アメリカスポーツ三昧

アメリカ永住コースか、または第三国に出国か!?スリルとサスペンスの人生とは別にアメスポは楽しい。

MLS/Soccer

16歳Gianluca Busio

MLS Sporting Kansas Cityの16歳Gianluca Busioが、MLS史上最年少での2試合連続ゴールを決めています。BusioがMLSと契約したのが15歳のとき。遠からずこの選手も欧州のメジャークラブに移籍するのではと早くも話題。そうだとすればMLSでBusioを見られるのは今季が最後か、それとも移籍市場での価値がもっと上がるまで残るのか。

MLSで年少デビューの選手というと2004年に神童として鳴り物入りで加入したFreddy Aduがいました。当時14歳。BusioはAdu以来の若さでのMLS契約。その他の若いMLS選手の例としてはBayern Munichに移籍した現在18歳Alphonso Daviesもいます。こちらはカナダ国籍ですが、MLSのVancouver Whitecapsでのデビュー時が16歳。その後カナダ代表チームに史上最年少で選ばれてGold Cupでゴールするなど活躍したりしてます。

Aduは当時大きな話題になりましたが、残念ながら神童と呼ばれた時代からプレーも身体のサイズも伸びず。米代表キャップは17にとどまりました。当時年齢差も他の選手からあったこともあり代表メンバーの中でも浮いていた。ガーナ移民で、まだ当時サッカーは移民のスポーツという根強い偏見も残る時代でもあったことから人気面でもうまく受け入れられなかったところがあったと思います。

Alphonso Daviesは前述の通りカナダ人で、MLSでもカナダのチームに所属。カナダ男子代表はサッカーが弱いのでW杯の最終予選にも上がってこないなどアメリカにいると試合を観る機会すらない。へぇそんなすごい選手がいるのか、と思っている間にBayern移籍が決まって、あっという間にMLSからいなくなってしまいました。

Gianluca Busioは親はイタリアからの移民ですが本人はアメリカ生まれのアメリカ育ち。ただし国籍はイタリアとの二重国籍。肌が黒いのは母方がアフリカ系だからだそうです。AduやDaviesとちがってアメリカ人(Aduは帰化で米国籍取得)でもあり、うまく育てられるとMLS初の生え抜きアメリカ人若手スターになるかも‥とも思うものの、ワールドクラスに育てるためには欧州の強豪に売った方が本人の修行にもなるし、MLSも移籍金で儲かるし、ということで結局売っちゃうのではと予想する向きが多いです。

最近のMLSから欧州への移籍実績は昨季Atlanta Unitedの初優勝に貢献したパラグアイ人Miguel Almirónが$27 millionで英Newcastleへ移籍したばかり。前述のAlphonso Daviesは昨年$22 millionで移籍と、MLS出身者への移籍金の相場がぐっと上がってます。それだけMLSでの活躍が選手の価値として欧州でも認められるようになったということですが、金額が上がるとMLSとしては断りきれない。なにせいまも各チームの基本サラリーキャップ額は約$4 millionに過ぎない(来季以降は大きくアップ予定)。つまりDavies一人を売っただけで5チーム分のサラリーキャップが贖えてしまうのです。
2016年に現米代表常連DeAndre YedlinをSeattle SoundersからSpurs/Newcastleに売ったときは$6 millionほどで、それでも儲かると思って売っちゃったのから僅か数年で相場があがったわけです。
さて今回のGianluca Busio、どれほどの値でどこから誘いがかかるものか。MLSの期待としてはDaviesよりも高く売りたいところでしょうが。

Busioの今回の連続試合ゴールがシーズンの浅いいまの時期にやれたのはMLSにとってはラッキーでしょう。アメスポ全体で話題になるようなネタではないですが、少なくともMLSファンなら、ほうそれなら、とKansas Cityの試合をTVで予定されていれば見てみようと思ったり、地元に来るなら行ってみようかと思うはずです。

サッカー人気の中身 女子代表編

サッカー米女子代表の人気について以前に書きました。その動員力は男子代表にひけをとらない。直近の対オーストラリア戦で17,264人、対ベルギー戦20,941人でともに満員となってます。そしてその特殊な支持層はアメスポ内でも特筆するべきものです。


アメリカ市場で女子サッカーが人気かという質問は愚に近いです。人気があります。正確を期せばサッカー女子米代表チームは人気でしょう。男子代表にもひけをとらない、または上回る。その人気があるので「アメリカでは女子サッカーが人気」という文は真実です。
代表の人気は女子の方が1990年代に先行して、あとからやっと男子が動員力で追いついたかという形でしたが、一昨年のW杯進出失敗でまた男女逆転という感じです。この夏の女子W杯の結果や内容次第では女子がまた上へいくかも。TVコマーシャルを見ても女子の代表選手は何人も見かけますが、男子は既に引退したLandon DonovanやClint Dempsey以降たぶん誰も大手のCMには出ていないはず。

先日の対ベルギー戦のハーフタイムにはアメリカサッカーの一大転機となった1999年女子W杯当時の女子代表選手たちが再集結。当時爆発的人気者になったMia Hamm Graciaparaを含む全選手が紹介されていました。20年前にアメリカのサッカー人気に着火したあの当時の選手たちです。あれ以前のアメリカサッカーって見るコンテンツとしてはホント何もないに近かったもんですが。


これが女子サッカーでもプロリーグのNSWLになるとがっくり支持が落ちます。動員が良いのはPortland Thornsが突出して試合平均18,000人を動員しますが他は3,000-5,000人という動員規模のところがほとんど。その経緯はNSWL結成当時に何度か紹介してありますが、人為的にThornsに人気選手を集めてそこで動員を稼ぐという当初の目論見通りではあります。@Portland Thornsでの試合の様子を撮影しておけばメジャーっぽく見える絵は撮れることになりますが、いかんせん他のチームは苦戦、TV視聴はまったく伸びない。動員の弱いチームは解散移転を余儀なくされている。そんな具合です。
言い方を変えるとNWSLはPortland Thornsに米女子代表の人気を落とし込んで命脈を保っているとも言えます。


Gallup社のスポーツ市場調査結果を見ても自己をサッカーファンと回答する人は常に女性の方が多いです。それらの女性サッカーファンの多くが念頭に置いているのはたぶん圧倒的に米女子代表チームのことであるわけです。サッカーファンの内訳で、例のサッカー狂のヒスパニックを凌ごうかという大きなボリュームがあるのがこの女子代表のファンということになります。


サッカー女子代表の人気はその大きさもさることながら、ファン層の特殊さに強みがあります。他のスポーツジャンルにはほとんど関心を払わないような若い女性ファンが多い。これは企業からすると大いに意味があります。ジャンルごとの市場調査は購買力を計る意味が強いのであまり18歳以下の人数は重視されないのですが、18歳以下をいれると一択調査のFavorite sportsとしてのサッカーの人気はさらに大変なことになるんですが、その中身はサッカー女子代表だけに興味のある非ヒスパニックの白人のティーンの少女たちが大きな割合を占めます。そういう事実があるのでこの層をターゲットにする商品を売るには女子代表チームという存在は大きな意味があります。他にこの購買層に絞って訴えかけられるスポーツジャンルは存在しないので。

但しこのファン層は中期的にはとても弱いファン層でもあります。現在ファンと自認している10代の女子が20代、さらに30代40代になったときにまだスポーツファンでいてくれるか、サッカーの試合を見るか、というとこれが見なくなっちゃうんですよね。またはスポーツファンとしては残ったとしても家庭を持った時点でパートナーの男性の好みに引きずられて伝統的なアメスポ種目に移行したりもする。この先もサッカーファンでいてくれる可能性はあまり高くないファン層なのです。
そもそもが自己投影できる若い白人選手が大半であるゆえに女子代表を応援しているのであって、別にサッカーという競技を特に愛しているというわけでもない、とさえ言えるかもしれない。近い将来にこの層の関心を取り合う競争相手は他のスポーツや男子サッカーなどではなく、ファッションであったり女性ヒーローをフィーチャーしたアクション映画だったりするのでしょう。昨今のアメリカ映画はその手のものが毎月のように公開されて安定した興行成績を出します。


種目は違いますがさらにもう一例を挙げてサッカーの人気の中身の今後の推移についての示唆を。これは過去に当ブログでも何度か取り上げた話なので以前からの当ブログの読者の方はまたかという話で申し訳ないでんですが一応。
1990年代にバスケNBAが一時的にMLBを人気で抜いた、と称された時期がありました。NBAが世界的スーパースターとなったMichael Jordanを擁し、さらには1992年のバルセロナ五輪のDream Teamで全米を熱狂させてその人気を上げていた時期と、MLBが労働争議でシーズンを消滅させファンの怒りをかって動員を激減させた時期がリンクしたため、その時点の様々な人気指標でNBAがMLBを抜いたのです。これは当時かなりの驚きをもって受け止められました。

その後Jordanは引退、MLBにもスト後数年でファンが戻ってアメスポ序列はMLBが2位、NBAが3位と定位置に元に戻ったのですが、その時期の統計で指摘されていたのが、バスケは若者のファンが圧倒的に多いという事実でした。当時の調査で20−30代の若いファンがMLBよりずっと多かったのです。NFLよりも割合は高かった。当時上り坂のNBAに若いファンが多いという事実はNBAの将来をバラ色に見せたわけです。

でそれから30年。それがどうなったかというと実はあまり事情は変わっていません。いまもNBAはメジャースポーツの中で最も若い年代のファンの割合の多いジャンルです。それはそれで良いのですが、疑問があります。
Jordan時代にNBAに熱狂したはずの当時の20代はいま50歳代に、30代は60代になっているはずなんですが、いまもって50代以上のスポーツファンの数はNBAよりMLBやNFLの方が明確に多い。
あれ?30年前の若いNBAファンというのはどこへ行ってしまったの?という謎になります。1990年代にfavorite sportsをNBAだと答えていた人たちが大量に30年後の現在別の回答をしていないとこういう結果にはなりません。
なぜかはわかりません。年齢が行くとバスケに魅力を感じなくなる?リズムが合わなくなる?家庭を持つとバスケを見なくなる?彼らはいま何を見ている?疑問は多々あれ全体の数字ははっきりしている。当時の若いバスケファンは年齢をとるにしたがって蒸発してしまっています。

NBAの人気は全体としては下がってはいないのでそれ自体はさしたる問題ではないものの、1990年代にいた多くの若いファンを(少なくとも一択回答だと)掴み続けられてはいないかったというのは事実です。どうもジャンルごとのファン層の特性というものがあるようで、NBAのファン層は若い方に寄ったままの年齢配分が今も昔も続いているんですね。Jordan時代のファンの年齢配分を知って、NBAが20年後30年後には上のお金を持ってる世代でもアメスポ界を席巻するという予想を立てた方があればその予想は外れたことになります。

女子サッカーを支持する少女〜20代近辺の女性サッカーファンの厚みにかなり依存しているアメリカの「サッカーファン」の総数は以上の理由でこの先にさらに伸びるかは簡単には見通しにくいということになります。

「サッカー人気の中身」と題しての連載を通じて、女子代表のファンとヒスパニックのファンがアメリカサッカーの二大支持コア層だと指摘してみたわけです。ヒスパニックの方は人口増加が続いているのでそれにのってその層のサッカーファンは増える可能性があります(これも三世以降のアメリカナイズがどう影響していくか次第)が、女子代表ファンが増え続けるかは疑問がかなり残るところでしょう。NBAがそうであったように常に同じ年齢層のファンが残る形になる可能性はかなりありそうです。



「サッカーの人気の中身」シリーズの連載分へのリンクは「ヒスパニック編」「MLS Our Soccer編」「Gallup調査編」「南部の偏見編」、そして今回の分が「女子代表編」です。

サッカー人気の中身 南部の偏見編

現在アメリカサッカー国内リーグMLSの動員頭はAtlanta Unitedなわけです。Atlantaはアメリカ南部の最大の大都市。MLSは1996年にリーグを始めてからAtlantaに進出するまでに21年を要しました。MLSにとって南部は長く空白区だったわけです。満を持してAtlantaにチームを作るとなったときにも多くの関係者から「Atlantaはダメだ、やめた方がいい」と強い否定意見が出ました。今ESPN系でサッカー解説をやってるTaylor Twellmanも散々ムリだと放送で言いまくっていたのですが、予想を大きく裏切る成功で動員記録を維持しています。ホームのNFL Atlanta Falconsの美麗な新スタジアムMercedes-Benz Stadiumの新スタ効果も当初は多分にあったでしょうが、それだけでは説明がつかないレベルで現在も動員を維持してます。


そもそもなぜ関係者がこぞってAtlantaはムリだと予想したのかというと、ありていに言ってしまえば南部ではサッカーに対する偏見がひどいから、ということになります。南部はアメリカの平均とはいろいろと違います。その違いは海外からだとうまく感じ取りにくいでしょうが、実にアクが強いです。

一般に南部というのは南北戦争の南軍地域とほぼ同じです。政治的には保守の鉄板州が多い。人種差別も根強い。これが南部のうちでもDeep Southと言われる諸州になるとその傾向がさらに強い。一般にはDeep Southとはアラバマ、ジョージア、サウスカロライナ、ミシシッピ、ルイジアナの各州を指します(文脈によってはテキサスを含むときもあり)。そしてDeep South内の最大の都市がジョージア州Atlantaというわけです。

スポーツでいうと南部はカレッジフットボールの最強カンファレンスSECの強固な地盤でもあります。SECフットボールのフィールド上での実力、そしてファンの熱さはものすごいものがあります。動員力はNFLをしのぐほどで、8万人10万人という巨大スタジアムを毎試合埋めます。(NFLスタジアムは6万人前後の規模のものが多い)

そのSECは男子サッカーをいまもって正式種目にしていません。女子サッカーはSEC所属14校全部にあるんですが。かなり普通ではない男子サッカー疎外がいまもって行われているのがSECの土地柄なんですね。
また北アメリカ大陸の中央部穀倉地帯からその南、オクラホマ・テキサスにまたがる地域を地盤とする5大メジャーカンファレンスのひとつBig XIIカンファレンスも男子サッカーが正式種目としてありません。女子サッカーは所属の10校すべてチームがあり正式種目ですが、男子はない。あとからBig XIIに加入した東の飛び地のWest Virginiaには男子サッカー部はありますが、Big XIIでは対戦相手がないので男子サッカー部だけはBig XIIではなくMAC所属になってます。SECとBig XIIの両カンファレンスを足すとアメリカのメジャー大学のざっと40%が男子サッカーを正式種目として認めていないということになります。Big XIIのまたがる地方も価値観はSEC地区と共通する傾向があります。強い保守の地盤州でもあります。

また先日紹介したDr. PepperのTVコマーシャルでカレッジフットボールファンがサッカーを揶揄する内容のそれは、そうとは明瞭には言ってませんがものすごく南部っぽい風景だとアメスポファンはすぐに嗅ぎ取ることでしょう。サッカーは女のスポーツだ、男がやるのは女々しいというような偏見が21世紀になってもまかり通りうるのが南部だとご理解ください。
もうひとつ余計な話を加えるとサッカーファンは政治的にリベラル層が多いのが調査上明らかになっており、これも南部でサッカーが差別されやすい原因につながっている可能性があります。


そういうわけで南部と男子サッカーは相性がとてもとても悪いと誰もが思っていたため、MLSも大都市であるにもかかわらずAtlanta進出を長年目指さなかった。それが踏み切ってみたら盛況。良い方に予想が大きくハズレたわけです。


で、その理由ですが、私の解釈はこうです。南部でも少年少女のサッカーの草の根は長年あってサッカーをやっていた元選手たちは数はかなりいたのだろうと。但しその土地柄からして男子サッカーは常にフットボール選手やファンに見下され揶揄される対象になりがちだった。それがMLS Atlanta Unitedという応援の核を得て一斉蜂起した状態なのではないかと。過去のコンプレックスの裏返しが爆発して、自己肯定がAtlanta United支持に結びついた結果なんじゃないかなと。
この私の解釈が当たっているかどうかは確かめる術がない(否定する材料もないと思いますが)ので読む方はあくまで憶測程度に思っていただいて良いですが、少なくともそう捉えることは可能ということで。それに他に納得できる説明をマスコミその他でも聞いたことが一度もありませんし。

ほかのAtlanta Unitedの成功の要素としてはMLSが参入したタイミングというのがNHL Atlanta Thrashersが移転して消滅した直後だったので元Thrashersのシーズンチケットホルダー(個人・法人)のお金が行き先を求めていたのをうまく吸収した可能性はありそうです。これはSeattle SoundersがMLSに参入したときにNBA Seattle Supersonicsの転出が重なったのと似たケースだったでしょう。


Atlantaのそれは南部のサッカーの潜在的劣等感と抑圧の歴史をうまく観客動員に昇華した部分があったとして、あとのMLSの動員成功二例=Seattle SoundersとFC Cincinnatiはもっと健全に見えます。コンプレックスの裏返しではなく、もっとニュートラルな意味でサッカーを好んで見るひとたちがちゃんと育っていたのではと思わせるところがあります。SeattleもCincinnatiもヒスパニック人口の多い都市でもありません。普通のアメリカ人の支持を受けているように見えます。
Seattleのときはあまりにも突然の意外な成功で、成功する前をリアルタイムで観察できなかったのであまり語れないのですが、現在進行形のFC Cincinnatiの成り上がりの僅か3年の軌跡を見ていると、いままでのMLSの成功例と違うと思わせるところがあります。

上で触れた通りSeattleのケースならNBAが、AtlantaならNHLがそれぞれ転出した後にMLSが参入したので、元々NBA SonicsやNHL Thrashersにお金を使っていたシーズンチケットホルダーや法人から需要をある程度吸い上げた可能性がありますが、Cincinnatiの場合はそれはない。CincinnatiにはMLBとNFLのチームが長年所在し強くはないですがどちらも健在。

Seattle Soundersというチーム名は(正式には別組織ながら)1970年代NASLの昔から存続してきた地元ではなじみの老舗サッカーチームでもあったわけですが、Cincinnatiの場合はそれもありません。2016年になにやら唐突に設立されたローカルセミプロチームがなぜか地元で大当たりして満員の盛況を続け、3年後にMLSに昇格(正式にはこれも同名の別組織ですが)したという成功例です。MLSが市場リサーチしてこの都市がサッカービジネスの拡張先として良いとかなんとかそういう選別をしたわけでなく、どちらかというとMLSはノーマークだった地方都市で突然マイナーリーグサッカーチームが人気になって、それが無視できない勢いとなったという不思議なボトムアップの例なのです。

アメリカのサッカービジネスでこれに近い例はたぶん1990年代のRochester Raging Rhinos(現Rochester Rhinos、活動休止中)しかありません。当時はMLSの成立初期で、きついサラリーキャップのあった零細MLSよりも予算が多く、動員も北米最大のサッカーチームだったアメリカサッカーのミュータント的存在だったチームです。いまとなってはその存在を知ってる人もほとんどいないでしょうが、あれはすごく不思議でした。

FC Cincinnatiの自然発生的な成功は既存のサッカーファン(多くはサッカー国にルーツを持つひとたち)に頼らない、アメリカ生まれのアメリカ人サッカーファンに支えられたOur Soccerの成功例として考えられるのではないか、という意味で大きいと思うのです。

サッカー人気の中身 Gallup調査編

Gallupというのはアメリカの市場調査会社の老舗です。手がける分野は広く言ってみればなんでも調べる。その一ジャンルとしてスポーツ関連でも長年定点観測の貴重なデータを集収公開している会社でもあります。データの信頼性は高いです。

アメスポにおける各ジャンルの人気の推移データとしても多く引用されるので日本のアメスポファンもご覧になったことがある方は多いかと思います。最もよく引用されるのは「What is your favorite sport to watch?」という一択質問の結果でしょう。長年同じ質問形態を保っているのでその経年推移はアメスポの人気の推移を映し出す良い資料となってます。参考までにコピペすると以下のようになってます。

2017201320082007200620052004
%%%%%%%
Football37394143433437
Basketball1112911121213
Baseball9141013111210
Soccer7432232
Ice hockey4344243
Auto racing2233455
Tennis2311132
Golf1222322
Volleyball1*1**1--
Boxing1121211
Gymnastics1*111*1
Motocross1*****1
Ice/Figure skating1112334
Rodeo1****11

小数点以下四捨五入の%。
この資料単一でも様々なことが言えます。サッカーに関してだと上昇トレンドになったのは数年内のことでほんの10年以上前だとフィギュアスケート辺りと上だ下だを争わなくてはいけない時代があったこととか、NASCARを含むモータースポーツはその人気のピークを10年以上前に打ったであろうこととか、野球がなぜか2013年調査でピークになっていることなどが目立つところでしょう。2013年に野球になんかあったっけ?という感じですが。

ただしここで留意すべきなのはこの資料が一択の回答を元にしていることです。アメスポではまったくもって当然のことですがフットボールファンだってMarch Madnessは当然見るわけです。大いに熱狂もするでしょう。でもそういう数字はこの調査では拾われないわけです。私個人で言えばそうとうにいろいろなジャンルを楽しみますが、もし一択で回答を求められたら自分のfavorite sportsはカレッジフットボールと答えるでしょう。でも例えばNBAも相当の試合数を毎シーズン見ます。たぶん大半のNBAファンよりも試合数は見るでしょう。でもそういうのは数字に出ない調査なんですね。
定点観測の大きな価値があるのでこの調査は今後も同じ内容で続けられるべきものですが、各ジャンルの人気の中身がどうなっているのかは別の分析が必要になります。この資料だけで結論づけるのは無理がある面があるのです。

Gallupはちゃんと他の調査も様々にしてるんですね。例えば「For each of the following, please say whether you are a fan of that sport or not.」という設問でここにあります。それぞれのスポーツについて「あなたはファンですか、非ファンですか」を問うているものです。

ざっと結果を列記すると(ファン/非ファンの%)
プロ野球 47/48、プロフットボール 54/44、プロバスケ 34/60、プロホッケー 24/72、カレッジフットボール 52/44、カレッジバスケットボール 34/62、モータースポーツ 27/68、プロサッカー 24/71、フィギュアスケート 34/58、プロレス 8/89 などとなってます。
どうでしょう。最初の資料とはかなり違うものが見えてくる数字が並んでいると言えるでしょう。最も頻繁に引用されるGallupの資料だとサッカーが野球に肉薄しているかのように見えますが、実質複数回答となる設問のこの調査だとサッカーは狭いファン層、野球はずっと幅広いファン層を持っていることが伺えます。同じく野球との比較で野球の人気を近年になって抜いたと認識されることの多いプロバスケNBAですが、実はファン層は意外と狭い(対野球比)ということも示されてます。非ファンだと回答する人が野球やフットボールと比較してかなり多いです。最初の資料だけだとアメスポでダントツ一強のように見えるプロフットボール(事実上=NFL)でも人口の44%は興味がないという結果になってます。またフットボールはプロもカレッジもほとんど同じファンの割合です。これが一択になるとNFLの方が圧倒的に一強の人気、のように見えてしまうんですけどね。そういうわけで一択の調査結果だけではわからないことが見えてきます。

サッカーについて見れば自身をサッカーファンと自覚する人は24%。ほぼ国民の4人に1人。けっこう多いのではないでしょうか。これはホッケーファンとほぼ同じ、モータースポーツやフィギュアスケートを下回る。熱心なサッカーファンがサッカー人気を牽引する裾野はかなり狭いジャンルと言え、サッカーよりも狭いファン層で、それにも関わらず盛り上がっているというとプロレスぐらいしかないということになります。
ホッケーとサッカーの比較で言うとファン・非ファン比率がほぼ同じなのに、一択の方の調査結果だとサッカーの方がずっと大きい数字になっている。これはホッケーファンは他のアメスポメジャーファンと重なりが大きくて、一択で回答を迫られたときにかなりの人がホッケー以外を回答している可能性が示唆されます。逆にサッカーファンはサッカーへの忠誠心が強いという言い方も可能でしょう。この辺りは私の体感とも合う調査結果に思えます。サッカーファンは一神教型、ホッケーファンは多神教の一部を構成という感じでしょうか。

サッカーのファン層が伝統的アメスポメジャーよりは裾野が狭めとは言えホッケーと同等なら立派なもののはずですが、先日論じた通りサッカーの熱狂的なファンを多く含むヒスパニック人口がアメリカ全体の17%を占めているという事実と複合的に考えるとちょっと問題もあります。ヒスパニックの全員がサッカーファンとまで極端な仮定はすべきではないでしょうが、それでも24%のサッカーファンと回答した人たちのうちのかなりの部分をヒスパニックが占めている可能性はあります。
もしそうだとすると非ヒスパニックのサッカーファンの割合はここでの見かけの24%よりかなり小さい可能性が高い。前回Our Soccer編で取り上げた通りMLSはこの狭いファン層をきっちり動員したりTV視聴につなげたりしないと数字が上がっていかないことになります。動員の方ではいくつかの新市場でうまく行ってると言えるMLSですが、TVの方では苦戦が続いてますね。
中期的にはこの裾野の狭さをどう解消していけるかが課題になります。

サッカー人気の中身 MLS Our Soccer編

国内プロリーグであるMLSは今年も3月上旬に開幕。「Our Soccer」を売り文句に番宣を展開しています。Our Soccerというこの短い語句の中にさまざまな苦悩や決意が現れてる気がします。

過去MLSはサッカー好きの多いヒスパニック、特に在米メキシコ人を取り込むべくさまざまな施策をほどこしてきました。その最たるものがChivas USAの設立だったわけです。メキシコの人気サッカーチームChivas Guadalajaraの名を借りて2004年にチームを設立。Guadalajaraの姉妹チームとして売り込んだんですね。そうやってLos Angeles近郊に多い在米メキシコ人の取り込みを狙ったのですが、結果は失敗。失敗の要因はいろいろあったんですが在米メキシコ人に浸透できないままで動員不振。2014年にチーム解散の憂き目に遭ってます。
リーグ設立から四半世紀を経てMLSはヒスパニックをターゲットに浸透するのは諦めてOur Soccerとして非ヒスパニックに舵を切ったことに。現状狭いマーケットですがそこを裾野を広げるべくコツコツ開発することになります。

Our Soccerというぐらいですから、その対比として「Their Soccer」もあるわけです。

MLSにとってのアメリカサッカー業界でのTheir Soccer、つまり一般的な意識で言うところのアメリカ人とは違う人達に支持されているMLSの競争相手は、ヒスパニックが熱狂するメキシコ代表やLiga MX(メキシコ国内リーグ)だけではありません。英Premier League(EPL)もMLSよりも高い視聴者数をコンスタントに出しています。ヒスパニック編で触れた非ヒスパニックの1/3しかいないサッカー視聴者のうちさらにその多くはMLSではなくEPLを見てるわけです。

EPLが本格的に配信家庭数の多いチャンネルで放送されるようになったのはどうでしょうここ6-7年ぐらいのことです。それがあっという間に四半世紀コツコツ放映を続けてきていたMLSを抜き去っていってしまいました。MLSが長年かかってもできなかった地上波での定時放送もEPLがあっさりやってのけている。英国とは5〜8時間の時差があるので東部時間でも午前中の放送、西海岸だと夜明け前の放送だったりするのにMLSよりずっと良い視聴率の数字を出してしまうのですからMLSとしては悔しいところでしょうが、しかしそれが現実なんですね。Their Soccer強し、というわけです。

他にもTheir Soccerには上はUEFA Champions Leagueがあり、下は中南米各国のサッカーも米国内では見られます。移民の多い都市だとペルー人向けチャンネルだのコロンビア人向けチャンネルだのと国ごとに細分化されたチャンネルがケーブルTVで多数提供されていてそれぞれ週末になるとその国のサッカーの試合を放送していたりするのです。強敵難敵競争相手は多い。

そういう移民国家ならではの事情がある中、MLSがOur Soccer、アメリカ人のためのサッカーリーグとしてどう人気を伸ばしていくのかは実はアメスポのメインストリーム内でのサッカーの地位上昇にとってはより重要なのだと思っています。移民国家と言えども二世三世と世代が下ってゆけばどんどんアメリカナイズされていくのは自明だからです。
Seattle Sounders、Atlanta United、そして今季参入のFC Cincinnatiと地元の支持を得て3万人クラスの動員ができるMLSチームが徐々に増えてきたことはOur Soccerとしてサッカーというジャンル内で地位を向上させていく過程として大いに注目すべき点かなと思われます。


MLSの放送も進歩してきているんですよ。昔に比べたらカメラマンもわかってきているなぁと思われるところがあります。最初期の頃はカメラが必死にアップでボールを追うばかりで、なにが起こってるのかまったく見えないひどい代物でした。どう見ていてもさっぱりわからない。最近は試合の流れに沿ってスムーズにズームが切り替えられて対人をアップにしたり陣形を見られる画角になったりと、ああこのカメラマンは明らかにサッカーがわかっていると納得できる番組になってきてます。そういう変化はあまり見ない方には感知しにくいでしょうが観戦文化の熟成として歓迎したいところです。他のアメスポ人気各種でもそうやって徐々により見やすい番組を作ってきたわけで、サッカーもそういう段階に来たんだなという。

米代表サッカー 対チリ戦

新監督になって4試合目となるサッカー米男子代表戦が昨夜MLS Houston Dynamoのホームで行われています。BBVA Compass Stadiumの22,000人の収容に対して18,000人の観衆という公式発表。目測7-8割の入り。新米代表監督のGregg Berhalter指揮下になって4戦目にしてCopa America王者チリという難敵を迎えて試合だったのでもう少し入ってもよかったような。
試合前の報道ではチリの方はこの試合で無様な試合だと監督がクビになるかもしれないというチリ側にとってもなにやら気合の入る試合だったようで、実際の試合内容もなかなかに気合が入っていて、強化をはかる米代表にとっては良い実戦練習になったかと思われます。招集している選手もほぼベストだそうでバルサのArturo Vidalも気合たっぷりでフル出場。

試合は序盤に両軍が得点。先制した米代表のゴールはMLS Columbus CrewのGyasi Zardesが自軍GKから送られてきたボールの勢いを殺さずにうまく相手ディフェンス裏に出したのをChristian Pulisicが決めたもの。開始僅か3分半。Zardesは代表選手として初浮上した頃から当ブログでは紹介していた選手ですがアメリカサッカーとしてはいい感じに育ってきたと言えそうです。Pulisicはその後腿を痛めて前半で交代退場してます。
対するチリはビハインドになってすぐにギアを上げてハイプレスで米代表を追い回し、攻めては密集したボックストップでボールを細かく回して翻弄、試合の主導権を取り戻してます。9分にあっさり同点。
この調子だとハイスコアリングゲームになるのか、それともチリの勢いにやられるのかはらはらした序盤でしたが、結果はゴールはこの2ゴールのみで1-1の引分となってます。
これでBerhalter政権下の代表の戦績は3勝1分。

新年に入っての4試合でGregg Berhalterが起用した先発選手が22人。先週の対エクアドル戦から7人先発を入れ替えての試合。2017年の例のトリニダード・トバゴ戦での惨敗以来、ほぼ1年半ぶりの真剣勝負に近い試合だったわけですが、この試合にあのトリニダード・トバゴ戦でオウンゴールをしてしまったOmar Gonzalezが先発出場していました。あの試合以来、当時の代表メンバーはファンや関係者から強い非難を浴びてほとんど発言が出てこない。2018年の再建を目指す代表にもほとんど招集されていなかったわけです。それがBerhalterは代表監督に就任してすぐに当時のキャプテンMichael Bradleyを代表に招集。そして今日のチリ戦でOmarを先発起用。W杯出場失敗ショックで米代表が失敗代表組を粛清して招集忌避していたのを、Berhalterは正常化しようとしてるということなんでしょう。
Bradleyの方は中盤底でいいところに出てきてボールさばきをしていたのでその代表での役割はまだあるのだと思えますが、Omarの方は‥良くなかったですね。大型ディフェンダーでアメリカ人の大型選手好きもあってかよく起用されてきた選手ですが、いまもってやはり鈍重なんではないでしょうか。速く、枚数をかけてくるチリのオフェンスに対応しきれないままになったような。

この試合、DeAndre Yedlin(Newcastle United)が代表で初の主将アームバンドをつけて登場。Yedlinももう25歳になったんですね。この日が58キャップ目。前のW杯サイクルの選手たちが粛清されたせいもあって代表の中ではベテランの側になってきました。58試合目にして初の代表ゴールのチャンスもあったんですが決められず。他ではPaul Arriola、Corey Bairdあたりがが好印象だったかと思います。

サッカー人気の中身 ヒスパニック編

先日コメント欄で少し触れてしまったので一度まとめて書かなくてはいけないかなと思っている件があります。サッカーのアメリカ市場での人気の特殊性についてです。

まず資料としてここのリンクをご覧いただきたいです。リンク先の記事は2018年6月のもので、それが書かれるのに使われた元資料は2016-17のものです。いかにアメリカのサッカー人気の大部分をヒスパニック人口・スペイン語話者が担っているかということが様々な数字で示されています。
現在ヒスパニックがアメリカの総人口に占める割合はほぼ17%、5300万人。ざっと6人に1人がヒスパニックという理解でいいでしょう。その約1/6の人口のヒスパニックが、サッカー放送の全視聴者の67%を占めるという驚異的なサッカー好きを発揮しているという事実が示されていたりするわけです。1/6の人口で2/3のサッカー視聴者。逆に言うと非ヒスパニックは5倍の人口規模がありながらヒスパニックの半分程度、人口比で言うならざっと1/10しかサッカー番組の視聴者を贖えていないという意味でもあります。

5300万人というのは世界の各国の人口に当てはめると世界27位の人口に相当します。スペイン、カナダ、アルゼンチンといった国家の総人口よりも多いわけです。イメージとしてはサッカー狂の別の国がアメリカの中に存在するような状態と考えても良いかもしれません。
そういう人気の極端な偏りを意識せずにアメリカ全体でのサッカーの人気を云々するといろいろ見誤るだろうなあということを考えさせられます。

またこの資料では非ヒスパニックに比較してヒスパニックの若い層がサッカーを見ているということも示されています(SOCCER VIEWERSHIP COMPOSITION BY AGEのグラフ)。例えばヒスパニックでは10代の割合が15%と5%以上高い。ヒスパニックの方が5倍の視聴者規模を持つのでこの5%の差は相当の差と言うことになりますし、全人口をまとめた資料になると15%の方に近い数字になって出てくる結果になるわけですね。一般的に言ってヒスパニックは多産なのでこの差はこの先も広がっていく可能性があります。
年齢が上の世代もまた興味深い数字になっています。観戦スポーツとしてのサッカーはアメリカでは開発が遅れたこともあって比較的若い世代が多いはずという一般的な感触があるかと思うのですが、現実は非ヒスパニックで50歳以上が40%を占めています。なかなかおもしろい数字だと思います。想像するとすでに年配となったサッカー国からの移民一世がサッカーを熱心に見ているという感じでしょうか。


では非ヒスパニック約83%の人口においてサッカーの人気がどうなっているのか。そちらの方が一般的な意味での「アメリカのサッカー人気」の状況を推し量る上では大事かもしれません。なぜなら人口の中ではマジョリティですし、たぶんお金を持っているのもそちらの方だからです。

FC Cincinnati MLSホーム開幕戦で盛況快勝スタート

アメリカサッカー観戦文化の成長を象徴するチームだと思っているFC Cincinnati。MLSに加入初年度で今日がホームでの開幕戦。31,500人札止めの観衆が熱く応援する中、3-0の完勝劇でMLSホームデビューを飾ってます。

FC Cincinnatiについては以前から当ブログでは何度も紹介しています。2016年に設立されなぜか地元で人気のマイナーリーグサッカーチームでした。それが今季からMLSに昇格(正確には違いますが)。

FC Cincinnatiが現在使用しているスタジアムはCincinnati大のキャンパス中央に位置するフットボールスタジアムNippert Stadium。つい一昨年にフェイスリフトが終了して再整備されたばかり。
FC Cincinnatiにとっては今日の31,500人の動員が過去4番目だか5番目だかの動員です。以前にUS Open Cupで下部ディビジョンから躍進、MLSチームを迎え撃ったときに35,000人規模の動員を達成しているのでFC Cincinnatiの基準としては最大の動員ではないのですが、MLS昇格でたぶんチケットのお値段が上がっているので売上ではたぶん最高になっているのでしょう。

想像するに今日の試合は取り巻く動員条件は決してよくなかったです。以前とチケット価格が変わっていていままでだったら安いからとノリで来ちゃっていた寮住みの学生さんが入場しなかった可能性。試合時刻がアメスポの一大事March Madnessの組み合わせ発表に重なっていた。FC Cincinnatiの試合の2時間前にはCincinnati大のバスケチームがAACトーナメント決勝でHoutsonと試合をしていて勝利、同大のスポーツファンはそれらの方がFC Cincinnatiよりも気になったとしても自然。そしてこの日はSt. Patrick's Dayでもありパーティに行く人も多かったはず。St. Patrick's Dayはアメリカではビールを飲みまくる日として定着している祝日です。
事前に32,500枚のチケットが完売したと発表されていたのが1000人少なかったということは人気を見込んで転売屋がチケットを抱えて売り損なった可能性も考えられます。などなどあって好条件とはいえない開幕戦だったはずですが、31,500は楽々MLSの平均動員を上回っています。

試合の内容はFC Cincinnatiが昨年のMLS西カンファレンス優勝のPortland Timbersを押しまくり。勢いに乗せて斜行ランからの裏出し、左右からの崩しなどでスピードに乗って攻め立てる。フィニッシュのタッチは中米コスタリカからの助っ人Kendall WastonとAllan Cruz、フランス人Mathieu Deplagneが小技を効かせてのもの。昨年まで二部三部で奮戦してきたFC Cincinnatiの選手とは違う選手たちに入れ替わっているのですが観客はそれを知ってか知らずか熱く応援して選手たちを後押しして勝利を助けました。

冒頭に書いた通りこのFC Cincinnatiの自然発生的な人気の出方はアメリカ国内で徐々に育ってきたサッカー観戦文化がスルリと表出した結果かもしれないと思わせるところがあります。確かに5万人を動員するMLSの動員最強Atlanta Unitedの人気もすごいんですが、どうもアレはサッカーが全米でももっとも虐げられている南部で虐げられてきたサッカー元選手たちの蜂起みたい意味で若干歪んでいる気もするのです。それと比較するとFC Cincinnatiの健やかな人気は、コレはちょっと今までと違うぞと思わせられるのです。(この件は語ると長くなるので今回は避けます)

不正入学問題、スポーツ関係あるのか

最初はESPNを見ていて下に出る速報のところに出ていて知りました。50人規模でカレッジのコーチやADなどが賄賂(英語だと短信では贈賄か収賄かわからなかった)で訴追されたとなっていました。時期が時期なのでまたバスケ関連の裏金でのリクルートの話かなと思ってESPNの記事をちらっと読んだら訴追された人たちは女子サッカーとか水球だとかボートだテニスのコーチだと。そこで「???」になってしまいました。それらはカレッジでは完全な赤字スポーツ。それらの競技のために大学がカネを払って学生を獲るとも思えず。

その後非スポーツニュースでの報道で別の切り口で話を聞いてやっと理解したように思います。コーチたちは収賄側と。たぶんスポーツ特待は隠れ蓑ってことですね。つまりスポーツ特待なら並以下の成績の困った子でも入れてくれるからという。まあそうなんですが。

ざっと想像するにそれらの赤字スポーツのコーチは大したサラリー貰っていないから賄賂に弱いんでしょう。普段、同じ建物で顔をあわせている男子バスケやフットボールのコーチたちはマイナー競技のHCの数十倍も貰っているのを知ってる。メジャー競技のアシスタントでもマイナー競技のHCの何倍も貰ってるでしょう。それでお金に関する不満がたまりがちとか。

でまあ話を理解してから、元の速報を考えてみると、それってスポーツニュースなのか?速報まですべきことだったのか?という気もします。カレッジの女子サッカーとか水球とか報道されているような競技なんてESPNは普段洟もかけてないのに?と。
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