アメリカスポーツ三昧

アメリカ永住コースか、または第三国に出国か!?スリルとサスペンスの人生とは別にアメスポは楽しい。

MLS/Soccer

アメリカ資本の逃避

地味なニュース記事がESPNで報じられています。米国の資本がフランスのBordeauxへの出資を取りやめ、同クラブは管財人下に置かれるということになるようです。

タイミングがSuper Leagueが潰れた大きなドラマがあった直後なので、その動向と関係があるのか疑ってしまうところです。欧州の5大リーグの中では最もネームバリューの劣るフランスリーグの1チームにすらアメリカ側の資本が介入していたりするんですね。確かにアメリカ国内のスポーツチームの価値はどこも高騰していて、ちょっとやそっとの金額ではメジャースポーツのオーナーになれません。その価格と比較すると欧州のサッカークラブを実質コントロールできる金額というのは割安に感じられるのかもしれません。これまでに当該投資家がつぎ込んだ金額はUS$50 million程度とか。これで実質オーナーになれてしまうらしいです。$50 millionというとアメスポメジャーではチームの1年の人件費にもまったく足りない金額です。

Super Leagueのドタバタの後でLiverpoolのオーナー(MLB Boston Red Soxのオーナーでもある)Fenway Sports GroupがLiverpoolファンに平謝りのビデオを出してました。平謝りするなら早い方が傷が浅いという意味ですぐに謝罪をしたんでしょうが、今回の騒動でSuper League型のクラブの資産価値の爆上げはもう将来に渡っても見込みにくくなったはずで、それでもアメスポオーナーたちは欧州サッカークラブの経営に興味を持ち続けられるんでしょうか。

UEFA Champions Leagueの改革の再論議というのが次の欧州サッカーのアジェンダであろうと思いますが、よほどの譲歩をUEFA側がしない限りクラブの資産価値に大きく跳ね返りはしにくそうです。既にSuper League構想が完全に粉砕された後なのでUEFAが大きく譲歩する理由がない。欧州クラブのオーナーであり続けることの将来の含みの旨味は相当に損なわれた状態に見えます。

今回のSuper League騒動で反米の情緒も刺激されたこともあるし、アメリカ資本が欧州サッカーから逃避する可能性はあるのでしょうか。あっても不思議じゃないところですが、かと言ってBordeauxなどとは違って損切にするような金額ではなく、買い手を見つけないと撤退もできないわけですが。

欧州は戦後処理、アメリカはNFLドラフト間近

大荒れに荒れた欧州Super League構想。アメリカ資本は参加していたし、実現すればアメリカ側のスポーツマスコミもノリノリになった可能性がありましたが短期間で頓挫した事ですっかり沈静化しています。欧州の側ではまだUEFA Champions Leagueの再改革へ議題が進んだり、Super League騒動の戦後処理などまだ波風は残るでしょうが、大西洋のこちら側では終わった話ということになってます。NFLドラフトが一週間後という時期なのでそちらに話題が移行。さすがにドラフト予想などの話題も出きってちょうど中だるみの時期だったのでSuper League騒動はちょうど良いアクセントになったぐらいの感じでしょう。

EPLからSuper League参加が見込まれた6強はSuper Leagueからの脱退の手続き開始という報道でしたから、契約上定められた違約金を支払う方向で動いているはず。コメント欄でも書きましたがその金額は相当な巨額なはずで、それを払う意思と資金のアテがあるってことです。EPLの6強は資金繰りには困っていない、またはどこかからカネの保証が付いたからそういう意思決定が可能なのだろうなと想像できます。そのカネの元がUEFAなのか英政府なのかはわかりません。

他方スペイン、イタリアから参加予定だった各3クラブは脱退の手続きに進んでいない。口先ではもうやめたとか言ってますが法律的にはEPL6強とは状況が違う。Super Leagueの会長が彼らは脱退していないと言っているのはその辺でしょうね。EPLと同じように脱退の手続きを開始すれば契約に定められた金額を定められた期間内に支払わなければ破産です。
スペインとイタリアは国家自体がデフォルトの危機を抱えた国なので、例えばEPL6強に英政府が何らかの債務保証を与える(想像です)ような真似が、スペイン政府やイタリア政府にできるかわかりません。英政府からの政府保証ならJP Morganも受けるにやぶさかではなくても、破産国家からの政府保証にウンと言うほどJP Morganのようなウォールストリートの機関は甘くないかと。転んでもタダでは起きない人たちの運営する会社ですから。
その差があってスペイン・イタリア6クラブは撤退もままならない状態の可能性があります。ひょっとすると脱退するEPL6強からの巨額の違約金を資金繰りのアテにしているのかもしれません。

違約金の中身がすごく知りたいですね。そのうちリークしてくるんじゃないかな。

他山の石としてのSuper League

欧州Super Leagueは若い世代のサッカー離れに危機感を抱いてサッカーの改革に取り組む舞台であることも表明しています。カードを豪華にするとともに試合時間の短縮なんていうところまで想定している模様です。別項のコメント欄でも書いたのですが、こういう危機感をアメスポ側にも持ってもらいたいなあと思います。特にMLBでは時短というか試合ペースの迅速化は数年来議題とはなっていても実際にはなにもしないまま年月が過ぎていくばかり。もう野球の試合の見方を知らない世代が相当多くなってきているのに。

私個人でもそうですが、よほど見たい選手やチームがある場合でなければMLBのTVでの生観戦はつらい。あまりにも進行が遅い。これが現場のスタジアムに行くとあの間延びした試合がさほど気にならないというのは以前から何度も書いています。そういう現場の力というのは野球に限らずあります。同様の感想を言う人には何度も会ったこともあり、かなり一般的な感想なのではないかと想像しています。

同時にMLB.comで提供されているcondensed games=全投球を見られるダイジェスト版はなかなかおもしろい。condensed gameの時間を見てると全投球を見るのって10分もかからないんですよね。つまり10分しか中身がないモノを3時間かけてやっている。21世紀の娯楽としては失格でしょう。

MLBでは昨年からダブルヘッダーの試合を7イニング化で消化することが行われています。コロナ疫禍という特殊事情下ではあったものの概ね強い批判や抵抗は出ないままで2年目の今年も同じ7イニングの試合が公式試合として成立しています。これならすべての試合を7イニング化しても良いのかもなという気はします。

まとまりがない話でもうしわけありません。

アメスポの欧州サッカー侵略としてのSuper League

欧州サッカーのSuper League構想が具体化してきて彼の地では荒れているようです。いろいろ歴史的な面、地元の草の根クラブから世界最強のエリートクラブまでが有機的につながっているという意識など、地元のファンが慣れ親しんだ仕組みが破壊されるという危機感からか強い反対の声がとりあえずは強いようですが、現実的な話としてUEFA側がよほどの譲歩でもしない限り収まりはつかないのでしょう。アメリカ資本のJP Morganが大規模な融資を既にSuper League側へ実施したという話もありますから、金貸しに手を引かせるためには相当の手打ちの金額を積まないといけないのではと想像できますが、そのレベルの譲歩がUEFAにできるものか。

反対派は国内リーグやUEFA/FIFAの主催試合にSuper League参加クラブやそれらのクラブに所属する選手を参加させないというような報復をぶちあげていますが、実効性は疑わしい。その点は過去にも当ブログでは指摘済み。

EPLから6クラブがSuper League参加。スペインも二強+AtleticoがSuper League参加の意向なのですから、これらを強引にパージして国内リーグを開催することなど現実的には不可能に近い。まず法律的に通るかどうかがわからない。UEFAやFIFAが言ってることは独占禁止法で禁止される優越的地位の濫用でありほとんどの国で法律違反になりかねません。
よしんば法律的に通ったとしてもその場合に放映権を買った国内外のメディアが現行契約通りのお金を払ってくれるかどうかわからないですよね。EPL6強が出場しないEPL放送とかBarcaやRealが出ないスペインリーグとかスカスカの放送となることは必定。Aston VillaとかLeedsにはEPL制覇のチャンスですけど、海外の放映権者・海外のファンからすれば無意味です。

そもそも現時点ではSuper League参加組は国内リーグから抜けたいと言ってるわけではないので、今は発表のショックで反対と叫んでる残される中小クラブのファンも落ち着きを取り戻せばSuper League組が国内リーグにとどまる方が、国内リーグから追い出すよりマシだと気づく。


というところまではわかるんですが、その先はどうなるか。Super Leagueがすごい放映権料で売れると想像するからJP Morganも大きな金額を突っ込んできているわけです。当面は各国国内リーグと事を構えないために国内リーグと同居できる形をオファーしてますが、その先には国内トップリーグの縮小案も待ってるでしょう。そこまで見せてしまうと混乱の収拾がつかないのでとりあえず国内リーグへは参加だと言うことをこの夏のオフシーズン中に衆知させていくことになります。

まだあまり批判の矢面のようには言われていませんが昇降格がない固定メンバーでの世界最高峰リーグを運営するというのはアメスポ経営の影響なのは明らか。アメスポ文化どっぷりの私などからすると、5枠でもゲストが参加できるのならずいぶん欧州型昇降格制度に配慮しているじゃないかという気がしますが、欧州型に慣れている方にはそうは見えないみたいですね。
Super Leagueがアメスポ型経営の利点をさらに取り入れようとしているとすれば、将来にはサラリーキャップなどのサラリー抑制策の導入もありえるかも。ただしサラリーキャップは反トラスト法違反とされるかもしれませんが。(この点は米国内でも議論あり)


アメリカのサッカーファンからすると今回のSuper Leagueに参加表明したクラブというのは毎年のように夏のプレシーズン北米ツアー(International Champions Cup, ICC)に来るメンバーそのものなんですよね。
2018年が典型的でICCには計18クラブが参加、Super Leagueに参加表明した12クラブが見事全部含まれます。プラスPSG、Lyon、Bayern、Dortmund、Benfica、Roma。PSGやドイツの2クラブはSuper League参加が有力視されているので、ほとんどまんまなんですよね。米資本JP Morganが投資しているのと併せてSuper Leagueの集金先の焦点はアメリカ市場であるのは明白というように私には見えます。

Super League構想が現実化すれば欧州サッカーの放映権で後手を踏んでいたアメスポ最大手のESPNがとんでもない金額を積んでSuper Leagueの米国内放映権を取りに来るのは目に見えてる。現時点でEPLを放送して先行優位に立っているNBC系列や、UCLの放映権を持つCBS Sportsもババつかみの可能性から焦って参入してくる可能性も十分。アメスポ3大メジャー(NFL/MLB/NBA)は複数の系列にカネを出させて儲かりまくってますが(第4位のNHLは現時点ではNBC系列単独)、欧州Super Leagueもいきなりアメスポメジャー並に複数系列との大型放映権契約が望めるのではないか。その辺まで見込んで投資家は投資しているように思えます。

International Champions Cupはプレシーズン戦にも関わらずほとんどが米国内各地のスタジアムを大入りにします。勝敗に意味のないプレシーズン興行ですらチケットが売れるのですから、Super Leagueとなって真剣勝負の試合の一部を中立地の米国内で行えばさらに売上は伸びることでしょう。例えばEPLの6強はEPLでもH&Aで戦うわけですから、同じシーズンのSuper Leagueでの対戦は中立地でやったって良いわけですよね。
もっと進めればSuper Leagueのゲスト枠に北米のチャンピオンチームが加わる可能性もまたあるはずで、そういった発展の可能性もすべて見通せば、現行のUCL以上のカネを生み出す可能性は相当に高いように私には見えます。

男子サッカー 東京五輪出場失敗

米男子サッカー代表が五輪予選でホンジュラスに1−2で敗戦、東京五輪への出場ができなくなってます。これで男子代表の五輪出場失敗は3大会連続です。当ブログでも既報の通り遅れていたCONCACAFからの五輪行きを決める予選がメキシコ・グアダラハラで開催。難敵のコスタリカに勝利、地元のメキシコに敗戦の2勝1敗でA組を2位通過していた米男子代表はB組1位通過の中米のホンジュラスと対戦。勝った方が五輪出場権という試合に敗戦となりました。

また負けかあという気持ちが強いです。それもホンジュラスかよという。
五輪の男子サッカーは根本的にはU-23大会で、以前にも指摘してある通り欧州クラブに所属するアメリカのU-23該当の若手のいきの良い選手たちはこの大会には出場しないことはわかっていました。

ところがですね、実は同じ昨日、それらのU-23該当選手たちはシニア代表として北アイルランドとの親善試合に出場していたのです。北アイルランドの首都ベルファストでの試合にはBarcelona所属Sergiño Dest20歳、Borussia Dortmund所属のGiovanni Reyna18歳、Chelsea所属Christian Pulisic22歳、Valencia所属Yunus Musah18歳、Fulham所属Antonee Robinson23歳、Roma所属 Bryan Reynolds19歳、さらには出場はしませんでしたがWerder BremenのJosh Sargent20歳もベンチ入り。
五輪予選には選手をリリースしてもらえないと言っていたのにほとんどみんな来てるじゃんという。この対北アイルランド戦はFOXで地上波放送。

五輪予選が中米メキシコでの開催で、欧州の域外に行って帰ってくると各国でコロナ検疫ルールに引っかかるなど事情があるのでしょうが。欧州域外と言えばイギリスもEU離脱で欧州外ですが、北アイルランドはEU内のアイルランドと地続きなので政治的にはEU内と同じ扱いなんでしたっけ。

とにかく選手たちはクラブから代表活動を許されたけれど、五輪予選は元の予定通りMLS所属の選手たちで戦い、そして敗戦。いやはやであります。
シニア代表として戦ったU-23該当の若手が大いに目立つ対北アイルランド戦でもあっただけに、この選手たちで五輪出場権を獲りに行きたかったなあという気持ちになります。北アイルランド戦ではGeo ReynaとPulisicがゴール。うかつなボールロストから北アイルランドのカウンターを許す場面も何度もあるなど万全の試合とは言えないものの、3−4−3を採用、戦術意図の見える試合ぶりではありました。

この若手メンバーでの試合を五輪でやって2022年のW杯への期待感の熟成がしたかったところですが、結果はまたも五輪出場失敗。いつも通り女子は優勝候補、男子は出場もできないという状況に戻ってしまいました。

MLSが1年で3度目の労使交渉、オーナー側の勝ち

MLS労組弱いなあ、アメリカのビジネス交渉はキツイな、というのが私の感想です。サッカー男子MLSの労使による新労使協定の交渉を終えて批准手続きに入っています。まだ批准前なのでそのとおりになるかは不明ですが、ざっと眺めたところオーナー側が重大な案件で勝利を収めていると思えます。

MLSは現状4月初旬にシーズン開幕予定で、キャンプ入りを今月末に控えています。オーナー側は新労使協定の交渉が不調ならロックアウトを行うと早々宣言して選手会側への圧力を強めていました。

そもそも今回の交渉は予定外のものです。MLSの労使協約は2019年シーズンを最後に失効した旧協約を受けて昨年2020年シーズン前に一度妥結しています。その後コロナ疫禍の拡大で既にシーズンを開幕していたMLSが活動停止を余儀なくされ、夏のシーズン再開前にも労使は再開プランを交渉。さらに2020年シーズンが終わった直後となる2020年12月にオーナー側が新労使協約に含まれていた緊急避難条項を発動して新たな労使協定を目指すことを宣言。簡単に言えば2020年春の時点の合意は反故にされて1年も経っていない現在、3度目の労使交渉をしていたところでした。

緊急避難条項の発動理由はコロナ感染が沈静化しておらず、MLSシーズンの大半で無観客か動員数を大きく制限されたシーズンにならざるを得ず、経営に重大な影響のある事態が進行中であるため、とされます。MLSはアメスポメジャーと比較して現地の動員売上に利益を頼る比率が高い。そのため現在米国内で報道されているコロナワクチン接種のスピードでは2020年の協定内容が実現できる情況ではないというのがオーナー側の言い分で、その言い分自体は筋はそれなりに通ってるとは言えるのでしょう。

今回の批准待ち案のポイントとしては、選手会側の最大のメリットは今後MLSが結ぶ放映権契約から按分でサラリーが増えるという点でしょう。最大25%が選手側に還元される内容となっており、これからMLSの放映権契約金額が伸びれば選手の取り分も伸びます。過去は放映権料伸長の恩恵が選手会側にはほとんどありませんでした。メディア間でのアメスポコンテンツの放映権契約の取り合いはいまも収まっておらず、MLSの放映権交渉も見通しは比較的明るいとはされます。ただ疑問点もあります。ここでは詳しくはやりませんが、Cable cutting、TV離れという新しい潮流がどう将来の放映権契約に影響を与えるか読みにくいからでもあります。
また2021年シーズンに関してはシーズンが短縮されるなどがあってもサラリーカットなしという目先のカネについての勝利も得ています。後述する通り目先のカネ確保に走って長い目での利益を損なった可能性はありますが。

対してオーナー側の最大のメリットは2020年に締結した協定では失効が2025年とされていたのを延長して2027年までとできたことです。これはとても大きいと私には思えます。2026年にはW杯北米三国共催大会があります。アメリカサッカーにとっては何十年に一度のアメスポ市場内のサッカー拡販の大チャンスなわけです。次の機会はいつになるか想像もできない大チャンスです。そこを焦点としてサッカー協会、MLSともに様々な施策・宣伝を打っていくのは確実。2026年にピーク年齢となるであろう代表選手の養成は現在着々と進んでおり2025年2026年はサッカー界が大会成功の盛り上げに向けて全力で注力しているであろう時期です。W杯地元開催の期待と予感を使ってMLSのシーズンの動員や視聴率向上に様々な手を打つことでしょう。代表のスター選手をその時期に合わせてMLSに戻すなんていう手も打てるかもしれません。

その時期にMLSが選手会にゴネられてストをするだのなんだのとスケジュール面でゆさぶりをかけられるのは経営側から見れば好ましいことではないです。W杯のプロモーションや準備にふんだんにカネをかけているのが目に見えている時期に選手会と交渉をすれば、選手たちからなぜ我々はこんなに安いサラリーなのにあんなにプロモにカネが使えるのか云々という不満が鬱積するのは当然の流れに私には思えます。よってその時期の選手会との交渉は難航することが想像できる。選手会側がシーズンを人質にとるような流れにもなりかねない。この厄介事を確実にW杯後に延期できることのメリットは大きいです。

逆向きに見ればMLS選手会は2025年にやってくる大きな交渉アドバンテージを簡単に手放したと言えます。引き換えに得たものは2021年のサラリー保安(金額は増えてすらいない!)と、個人への還元が幾らになるかもわからない将来の放映権料増収の按分のみです。

想像するに経済的基盤の弱いMLSの選手たちが1年で3度も労使交渉をするのはきつかったんだろうなと思えます。その度に法律顧問・交渉役のプロへの支払いもかさんだはず。この手のコストはアメリカではバカになりません。オーナー側が早々とロックアウトを宣言していたことでの選手の収入減が目前に見えてきていたため選手会側が我慢しきれないというのもわかるところ。現状のMLSでは力関係から言ってとても勝負にならなかったということなのでしょう。

Destがいつもボールのそばにいる

昨日たまたま見ていた試合がすごい試合になりました。スペインのカップ戦Copa Del Reyの準々決勝のBercelona@Grenadaの試合。アメリカではスペインLa Ligaはマイナー局のbeIN Sportsかあとは有料ストリーミングでしか放送がないので、Barcelonaの試合ってこんなカップ戦だとかUCLでしか配信家庭数の多いチャンネルでの放送がありません。それでカップ戦の準々決勝に興味があったわけではないのですが、ああ珍しいBarcelonaの試合だなと思って流しておいたのです。
88分までGrenadaが2−0でリード。そこからBarcaが2点を鮮やかに決めて土壇場で同点。延長戦になっても次々と美しいゴールを決めまくって最終スコア5−3という大変な試合を観ることができました。サッカーは強い方が追う方がおもしろいので見ていたんですけどまさかこんなことになるとはという展開と、美技の数々に、こんな風にゴールを決められたらたまらんなという試合でした。

見ていたもう一つの理由は先日来紹介しているサッカー米男子代表の有力若手選手の20歳Sergio Destを見たかったというのもありました。上述の通りアメリカ国内からだと見られる機会が少ないので。57分にサブで入ってます。なかなか良かったです。とにかくボールによくからむ。
ポジションはサイドバックで、この日も先発SBと交代で入ったんですけど、どんどん攻撃に絡みます。リードされている状態から入ったので攻撃的に行けという指示も出ていた可能性は高いですが、それにしても前に上がるだけではなく、するすると中央にも何度も進出しており、ポジションレスに近い動き。こんなところまで行っていい決まりなのだなあ、と。もちろんBarcaが攻勢でポゼッションも一方的になっていたという情況もあるにせよ、アメリカ人SBの選手でこんなに攻撃的な動きをした選手は過去皆無ではないかなと感心した次第。
Destが米代表の中心選手となった頃に代表はこの動き、このボールへの嗅覚の良さを活かせるようなサッカーができるのか楽しみです。

延長戦でDestが相手をボックス内で倒してPK献上失点というミスもありましたが、延長戦だけでBarcaが3ゴールを畳み込んだので結果的にはその失策は目立たず。

結局はアメリカ人に育てさせちゃだめなのか

ブンデスリーガの首位Bayern Munchen@最下位Shalke 04の試合をライブ観戦。お目当てはShalkeの19歳米国人Matthew Hoppeですが、Hoppeはともかくなかなか楽しく見られました。終盤追加点が入って4−0でBayernが順当勝ちしてますがShalkeの抵抗内容も悪くなかったので。

試合中にさらっと紹介されていたのですがHoppeはBarcelonaが米アリゾナ州に持つ全寮制アカデミーBarça Residency Academy出身選手なんですね。Barcaのアリゾナアカデミーは2017年夏に開校した新しい組織ですが早くも結果を出したということに。専門サイトによれば米国内のサッカーアカデミーの中でBarcaのアカデミーは過去3年連続最高評価の組織となっているようです。所属するためのお値段もお高く年間$75,000(ざっと800万円)。お高いだけに評価する側のバイアスもあるのかもしれませんが、開校3年半の2021年の現在既に19歳Hoppeという成功例を産んでるのですから評判はさらに上がるばかりになるのかも。

アメリカのスポーツキャンプというのは短期のものから全寮制まで多種多様にありますが、アメスポ種目で全寮制というのは多くない。例えばテニスではアメリカでもエリート養成機関の長い歴史がありますが、チームスポーツは少ない。いわゆるアメスポ人気種目は伝統的に学校スポーツがあってそれが主たるルートで、学校スポーツのオフシーズンに意欲ある個人がスキル強化キャンプに参加という形が多い。逆に言えばそれらの種目では歴史もあるため学校スポーツや地元にかなりの部分を任せておいても指導できる人材が全米に広く存在しており基礎はそこで鍛えることができた。
ところがアメスポ的には後発種目で学校スポーツに任せていたのではどうも養成にならないサッカーゆえ、アカデミーのエリート養成機関への需要がアメスポ一般よりもあったってことでしょう。この点は何十年も言われていて、MLSが活動を始めた1990年代に米サッカー協会が費用を負担してのIMGアカデミーでの全寮制強化がスタート。その後IMG出身者は強化を目指す大学から盛んに奨学金付きでリクルートされるし、また代表ユースに招集されやすいという意味ではそれなりの意味はあったんでしょうが、突出したプロのスターサッカー選手が出てくるまでには至らず。
そういう過去の育成のプロセスが無意味であったわけではないでしょうが、Hoppeの例について言えば長年米国内に存在してきた育成機関ができなかったことを短期間にBarcaの育成が達成したことになります。まだ出てきたばっかりで先走り過ぎかもですけど。

ということでHoppeは代表ユースという観点ではどの年代でも招集されたことのない無名選手だったものの、特別な育成ルートで促成栽培された成功例ということです。ユース招集歴がなかったのも旧来の育成ルートから外れていたからかもですね。
もしそうならばBarcaの育成の成功例であり、ユース代表選考の偏りの結果であって、以前に私が期待したような無名の若い才能あるアメリカ人がいくらでも全米のどこかに埋蔵されているという話ではなく、多額の私費を投じる熱心な親に恵まれた選手と欧州スタイルの指導がマッチしての成功例ってことなのかもです。

そうなると事は以前議論を呼んだ「サッカーは金持ちの白人の子のスポーツになってしまった」という話とリンクすることになるわけですね。サッカーが他のメジャーアメスポと同様に、またはアメスポ以上に個人の投資が物を言うジャンルになっていくのか。


話を戻して、今日のShalkeの試合は、Hoppeは15分に右サイドでボールを得て独走の機会がありましたが1対1の機会に勝負を臨まず。スタッツでは前半のタッチは15となってますが、Hoppeがボールを持ったと言えるのはこのときだけのはず。チームの方針か個人的にサイドで勝負に行くのを不利と自己認識しているのかこのときは結局ボールを自ら下げてあっという間に自軍のGKまでボールが戻っちゃいました。チャンピオンBayernの高い位置からの圧力でライブボールでHoppeにチャンスらしいチャンスはなし。リスタートでのクロスに僅かにヘッドが届かなかったのが前半にありましたがほぼそれだけ。72分に退いてます。

久々欧州スーパーリーグネタ再登場

昨日のスポーツマスコミで複数の非アメスポなネタがニュースの上位にきていました。東京五輪が中止になるという観測の件と、欧州スーパーリーグが実現した場合参加チームや選手にFIFAが報復するという件。どっちも前にも聞いたなというデジャブ感のある話です。

欧州スーパーリーグについては以前も書きました。当ブログは基本的にはアメリカつながりのあるものだけを書くようにしてるのですが、欧州スーパーリーグ構想は可能性としてアメリカのチームが将来的に混ざることができる構造にするであろうことが想像されるのと、参加する各国の人気チームのオーナーがアメリカ人投資家となっている点で一応アメスポ繋がりということで書きました。
ESPN辺りでも今日の一時点でこの件をトップニュース項目に含めていたのは普段サッカーに冷たいESPNだけに目立ちました。

当ブログでスーパーリーグについての記事を書いた2018年当時は、早ければ2021年にも始動とされていたわけです。そして今まさに2021年です。この時点になってFIFA側から強い警告が出たということはスーパーリーグ構想はいまも水面下で進んでいる、かなり具体化しているということなのでしょう。

FIFAのぶちあげた報復内容はスーパーリーグ参加チームも、大会に参加した選手もFIFAの主催する大会には一切出場させないというもので、それにはW杯も含まれます。スーパーリーグに参加したらW杯から追放とはなかなか報復としては強力であるとは思います。
が、わずかにでもビジネス法のセンスがあるなら即座にこれは違法行為の可能性が高い内容だと感じるはずです。FIFAの言っていることは独占禁止法で制限される優越的地位の濫用にほかならない。その優越的地位を利用して競争相手であるスーパーリーグの出現を阻もうとしているのを隠してすらいません。

独占禁止法(名称は国地域ごとに異なることもあるでしょうが総称としてこう呼びます)というのは基本コンセプトはどこの国でも同じでしょうが、その運用は各国まちまちのはずです。今回の舞台は欧州なのですが、英国がEUから離脱完了したばかり。たぶん欧州裁判所がこれを裁くことになるのかなと思いますが、そこが迅速タイムリーにその判断を下してくれる裁判所なのかを私にはわかりません。
アメリカの裁判所はタイミングが大事な案件に対しては夜中や休日でも緊急判断を下してくれる迅速性がウリです。日本から見ていても昨年末に大統領選挙に関わる各種訴訟が次々と判断をくだされていったのは記憶に新しいところかと思います。しかし世界の他の国がどこもそうだとは到底思えない。現実的にはまったく使えないスピード感の乏しい司法の国も存在します。

もしスーパーリーグ推進側が各クラブオーナーや所属選手の動揺を抑えようとしてFIFAの今回の恫喝の違法性の確認を裁判所に訴え出て通るものなのかはわかりません。アメリカの司法ではそういう訴訟が成立しえますが、他国は他国のルールがありますから。迅速に審理してもらえるものかもわからない。
EUの裁判所=European Court of Justiceはルクセンブルグに所在するようです。FIFAのお膝元のチューリヒなんかに在ったらFIFAが既に裁判官に手を回しているのではと疑いたくなるところでしょうか。
記事検索
最新コメント
読者登録
LINE読者登録QRコード
メッセージ

名前
メール
本文