アメリカスポーツ三昧

アメリカ永住コースか、または第三国に出国か!?スリルとサスペンスの人生とは別にアメスポは楽しい。

MLS/Soccer

米サッカー協会会長選を前に

アメスポで2月といえばSuper Bowlですが、その先、私は米サッカー協会の会長選挙に大いに興味を持っています。投票日は2月10日。8名が立候補。最有力なのはSoccer United Marketing社社長だったKathy Carter氏とされます。もし選ばれれば史上初の女性の米サッカー協会会長になります。複雑な投票システムのせいで事前の票読みはまったくできず有力と言っても本当にそうなるのかは蓋を開けてみるまでわかりませんが。

Carterが有力とされる理由はまずMLSコミッショナーDon Garberと前会長のSunil Gulatiが後援しているから。そして女性だから。
8人の立候補者のうち女性はCarterとあとは元代表GKだったHope Solo。Soloは8人のうちでは一般の知名度は最も高いですが、その知名度が上がった理由の中にはネガティブな事件も多い。問題発言も多かったしドメスティック・バイオレンス事件やらプライベート画像流出事件などもありました。同僚の間でも人望があるタイプではないとされますので支持が集まりそうにない。だからCarterの方が有力、という話と理解しています。
女性だから支持が増える、というのは代表選手の男女間の報酬格差が大きな懸案のひとつであるからでもあります。これがあるため女性有権者が女性候補に投票する可能性が高いのです。投票する協会員や選手たちの半数は女性だと思っていい。6人にばらける男子候補よりも、2人しかいない女性候補有利というのもCarterが有利とされる理由です。
この男女間の報酬格差是正問題が重要課題なのは男性候補も意識していて、男性候補の中で最有力とされるEric Wynaldaはこの問題に積極的に発言して支持のとりつけに動いていました。でもこれは諸刃の剣で、男子側の投票者からは不満を持たれる可能性もあります。Carterはうまいこと言っていて「I like Equal Pay」とまず一般論を述べて女性有権者にアピールしてます。現実的にはW杯からの分配金や各種放映権料収入などが男女では圧倒的に違うので男女同額の報酬などは論外なのでしょうが、とりあえず一般論で支持を得ようとする言い回しのうまさは認めざるをえない感じです。

8候補のうち3名が代表選手だったひとたち。女子のHope Soloの他に男子で2000年まで代表FWだったEric Wynaldaと、短い期間代表に名を連ねたことのあるKyle Martinoの三人です。Soloについては上記の通り。Wynaldaが元気だったころっていうのはアメリカ国内でのサッカーの地位と露出力が極低かった時代です。1994年アメリカW杯代表メンバーだったのがWynaldaの一番露出の高かった時代だと思いますが、でも同大会で一番一般メディアで露出の高かった選手は髭のD Alexi Lalasだった。当時のWynaldaを覚えている人はよほど古くからサッカーの好きな方だけのはずです。W杯には三大会出場するもゴールは94年のグループステージでのFK一発のみ。初期のMLSでは渡り鳥になってしまい記憶が薄い。特定のチームにファンが残っているということも見込めない。つまり現役時の存在感が得票につながる可能性がほとんどないのです。
もう一人のMartinoはMLSで7年のみプレー。代表キャップ8。若いうちにあっさり現役を引退してしまっていて現在36歳。中上流の家庭出身で安いサラリーのMLSで奮戦するよりも実入りの良い仕事が他にあったとされます。引退後女優さんと結婚したりという辺りでもそれを想像させますね。
こうやって見ると元選手の候補にカリスマ性がゼロであることがおわかりになると思います。手腕があろうとなかろうとこの人ならとサッカー関係者に慕われる人気者的な人がいない。サッカーが日陰のマイナースポーツであった時代から遠くないから仕方ないのですが、あまりにも人材がいないので選手出身の会長は難しいのではと思われます。たらればで言えば長年女子代表の大エースだったAbby Wambachがいたら強力な候補になったかもなと思わされますが、Abbyは数年前にコカイン所持を告白、政治的には完全に無力化されています。(その理由で一昨年の米大統領選挙戦でClinton支持に馳せ参じられなかったということもありました)

ということでCarterが初の女性サッカー協会長になる可能性が高いとして、懸念材料はあります。本当のところこの人は米代表の強化が託せるのか実効ある政策があるのか、という点と、この人はあまりにもMLSに近すぎるのではないか、という点のふたつ。後者の問題についてはCarterが社長を務めるSUMというのはMLSの子会社でありCarterはMLSコミッショナーGarberの長年の部下で、MLSを最優先させる政策を掲げるばかりになるのではという危惧です。具体的にはまた別途検討してみたいです。

代表の強化の問題は男子代表がロシアW杯出場に失敗したショックから今回の乱立選挙戦という事態になっているので多くの協会員にとって重大関心事なんではあるのでしょう。私個人的には極論すれば実はどうでも良いような気もします。もちろんなにかやらないと伸びないでしょうからやるべきなんでしょうが、どの候補も実効のありそうな提案はしていない。全国で統一的に選手育成をしようだの言いますが財源のことは誰も言いません。サッカー後進国のアメリカを世界レベルで勝たせるような強化というのは本当を言えばだれがやっても絵空事だと思うのです(なぜ絵空事なのかの理由や中身は別項にします。下書きしていたらものすごく長くなってしまったので)。サッカーが国民の最大の関心事であるような国がごまんとある中でそうではないアメリカがそうそう勝てるものではない。今回の新会長がどういう策を施してもその効果の現れる頃にはW杯は48カ国出場の大会になることが決まってます。どうせ出場できるに決まってるのです。FIFAもアメリカのいないW杯を望んでいない。
また2026年大会はカナダ・メキシコと組んで北米三国での開催を狙ってもいるし、様々言われる強化よりもW杯をアメリカに再び呼んで関心を高める方が手っ取り早い裾野の拡大になるのは確実かと思われます。各候補の強化策についてのコメントも具体性がないものばかりでこんなんじゃ誰がなっても同じと思えます。2026年開催を間違いなく引っ張ってこられる人であればそれで強化にはなるのでしょう。

ソフトバンクの支援で遂にBeckhamのMLS Miamiチーム始動

約4年の紆余曲折を経てDavid Beckhamが持っていたMLSチームの新設オプションの権利を行使、マイアミ市でその発表がありました。なぜそんなに時間がかかったかというとBeckhamの探してきたスポンサーがことごとく途中で降りてしまったからです。MLSの拡張に事実上必須となっている市内でのサッカー専用スタジアムの建設計画も何度も頓挫。何度もスポンサーに逃げられ、スタジアム建設でも地元の同意を得られないことの連続で実現が危ぶまれていたんですが、携帯通信のSprint、そしてその親会社となっている日本のソフトバンクをバックに付けることに成功したようで資金の確保に成功してやっとのことで新チームの発表となりました。ただしスタジアム建設の完成時期は未定、チーム名未定。リーグ参加は2020年からにしたいという意向だけの発表で中身が乏しい発表と言えそうです。

なぜ何度も頓挫したかというと要はマイアミ市という土地柄がスポーツエンタメに不向きであるからです。これは過去にも何度も解説してきたことなので簡略にしますが、同地で興行で成功しているチームがほとんどない。カレッジフットボールの強豪であるMiami Hurricanesは2017年の大復活でちょっと盛り上がってますが、他のカレッジの強豪校と比較したらその動員力は著しく低い。Hurricanesのバスケは常にガラガラ。MLB Miami MarlinsもMLB最弱の動員。NBA Miami HeatはLeBron James前もJames後も動員は冴えない。NHL Florida Panthersも万年移転候補。NFL Miami Dolphisは最初に同地にできたプロスポーツチームとして根付きほぼ唯一満員を維持できる存在。他にいくらでも楽しいことがあるのになぜスポーツなんか見なきゃいけないのかという、そういう土地柄です。サッカーMLSも創設初期にMiami Fusionというチームが存在しましたが数年で早々に撤退済み。
春〜秋シーズンのMLSのスケジュールで亜熱帯のマイアミでサッカーの試合をするというのがそもそも無茶でもあります。MLBのMarlinsは暑さ対策で2012年から可動式屋根付きのスタジアムとなって、暑すぎてお客がこないという批判に応えたんですが、屋根ができてもやっぱり入らないという始末です。Beckhamの新スタジアムはインドアスタジアムにするような資金の余裕はないですから当然野外。大丈夫かなあ、という計画です。その辺の事情をスポンサーのソフトバンク・孫社長がご存知かどうかは知りませんが、とにかく発表になってしまいました。

日本の元気の良い企業のアメスポ進出というとNBA Golden State Warriorsの胸ロゴ(といっても小さいですが)に楽天がお金を出していますよね。あれが決まったのが昨オフだったと思いますが、ESPNのSports Centerでは「ある日本のIT企業がスポンサー出資」と紹介されていました(「Rakuten」とは言わず)。だってRakutenってアメリカで聞いたことないですし。楽天は欧州サッカーでバルサにも胸ロゴで露出して欧米で人気チームに乗っかっている。その投資がどういうリターンを生むかはともかくとりあえずいままでビジネスをしていない国で名前を売るのだ、新しい市場で企業の信用を付けるんだという意味では悪くない投資ではあるのでしょう。
その楽天の動きも微妙にソフトバンクの意思決定に影響したのかもな、なんて想像しますがどうでしょうか。ある種のライバル心というか。
でもMLSとNBAでは格差が大きい。MLSの1チーム、それもたぶん不人気になるチームのメインスポンサーと、NBAの現ナンバーワンチームの小さなワンポイントロゴ。どっちが露出で上かというと、Warriorsのあれも大して目立たないようにも思いますが、比較するなら圧倒的にNBAでしょうね。報道の量が桁違いですから。三桁違うんじゃないかな。
海外のサッカー国から見るとアメリカのサッカーはこれからものすごく伸びるという幻想があるのはひしひしと感じます。アメリカ国内で思われているより遥かに。Red BullがMLSが潰れそうだった時代にNew York/New Jerseyを破格で買ったときも、ああ欧州のひとから見るとそう見えるんだな、そういう幻想なんだろうなあという感じでしたから。

NWSL Boston解散

女子プロサッカーのNWSLのBoston Breakersが2018年シーズンを前に活動を停止したのを発表しています。所属選手(ドラフトで指名された選手を含む)はNWSLの残りの9チームが吸収する手はずに。Boston BreakersはNWSLが創設される以前の女子プロリーグであったWPSやWUSA(2001年創設)にも参加してきた女子プロサッカーでは歴史の長いチームですが、ここで息切れして離脱となりました。昨年2017年シーズンのBostonの平均動員が2,900人で全10チーム中8位。先が見えないということですか。
NWSLの昨季のリーグ動員平均は約5000人。でもこの数字はミスリーディングなのです。動員首位のPortland Thornsがダントツで17,600人を叩き出して平均の数字を引き上げているだけで10チーム中平均動員を超えているのはこのPortlandと2016年に参加し始めたOrlando Prideの2チームだけ。
動員8位のBostonが今回離脱を決めましたが、動員最下位だったKansas Cityは昨季を最後に移転して2018年シーズンからは新本拠のUtahでUtah Royals FCとして再出発に希望をつなぐ(というと聞こえは良いですが実際はKansas Cityでは失敗撤退)。動員9位のSky Blue FC(東海岸New Jersey)はWPS当時に優勝もしている女子プロサッカーでは優秀なチームのはずですが動員ではWPS当時からずっと下位を低迷。Bostonより先にギブアップしていても不思議ではなかったチームです。リーグとして低空飛行で新たな投資家が登場する可能性も低い。女子サッカー代表の人気を国内リーグに繋げられないままにジリ貧状態と言っていいかと思われます。唯一成功しているPortlandのようなビジネスをどう他のフランチャイズで実現できるのか。なかなか大変そうです。

アメリカでのスポーツ支持調査などでしばしばサッカーが若年層でメジャースポーツに匹敵するような数字を出します。あれは女子中高生などの女子サッカー代表への支持がサッカーへの支持に大量に含まれているわけです。調査対象の半分は女子なので。その層は別にサッカーというスポーツを愛しているわけでもなくほぼ唯一の女子スポーツのメジャーな存在である女子代表サッカーにシンパシーを感じて支持しているのであって、サッカーという競技の支持としてはとても弱い支持と言って良い。彼女たちはNWSLの試合に足を運ばないし、MLSやEPLといった男子サッカーの試合のTV観戦でも数字になってくれない。その辺りを、女子にはサッカーファンがたくさんいる、と見誤って女子プロサッカーリーグイケるのでは、と投資してしまうと現実にがっかりということになるわけです。なかなか難しいところです。

女子サッカー人気の頼みの綱である女子代表も将来が不安です。先週末に終了した女子のU-20 World CupのCONCACAF予選で米代表は優勝を逃してます。決勝でメキシコに1−1からのPK戦で敗退。準決勝ではハイチを相手に1−1でPK戦でなんとか下している。本戦にはメキシコ・米国・ハイチが出場決定(カナダ落選)。たかがU-20、たかが予選ではありますが、圧倒的にフィジカルでまさるメキシコやサッカー無名国ハイチを相手にぎりぎりの試合をさせられてしまう。数年先にはこの世代がフル代表を担っていくわけです。既にフル代表ではその昔のように米代表が相手を次々となぎ倒すような試合はできなくなっている。それどころか数年のうちにCONCACAF内ですらフル代表で苦戦させられる未来もありうる、というのがU-20予選が示唆することです。そうなったときに過去の女子米代表の勝ちっぷりの爽快感でファンになっていた少女たちの支持をサッカーは繋ぎ止められるんでしょうか。移り気な若いファンの支持を取り付けるのはそう簡単ではないのではと危惧します。ここがうまくいかないとスポーツ支持調査全体でのサッカーの支持の数字にも相当響くはずです。

Landon Donovan、なぜかメキシコで現役復帰へ

変なタイミングで変なニュースです。元サッカー米代表のエースだったLandon Donovanが現役復帰するとか。それもなぜかメキシコリーグのClub Leonでとか。現在35歳。何を考えてるのかよくわからない現役復帰。ご本人の弁が聞きたいところです。

2014年に一度引退を表明。2016年に短期間古巣のMLS Los Angeles Galaxyで現役復帰をしています。あのときはGalaxyが負傷者続出で苦しい状況でのリリーフとしての登場でした。それからもさらに1年半後の今、なぜ現役復帰。それもなぜメキシコリーグなのか。

Donovanの引退への道は、2014年のW杯で当時の代表監督のJurgen Klinsmannとの確執から代表の選から漏れたのが始まりでした。Klinsmann政権下では代表復帰の目はないと踏んで代表引退、燃え尽きたかのようなコメントを連発してMLSでも引退へ。引退表明時はユース代表(U-15~17ぐらいを念頭)の監督がやりたいと言っていたんですが、それは実現せず。実現しなかった理由はつまびらかではありません。次にDonovanの名前を聞いたのは昨年後半の米代表のW杯進出失敗後に炎上した米サッカー協会の次期会長選にからんでのこと。本人は一時期会長選に立候補を考えたようですが、その後一転立候補しない旨を公言して撤退。協会会長選は来月でそちらの行方もまだわからない今、今度はまるで方向違いのメキシコでの現役復帰。迷走してるようにも思えます。

単に現役復帰したいだけならMLSでも良かったでしょう。いまさらDP待遇は無理でも、古巣のGalaxyでも他でも受け入れてくれるところはありそうなものです。それでもメキシコということは…メキシコの方がサラリー水準はMLSより遙かに高いからお金の問題でしょうか?

確執のあったKlinsmannは既に米サッカー界から放逐されています。Donovanがユース代表監督をやりたいと言い出したときはポストKlinsmannのシニア代表監督狙いなんだろうと思いました。代表監督がやりたいというより、Klinsmannのアンチ活動でもやりたいのかもなという感じではありましたが。シニア代表は今もKlinsmannの後継代表監督は未定のまま。でもここでDonovanが現役復帰ということは代表監督にも色気なしということなんでしょうね?

Nashvilleに新MLSチーム

昨日たまたま私はテネシー州Nashvilleにいてちょっとびっくりしました。大型街頭広告でMLSの新チームのチケット予約を促すものが出ていたからです。少し前にも当ブログでも書きましたがサッカーMLSは次期拡張先としてNashvilleを含む4都市から2都市を選ぶと発表していました。MLS Cup決勝のときの話ですから今月の頭のこと。結果から言うと水曜日の夜の段階でNashvilleが拡張先として決定したことが発表されていたようで、昨日金曜日に早くもチケット予約を宣伝という運びになっていたようです。私はその水曜日の発表を知らなかったので、まだ拡張先候補になっただけで宣伝しているのか?と驚いたわけです。候補として公表になってから決定までも早かったのでまさか既に決まっているとも思わず、決まっていたとしても一日半後に早くも宣伝が出ているというのも早い。その宣伝には既にチームのロゴらしいものも示されていて熱の入りようがすごいようです。

Nashvilleという街は近年になってプロスポーツが盛んになった街。NFL Tennessee TitansがHouston/Memphisから移転してきたのが1998年。NHL Nashville Predatorsができたのも1998年。いずれも歴史が20年に満たない。それ以前にはマイナープロスポーツしかなかった。しかし同州の経済的発展と軌を一にしてどちらも興業としては大いに成功しています。NFL TitansとかぶってしまったNHL Predatorsの方は出遅れていたんですが最近になってNHLで勝てるチームとなったことで営業上の危機を脱しています。全体の評価としてはこれらのメジャープロスポーツができたことで都市としての魅力と露出が大幅にアップしたと地元では評価されており、その勢いに乗ってプロサッカーMLSチームのNashville進出も決定したということのようです。

先日も少し触れた通りNBAやMLBがリーグ拡張に二の足を踏む中、MLSが着々と中都市に進出を果たしている。特に春〜夏シーズンの重なるMLBはこれで良いのか?、もうちょっと攻めのマーケット浸透をしないと将来取り返しのつかないことになるのではと他人事ながら気になります。MLBはいまは全国的に人気のあるチームや選手というのが存在しなくなっているので、各地元のローカルな人気がMLB人気全体を支える傾向が強くなっていますから、より多くの都市を網羅した方が良いはずですが。


MLS関連では別の話としてNew York City FCの新スタジアム構想が頓挫したようです。Nashvilleへの進出はMLSにとっては好ニュースでしたが、New Yorkではうまく自治体を取り込めず。全米各地で一進一退という感じでしょうか。

2015年シーズンからMLSに参入したNYCFCは現在MLB New York YankeesのYankees Stadiumに間借りをしており、近い将来に独自のサッカー専用スタジアムを建設することを目指していました。過去何度も計画が失敗しており、最新の案だったBelmont地区にスタジアムを建てるプランの代わりにその土地にはNHL New York Islandersのアリーナを新設するということに決定したとのこと。Islandersはつい最近Long IslandからBrooklynへ移転したばかりですが、そこからさらに再移転ということになるようです。まあBrooklynのアリーナが元々ホッケー開催を想定していない設計でアイスリンクがアリーナの中央からズレているという見映えの悪さ、見にくさがあったり、元の地元であるLong Islandからまるで逆方向であったので過去のファンから切り離されていたのもマイナス要因でした(とは言えそんなことは移転前からわかっていたことですが)。

MLSの新サッカー場建設とNHLの新アリーナ建設がそれぞれ推進されていたんですが、軍配はNHLの方に上がったことに。確かにNHLの方が試合も多いし、それNHL以外でもアリーナの方が稼働日数が多く利益になりやすいのは間違いないでしょう。サッカー場では他の使いようというと全米各地でよくあるのは高校フットボールのプレーオフの会場になったりというところですが、ニューヨークは高校フットボールが盛んとは言えませんし。

MLS Columbus Crewの転出問題 初のNHLとの競り合い負けの例か

以前にも記事を書いたサッカーMLS Columbus Crewの移転問題。先日のMLS Cup決勝戦のハーフタイムに恒例のMLSコミッショナー Don Garberのインタビューの放映がありました。今回は録画で。以前はほとんどが生でインタビュー出演していたもんですが、なにか不規則質疑を嫌ったか。その中でColumbus Crewの移転問題にかなり時間を割きました。その件については硬く暗い表情を作ってColumbusの現状は厳しい手は打ち尽くした転出やむなしの方向と発言。来季2018年シーズンがCrewにとって最後のシーズンになる可能性が強まったということでしょう。ただGarberは役者なので危機感を煽って来季のCrewの地元動員が大きく好転する一助になればと考えている部分もあるような気もします。聞き手だったTaylor Twellman(元MLS得点王)は私と似たようなノスタルジーをCrewに感じているようで「初期のMLSの功労者的チームだったColumbusをなくすのか」と食い下がったんですがコミッショナーは「MLSのビジネスの基準が変わった(上がった)」とつれない返事。ビジネス上のどこが問題かについて述べる中でコミッショナーさらっと触れたのですが「企業セールスが伸びていない」ということを言ったのを私は聞き逃しませんでした。あー!と。

どこに合点したかというと、同市内にはアメスポ4大スポーツの唯一のチームNHL Columbus Blue Jackets(CBJ)が所在します。CBJが同市内にやってきたのはMLS Crew(1996)より後の2000年。ホッケーでの成績は伸びず弱いチームですが企業セールスではあっさりMLSやMiLBの先行地元チームを上回ってしまったとされます。ホッケーに縁があるような土地柄でもなかったはずですが、同市内唯一のメジャープロスポーツという触れ込みが効いたのと、アリーナでの環境のよい観戦環境が接待に用いられる企業セールスには向いていたということか。CBJ程度の成績でもこれぐらいの規模の都市でもとりあえずこのぐらいの利益にはなるという実例はNHLの今後のリーグ拡張を考える上でも参考になるところ。NHLのリーグ拡張についてはまた項を改めて論じてみたいです。


対するMLS Columbus CrewのホームであるMapfre Stadiumは屋根もなく、企業向けとなるであろうスイート席もオープンエア。3~12月がシーズンのMLSの観戦ではかなり寒暖厳しいでしょうから接待に不向き。NHLを含むメジャースポーツ会場のスイートのようなガラスで囲われ冷暖房完備の快適なものでも、入退室時の動線確保も含めて一般から隔離された美麗特別感のあるものでもない。Mapfre Stadium(当時はColumbus Crew Stadium)が開場になったのは1999年、まだサッカーがマイナーな時代でゴージャスな席の需要予測とか想像もつかない時代。先の見えない潰れるかもしれない赤字のプロサッカーのためにスタジアムを建てるだけでも大変だったのにスイート席もちゃんと作っただけでも当時は立派な判断だったはずなのです。あれからほぼ20年。MLSはこんなスタジアムじゃ企業セールスが伸ばしようがないからスタジアム建て替えてくれと市側に要求、嫌なら出て行くという話になってるわけですね。なるほど。言ってみれば後発のNHLに弾き出されたとも言える。
ただ一旦転出したとしてもMLSが同マーケットを完全に放棄することはまず考えられない。快適スイート席を大量に完備した新スタジアムとともにどこかの時点でColumbusに再参入してくるのでしょう。
ちなみにもし本当にColumbus Crewが出て行ってしまうとMapfre Stadiumは常打ちのメインテナントを失うことになる。Rock on the Rangeという毎年のサマーロックフェスがありますが、それ以外は単発イベントだけになりかねない。空き家になったら現在は同市郊外で興業しているプロラクロスMLLのOhio Machineが入り込むなんていうことがありうるのか。Rock on the Rangeはなかなかに賑やかで日本からはBabyMetalが来年も来るみたいです。BabyMetalは2015年にも同フェスに出演してます。

Columbus問題とはまったく別に、MLSは今後のリーグ拡張先として4都市の名前を挙げています。Columbusから近い同州内のCincinnati、Detroit、Sacramento、Nashvilleの四都市です。ここから二都市が当選予定。一番意外なのはDetroitでしょうか。SacramentoはメジャープロスポーツはNBA Sacramento Kingsしかないですから確かに狙い目。NashvilleはAltantaとの南部つながりの地域ライバルを作るのが目的なんでしょう。Cincinnatiは別途当ブログで報告済みですが、マイナーリーグサッカーで全米最大の動員をする昨年急浮上した謎の新サッカー都市です。

Toronto FC完勝でMLS Cup制覇

サッカーMLSのMLS Cup決勝があり、Toronto FCが攻守に文句なしの試合を展開してMLS初制覇しています。創設11年目。MLSが初のアメリカ国外のTorontoを加えて13チーム態勢(現在23チーム、来季から24チーム)となりMLSがリーグ消滅危機から拡張・成長期へと転換しつつあった頃。その後長年勝てないままで、成績でも観客動員でも後発のMLSチームにどんどん抜かれ、プレーオフに初めて到達したのが創設9年目の一昨年。MLSのプレーオフはリーグ全体の半分以上が到達できる緩いものですからそれにすらなかなか辿り着くことができなかった、大いに苦労したフランチャイズと言えます。そういうチームがたった数年でMLS史上最強チームと呼ばれるようなチームを築いて、MLS Cup決勝でも前年チャンピオンのSeattle Soundersを圧倒、内容もMLSの進化を示すような内容で勝つことになりました。MLSというビジネス、アメリカにおけるサッカーがここまできたんだなと感慨があります(カナダのチームですけど)。


Toronto FCのどこが良いというと、良いサッカーチームが当たり前にやるべきことを90分やれるチームであることでしょう。1タッチ2タッチでつなげ、と言うと過去のMLSチームはすぐにボールを訳の分からないところに蹴って失ってしまう。タッチライン際を縦につなぐパス能力がないチームが大半の中、Torontoはそれをこなす。ファイナル1/3でのバラエティとそこへ絡んでくる選手が豊富で、チームが意識を共有しているのが見て取れる。ボールをロストした後の全力疾走での再奪取までが早い。カウンターの連動が良くちゃんと第2第3オプションが良い所にいる。欧州サッカーならいくらでも見られることばかりですけれど、MLSではこれができるチームが本当にない。なかった。それができるようになった、ということなんですね。

自軍トップサークルで奪取したボールをあっという間に4~6人つないでのカウンターから米代表FW Jozy Altidoreが決めたのが決勝点。最終スコアは終了間際に1点を追加して2-0。Jozyの得点以前もToronto FCが圧倒的に試合を支配していての試合をSeattleのGKナイスセーブでなんとか試合にしていたという試合でした。

元女子代表GK Hope Soloが米サッカー協会会長選立候補

混乱している米サッカー協会の会長選ですが、新たな立候補者が出ました。日本でもお馴染みかと思われる女子代表正GKを長年つとめたHope Soloが突然立候補を表明してます。もうなんでもアリだな、という感じです。現職の会長がつい先日再戦を目指さないと表明したばかりのタイミング。機会均等の国ですから誰が立候補するのも自由ですし、意見は多様な方が健全であると思いますので2月の投票に向けて具体的な政策を戦わせて良い会長を選んでいただきたいです。

女子側から強力な候補者が一本化して出てきたら女性会長が実現する可能性は十分にあるんでしょう。但しSoloでは無理なような。過去の問題発言・問題行動が多過ぎて足下の女子選手たちからの支持をまとめられるような気がしません。女子代表の中で一番浮いていた人、それがSolo。これ、代表の顔を長年勤めたAbby Wambachが例のコカイン使用問題で失脚していなかったら強力な会長候補になった気がしますが、それは後の祭。まだ他に女子の支持がまとまるような誰かがこれからまだ出てくる可能性もあります。

男子側では選手出身者の候補者が現時点では乱立気味。Landon Donovanは立候補しない旨のコメントを数週間前に出していましたが、色気を出している元代表選手は何人も名前が挙がっています。人数が多すぎて本当のところ誰が立候補するのかわからない。誰が当選するのかもまったく予測不能です。政治家の選挙ならば世論調査という手段がありますが、組織内の選挙、それも実に複雑な仕組みになっているためサンプルのとりようもない。確実に言えることは現会長のような背広組が当選することはほとんど可能性がないということぐらいでしょう。選手出身の会長が誕生してより良いサッカー界になるかどうかはまったくわかりません。

新会長の最大の仕事は2026年のW杯の誘致ということになるはずです。これは大きな金額のお金の絡む大仕事。例のFBIによるFIFAの汚職追及・CONCACAF内の理事逮捕・締め上げという問題があったのでナイーブな選手出身の会長がCONCACAF内の他国協会から足を掬われたりして混乱する可能性もなしとしません。


代表キャプテンMichael Bradleyは大丈夫かマジで

昨夜MLS西カンファレンス優勝戦2nd legがあり、Seattle Soundersが楽勝3-0、二戦合計5-0でMLS Cup決勝へ。二年連続でToronto FC x Seattle Soundersの決勝となりました。場所はToronto、次週土曜日。Soundersが二連覇を狙えることに。

今年のSoundersのレギュラーシーズンはホームで11勝1敗5分と圧倒、アウェイで3勝8敗6分と低迷。MLS随一の地元観客動員を誇るSoundersがホームで声援に後押しされて好成績なのは良いとしてアウェイがあまりにもひどい。3勝したアウェイの相手は西カンファレンスの最下位3チーム相手。ホームで唯一敗戦していた相手が決勝で対戦するToronto FC。そして決勝はアウェイ。Soundersにとってはあまり良い条件ではないことになります。一発勝負ですからどちらに転ぶかはまったくわかりません。


表題の件です。前日のToronto FCの決勝進出決定試合の記事の中で書き落としたんですが、試合直後のTVインタビューでToronto FCキャプテンであり米代表の主将でもあるMichael Bradleyがおかしかったんですが、あれはなんなんでしょうか。喋りがとても変なのです。受け答えも変だし声も震えている。質問を繰り返したり、自分自身が言ったことを何度か繰り返したり。寒くて体調不良・エネルギー切れ?とも考えてみましたが、そこまで極端に寒い試合ではなかったのでそれもちょっとちがうような。大丈夫なのか?アスリートの試合後のインタビューでこんな奇妙なものはあまり見た記憶がないです。場慣れしていない人ならともかく過去数限りなくこんなインタビューは受けているBradley。私も過去何度も彼の発言する場面は見てきてますけど、こんな喋りじゃなかったよなあと。

Michael Bradleyといえばここのところアウェイに行くとボールを触るたびにブーイングを喰っています。坊主頭で目立つからでもあるでしょうが、ブーイングの理由は例の米代表のW杯出場失敗の責めです。W杯予選敗退はアメリカサッカー界では大問題・大荒れで、敗退以来代表キャプテンのBradleyは直接間接の批判を受けて相当苦悩していても不思議ではない。最終予選を通して選手としてもBradleyは目立った動きができなかったのも事実です。

救いはMLSに帰れば所属のToronto FCはカナダなのでアメリカ人サッカーファンからの責めにはあまり直接遭わずに済んでいるのでしょうが、アウェイだと一試合丸々ブーイングを食い続ける始末。そんなストレスの高い境遇なのでまさかとは思いますがあの奇妙なインタビューの受け答えを訊いて、なんか薬やってる?という疑いが頭をかすめました。精神安定剤みたいなものとか。

記事検索
最新コメント
LINE読者登録QRコード
LINE読者登録QRコード
メッセージ

名前
メール
本文