アメリカスポーツ三昧

アメリカ永住コースか、または第三国に出国か!?スリルとサスペンスの人生とは別にアメスポは楽しい。

College Basketball

Villanovaまたも完勝で2年ぶり全米制覇達成

結果は大方の予想通りでVillanovaが完勝でMichiganを下して2シーズンぶりの全米制覇。有力校ひしめく現在のカレッジバスケで3年間で2度の優勝はダイナスティに近い大変な偉業でしょう。今季のNCAAトーナメント6試合すべてをすべて危なげなく勝った安定した内容も称賛に値するし、レギュラーシーズンから通して70点は当たり前、90得点もまったく珍しくないという圧倒的なオフェンスの火力はカレッジでのチーム作りに一石を投じるものではないでしょうか。特にその強力ディフェンスで全米ランク1位で勇躍NCAAトーナメントに登場したVirginia Cavaliersがあえなく一回戦で消えたのとセットで、カレッジバスケのこれからのトレンドを作ることになるのかも。
ちなみに第16シードによるアップセットとなったVirginiaの敗戦には、ピザチェーン店のLittle Caesarsが懸賞をかけていたのです。16シードによるアップセットがあったらタダでピザを提供すると。まさか実現すると思わずに高をくくって懸賞提供していたと思いますが実現。月曜日のランチタイムにその全米でピザの無料配布があって各地でローカルニュースにもなっていた模様です。Little CaesarsというとNHL Detroit Red Wingsの新本拠アリーナのネーミングライツを得ているのがお馴染みかと思います。

決勝戦の勝負の行方は完全にVillanovaと試合途中からはっきりしていましたが、試合後のOne Shining Momentを見たいがばかりに一応夜中まで付き合いました。
今年のトーナメントは例年以上に好試合や大アップセットが多かった。ブザービーターはLoyolaを除けばさほど多くなく、アップセットが弱い方のチームの完勝というのが多かったのが印象的。そういう中、6試合すべてを危なげなく勝ちきったVillanovaの強さは過去のチャンピオンチームと比較して特筆モノだったと言えるのでしょう。

Villanovaの圧勝決勝戦かそれとも

March Madenssもいよいよ決勝戦を残すのみ。トーナメントが始まる前からの本命の一角だったVillanovaの2年ぶりの全米制覇なるか、それとも第3シードから勝ち上がってきたBig TenチャンピオンMichiganのアップセットなるか。優勝戦は月曜日夜に開催になります。

MichiganはBig Tenで勝ち込み始めるまではほぼ全国的には無印に近かったチーム。それもあって私はシーズン中の同校の戦いぶりを知らない。対してVillanovaはシーズン冒頭から優勝候補の一角として名も上がり、実際non-conference戦の時期に同じく優勝候補だったGonzagaを完全粉砕した試合を見た時はこれはすごいと感嘆しました。その後も好調チームひしめくBig Eastで勝ちを重ね、NCAAトーナメント準決勝では強豪Kansasに95-79で勝って決勝進出。Kansas相手に95点?カレッジバスケットボールで延長戦でもないのに95点というのはめったにない大変な得点力です。
対するMichiganの方は準決勝でLoyola-Chicagoに逆転勝ちしたものの、ターンオーバーの多発とまるで入らないシュートで試合のかなりの時間をLoyolaにリードされる苦しい展開。5 feet 11ドイツ人留学生Moritz Wagnerが一人でリバウンドを取りまくって得点を重ねることでLoyola優勢の時間帯を凌ぎきって、後半にLoyolaのターンオーバー連発を期に一気に試合をひっくり返してます。Loyolaは長身のWagnerを止める方法を持たず、Michigan側からたった一人でリバウンドを取りに来るWagnerを相手に3人4人がかりでリバウンド合戦をやって奮戦するも、Wagner一人の能力にやられた試合でしたね。

Wagnerにあんな試合が決勝戦でもできるかというと、高さで遥かに優れたVillanova相手にそれは望めない。Michiganの他のメンバーたちの奮起がないとVillanovaのハイスコアリングオフェンスが炸裂したら早々に試合が決まってしまう展開もなしとしません。
但し。Villanovaは今季成績不振のSt. John'sに敗戦したという実績もある。カレッジバスケットボールには絶対はないです。Michiganのディフェンス能力で離されずについていければ、ということになるでしょうか。Michiganのオフェンスの爆発力は望めないのでとにかく離されずに行ってトーナメント2回戦の対Houston戦でのような1ショット勝負のぎりぎりの勝ちを目指したいところでしょう。

Loyolaの決勝進出の可能性は

March Madness NCAAトーナメントの準決勝2試合が今日夕方から開催。第1試合となるLoyola-Chicago対Michiganの一戦が気になります。第2試合の方はNo. 1シード同士のKansas対Villanova。
第11シードとして史上4校目のFinal Four進出となったLoyola-Chicago。過去の3校は全て準決勝で敗退しているのですが、4校目のLoyolaが勝ち進む可能性はどうか。

今年のMichiganはシーズン前の評判はさほど高くなかったところから、好調だったライバルのOhio Stateを下してAPランキングで浮上。NCAAトーナメントでも前評判が高かったとは言えない中、順調に勝ち進んできたチームです。その戦いぶりは劣化Virginiaという感じ。史上初のNo. 1シードの1回戦敗退となったあのVirginiaに似たロースコアリングの試合を得意とするチームです。
Virginiaは鍛え込まれたディフェンスで激戦区のACCを勝ち上がり、APランキングでも首位、NCAAトーナメントのシードでも第1シードで登場しながら、シュートの当たりまくった第16シードUMBCを追う展開となるとオフェンスでの火力が足りず、そのまま大差で史上初の不名誉を記録することになったわけです。
そう。あの試合を見ているだけにMichiganをVirginiaに、LoyolaをUMBCに見立てて似た展開が起こる可能性があるように感じてしまいます。Loyolaはトーナメントに入ってからシュートが好調。最初の3試合は接戦の連続でしたが、地区決勝ではバカ当たりでUMBCの勝利を彷彿とさせる20点差前後のリードを保ってFinal Fourに出てきたチームです。そんな試合になるかどうかはわかりませんが、ありえなくないと期待させるには十分ではないでしょうか。

準決勝のもう一試合は本命校同士、Kansas対Villanova。どちらもカレッジバスケットボールの名門。四つに組んだカレッジの最高峰らしい試合が期待されます。この両校の勝った方が決勝戦でも勝つと予想されることでしょう。
ではMichigan x Loyolaの勝者にはチャンスがないのか。そうとも言えないのが今年のNCAAバスケ。VillanovaがSt. John'sにホームで敗戦した試合はご記憶でしょうか。Big East最下位タイでシーズンを終了したあのSt. John'sに当時全米ランクNo. 1、絶好調に見えたVillanovaが負けてしまったのです。試合はやってみなければわからないんですよね。
会場となるのはSan Antonio Alamo Dome。決勝の会場はあまりにも広くてシューターたちが目測を誤って修正しきれない場合がしばしばあり、実力を出しきれないような場合もあります。そういう特殊な状況もあり決勝も決してVillanova x Kansasの勝者が鉄板とは言い切れないかもなーと期待してます。

McDonald's All American Game 今年はすごい

毎年すごい高校生が集まる伝統のバスケットボール高校オールスター戦=McDonald's All American Game。今年はまたすごいのが出場していました。各種の高校リクルートランキングで全米1位から3位の選手が揃ってDukeにこの秋進学する予定で、これに加えてフロアリーダーのPG Tre Jones(元Duke現Minnesota TimberwolvesのTyus Jonesの弟)も同時にDukeに入学予定。事前に来季のDukeのリクルートクラスは史上最強と教えてもらっていたので期待して見たAll Ameican戦でした。
2013年のKentuckyのリクルートクラスがカレッジ史上最強と当時呼ばれました。当ブログでも当時そのリクルートクラスが出場したMcDonald's All American Gameの記事を書いています。6人の5つ星リクルートを含む大評判だったクラスです。が、いまから見返すと当時のスターリクルートの面々、あまりNBAで活躍していないですね。Julius Randleぐらい。うーん。同年のAll Ameican Games出身者ではAndrew Wigginsが出世頭ということになります。

さて2018年版史上最強リクルートクラスはどうか。リクルートランキングで全米2位とされいたZion Williamsonというのがすごいです。これホントに高校生かよという厚みのあるできあがった身体と運動能力。厚みはPFの身体ですが動きはSFという。肝も座ってる感じでこいつが来季のDukeでコーチKの下でどれほど伸びるのか、末恐ろしいです。でもこれが2位って、もっとすごいのがいるのかよ、という感じの選手です。
リクルートランキング1位のR.J. BarrettはWilliamsonよりもオールラウンダー。Wlliamsonと一緒にDuke進学ということでBarrettがSF、WilliamsonがPF風に使われるんでしょうか。この才能ある二人が入れ替わりバスケットにアタックしてくるのが来季のDukeかぁ‥なるほどすごいことになるかもしれません。

North Carolinaに進学予定のNassir Littleが試合のMVPを獲得。上のDukeの二人のような圧倒的な才能というタイプではないですがシャープな攻守の動きで来季North Carolinaを背負って史上最強リクルートのDukeに立ち向かうのがこの男ということになるのでしょう。早くもDuke x UNCの伝統の一戦の次の試合が楽しみです。

他にもまだ進学先未決定のRomeo Langfordなど好選手がその才能の片鱗を見せてくれていました。ほぼ毎年のようにMcDonald's All American Gamesは見てますが今年のメンバーは例年以上にすごいように見えます。彼らはNBAドラフトで言うと2019年に1&Doneでエントリーしてくるであろう素材の選手たち。つまりもしGonzagaのRui Hachimuraが来季までNBAドラフトへのエントリーを伸ばした場合の競争相手の選手たちです。いやーこういうスーパー高校生を相手にドラフト順位を争うのか〜、来季残っても競争は激しそうです。
2019年の早出しモックドラフト各種を見てみるとR.J.Barrettが全体1位指名の本命なのはほぼコンセンサスがとれてますが、Zion Williamsonは全体5位とか9位とかかなりばらつきがある。えー、こんなすごい素材がそんな順位で取れちゃうのかと驚きます。ちなみに現時点でWilliamsonを9位としているこのモックドラフトではRui Hachimuraは15位とロッタリーピックぎりぎりの予想。他のモックで評価の高いところだとHachimuraに2019年全体5位なんていうところもありましたが、このAll American戦を見せつけられると、これを相手に全体5位指名とかが本当に実現できるならものすごいことだと思いますね。それも3年生で。この才能の塊のようなZion Williamsonより高い評価ってすごいですよ?そんな楽観ができるような相手には見えないですが。

なおZion Williamsonは試合の後半にフロアに変な形で手を着いて、たぶん親指の靭帯を伸ばしてしまったような感じで退場しています。大事に至らないと良いですが。

NCAAの代理人ルール

カレッジバスケットボールのドラフトと代理人の問題に関連して、知らなかったことが今日調べていてわかりましたのでメモとして残します。
今年の1月の話なのですがNCAAはアイスホッケーの高校生選手が大学入学前に代理人を雇ってプロチームへ加入する道を模索することを容認したとのこと。その選手が結果的にプロに行かずに大学に入学する場合にも、入学前にその代理人契約を解除すればカレッジでのeligibilityは失わずカレッジホッケーをプレーできることになったとのこと。同様のルールで2016年段階で野球選手にも許されていました。バスケットボールやフットボールではそういうルールは現時点ではありません。
これは野球やホッケーは高校生選手を大量にドラフト指名してMLB/NHL傘下のマイナープロリーグで養成する慣行になっているからというのが根本的な理由です。高校生選手が進学とプロ契約を両天秤にかける場合に過去は外部の代理人の手を借りるのは違反行為(但し積極的に取り締まってきたわけではない、グレーゾーン)だったのを、実態に合わせて公式に容認したということです。
野球の場合だと高校卒業後3年目からは再びMLBドラフトの対象になるのですが、その時点では代理人を雇うともうカレッジには戻れないというルールのまま。ちょっとこの部分の整合性が怪しいとも言えますがとにかくそういうルールになっているということがわかりました。

バスケットボールの場合も早ければ来季から高校からNBAへ直接入る道が開ける可能性があり、その場合には同様の措置が高校生選手にも認められるようになることが予想されます。

野球の場合は一旦カレッジに入ると向こう3シーズンはドラフトにかからないというルールなので高校最上級生のときの代理人とは一応切れるということになると思いますが、バスケの場合、高校から直接ドラフトに入る道が開いても、それと呼応してNCAAの側が野球やフットボールのように3年間はドラフトにかからないというルール変更せず現行のまま1年生選手もドラフト入りできるようだと実質的には高校のときに雇った代理人と裏でつながったままでカレッジ選手として活躍するということになりかねない。つまり「NCAAの選手は代理人を雇えない」というルールの崩壊に繋がりそう。バスケでOKならフットボールでもホッケーでもなんてことになりかねず、なし崩し的に代理人制度の取扱が崩壊していく可能性がありそうです。






Final Four出揃う Villanova x Kansas、Michigan x Loyola

エリート8のトリでKansasがDukeとのヘビー級カードを制してFinal Fourの最後の切符を手に入れました。終盤のせめぎあい、延長戦に入ってからも緊張した展開でしたが最後はきっちりフリースローを決めたKansasが逃げ切ってます。この試合を最後にプロに転向する選手を多数抱えるDuke。トップ3以内の指名が確実なMarvin Bagley IIIは好試合になりましたが、Bagleyに次ぐ評価でドラフトトップ10内が見込まれるWendell Carterは終盤に疑問のあるファールをとられて無念のファールアウトでベンチでカレッジキャリア終了。あれはちょっと酷だったような。制限エリア外で相手オフェンスが突っ込んでくる前に両足も既に着地・静止していたように見えますが、レフリーとしてはもう笛吹いちゃったから...という感じでしょうか。最上級生Grayson Allenは最後の追い上げでの3ポインターが続けざまに大きくハズレていたのがなにやら象徴的。AllenがNBAでDukeの先輩J.J. Redickのような有能な選手になれるのかどうか。Redickはドラフト時にカレッジの活躍と比べて低評価だったのを覆してプロで一流選手になりましたがAllenにそれだけの精進と能力開発ができるか。他にもDukeからはGary Trent Jr.とTrevon Duvalがドラフト1巡目指名が有力とされつまりは先発全員がドラフト行きの見込みで来季は新しい顔ぶれでの再出発になります。

さてこれでFinal FourはVillanova x Kansasの第1シード同士の対決と、第3シードMichigan x 第11シードの今大会のシンデレラLoyola-Chicagoという2つの大きく毛色の異なる全米準決勝のカードとなりました。こういうカードになってしまうとVillanova x Kansas戦の方が実質的な全米優勝戦という見方をされるのは不可避でしょうか。でもそれだけじゃないのがNCAAバスケットボールの開かれた魅力ですね。

Loyola-Chicagoはもし決勝進出したら映画化またはドキュメンタリー番組化があるかもしれないなあなんて思います。同校は1963年のNCAAトーナメントでの全米優勝という立派な歴史がありますが、当時の優勝はただの優勝ではない。人種隔離政策の廃止というアメリカの近代史上の重要な動きの中で重要な役割を果たしたチームとして知られているからです。
Loyolaが勝つ時期までカレッジバスケットボールではで黒人選手は3人までしか出場させないという紳士協定(正式ルールではなく)が存在していた。その紳士協定を破って黒人選手の活躍の場を広げて全米優勝したのがLoyola-Chicagoだったというそういう象徴的なチームだったからですね。想像するに当時は紳士協定破りとの顰蹙をかっての優勝であったことでしょう。時は流れ半世紀後、いまでは黒人選手が多いから云々などとは誰も言いません。(1990年代、Dream Teamの頃は間違いなくまだありましたよね。そうでなければIsiah ThomasやShaqも選ばれていたはずと思ってます)。
Loyolaのチャプレン(軍やチーム付き添いの聖職者)Sister Jeanが大人気。彼女は98歳ということですから前回の1963年の優勝時は43歳だったという計算になりますね。当時は彼女はその後Loyolaに合併する別のシカゴの大学で教鞭を執っていらしたそうです。お喋りの仕方がそんなお歳にはまるで見えないとてもチャーミングな方ですね。心配なのはカンファレンストーナメント以来4週連続で全米旅をされることになること。ここまで来てFinal Fourに行かないという選択肢はないでしょうが、お体に障られないことを祈ります。



Loyola-Chicago 第11シードからFinal Four到達

いやー楽しいです。昨夜のVillanovaや、Duke x Syracuseのカレッジバスケットボールの王道の戦いと同時に第11シードLoyola-Chicagoの快進撃が見られる。これがMarch Madnessの他にない醍醐味でしょう。ここまでの3戦を2点差・1点差・1点差で勝ち抜いてきたLoyola-Chicagoが今日は圧勝。第9シードBig XII所属のKansas Stateを破ってのFinal Four出場決定。
第11シードからのFinal Four進出は史上4度目。2011年のVCU、2006年のGeorge Masonに続くマイナーカンファレンスからの快挙です。(あとの1度はメジャー所属のLSU)George Masonが勝ち抜いたときは地道にポゼッションをひとつひとつ拾うような堅実な試合ぶりが今も印象に残ってますが、Loyolaは過去3試合の試合終了間際のマジックショットの連発、そして今日の地区ファイナルは3ポインターがガンガン決まって大差をつけました。神がかってますね。
敗戦したKansas Stateはレギュラーローテは全て下級生で占められており来季はこの経験を糧にカレッジバスケットボールシーズンを盛り上げてくれるでしょうが、この日ばかりは大差が開いてしまうと得点力の難ありを露呈。後半追い上げた時間帯のディフェンスは迫力があっただけに残念な敗戦。ディフェンスの重要性はバスケでは強調されるところですが、それだけでは勝てないのもまた事実ということでしょうか。

Loyolaと全米準優勝戦で対戦する予定のFlorida State x Michigan戦は現在進行中です。接戦ながらどちらもオフェンスが‥ タイプとしてはKansas Stateと似ている。この調子だとどちらが出てきてもLoyolaに奇跡の全米優勝戦進出への現実的なチャンスがありそうです。


Villanova、本格派対決を制してエリート8へ

これはコクのある試合を見せてもらいました。NCAAトーナメントSweet 16、東の第1シードVillanovaが実力派第5シードWest Virginiaを鮮やかに逆転で下しています。最終スコアは90-78。後半の10分までWest Virginiaが6点リードだったところでVillanovaがタイムアウト。そこから一気にペイントエリアにアタックしてスパート、Villanovaの10点リードへ試合状況が激変。タイムアウト直後のVillanovaの得点が後半に入ってVillanovaの初めてのペイントエリアでのスコア。またそのあたりの攻防で両軍に豪快なスラムダンクをブロック(West Virginia Sagaba Konate)したり両軍の渡り合いは本格派チーム同士の高レベルの試合となってます。堪能。
West Virginiaにとって痛かったのは前半から機能していたトラップディフェンスがファールがかさんで使えなくなってきたところ。そこへかさにかかってVillanovaがフィジカルに押してきたのを跳ね返せず。最終得点差以上の健闘ではありましたが、最終的にはVillanovaの強さが目立ったことに。

中西部地区の第1シードのKansasは終盤もたついたものの快勝で8強進出決定。Kansas、Villanovaのトップシード校はもし勝ち進むと全米準決勝戦での対戦となります。

なぜ才能ある選手はカレッジに残ってはいけないか

日本のバスケファンと話していてHachimura選手のNBAへのアーリーエントリーの話で、私が「カレッジに残ると練習する時間が制限されるから、プロになった方が良い」ということを言うと不審顔をされることがあります。不満げに「カレッジに残った方がていねいに面倒みてもらえる」などいうことを言う方すらいます。練習時間が制限されると私が言うのは学業が忙しいからとかそいういうレベルの話ではありません。NCAAのルール上オフシーズンにはほとんど指導を受けられない、実戦練習ができないからです。その辺りがまったく理解されていないかと思いますので、今回はまずNCAAの練習時間の制限のルールを説明してみたいと思います。

まず資料としてNCAAの公式サイトで提供されているこちらをご覧ください。英語ですので以下で概略を説明します。詳細は元資料でご確認願います。
まずざっとの話ですが、シーズン中とそうでない時期の活動時間の制限が大きく異なります。シーズン中はチーム全体での練習が週20時間まで許されます。シーズン外では週8時間以内で、8時間のうち個人のスキル指導は2時間を超えられない。また個人指導は選手4人以上参加での練習を指導することはできません。つまりチーム全体での練習は不可。バスケで言えば2対2の簡易ゲーム形式は可能ですが、チームオフェンス、チームディフェンスの練習は(相手を非現役アスリートのアシスタントなどが担当するにしても)選手を5人以上をコートで指導することは違反行為です。この時間制限には筋トレ、フィルムセッション、ミーティングの時間も含まれます。選手たちによる自主練習は可能ですが、それにも厳しいルールの制限があり、コーチなどスタッフが立ち会うことは許されません。指導するしないの如何を問わず、です。

Hachimura選手の実例でいうと、今季序盤、Hachimura選手のディフェンスでの動きはチームとの連動が取れず苦労していましたね。それがシーズンが進むにつれてどんどん向上していきました。上記のNCAAルールを理解していればオフシーズンにチームの連携練習の機会がなかったのが機会を与えられたら一気に上達したんだな、と理解できますが、逆に言えば春夏の半年間、まるで上達の機会がなかったのだという意味でもあります。もし大学に残るとすればそれと同じことがこのオフシーズンにも起こるのです。Hachmura選手が伸び盛りの今、そんな無駄な時間を過ごすことを望むファンがいるというのが私にはよくわからないわけです。ルールが理解されていないということであろうと想像します。

以前にアーリーエントリーをお薦めした記事を書いたときにも記事内およびコメント欄でいろいろ指摘しました。もうプロになる・なれるのが確定的な選手がなぜNCAAの強い制約を受ける練習環境を選ぶべきなのか。現在のHachimuraの場合1巡目指名も十分に期待できる。ということはほぼ複数年契約が確実です。一旦契約金さえ得てしまえばオフシーズンでも自分で各種技術の専門家を雇ってレベルアップを図ることができる。それにはオンコート上のプレイの指導以外にも栄養指導、体作り・メンテの専門家を含みます。シーズン中なら自分で雇うまでもなく多数のスタッフがプロチーム内にいます。カレッジに残れば同僚選手との自主練という名のピックアップゲームと、一人で体育館で3ポインターやフリースローを投げ続けるのがほぼ全てです。他の選択肢がない。一人で投げ続けることが向上につながることもあるでしょうが、専門的に見たら非効率な投げ方をしていたとしても矯正指導してくれる人のいない練習が良いことでしょうか。他にやりようがないならともかく、プロになってよりよいリソースを利用しながら上達を目指すのが正しくないでしょうか。または栄養面でもプロの最先端の研究成果を試して身体を作る方がキャンパスの隅っこでピザをかじっているより大事に思えます。

あとカレッジとプロでは戦術が大いに異なります。Gonzagaはバスケの名門校ですが、Gonzaga流のオフェンスやディフェンスをマスターすることはNBAでのキャリアにとって意味があるのかというとたぶんそんなことはない。もっと有り体に言うと回り道であると言っても良い。さらに悪いことにGonzagaはマイナーカンファレンス所属です。今季WCC、来季場合によってはMountain West所属に変わる可能性がありますが、いずれにせよGonzaga以外にNBA級の大型選手を獲得できるようなバスケのエリート校は他にいないカンファレンスです。メジャーカンファレンスで将来のNBA級の選手を相手に切磋琢磨できるというような状況ではないので、この面でもプロになった方が良いかと。

いまのままではプロで通用しないという意見はもっともですが、NBAドラフトは各チームとも即戦力を求めていません。即戦力になればいいですが、ほとんどはルーキーに経験を積ませて数年後にスターになってくれそうな選手、その可能性も求めて指名するのです。

ところでもしHachimuraがカレッジに残った場合、3年生としてエントリーすることになりますが、NBAドラフトで3年生でエントリーして活躍した例があるのかどうかをご存知の上でもう一年カレッジに残れと言っている方は残留を勧めているんでしょうか?私にはとてもそうは思えません。実際そんな例はめったにないのですから。
2017年のドラフトの例だと3年でエントリーしてプロで即戦力になったというとUtahからLakersに行ったKyle Kuzmaがいますが、Kuzumaは全体27番目指名です。現在予想されるHachimuraのドラフト順位はそれより早い。Kuzmaの場合は2年生のときの成績ではとてもアーリーエントリーなんて無理だったから3年生になったわけですね。2年生の現在既に1巡目指名が見込めるHachimuraとは意味が違う。他ではNorth Carolinaから行ったJustin Jacksonが3年生でエントリーしてますがこちらはプロルーキーシーズンの試合平均得点6.7点、即戦力だったかというとギリギリですか。その前年2016年ドラフトだと全体5位と高順位でKris Dunnがジュニア=3年生として指名されてますが何もできてない。DeAndre' Bumbryも同じで1巡目指名でも即戦力には程遠い。
2年でドラフトされそうなのに敢えて3年まで待ってNBAで成功した選手の例がほとんどないのになぜやたらとGonzagaに残れという話になるのかさっぱりわかりません。1年余計にカレッジにいてカレッジでよりいい成績を出したところでドラフト順位も上がらないし、プロで即戦力になるということもないのです。おしなべて言って3年生でエントリーしてくるような選手にはその程度の才能レベルの選手しかいないのですから。Hachimuraがもう一年カレッジに残って活躍してカレッジ選手としていい格好できたところで自己満足というかファンのファン満足だったりするだけで、選手本人のプロでの成功には貢献しないのです。そして来季のカレッジでの成功もまったく保証されてもいません。
「プロで通用するまでにはまだやるべきことがある」まったくその通りですが、やるべきことがたっぷりある若い選手がドラフトの上位のほとんどを占めていることに反対している方は気づいていらっしゃらないのか?と困惑します。たぶん他のドラフト生のこと、ドラフトそのもののことをまったく知らないで反対しているんじゃないかと疑いたくなります。能力の向上はカレッジにいてもプロになってもやること。プロの方がより環境が良いはずです。(お金が転がりこんできて有頂天になって遊んじゃうような選手なら何年後にプロになっても同じことです。成功しません。)

アーリーエントリーしてもプロで失敗する可能性はあるのか。当然ながらあります。全体1位指名されるような選手ですら生き残れないときもあるんですから当たり前です。だからと言ってその失敗した選手が1年長くカレッジにいたらNBAで成功したか?というとそんなことはわからない。プロアスリートにとっては剛気な積極性も才能のうちであって、引っ込み思案に俺はバスケで成功しないかもしれないから学位もらっておこうなんていうことをHachimuraのレベルの才能があるのに言っているようでは既にメンタルで負けなんじゃないでしょうか。というか学位確保ってあと2年も学校に残るの?って話ですね。

「プロに行くとプレータイムがもらえない」というような理由でアーリーエントリーに反対している方になるとG-Leagueの存在すら知らない方でしょうから反論する必要すら感じられません。
他にも以前の記事で指摘した通り2019年のドラフトは高校生が直接ドラフト入りできるように制度が変わる可能性が高く、二年分の高校生が一気に入ってくる最もドラフトが若い才能で溢れかえる年になります。なぜそんな年にわざわざ合わせてアーリーエントリーする年を遅らせるのか。なぜアーリーエントリーすべきではないと主張するのか、その理由の方が聞きたいぐらいです。



記事検索
最新コメント
LINE読者登録QRコード
LINE読者登録QRコード
メッセージ

名前
メール
本文