeflategateを告発したIndianapolisへのNew Englandによる報復だ、という説も出てます。もうそろそろ一般のファンが忘れかけているいまになってDeflategateを蒸し返すような無意味なことをNew Englandが選択するというのはちょっと荒唐無稽な気がしますが、とりあえずそういう説もあるようです。

さあこれらの噂を踏まえてどう読むべきか。
まずLuckの復活の可能性。実は公表されている以上にLuckの怪我が深刻で2018年シーズンの復活もわからないということを確定事実としてHC就任となった直後にColtsから知らされ、McDanielsがHC職受諾を翻意したという可能性。このパターンがあるのかどうか。McDanielsも噂は承知の上で就任交渉をしていたのは確実です。交渉過程で当然質問もしたことでしょう。それがその交渉過程とは違う事実が就任合意後に明らかにされたらIndianapolisでの先行きに不安を感じるのはわかるように思います。エースQB不在のチームという不安と、それを隠してHC交渉をするColtsという組織への不安の両方で。
Luckの状態が本当のところどうだったのかはこれから詳らかになるのでしょう。今すぐはわからなくても後からLuckがキャンプに入る時期になってもプレーしないとなればそれがMcDaniels翻意の真相(少なくともその一部)でしょう。今回のどんでん返しについてColtsファンや地元マスコミからは不満やMcDaniels非難の声は上がってますが、Colts本体からは非難声明が出ているわけでもないので、Colts側にも表面化していない非がある可能性を感じます。あり得る話としておきたいと思います。

Luckの状態が2017年シーズン中に悪化した可能性、予想よりも経過が悪い可能性は今回の件以前に感じたことはありました。というのはシーズン開幕直前になってColtsはNew Englandから第3QBだったJacoby Brissettを慌てて獲得しましたよね。あれを知った時にはColtsはLuckのシーズン中の復活を信じていたのではないかと思いました。BrissettでLuckの復活までなんとか細かく勝ち星を重ねておいてLuckの復活を待ちたい、復活後になんとかプレーオフに届く可能性のある星勘定にしておきたい、という話かなと思っていたのです。でも現実はLuckは復活せず。Coltsは忘れたいようなシーズンになりました。あの慌ててBrissettを獲った経緯が気になっていました。最初からLuckが全休だと思っているなら無理にBrissettを獲る必要がない。手持ちのバックアップQBでタンキングでもしていればよかったのです。それなのにわざわざBrissettをあのタイミングで獲ったということはLuckの2017年中の復活があるとColts内部では信じられていたことの現れであると思うのです。でもそれが途中で変わったというふうに見えます。
この事実経過とセットで考えると先に書いたColtsが隠していたLuckの状態の悪さ・悪化をMcDanielsが内部に入ってすぐに知ったというパターンはありそうです。

New Englandからのなんらかの引き止めはあったように感じます。先の記事で書いた通りでNew Englandはコーチ陣が総入れ替えに近い混乱の中でした。Super Bowlまで進出したので翌シーズンへの準備は他のチームより遥かに遅れている。McDanielsをキープできるならしたかったはずで、McDanielsから変心して逆転残留の可能性を打診されたらNew England側は承諾しそうです。
ただColtsのHC職に就くのが確実と報道があってからPatriotsが将来のHC職確約も含めた強力な引き止めをした(逆に言うと就任発表以前はそこまでの好条件の提示をしていなかったのに急に火曜日になってから好条件にした)という可能性があるかどうか。
HC Belichickとオーナーの確執があるとして、それがSuper Bowlから2日後の火曜日の昼間に解決または決裂していたんでしょうか。McDanielsを後継HCとして確約するようなところまでオーナー側が決断していたのかどうか。もしPatriotsの不和が噂に言われているようなGaroppoloに関することが発端であるならば、それはつまりPatriotsの将来をどうするか、Brady後をどうするかというHCとオーナーの意見の相違であるはずでそう簡単に話が決着しそうな感じはしません。ドラフトやFAの代替選手の検討もその話には含まれるであろうからです。もちろんオーナーが独走で既にBelichick後に向けて動き出している可能性は否定できないので、後継HCを殺し文句にMcDaniels引き止め工作はあったという可能性も排除しきれませんが、それ単独でMcDanielsを既にColts就任が発表されたタイミングで翻意することはなかなかできないようにも思えます。

新XFL2年目のシーズンこそが最大の焦点

さてNFLシーズンも終わりましたので腰を落ち着けてXFLの話題といきましょう。
まず蘇る新XFL構想の概要について。XFLはVince McMahon率いるアルファエンタテインメント社が企画する新フットボールリーグで、2020年1月または2月から8チーム10週間のリーグ戦開始を予定しています。最初に噂が出てきたのは2017年末、その後2018年1月になってアルファ社が正式に新生XFLの始動を発表。具体的なチームの所在地などは未定。ただしNFLの所在する都市にXFLフランチャイズを配置すると明言しておりニッチ戦略ではなく正面突破を狙うようです。すべての所属チームはXFLという単一の会社の部門という形で、個別のチームオーナーは存在しない、サッカーMLS型の経営で行くとのこと。McMahonの独裁でもあります。
2001年に存在した旧XFLではBirmingham(南部アラバマ州), New York, Orlando, Chicago, Memphis, Las Vegas, Los Angeles, San Franciscoの8都市展開。8チームのうち5都市が非NFL都市でした。当時はLos AngelesにNFLチームなし。また2020年までにはNFL Oakland RaidersはLas Vegasに移転を完了している予定です。
とりあえずの発表ではNFLのある都市へ行くと言ってますしそれには後述の深い理由があると思うんですが、例えばSan Diego、NFL ChargersがLos Angelesに移転してNFL級のスタジアム施設が空き家になっているSan Diegoは見逃すには惜しいマーケットのようにも思えます。そういうわけで非NFL都市にもXFLの新チームができる可能性はあると考えた方がよさそうです。逆にNFL側から見るとChargersのLos Angeles移転は早くも失敗ではないかという意見もあり、XFLを迎え撃つためにChargersのSan Diego帰還を企画するという可能性があるかもしれません。まだ今の段階ではそこまでは読みようがありませんが可能性として。

McMahonが言うには新XFLでは政治問題を持ち込ませない、犯罪者はプレーさせないそうです。前者はNFLで大きな問題になった国歌起立問題をはっきりと排除する意向ということなのでしょう。同問題でNFLファンから離脱したトランプ支持者のフットボールファンの取り込みを意識しているんでしょうね。後者は若干微妙で、旧XFLのときはいろいろお行儀の悪いことをOKとしてアウトロー的なイメージで売ったのが、今回は優等生路線であるかのようにも聞こえます。イメージチェンジか。では旧XFL当時のお行儀の悪いルールなどは存続するのかどうか。それに何を基準に「犯罪者」とするかによりますがJohnny Football Manziel選手が参加できなくなってしまうのでは?前者の理由ではCollin KaepernickはXFLに入れないし、後者の理由でManzielも入れないとして、発足時にちゃんと目玉選手は確保できるんでしょうか。QBだけで考えても他に在野ではRobert Griffin IIIやTim Tebowはいますが、8チーム分ちゃんと手当できますかどうか。犯罪者云々は単なるNFLに対するイヤミで実際に選手を確保する段になったらなし崩しということもありそうですが。

さて表題の件です。なぜXFLの初年度となる2020年ではなく、二年目の2021年シーズンが勝負なのか。
それはNFLで2021年シーズンに労働争議が発生してシーズンが消滅する可能性があるからです。労使協定の更新時期で、NFL選手会は既に選手たちに2021年はシーズンが消滅して収入がなくなる可能性があるからいまからお金の算段はつけて無駄遣いに気をつけてと呼びかけています。前回の労使協定交渉があった2011年はオーナー側が先手を打って同年3月の時点でロックアウトを開始。終始オーナー側のペースで事態が動いてほぼ4ヶ月後キャンプ入り前に妥結しています。オーナー側の譲歩は想定内に収まりました。当時を振り返って気合を入れ直している選手会は2021年の協定改定では大きな勝利を勝ち取ろうと準備を進めています。
ご存知の通りNFLはアメスポナンバーワンの人気ジャンルでありながら選手契約では他のメジャースポーツと比較してとても不利な契約慣行がまかり通っています。誰それが「5年契約」と発表されても実際は3年分しか収入の保証がなく、同じ内容でもMLBだったら「3年契約2年間の球団側オプション」に等しい内容だったりするのです。NFLで選手側がオプションを持っているような契約は記憶がありません。選手寿命も短いNFLでもありリーグの人気に比べて収入面での不安不満が強いのです。2011年の労使交渉敗戦を2021年では決してその愚は繰り返さないぞというのがNFL選手会の強い意思とされます。

でこのNFL次期労使協定の話とXFLのどこが関係があるか。ストやロックアウト進行中はNFLの全選手=労働者は他の仕事をして糊口をしのぐことが法律的に許されます。つまりXFLでプレーすることが可能になるんです。ここです。2011年の労使交渉ではオーナー側が先手を打って3月にロックアウトを仕掛けてきたと上でも説明しました。3月。そう。2021年3月はXFLは2年目のシーズン中なんですよ。つまり2011年と同じことを同じタイミングでオーナー側がしたらNFLの全選手がXFLに出場可能になってしまうはずです。選手寿命の短いNFLで1シーズンを棒に振るのは選手たちにとっては大きな損害ですからXFLに参加する選手がかなり出ても不思議ではない。
そうなったときに効いてくるのがXFLのチームが大都市・NFL所在都市にチームを持っていることです。NFL所在都市のスポーツファンの方がNFLの有名選手が流れてきたときに敏感に反応してくれるでしょう。また施設もNFL基準で見て立派なスタジアムでやっていないとスター選手が来てくれる気にならないでしょう。旧XFLのときのBirminghamとかじゃダメです。だから大都市でやると言ってるのだと思います。もしシーズン中にNFL選手が参加してきたらどこのXFLチームの選手になるのか?それはMcMahonの思惑一つです。最初に述べた通りXFLはリーグ全体が単一の会社組織という構成なので各チームに平等に選手を獲る機会を与える必要がない。McMahonが勝手にその場で決めていいのです。もし(例えば)Aaron RodgersがやってきたらGreen Bayから近場のChicagoに配置するかもしれません。それともプレーオフに出られそうなチームに入れて露出の機会をわざと増やすなんてこともありうるでしょう。昔NFLでホットラインを形成していたQB−WRが今はNFLでは違うチーム所属なのをXFLで復活させるなんていう人材配置にしたって良い。その手のマッチメイクはWWEで鍛えられていますからVinceの得意とするところでしょう。その得意なことを自由にやれる態勢がこの一社でリーグ全体を保有という形態ってわけです。

さあそんなふうにうまく行くか?そう簡単ではないでしょう。私が気づくぐらいですからNFLの中でも当然気づく人がいますからそれを想定して労使交渉のシナリオをいまから練れます。NFL選手会の方だってXFLという別の職場選択肢があるのは対NFLの交渉で強気に出られるので存在はありがたいが、本音はNFLが選手会の要求を飲んでくれて好条件でのNFL残留でしょう。本気で2年目のXFLに行きたいわけがない。初年度よりは良いにしても2年目のXFLが8チームや10チームで32チームあるNFLに所属する選手会の大半を雇えるわけもないのですし。

ColtsのHC職より良いポジション

Super Bowl後にNew England Patriotsの攻守のコーディネーター両名がともに他チームのHCへ転出する、というのはほとんど確定事項のように試合前から報道されていました。ディフェンスの方のMatt Patriciaはその通りDetroit LionsのHCとして決定しましたが、なんとオフェンスの方のJosh McDanielsはIndianapois ColtsのHC職を蹴ったと今夜になって報道が出てます。午前中まではColtsに行くと散々報道があったあとのどんでん返しです。
McDanielsは転出の場合、PatriotsのQBコーチを引き連れて転出するとされ、他にもラインコーチが引退、スペシャルチームのコーチも退団濃厚と言われていて、Super Bowlに勝っても負けてもPatriotsは来季に向けてコーチ陣の大幅立て直しが急務となると見られていたんですが、もしMcDaniels残留ならその立て直しの半分近くは終わったことになります。
但し報道は大方が予想していたColtsのHC職を蹴ったというだけで、まだオフシーズンは始まったばかり。もし他から別のオファーがあった場合にもNew EnglandのOC職に残留するのが確定となったわけではないですが。New Englandが全力でMcDanielsを引き止めた可能性もありそうです。

Coltsオフェンスは2017年シーズンを全休したAndrew Luckがエース、バックアップには今季冒頭までNew Englandに在籍していてMcDanielsもよく知っているJacoby Brissett。優勝を目指すにはLuckの完全復活とチームの整備は様々必要だったでしょうが、コーチ職で働くものにとってNFLのHC職は憧れの職。それを蹴ってまでNew Englandに残留だとすれば、なにが理由だったのか。ひょっとすると近い将来のBill Belichickからの禅定でのNew EnglandのHCの職含みの説得とか。ColtsのHC職とPatriotsのHC職の比較ならPatriotsの方に魅力を感じるのはわかるような。ただBelichickなりオーナーなりがそんな約束を簡単にするとも思えないとも思います。そうでなくても、かなり強力な何かがないとほとんど決まりかかっていたColts職をここに来て蹴るのは不可解な感じがします。

続報を待ちたいですね。


Super Bowlはただのスポーツイベントではない

Super Bowlのモンスター番組化は既に深く定着しておりSuper Bowlそのものやプロフットボールの優勝戦という以上の存在になっています。たぶんこの日の在宅率、もっと言えばTVのある部屋に人がいる率はものすごいことになっているはずです。

今年第14回目となったPuppy Bowl XIV。愛らしい子犬が出てきてフットボールをやるほのぼの番組です。毎年Super Bowl当日の番組として人気を集めています。動物番組専門局Animal Planetが放映。これに対抗してKitten Bowlってのも後発でできました。こちらは愛猫家向けですね。世の一般男性がテレビにかじりついていてどこへも連れて行ってくれない日曜日、試合が始まる前に子どもたちや女性が見るわけですねー。フットボールファンや男友達だけなら当日延々やっている試合予想だのSuper Bowlにまつわる与太話だの来場したセレブや他チームのスターへのインタビューなどを見ていればいいのですけれど、それでは家族は退屈してしまうでしょう。ですからPuppy Bowlなのです。
このPuppy Bowlの視聴率が馬鹿になりません。今年の分の結果はまだ出てないですが250-330万人といったAnimal Planetとしては桁外れの年間最高の数字を叩き出す。それどころか年によっては全ケーブル局の非スポーツの番組の年間最高視聴率さえ出すのです。この日アメリカ人がどれほどTVの前に座っているかがおわかりになるかと思います。シーズン中と違って普段フットボールを見ない家族も揃って在宅、テレビの前でわいわいやっている姿が見えるようです。幸せですよね。
以前はセクシー女性が登場するLingerie BowlというのもSuper Bowl当日にあったわけですが、そちらはあまりの人気に独立したスポーツ興行(LFL=Lingerie Football League、その後Legend Football Leagueに改称)になって海外進出までしてしまったのはご存知の通りです。

Super Bowlの時間帯は車の通行量が減るというのは聞いたことはありますが、私は実際に見たことがないです。というのも私はその時間帯に家から出ないからですね。ただもう10年ぐらい前だか一度、第1Q後半になってどうしても欠かせない食材がないことが判明して、近所の大型食品スーパーに行く羽目になったことがありました。で行ったらガラッガラでした。普段の日曜日の夕方なんてレジに列ができていて当たり前ですが、マジ人いないなと私はとてもウケてしまいました。私以外には男性客はたったの1名。あとは母子連れとか、ホント閑散としていてSuper Bowlってすごいんだねと実感しました。一方午後4時5時ぐらいは逆に混んでますよ。アルコール飲料スナック菓子を始めとした必要な物資を補給部隊が買い付けに来ています。行って観察したことはありませんが、それがキックオフが迫るにつれてどんどん人が減っていくんでしょうねぇ。

他のスポーツイベントのスケジュールもSuper Bowlシフト。シーズン中であるNBA,NHL,NCAAカレッジバスケは西海岸のPac-12の1試合を除いてすべて東部時間の正午または1PM開始でした。つまり6時半キックオフのSuper Bowlが始まる前にとうに試合は終わって観客も選手も職員も皆自宅に帰れるスケジュールで開催されたってわけです。そういうスケジュールじゃないとシーズンチケットホルダーも来てくれないから、ですね。

Super Bowlの影響は当日に限りません。明けた月曜日を最近ではSuper Sick Mondayと呼ぶようです。Super Bowlパーティで楽しみ過ぎて翌日月曜日に病欠が多発するのです。全米で1400万人が仕事を病欠しているとされます。寒い時期ですからたまたまみんな揃って風邪をひいたのでしょうたまたま。そういう日なのです。

すべてがSuper Bowlの都合にそって動く一日。それが社会現象としてのSuper Bowlなのです。
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