アメリカスポーツ三昧

アメリカ永住コースか、または第三国に出国か!?スリルとサスペンスの人生とは別にアメスポは楽しい。

MLS/Soccer

W杯失敗国を集めて裏トーナメント?

米サッカー協会が言い出したらしいですが、来年のロシアW杯への出場失敗した国を集めて米国内でトーナメントをやりたいそうです。もしそれが実現するならばホスト米国、イタリア、オランダ、チリと核になるチームはいます。何カ国集めるつもりか知りませんが、これに中国、ガーナ、ギリシャ、ニュージーランド(まだ敗退確定してませんが)など加えればそこそこワールドなムードと体裁は整いそうな気がします。再選の怪しい現米サッカー協会会長が言い出したのかなんなのか、変な変化球であります。

しかし開催時期にもよりますが、そんなトーナメントをFIFAが許可しますかね?W杯に時期が重なるようなら参加各国でのW杯本番の視聴意欲にも影響するでしょうからFIFAとしても簡単に許可するとは思えないです。米国内で言えばロシア大会からW杯の放映権はFOXに移ったばかりですが、前回ブラジル大会までW杯を放映していたESPN系がその新トーナメントの放映権を握ってしまったらFOXは大損ですから猛烈に反対するはずです。ロシア大会はアメリカにとっては時差が問題のところ、地元米国内でのそのトーナメントは米国の視聴者の一番都合の良い時間帯に開催できてしまいますから。


また実際の戦いを考えても、W杯進出に失敗した各国にとっては既に次の2022年を見据えて若手起用に大きく舵を切るタイミングですし、そんな一回こっきりになりそうな色物トーナメントに一流選手が来てくれるのかどうかもわからない。五輪のU-23代表以下の陣容にもなりかねない。

そもそもアメリカは次の代表監督も決まっていない状態でその新トーナメントに突入することになるのか。世界各国のリーグが終了したとこで代表監督を選びたいとか、ロシアW杯が終わってから他国の代表監督をスカウトすべきとか次期米代表監督選びは迷走中なのに、そんなわけのわからないトーナメント、どうするのさ?ということになります。


たぶん想像するに、先日も少し触れましたがアメリカサッカーの次世代のスーパースター候補生である19歳Christian PulisicをW杯出場失敗で売り出す機会を逸した米サッカー協会が、なんとか露出をということでひねり出した案という感じがします。

アメリカ人はアイデアが豊富なのは良いし、ダイナミックで即行動というのも悪くないですが、さすがにこれはアイデア倒れになりそうな気がします。

アメリカマイナープロサッカーの夕べ

サッカーの世界がW杯予選で盛り上がる中、アメスポ専門当サイトは別のサッカーの話をしてみたいと思います。アメリカプロサッカー二部NASLの優勝決定戦=Soccer Bowlが日曜日にありました。NASL参加初年度のSan Francisco Deltasが2-0でNew York Cosmosを下して初優勝しています。Cosmosは三連覇に失敗。放映はBeIN Sportsで地味に。場所はSan Franciscoの地元、Kezar Stadiumで9,600人という観衆を集めています。発足初年度でのこの数字はチケットの値段が安いにしても立派なものかと思います。シーズン中の同チームの平均動員はリーグ最下位の2,575人とか。

Kezar Stadiumというのはアメスポの歴史上では由緒正しいスタジアム。その昔NFL San Francisco 49ersもCandlestick Parkに移転する前にホームに使っていたスタジアムで、他にもAFL時代のOakland Raidersも使用、最近ではラクロスMLLや数々の男女マイナーリーグサッカーチームもホームにしてきた同市のスポーツ憩いの場に近い存在でしょうか。

試合の方は前半戦に混戦からCosmos GKが攻撃の選手を倒したと判定されたプレーでPK、Deltasが先制。後半は守りを固めるもしっかり統制が取れた守りを続けたDeltasがCosmosをほどよく押し返し、決定機をほとんど与えずに守りきり。試合終了間際に2点目を決めてそのまま試合終了。プロスポーツには珍しく観客がスタンドからフィールドに次々と降りたって地元の新チームの初優勝を祝うというアットホームな、なかなかの盛り上がりのフィナーレとなってます。試合のレベルは悪くないと感じました。

二部NASLの今季の平均観客動員は4,500人弱と発表されています。二部ですからこんなものか。NASLの稼ぎ頭はIndy Elevenで試合平均で9,000人弱という数字が。地元以外は誰も知らないマイナーリーグサッカーで9000人をコンスタントに集めているのは地味にすごいような気がします。

しかし実はこれ以上に動員をするマイナーリーグサッカーチームがあるのはご存じでしょうか。USL所属のFC Cincinnatiがそれです。2017年のホームでの動員がなんと21,000人超という、MLSも羨むとんでもない数字を残しています。

ここはおもしろいですよ。ホームはCincinnati大のフットボールスタジアムNippert Stadiumを使用しているんですが、これがビッグマッチになると満席になります。ほぼ無印のところから突然人気になり、いまアメリカサッカー界で注目の熱いサッカータウンと化しています。女子の代表もこの夏に初めて同地で親善試合を開催、めちゃめちゃ盛り上がっていて、大観衆に馴れているはずの女子代表も「今日は雰囲気最高で楽しく試合できた」と試合後語っていたほど。

FC Cincinnatiが始動したのは昨年2016年から。当初はチケット全席$5、Cincinnati大の生徒なら$2という激安でスタート。なぜかこれが当たって動員絶好調。2017年は$10と倍の値段になったんですがそれでも動員は衰えず。その上その大観衆の声援に応えてチームは謎のUS Open Cupでの快進撃。MLS同州内のColumbus Crewをホームで撃破。続いてMLS Chicago FireもこれもホームでのPK戦で倒して結局全米準決勝まで勝ち進んでしまったのです。準決勝もMLS New York Red Bullsを相手に延長戦2-3で惜敗。MLSチームを迎えた試合はどれも3万人超を動員。

特に対Chicago Fire戦はTVで私も見てたんですけど、大変な試合でした。とにかく走る、対人で踏ん張る。声援に押されて気合いで試合してるわけです。技量に勝るはずのMLSチームが次々と気合い負け。PK戦では奇跡のセーブが続いてホームチーム激勝、観客熱狂という、こんなサッカーの試合、アメリカじゃMLSでもないよという感じの凄い試合になってしまいました。以前も報告したことがありますが、MLSチームのホームでのUS Open Cup戦なんて冷めまくってますから。

その日の相手のChicago Fireには元ドイツ代表元Bayern Munich Bastian Schweinsteigerが所属していまして、PKでもSchweinsteigerが三番目に出てきて、Fireにとっては唯一のPKを決めたんですけれど、彼が出てきたときのとてつもない違和感は凄かったです。あの、あのSchweinsteigerが、なぜアメリカの地方都市で新興セミプロのGKを相手に必死な顔してPK決めてんだよ?!という。これはすごいことになったな、という感じでした。 FC Cincinnatiの所属するUSLと、昨日決勝のあったNASLは現在では共に二部扱いで上下関係も入替もなにもないです。マイナープロサッカー、一般の知らないところで盛り上がっているチームもある。こういうスポーツ観戦文化の幅広さもアメスポの魅力のひとつでしょう。とてもおもしろいと思います。

NHL Global Series スウェーデン編

金曜の夕方、変な時間帯にNHLが試合をやってるなと思ったらColorado AvalancheとOttawa Senatorsがスウェーデンで試合をしていたのでした。約10年前から数年、NHLは欧州に多数のチームを送り込んでレギュラーシーズン冒頭部分を彼の地でやっていた時期がありました。多い年だと6チームも送り込み、NHLチーム同士の対戦の他、欧州の地元チームとの対戦をこなしたりNHLの欧州戦略の先兵として戦っていたわけです。ここしばらくそんな話を聞かないと思っていたら今日・明日上記の2チームがスウェーデンで公式戦を行うのだそうです。2チームだけ、ストックホルムで二試合。どういう意味合いがあるのかよくわかりませんがこういう形で欧州興業が復活。


この日の試合は3-3で延長戦へ。そう、昨シーズンから始まった延長戦の3-on-3の欧州初披露となりました。元々欧州のリンクは国際式で幅も広いところで3-on-3。どうなるかと思って見てましたが、Ottawaが美しいデザインプレーで決勝ゴールを決めて1分ほどであっさり勝負を決めました。3人でバックパス→シュートフェイクから横パス→ゴール。鮮やか。遠征興業のフィニッシュとしてはこれは良かったのではないでしょうか。

見たところアリーナは満席。どちらを応援するというわけではないにしてもホッケーを楽しんでいる風なのは見えて良かったです。

ちなみにホッケーと関係なくアリーナ全体が大盛り上がりになった瞬間がありました。同時刻に行われていたサッカーW杯欧州予選プレーオフで、スウェーデンがイタリアに1-0で勝利した瞬間だったようです。イタリア、W杯敗退の崖っぷちですか。欧州予選は大変ですね。

MLSのプレーオフ中断

前項のMLSプレーオフカンファレンス優勝戦の件でひとつ大事なことを書き落としました。一昨日日曜日=11月5日に8強戦=カンファレンス準決勝は終わったのですが、FIFAの国際Aマッチデーがあるので次のカンファレンス決勝は11月21日まで行われません。毎年のことなのですが11月はプレーオフがぶった切られてしまうのです。CONCACAFだけで言えば大陸間プレーオフを残すのみですがこれに米代表が行かなければならない可能性もあったし、そうでなくても他国の所属選手が抜けることもあり得るということで、ま、これはサッカーの世界のしくみがそうなっているので仕方ありません。プレーオフに影響がないようにマッチデー後も余裕をもったプレーオフ再開日を設定しているわけですね。

11月下旬というのは北アメリカ大陸の多くの部分が既に厳しい冬に向かう時期であります。11月21日火曜日に1st leg、翌週末11月29日火曜日と30日水曜日に2nd leg。MLS Cup決勝は12月9日土曜日が予定されています。

勝ち残っている四チームはカナダToronto FC、Columbus Crew、Houston Dynamo、Seattle Sounders。南のテキサスのHoustonなら気温に問題はありませんが、12月に北の国カナダで野外でサッカーとか大変であります。Toronto FCは前回ご紹介したとおり今季最高成績でレギュラーシーズンを終えているので勝ち進めば決勝のホスト地となるのは確定してます。カナダ国民は寒いのには馴れているでしょうが極寒の決勝戦となっても来てくれるのかどうか。

ちなみにカナダのナンバーワンスポーツであるホッケーNHLだとHeritage Classicという野外試合をまさに極寒の中(最悪のケース2月)で開催してスタジアム満員の観客を動員した実績はありますが、それは特殊イベントでチケットも前年のうち早い段階で売り切れていたお祭りイベントです。MLS決勝の場合、前週のカンファレンス決勝が終わってみないと試合があるかどうかもわからないのでそこからチケットがどれほど売れるか。興業実力を試されることになります。

ホッケーの試合自体は極寒でも滞りなくプレーできる(雪とか氷が降ってリンクのコンディションが悪いときはありますが)し、選手は元々しっかり着込んでるスタイルですよね。サッカーはどうなるのか。芝の下には融雪用のヒーターはあるそうなので設計通りならピッチ自体はまともにプレーできるはずですが天候はその時になってみなくてはわからない。12月の土曜日決勝戦という設定はカレッジフットボールがほぼシーズンを終了して(日曜日のNFLはまだシーズン中)土曜日のアメスポカレンダーが比較的ライトになる時期という意味合いもあります。アメリカ各地の気温予想とアメスポカレンダーとFIFAマッチデーと見合わせてこれがギリギリの選択で、MLSはよくやっていると思います。

飛車角二枚落ちでカンファレンス決勝に臨むToronto FC

他のジャンルが混み合っているので話題にならないサッカーMLSのプレーオフの話と、そのついでにアメスポの多くのプロリーグで過半数がプレーオフに進む制度のことについて考えてみたいです。

まずMLSは今日カンファレンス準決勝の2nd legが各地で終了。西はレギュラーシーズン西2位だったSeattle Soundersと西4位 Houston Dynamoが、東はレギュラーシーズンを全体断トツトップで抜けたToronto FCがトラブル続出ながら(後述)なんとか勝ち抜いて東5位のColumbus Crewと対戦する予定。カンファレンスファイナルはホーム&アウェイ、アウェイゴールありのルールで行われます。下位シードのチームのホームで1st leg開催。このルールでホームフィールドアドバンテージが存在するのかどうか疑問はあります。以前はカンファレンス決勝は上位チームのホームでの一発勝負でした。
MLSはルール・運営変更の激しいリーグで、毎年のように変更があります。今年は全22チームが11チームづつ東西に別れ、それぞれ6位までがプレーオフ進出。半数以上がプレーオフに出場するという形。来季はさらに1チーム増える予定(Los Angeles FC)ですが現在のところ2018年のプレーオフ形式の公式発表はなし。MLSの歴史上所属チーム数の半数がプレーオフ出場という形式だったのは2010年に16チーム所属で8チームプレーオフだったのが最初で最後。それ以外のシーズンは常に過半数のチームがプレーオフに進むという形式をとり続けています。
MLSのプレーオフ制度はアメスポ文化とサッカー文化の折衷と言えます。アメスポ的にはプレーオフですが、対外的には「これはリーグのカップ戦です」というアメリカ人には理解し難い説明もなされることがあります。H&Aの二戦での決着というのはサッカー文化としては普通の形式ですがアメスポでは極珍しい形式であります。
プレーオフ進出チームがリーグ全体の半数以上と多いのはこれはアメリカの後発プロスポーツでは定番で別にMLSに限ったことではありません。良い悪いは別として珍しくはない。今はビッグビジネスとなったNBAやNHLも30/31チーム所属のうち過半数の16チームがプレーオフに進む仕組みを維持してます。他の現存する群小プロスポーツで見ると直近シーズンでラクロスMLLが 4/9、女子サッカーNWSLが4/10、女子バスケWNBA 8/12、インドアフットボールAFL 4/5などなど。マイナースポーツではプレーオフでの稼ぎが重要で、かつ競争の激しいアメスポマーケットではこういう機会でもないと地元の注目すら浴びられない。プレーオフでもないとTVでの放送もしてもらえないという理由でしょう。
「そんなにたくさんのチームが出場するならレギュラーシーズン意味ないじゃん?」というまっとうな質問は金策・サバイバルという新興スポーツの最大の命題の前にはスルーされることになります。

ところで今季のMLSには地味ながら大事な違いがありました。Toronto FCがレギュラーシーズンをぶっちぎりで勝ったことです。勝ち点69。次点のNew York City FCが57点でしたから完勝です。過去のMLSは正直どこがレギュラーシーズントップでも大した実力差は感じられず、プレーオフになればどこが勝つかやってみないとわからないシーズンの連続でした。実際レギュラーシーズントップのチームがMLS Cupを制して優勝となったのは過去21シーズンで6度だけ。そのうち4度はMLSの初期7年間に集中していて、最近14年間でレギュラーシーズン勝者がMLS Cupプレーオフに勝ったのはたった2度。レギュラーシーズンで頑張って1位になるメリットなどないに等しい状態です。
でも今年のToronto FCは強かった。MLS史上最強チームとまで言う声すらあった。プレーオフでも本命として進出。いつものプレーオフと違ってどこがTorontoがやってくれるんでは、またはどこがTorontoを止めるかというプレーオフに核がある状態でスタートしたのです。

そのToronto FCが次戦ピンチです。今日日曜日東6位最下位でプレーオフに滑り込んだNew York Red Bullsとのホーム2nd legで苦戦、0-1で敗戦。1st legとの合計2-2、アウェイゴールの差でなんとか逃げ切り。カンファレンス決勝に進出は果たしました。
が、元ユベントスのFW エースSebastian Giovincoが終盤に痛恨のイエローカード・累積で次戦アウェイの1st leg出場できない。さらに悪いことに米代表FWのJozy Altidoreもハーフタイムのフィールドから去る際に相手チームと乱闘騒ぎを起こし、これがこの日2枚目のイエローとなってこちらも次戦出場停止。合計31ファール、イエロー8枚が出た荒れた試合だったのでいろいろ言い分があるんでしょうし、フィールドからは既に離れ、スタンドをくぐるトンネル部分で相手チームの選手ともめたのがカードになるとは思わなかったのかもしれないですが結果はToronto FCの得点源2名が揃って出場不可でアウェイの1st legを迎えることに。アウェイゴールルールがあるので敵地1st legでの得点は1ゴール以上の意味がある中、これは痛い。Altidoreが揉めた相手は元米代表の同僚Saha Kljestan。試合後にはJozyがSashaに向かってSNSで「てめーチクリやがって」とか(即削除されたそうですが)怒りが収まらなかった模様。Altidoreは同夜のNBA Raptorsの試合を観戦に来ていて「首を絞められて」云々言い訳していたんですが、でももう遅い。
それにしても今季のMLSプレーオフはTorontoという核があるのでこういうドラマも少しは意味があることに。このアメスポの混み合う時期にMLSが一般の総合スポーツメディアで大きく取り上げられることはほとんど望めませんが、なかなかおもしろい展開になってきているのは確かです。

まだみんなイライラしてます USMNT

4大メジャープロスポーツがシーズン中。アメスポNo. 2の人気を誇るカレッジフットボールもシーズン真っ直中、カレッジバスケももうじき始まるのでファンはそわそわ。その上カレッジバスケは例のリクルート生への裏金問題でFBI捜査が進展中で負の話題も充満。スポーツニュースは話題が豊富過ぎる状態で、他のジャンル=NASCAR、MLS、女子サッカーなどはほとんど時間が貰えません。NASCARは放映権を持つNBCやFOX系列がNASCARの情報番組を持っていてそこそこの時間帯で放映、それなりに情報が取れますが、MLSはその点苦しい。MLSのプレーオフが夕べから始まっているのでメジャーチャンネルでは最大のサッカー情報番組であるESPN FCを見てみました。

そしたらなんとまだ米代表のW杯逃しの話をやっていたのでちょっとおもしろいな、と。最近は後継代表監督の選出と、その前に米サッカー協会の会長の再選問題をイライラしながら議論していました。出演者にBrian McBrideなど日韓W杯の頃の米代表メンバーなどが出てたんですけど、みんなマジ切れ寸前みたいな勢い。もう二週間になるんですけどいまだ皆さん心が静まってないみたいです。

そう言えば先週末にあった女子の代表チームによる親善試合対韓国戦があって、それを見ていて笑ってしまったことがありました。女子代表のこの先2019年の女子W杯までの試合予定・大会時期の話をしていて、元女子代表の解説Julie Foudyが「まあW杯には行けるかどうかを確定事項みたいに語るのは良くないですね。ええ。皆さんも知っての通り」てなことを言ってそこが私はとてもウケてしまいました。アメリカサッカー界はご存じの通り、女子は強く男子は弱い。女子の方はスポーツの世界では特殊なファン層(小中高女子)を固めている。でもことカネの流れだとやはり男子の方がW杯の分配金が圧倒的にモノを言うので協会内の発言権は男子側が強い。微妙なパワーバランスなわけです。それでちょくちょく男子選手側と女子選手側でイヤミの言い合いをSNS上でやっていたりするのです。ファンではなく選手が。バカなこと言ってるなあと思うんですけど。で、そういう前段があるのを承知した上で聞くと、Foudyの発言は男子側の傷をいじるような発言をわざわざ公共の電波に乗せて言うのか〜という風に聞こえ、それでウケてしまったわけです。その上、男子側には言い返す言葉はない。

現実的には米女子代表も二大会前2011年のドイツW杯予選で予選敗退の危機を経験した(プレーオフに回って出場権を得た)こともあるわけです。また直近リオ五輪ではノックアウトラウンド一回戦でスウェーデンに早々敗退。今年はオーストラリア代表にホームで敗戦してみたり以前のように撫で斬りで勝ち進むような圧倒的な勝ち方はもうできない。そのうち男子側からイヤミを言われ返すことになるんだろうなあ、女々しいけど(この表現が良くないのは承知してます。他に適当な日本語ありますか。知りたいです)なんて思います。

ちなみにその日の対韓国戦は自陣に全員で籠もり続ける韓国からどうゴールを強奪するかの試合になりました。なんでも現在の女子代表の課題は五輪のスウェーデン戦でドン引きのチームからゴールを奪えなかった、無理矢理でもゴールを奪う戦いを、というものだそうです。

MLS Columbusがダダをこねている

これは新しい展開です。サッカーMLSの創設メンバーであるColumbus Crewがテキサス州の州都Austinに移転を検討、現在の地元であるColumbusと、Austinの両都市に新設サッカー専用スタジアムの建設を要求しているというニュースが入ってきました。これはけっこうおもしろい問題だと思います。

Columbusは中西部オハイオ州の州都。カレッジスポーツの強豪Ohio State Buckeyesが圧倒的な人気を誇るホームタウンであることから元々メジャープロスポーツに避けられてきた土地柄でもあります。マイナーリーグベースボールチームは長年存在(Columbus Clippers、元New York YankeesのマイナーAAA=伊良部なんかがマイナー調整で出ていたことあり、現在はCleveland Indians系列)しましたが、他のプロスポーツが入ってきたのはMLS Columbus Crewが1994年、NHLのColumbus Blue Jacketsが参入したのが2000年。プロスポーツの歴史の浅い都市です。

Columbus CrewはMLSの創設メンバーであると同時に、MLSで最初にサッカー専用スタジアムを建設して成功、その後のMLSの発展の道を拓いた重要なフランチャイズでした。Columbus Crew Stadium=現Mapfre Stadiumは1999年開場。その頃までMLSは自前のホームスタジアムを持つチームはなく、どこもNFLやカレッジフットボールの大会場を間借りしたり、高校のフットボールスタジアムで試合をしていました。高校のフットボールスタジアムの場合はしょぼく、カレッジやNFLの大会場ではガラガラ。それはそうです。Columbus Crewの場合、Ohio Stateの10万人収容のOhio Stadiumに1万人とか。当時の基準で言えばサッカーの試合に1万人も入れば成功なのです。成功なのに、でもあまりにも箱が大き過ぎてガラガラで寂しくてどうしようもない。暗くなる。MLS自体も毎年赤字。観客も伸びない。オーナーからも離脱組が出始める。

その苦しい時期にLamar Hunt(AFL/NFLのKansas City Chiefsのオーナーでもあった大立者)の所有だったColumbus Crewが思い切ってサッカー専用スタジアムを建設すると言い出したのです。収容2万5000人ほどのスタジアムをあっという間に建ててしまいました。そしてこれが当たった。サッカー専用スタジアムのピッチからの近さは素晴らしいもので、それまでとはまったく違う臨場感でファンを動員するのに成功。Crew Stadium開場後のMLSではCrewだけが収支トントン、あとは全チーム赤字だと言われていたほどの優良フランチャイズ化。その後、他のMLSチームがColumbusでの成功事例を叩き台にして地元自治体に働きかけて都市開発のテコにサッカー専用スタジアムの活用を促し、現在では大半のチームが専用スタジアムを確保するようになりました。新規参入組はホスト都市がサッカー専用スタジアムを建設するのが誘致の条件とすらなっています。

その初期のMLSの優等生だったColumbus Crewが今回Columbusから去ることを検討しているというんですから時代が進んだなあと感心してしまいます。新しいスタジアムを税金で建てろ、嫌なら出て行く、なんて他のメジャープロスポーツみたいなことを言ってるなあ。MLSもこんな偉そうなことを言えるような立場になったのかと。(まだ成功するかどうかわからないですが)

同スタジアムは1999年開場ですから18年目。この時期にこんな話題が出てくるんですから元のリース契約が20年契約だったのかもしれません。確かにMapfre Stadiumは後発のスタジアムと比較すると鉄骨剥き出しの部分が多く、美麗さよりも機能重視で建てたのは明らか。

またColumbus Crewも含めて創設期から存在するチームに観客動員で苦戦しているチームが多いのもMLSの課題です。Seattle Soundersが加入して突発的に3万人4万人超動員を連発してあっという間にMLSの動員トップになりました。Seattleの場合はあまりにも動員が凄すぎて他のMLSチーム並の中規模2~3万人収容程度の自前スタジアムを建設する理由がなくなり、NFL Seahawksのスタジアムに常駐同居になってます(=ポジティブな理由で数少ない自前スタジアムを持たないMLSチームに)。Seattleほどではなくても後発のMLSチームが動員で健闘する中、初期からあるフランチャイズの大半がリーグで動員下位に低迷している、という問題を抱えています。これは過去にも当ブログで指摘済み。Columbusの場合は、途中で一度スタジアムを改装して収容数を二割以上減らしたんですがいまもって滅多に完売できない状態が続いていました。(このスタジアム改装はゴール裏席をなくすなど改悪だったと思いますが詳細は今回省略)

今回Columbus Crewが移転を言い出したのは、MLSがいよいよ不振の古参フランチャイズのテコ入れに入ったということなのでしょう。MLSの中で下位とは言え平均17,000人を動員するのがダメ判定できるほどMLSがビジネスに自信を持ってきたのはすごいことではあります。リーグ創設当時なら17,000人平均入ったら狂喜したでしょうに。

移転先候補がなぜAustinなのかは謎です。テキサスの州都Austinはカレッジフットボールの人気校Texas Longhornsの地元でもあります。Columbusと似た立地と言えるかも。テキサスは高校フットボールでも(Mapfre Stadiumより立派な)すごいスタジアムがいくつも建っている土地柄ですからスタジアムを建てるぐらい簡単に建ててくれるでしょうが、Austinなんかでサッカーが人気になるのかな?という疑問はあります。MLSはテキサス州内にFC DallasとHouston Dynamoの2チームを展開してますがどちらも動員では下位です。

ESPN FC、30分米代表糾弾会

ESPNにはESPN FCという30分番組があります。同名のサッカー専門サイトもあります。ウェブサイトの方はサッカーの話題を求める人たちと、大半のアメリカ人がESPN.comに求める情報がかなり乖離しているのでサッカー専門サイトを立ててそちらに隔離分離しているような運用です。30分番組の方もほぼそのようなもので、サッカーの話題はESPN FCで集中的に報道します。(この日の他のESPNの看板トーク番組では米代表敗退の話題にまったく触れなかった。これがアメリカサッカーの現実ですか。)前日は北中米・南米・欧州と最終予選最終日が重なっていたのでサッカーの話題は豊富だったはずですが、この日のESPN FCは米代表のW杯敗退について集中議論に丸々30分を費やす内容に。どれほどアメリカサッカーコミュニティが昨日の敗退にショックを受けたかわかります。元米代表選手を含む解説陣5人が口角泡飛ばして駁論。どれほど今回の敗退が酷い話かを延々語りまくるという番組になってしまいました。

この日の番組内で紹介していたのですが前夜の惨敗後の記者会見で代表監督Bruce Arenaが「アメリカの選手の育成はうまく行ってる、組織としても機能している。特に変えるべき所はないし、がらっと変えるなんてありえない」なんて言ってたんですね。これには出演者ほぼ全員が呆れ果てて苦笑しかできない状態。こんな認識でやっているから弱いわけです。今回の最終予選でのアウェイ5戦未勝利のままで敗退したのに。前日までBruce Arenaが選手起用でフリーハンドが持てなかった、気の毒だったと私は書いてきたわけですが、実際はArenaもまさに海外出身選手をパージした側の人間だったのですね。

後付けの理由ですが、先週の対パナマ戦で圧勝したせいで勘違いして対トリニダード戦で傲慢な試合をした、という批判もこうなってしまうと説得力が出てしまう。トリニダードの方は先週コメント欄でも書きましたがメキシコ相手に奮戦していたのはまぐれじゃなかったという事になりますが、それも米代表は真剣に受け取っていなかった可能性が強い。最終日の三試合の一つでも引分が含まれていれば米代表の敗退はなかった。勝ち負け引分と三通りの結果が三試合であって単純にそれがランダムに発生するとして1/27の場合だけが米代表の敗退の可能性だったのですが、その1/27を引き当ててしまうのは運ではないです。

近年経営状態が上向いたMLSが前回W杯後、米代表メンバーを欧州から買い取っている事にも批判がありました。アメリカに戻って必死さもなくぬるま湯に浸かって楽なシーズンを送っている選手に代表で必死さを求めてもダメなんじゃないかとか。うーん。難しいところです。珍しい、おもしろい意見だと思いました。


でもこんなボロカスの糾弾会番組ですらアメリカサッカーはやさしいですね。誰も選手個人名を挙げて批判はしないのです。ただの一人も言わない。正直、Omar Gonzalezはもう要らないだろ、と誰か言うべきじゃないのかなと思いますが、言わない。一番キツい指摘というと、Taylor Twellmanが指摘してましたが現シニア代表の中心世代は北京・ロンドンと二大会続けて五輪出場を逃している世代で、この世代はダメだ、というのが精一杯。これですら他の解説陣は口に出せない感じ。Twellmanは割と言っちゃいけないことを言ってしまうタイプですが、それでこれがやっと。五輪失敗世代でもDarlington Nagbe(MLS Portland Timbers)のようなアメリカには珍しい相手ディフェンダーを背負ってのボール保持力のある選手も出てきているので選別は欠かせませんが、全体としては賛成、年齢でまだやれるとかではなく、思い切ってざっくりやって欲しいです。

サッカー米代表敗退の後始末は

試合終了直後のBeIN Sportsのスタジオの面々顔真っ青。声が震えてまともにコメントができない状態。日本のドーハの悲劇の直後のスタジオの岡田さん、あれを思い出しました。

しかしまあこれ後始末はどうするんでしょうか。まさかこの予選敗退で代表監督のBruce Arenaが留任することはないでしょう。元々Arenaが代表監督に復帰したのは前任のJurgen Klinsmannを更迭した後を承けて即座に代表を掌握してW杯予選を戦うのに新任のHC捜しをしている暇がなかったからです。Klinsmannの外国出身者偏重の起用が米国出身選手たちにスカンを喰っていたのは明らかで、それがArena監督の選手招集・起用を縛ったという面があるのでArenaには気の毒な敗退ではありますが、さすがにArean監督はもう良いでしょう。

後継はU-20監督のTab Ramosが有力なのでしょう。U-20男子米代表は2015年と今年のU-20W杯で二大会連続準々決勝まで行っている。これからシニア代表を一気に若返らせて再生モードに入るには米代表の若手選手達の能力を誰よりも把握しているRamosがまず打ってつけということになるのだと思います。

ただ心配なのはRamosが内部の人間であること。Klinsmannの欧州出身選手偏重、揺り戻しでArenaの欧州出身選手忌避、ときての次がどうなるのか。W杯予選敗退という現実がある以上、新監督が誰になるにしてもどっちの偏りももうたくさんです。結果さえ出ればどちらでも良いはずですが、現役代表選手なり(背広組含めて)その周辺なりからの欧州出身選手への嫉妬もあったはず。そういうめんどくさいことを言った代表選手たち(誰が言ったかはわからないですが)はこの機会にザックリ斬ってしまえると良いですね。そこがまずうまくいくかどうか。そこにRamosが内部の人間である故に斬りきれない可能性があるのは少し怖い。

ざっくりやるならしがらみのない外国人監督の方が良い。確かにそういう手もあるんですが、今のアメリカで外国人監督を受け入れられるかな、という心配もあります。元々サッカー後進国なのにKlinsmann以前もかなり頑なに外国人監督を嫌がった過去があります。Klinsmannの場合は米国人女性と結婚してカリフォルニア在住だったのでアメリカを知っている外国人でした。それでも選手の掌握はできなかった。もっとアメリカに縁のない、能力主義の監督を受け入れる素地がアメリカ側にあるのかどうか。女子代表ではスウェーデン人のPia Sundhage代表監督がチームをうまく掌握して女子代表の黄金期を築いた実績があるんですが、男子の方はどうでしょうか。

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