アメリカスポーツ三昧

アメリカ永住コースか、または第三国に出国か!?スリルとサスペンスの人生とは別にアメスポは楽しい。

NBA/Basketball

もしCurryが辞退していなかったら

五輪の男子バスケ代表の壮行試合が続いています。この日はNBA Golden State Warriorsの本拠Oracle Arenaで中国代表との試合。Golden StateにFA移籍したKevin Durantにとっては新ホームでの初の試合登場。地元ファンから熱い歓迎をうけていました。地元ということもあって米代表先発のうち3人はGolden Stateの選手達=Durant、Klay Thompson、Draymond Green。五輪代表を辞退したStephen Curryや元代表であるAndre Iguodalaも来場して観戦。これ、もしCurryが代表辞退をしていなかったら米代表の先発の4人がWarriorsの選手になっていたかもしれないです。さすがにそれはやり過ぎな気もしますが、実績から言って妥当でもある。この感じがWarriorsに戦力が集まり過ぎだと論ずる方の気に障るところなんだろうなあと思いました。実際のこの日の先発はPG Kyrie Irving、Klay、Durant、Draymond、DeMarcus Cousins。

また今オフにFAでGolden Stateから移籍したHarrison Barnsにも地元ファンから暖かい声援が送られていました。NBA TVでは代表キャンプの様子もかなり報じられていて、BarnsとKlayはいつも一緒に並んでウォームアップ、お喋り談笑していて両者にはわだかまりはない模様。KlayとCurryが率先してDurant獲り活動をしたとされる(=成功すれば当然Barnsは切られる)だけにBarns側にわだかまりがあるかもと想像していたんですがそういうことはないようです。ただ全編見ていたわけじゃないですがDurantとBarnsの絡みはほとんどみかけなかったような。

試合の方は開始直後のDurantの3ポインターから始まってダンクその他序盤はDurantショー。スコアとしてはどんどん差がついていったのですが中国もディフェンスで奮戦してペネトレーションを許さず、得点差ほどには米代表が圧勝したという感じではなかったです。最終スコア107-57。対中国戦はこれが二戦目。前戦では最終盤にDeAndre Jordanのフリースローからのエアボールで米代表ベンチ全員が笑い転げて試合終了したり和気藹々、チームのケミストリーは良さそうです。

国際試合になるとその得点効率の良さが光るCarmelo Anthonyがこの日も活躍。DeMarcus Cousinsは良いですね。NBAでは勝てないチームでくすぶっているのもあって米代表で気鬱を晴らして暴れて欲しいです。

五輪直前でもいつものアメスポの風景

普通のアメスポの夏の週末。春夏または春秋型シーズンの各種ジャンルが活動中。MLB、NASCAR、MLS、ゴルフ。それぞれ小ネタはあってどれを取り上げようか迷います。リオ五輪開幕まで僅かになりましたが五輪らしい話題はいまも少ない。NBA選手を集めた男子五輪代表バスケの壮行試合が行われていたのが唯一の目立った活動です。

NASCARは既報の通りJeff Gordonがスポット参戦で復帰するも予選から中位に沈み本戦でもその通りのレースに終わっています。Kyle Buschが圧勝、序盤から全然一人だけマシンの調子が違ったというレース。Brickyard5勝を誇るGordonと、今季限りでの引退を表明しているインディアナ州出身のTony Stewartが地元での最後の出場と、ノスタルジックなムードは彩りとしては良かったですが、NASCAR自体は既に彼らを過去の人にしてしまっているのだなという感じのレースでもありました。次世代のスーパースターがNASCARには必要なのか、このまま群雄割拠で行けるのか。

MLSは毎年この時期になると思います。炎天下でサッカーは大変だ…と。アメスポカレンダーの事情から近い将来に秋春制に移行することはほぼ不可能で今後も熱波と戦いながらMLSはそのビジネスを伸ばしていくしかありません。NASCARの裏番組となったSeattle Sounders@Sporting Kansas Cityの試合を見ていました。この暑いのにお客さんもよく入ってくれていてKansas Cityの新スタジアムは建てて良かったねというところです。同チームはMLS創設時からのメンバー。長年動員に苦しみながらもオーナーのHunt家の援助で生きながらえてきたチームでしたが、この時期でこの盛り上がりならここもやっと自立して黒字になっていくのかなという感じでしょうか。(MLSは細かい決算の数字を公開しないので正確には外部からは懐具合がわからず推測が多くなります)

徐々にMLBを見る機会も増える時期。またこの話で恐縮ですが昨年大騒ぎしていた時短策は完全に放棄されたんですかね?打席を外すのは誰も気にしていないようで自由。この暑いのに見に来てくれているお客さんを相変わらず待たせるエンタメを展開中。ピンチ&チャンスの場面が長くなるのは良いとして、そうでないのにまたこれに逆戻りかという。もう開き直ってこれで良いのだということか。昨年からのRob Manfredコミッショナー時代になってからのこれからの仕事というと何になるんでしょうか。私は前任のBud Seligの仕事ぶりが好きだったのもあって今のManfredのここまで1年強の仕事ぶりの指導力のなさ、方向性の欠如が気になっています。

個人の幸福の追求とフランチャイズタグ制

NBAのAdam Silverコミッショナーが「一部のチームに戦力が偏ることはリーグにとって好ましくない。なんらかの変更が必要かもしれない」と数週間前に発言しています。発言のタイミングからして発言を促した直接のきっかけはKevin DurantのFA権利行使してのGolden State Warriorsへの移籍だったのは間違いのないところ。「一部のチーム」がWarriorsのみを指しているとは私は思いません。その話は先日別の記事のコメント応答で触れました。一応再録しておきます。


戦力集中がGolden State限定の話だとはSliverコミッショナーは言っていないですね。Cavsは昨季贅沢税でリーグで抜群の$55 millionだか$65 millionを払って、そして優勝したわけですから他のオーナーから金満優勝だと非難されたとしても弁護しにくいはずです。昨季のCavsの総人件費はリーグ史上2位です。現時点ではまだLeBronやJR Smithの再契約が確定していないので来季がどうなるかわからないですが昨季を超えるのはほぼ確定的じゃないでしょうか。

一般のファンからすればサラリーキャップがどうの贅沢税がどうのという細かい話よりも、Kevin DurantがWarriorsに?!?!というショックもあってそちらの方が目立つでしょうが、オーナー連からすればDurant型の移籍はフランチャイズタグ制(NFLがやってます)でもなければ止めようがないのもわかっているし選手会は強硬に抵抗するはずで実現の可能性も低い。より現実的なのは贅沢税制の料率アップの方で、そうなるとコミッショナーの発言もターゲットは贅沢税上等とAll inで優勝を勝ち取ったCavsの方もかなという気がします。

コミッショナーが制度変更に言及したわけです。選手の待遇に関する制度は選手会との合意でしか変えられませんからDurantのような移籍を今後発生させないためには選手会に(1)フランチャイズタグ制を飲ませるか、(2)逆に出口側となる受け入れ先チームのサラリーキャップに追加の制限を加えるか、(3)まさかやらないと思いますが受け入れ側の成績を基準とした制限、などが考えられるでしょう。(3)はひょっとすると一部ファン(「公平」な人材の再分配を好むファン)からはイメージ的に支持を受ける可能性がありますが、これは実際には成立しえないと思います。ドラフト指名順位で既に優遇してある成績下位のチームをFA市場でも優遇するという制度がありうるのか。ドラフトですらわざと負けるチームが発生しやすいのでくじ引き制にしているのに、ドラフトよりも遙かに高い確率で活躍するであろう既存のスーパースター選手を得るために、負ければ負けるほど得になる制度などあってはいけないはず。

そうなると(1)か(2)。どちらも実質的にはFA移籍を選択肢を大幅に狭める制度になるので選手会は強く抵抗するでしょう。特に(1)はいまNFLでもかなりモメています。

NFLの同制度についてざっくり説明するとチームは無制限FAとなる自軍選手に対して指定をして、高額のサラリーを全額保証するとともに移籍を制限するというものです。ただ「高額」というのがくせ者で同ポジションのNFLトップ5の平均サラリー以上、となります。つまりそのポジションで圧倒的トップの能力を持つ選手がフランチャイズタグ指名を受けてしまうと当面は他のトップクラスの選手の中間的なサラリーでお茶を濁されるということになる制度です。

昨季NFL Denver BroncosをSuper Bowl制覇に導いたSuper Bowl MVP OLB Von MillerがBroncosからフランチャイズ指定されて大もめになりました。最終的には先週6年$114.5 million(保証額$70 million)というNFLのディフェンス側の選手としては最高額の契約を勝ち取り。なんとか丸く収まったとは言えますがその過程ではMillerがフランチャイズタグ制への不平をぶちまけたりかなりの軋轢がありました。

いつもながらNFL選手の契約は選手に不利なものが多い。フランチャイズタグ制もその一つでしょう。根本的な思想としては、有名選手が都会・ビッグマーケットのチームに流れるのを阻止してリーグの戦力均衡と全てのチームの人気を支えようという制度です。NFLに限らずNBAでもMLBでもできることならば地元で育ったスター選手はそのまま地元で長年頑張り続けて欲しい、地元ファンとの絆やチームメイトとの繋がりを大事にしてその上で勝って欲しいという、ファンの願望はよくわかります。そういう夢の世界はあって良い。でもそれを現実にルール条文化するとフランチャイズタグ制にようなものになってしまうわけですが、それは本当に良いことなんでしょうか。

もしNBAにフランチャイズタグ制が存在していたとしたらOklahoma City ThunderはDurantを引き止めることができたか?できたでしょう。では同じ制度が他の場面ではどう働いたかというと、例えばLeBron JamesがCleveland Cavaliersでの孤軍奮闘の日々に限界を感じてMiami Heatに移籍することもできなかったはずです。有能とは思えないコーチ、LeBronの望むような選手を獲得できず毎年毎年LeBronのワンマンチームしか作れなかったCavaliersにLeBronは縛り付けられる他ありませんでした。もしどうしてもLeBronがCavsを出たければ契約を拒否してキャリア中断ということになっていたはずです。ひょっとしたらその場面で欧州リーグに転出していたかもしれない。(NFLには競争相手が皆無なのでコレがあり得ない)またはLeBronの第二次Cavaliers時代にKevin Loveのような大物を獲得することもできない(Loveの前所属先のMinnesota TimberwolvesはLoveにフランチャイズタグを付けられますから)。LeBron一人でもチームをそこそこ勝たせてしまうからドラフト1位指名権なんて得られないからKyrie IrvingとLeBronが組むこともできなかった。自分以外はロールプレイヤーばかりでいつか勝てるかもしれないと孤軍奮闘し続けるしかない制度。それがNBAにとって、選手にとって、ファンにとって良い制度でしょうか。過去だけの話ではなく、同じ事は例えばNew Orleans PelicansのAnthony Davisにも起こることです。Davisは既にPelicansの経営・選手補強能力に大いに不満を持っていますがフランチャイズタグ制があったら篭の鳥となる以外ない(欧州に行っても良いですが)。その昔のMitch Richmond (Sacramento Kings)のようにどうにもならないドアマットチームでシコシコ自分のスタッツを上げて、地方都市の地元ファンの支持を受けてローカルヒーローになって終わりです。そんな風にDavisを腐らせてしまう可能性のある制度。LeBronが一生孤軍奮闘するキャリアとなったかもしれない制度。選手にとってファンにとってそれが最適解なんでしょうか。

そういうことを全部含めて考えると、Durant的な移籍を直接的に止める方法は無理があるし不健全であるとすら思います。最終的にはサラリー総額や贅沢税制の強化などでCavs型の戦力増強を一時的なものにする努力が現実的な対応かなと。複数年連続での贅沢税超過チームには贅沢税の支払いを過重加算して維持できなくするような形でしょうか。Warriorsの今回の場合はDurantを獲れなくてもDurantとほぼ同額のサラリーとなったはずのHarrison Barnsを始め多くの戦力を失うことになっており基本的には解体危機だったし、実際その通りになっていますよね。DurantとBarnsがほぼ同価格だったというところが問題だっただけで(これは最高限度額制度の問題です。別問題です)。

NBAは何を求めているのか

NBAが来年2月開催予定だったノースカロライナ州Charlotteでのオールスター戦のキャンセルを発表しています。先日も少し触れた同州の法律がLGBTに対する差別であり、それへの反対の意思表明としてのキャンセルということです。近い将来の同法の撤廃を見込んででしょうが早ければ2019年にもCharlotteは再びオールスター戦の開催権を得る可能性があるとも発表しています。同州側の対応がどうなるのか。これから11月の大統領選挙まではアメリカは4年に一度の政治の季節。そこまではノースカロライナ州議会も抵抗して同法を維持しようとするのか、などスポーツ以外の部分で興味深いバトルが予想されます。南部に属するノースカロライナ州はほぼ保守・共和党の地盤で選挙結果も見えている土地柄なので同州での投票行為についてNBAがなんらかの影響を与えようという意図を持っているというよりは、他のよりリベラルなSwing Statesへのアピールが強いと思われます。Swing Statesというのは大統領選挙で毎回のように二大政党のどちらの候補者を選ぶのかが揺れ動く州のことで、大統領選挙では激戦、キーポイントとなる戦場州です。

Golden State Warriorsの社長であるRick Weltsはゲイであることを公言しているのですが、彼が強く今回のNBAの方針に関与したとされます。NBA全体としての利益になる行動かどうかはいまひとつ私にはピンときていないのですが、他のメジャースポーツよりもこの問題に積極的なのが将来的に吉と出る可能性は確かにあると思います。

Golden StateといえばNBAコミッショナーのAdam Silverが暗にGolden StateとCleveland Cavaliersを指して「戦力が一部チームに集中するのは好ましくない」旨の発言をしたのが数週間前。コミッショナーというのはオーナー達から好かれていないとやっていけない部分もあるので他の28チームのオーナーからそういう発言を促された面もあったのでしょうが、NBAを大いに盛り上げてくれたWarriorsとCavaliersを否定、それもそれを公言するのか、という意味でAdam Sliver、ちょっとオーナーの顔色をうかがい過ぎじゃないかとも思いました。一般ファンはCavaliers x Warriorsの二年連続のファイナルを楽しんだのは視聴率の結果からも明らかだったのに。たぶんファンは三年連続同一カードでも嫌がらないんじゃないですかね。もしオールスター戦のキャンセルもまたファンのためではなく、一部のNBAエクゼクティブの要求に沿って行われたとしたら、個人的にはSilverコミッショナー、ちょっと風見鶏ぽくないか?と疑問を感じるところです。

NBAがらみでもう一ついまコミッショナーが対応に苦慮している問題があります。女子WNBAで一部のチームの選手が人種問題に関連した政治的アピールをコート上で行っています。黒人市民を白人警官が射殺した事件に端を発する「Black Lives Matter」というアピールを巡る対応で、NBAは当該選手たちに罰金を課したのですが、彼女たちはその後もNBAの指導に従っていない。WNBA自体がマイナーな存在でこの問題は大きくスポーツメディアで取り上げられているわけでもないのがさらにそれらの選手たちにはおもしろくないようなのです。Black Lives Matter(黒人の命だって大事だ)というアピールが人種間の軋轢を増幅させる面がある、よってよろしくないというのが政治的に正しい言い方となります。Black Lives MatterへのアンサーとしてAll Lives Matterというスローガンも登場して人種間の緊張を弛めようという努力もアメリカ社会では行われているところ。

興味深いのは最初の方で述べたマイノリティLGBTの権利については相当に強硬にNBAは抗議行動を取っているのに、同じくマイノリティである黒人の権利については主張すると罰金制裁というわかりにくい基準をとっているところでしょう。アメリカ人はダブルスタンダードを嫌悪するところがあるんですが、今回はダブルスタンダードっぽいけど大丈夫か?という気もします。先に述べたようにWNBAでの抗議活動はマスメディア的には黙殺に近いところもあっていろいろ微妙です。


それにしてもほんの数週間前には大変な人種間闘争に盛り上がる可能性もあったBlack Lives Matter運動、一気にメディアでは消沈してしまいました。その理由のひとつは…やはりPokemon Goじゃないでしょうか。いや冗談ではなく。人種問わず皆が喜々としてポケモンゲットでうろうろする方が平和でシアワセでしょう。すごいと思います。

サマーリーグ終了 Valentineが二度もブザービーター

Michigan Stateから先日ドラフトされてChicago Bullsに入ったDenzel Valentine。NBAサマーリーグの優勝戦でビッグショットを連発してBullsを優勝をもたらしています。いやーおもしろかったです。延長戦の末、Valentineのブザービーターで84-82でChicagoが勝ったのですが、その前段、レギュレーションの終了時点でMinnesota TimberwolvesのTyus Jonesが3ポインターを決めてリードすると、その返しの攻撃でのラストショットでBullsがValentineの3で追いつく(0.2秒残りだったので正確にはラストショットではなかったですが)。ValentineはMichigan Stateで四年間プレーした後にドラフトされた比較的遅咲きの選手ですが、サマーリーグでいきなりクランチタイムに強いところを見せて今秋のNBAデビューがさらに楽しみになりました。Chicagoはガード陣にDwyane Wade、Rajon Rondoと3ポインターのない主力を抱えるのでValentineがそれを補う形で出番が増える可能性はあったらおもしろいです。

Valentineの陰に隠れることになりましたがTyus JonesはサマーリーグMVPに選ばれて奮戦しました。終盤は両チームが真剣に戦うところでチーム全員に声をかけてリーダー的な役割も果たしていたよう。Timberwolvesはガードのメンバーが厚めなので上ではプレータイムを得るのがまずは課題ですが、いい夏を過ごしたようです。魅力ある若いメンバーを揃えて一気に上を狙うTimberwolvesの新たな戦力として貢献できるでしょうか。

Jonesは昨年のドラフトでTimberwolvesにDukeから行った選手。一緒にドラフトされたKarl Anthony-Townsも現場に応援に来ていてチームメイト・同期入団のTyusを熱く応援。Townsに限らず既にそのチームのスターとなった選手達も熱心にサマーリーグの現場に来て後輩たちを応援する姿を見かけます。コーチやGMなどが視察にくるのは仕事として当然ではあるでしょうが、オフシーズンの選手がこの時期にチームの底上げを担う選手たちと一喜一憂する様はチームの一体感に寄与しそうです。

年はESPN系列もNBAサマーリーグの放送をかなりしていました。

Tim Duncanのいない引退会見?

NBA San Antonio Spurs Tim Duncanが引退発表。それを受けて今日午後にSpursの施設で記者会見があるという話ですが、現時点ではその会見にはライブでカメラは入れない予定。それどころかTim Duncan本人が出席するのかも不明という状態だそうです。カメラはともかく、本人が来るかわからないってどういうことですか。よくわからないですが、Duncanらしいのかなあと言えばそうかも。目立ちたがりではない。話すのも好きではなさそう。結果的に同じシーズンに引退することになったKobe Bryantは例の猛爆60点ゲームでキャリアフィニッシュ、Dancunはこっそりオフカメラで引退。対照的なエンディング、そしてそれぞれらしい最後ということになりそうです。ともに5度のNBA制覇。NBAの一時代を築いて長年スポーツファンを楽しませてくれた二人が去るわけですね。ありがとうございました、と言いたいです。

DuncanのラストゲームはOklahoma City Thunder戦。あの出場の仕方からしてラストゲームの可能性は十分にあったんですが、あの日のコートへの別れの告げ方も最後までDuncanらしかったかということになります。最後に優勝して引退というのが誰しもが思い描く最良のキャリアの終わりでしょうが、それは誰にもままならないこと。5度優勝しながら連覇が一度もないというのがご本人も若干心に残るところがあったかとも思いますが悔いはないはず。

個人的に一番記憶に強いのはデビュー初期でしょうか。David Robinsonとのツインタワーというのはいまでもよく言われますが、当時はトリプルタワーなんていう時間帯もあったんですよ。元BullでMichael JordanとともにNBA制覇したWill PurdueやFelton Spencerをセンターに、長身RobinsonとDuncanがフォワードとして動いて相手を翻弄という。

戦力均衡の是非

今回のKevin DurantのFA移籍もそうですし、以前のLeBron JamesのMiami HeatでのBig 3結成のときもそうでした。批判のうちに「これじゃあ戦力が偏り過ぎるからおもしろくない」というものがあります。言われることは判らないでもないです。

でも本当に戦力って均衡するとおもしろいのかなあというのも同時に思います。現在のNBA以上に戦力が均衡していないスポーツジャンルというのはいくつかあると思います。欧州サッカーなんかが代表的でしょう。常に同じ1~2チームが多数の国のトップを占めている。何十年も同じ顔ぶれだったりする。それと比較すればNBAは強力チームは常に入れ替わっている。または贅沢税導入前のMLBも戦力不均衡でした。カレッジスポーツも富めるものとそうでない学校との差は相当に大きいし固定化している面は強い。F1もそう。でもこれらのジャンルがアメリカでも他国でも人気を博してきた歴史があるわけです。

カレッジスポーツは一校当たりの奨学生の数をコントロールすることで格差の是正も進みましたがそれでもやはりエリート校はいつもエリート校らしい選手を揃えてきます。MLBは贅沢税制が効いてかなりの戦力均衡化は進みました。ですがそれがMLBの人気の伸張に寄与したかというとなかなか微妙です。小マーケットで長年苦労したKansas City Royalsの大復活なんていうのは贅沢税制時代の成果のひとつでしょうし、あれはあれで楽しく見られたんですが、他方過去悪の帝国として全米規模の注目の的だったNew York Yankeesが全国レベルの注目を落としたのはMLB全体の露出にとってよかったのかどうかというのは議論があって良いところ。

極端な例を他に挙げるとTiger Woodsの全盛期のゴルフなんていうのも戦力均衡からは真逆な時代でした。常にTiger Tiger。一強時代です。戦力が偏っていた。でも実際にはTigerが勝つかどうかだけが気になるスポーツファンが続出したので戦力均衡でないからこそ当時のゴルフが注目を集めたのですよね。

逆に戦力均衡が極端に進んだ例をアメスポで挙げるとNASCARやサッカーMLSがそれに当たります。先週末にMLSのNew York Red Bulls@New York City FCのダービー戦がありました。MLS参戦二年目となったNew York Cityがダービー対決五度目で初勝利、2-0。この試合で勝って同チームはMLS東カンファレンスのトップに立ちました。しかしその戦績は7勝5敗6分。この成績でトップです。サッカーという競技の特性もあってどのチームもどんぐりの背比べというMLSの試合は興味を持たれにくい面があります。焦点がない、と言ってもいい。欧州リーグのように興味の焦点となる強いチームがいて、それに他の群小チームが特攻をかますとか、強いチームが評判通りの強さで相手を蹴散らすとか、そういうのがMLSにはほとんどありません。これ、おもしろいでしょうか。私がシーズンチケットを所有して特定チームを応援していた頃はホームチームの選手はよく知っていたし、使われ方も選手としての特徴も把握していたから試合の中でちょっとした違いを感じとれるので楽しめた面はありますが、そうでないチーム同士の試合、それもどっちが強いともわからない試合「ばかり」のMLS。観戦に焦点が合わずなかなかにつらいものがあります。戦力均衡ってサッカーに合ってないのかもなあと思わされるわけですね。

話があちこちに飛びました。で、元の話に戻ってNBAのDurantのGolden State行きってそんなにNBAをつまらなくするんでしょうか?というかそこまで言うほど圧倒的に強くなるんでしょうか。強くなったとして、強いチームがいるからといってそれがそのまま問題なのでしょうか。

Michael Jordanの最強Bullsの頃もBullsが最強なのは誰の目にも見えましたがリーグの人気は上がりました。あれはTigerの頃のゴルフと似た現象だったでしょう。単焦点だが注目度抜群だったというやつです。LeBronのMiami Heat移籍も結成当時一時的に反発は招いたものの結局は注目度は突出、NBAの人気をさらに加速させました(それが現在のNBA収入増そして今オフのサラリーキャップの増大として形になってます)。KobeとShaqの対立ドラマ付きのLakersの興亡もまた良かったです。どれも当時一強チームに近い状況でNBAは人気を博してきた現実があるわけです。結果から見ると一強のように見えても実際にはどこかが必ず何かをしかけてきて好勝負激戦が展開されてきたんじゃなかったんでしょうか。

今回のDurant入りWarriorsがこれらの一強チームのような求心力を得られるのか。見るのも飽きるほど勝ち込むのか。そうでもないような気がするんですがどうでしょう。勝ち込んだとしたら戦力が不均衡でおもしろくなくなるのか。私にはたぶん逆になるように思えるんですがどうでしょうか。LeBronのHeatが毎年FInalsまで勝ち進んだ。初年度は惜敗、二年目に遂に優勝。あの辺りの盛り上がりぶりは大変なものでした。Durantを加えた新Warriorsが肯定派否定派双方の期待通り予想通りに勝ち込んだらNBAはどうなるかというと、たぶんまた盛り上がっていくんじゃないでしょうか。Clevelandとの三年連続Finals?1勝1敗後の両チームの決着戦三度目の正直?それもまた良いのではないかと思うんですがどうでしょう。(Clevelandの助っ人にWadeが来る、という当ブログが期待していた展開はなくなりましたが)

Durantから見た今回のFA

ずるい、という反応がファンからもNBA解説者の一部からも上がっているKevin DurantのFA移籍。批判の大半は既にNBA史上最多勝まで達成したGolden Stateという勝ち馬に後から乗ったという点についてのものです。個人的にはなるほどこれならDurantがこの方向を選んだ意味はわかるという契約のような気がしています。

なにがわかるかと言うとGolden Stateとの契約が2年契約、1年後に選手側の契約解除権利付きという短期契約であること。つまり一年後なり二年後に改めてキャリア選択する権利を保留した契約ということです。

DurantがOklahoma City Thunderへの残留を選択したくなかった理由は大きく二つあると思うのです。

一つ目は別項にも書いたWestbrookの将来の去就が不明な中、先行してThunderと長期の契約を結ぶことの不安。この件は翌年にFAとなるWestbrookの判断次第。長年のチームメイトでもありDurantにはWestbrookが来季後にどうするかについての推測が外部の人よりも感じられるところがあったと推測してみたいです。UCLA出身のWestbrookが来季後に名門復活を期すLos Angeles Lakersに加入するというようなシナリオは十分に想定できる。Lakersでなくてもとにかくどこかへ転出する可能性は否定できないし、それについてDurantはどうこうすることはできない。今回のDurant自身のFA行使についてWestbrookが干渉しなかったように、Durantが来オフに待つ側になってもWestbrookの判断に干渉することはできないでしょう。つまりOklahoma Cityでの二人揃ってのNBA優勝へのチャレンジはもう一年あるか、それとももう既に終わったかの二通りしかない。Durantが契約更改した後にチームがWestbrookをトレードしたら二人とも最後の一年に賭ける気満々でもその機会すらない可能性だってあるのです。

Westbrookのトレードがないにしても課題となるのは来年一発勝負でThunderが優勝できるか。Golden Stateには勝てるかもしれない。ですがCleveland Cavaliersは相性を考えるとThunderが強みを発揮できる相手かどうか疑問。いずれにせよ難敵です。その難しい道を進むためにもう一回だけのチャレンジをするかどうか。当ブログでは以前からDurantが1年で契約を解除できる形でのThunderとの再契約を奨めてきました。それをThunder側が提示したかどうかがよく見えない。Thunderとしては長期契約で縛りたかったはずですが、Durantはそれは受けにくい状況だったので残留を諦めたんじゃないかと。Durantは現在27歳。ここで長期契約で縛られると、次の契約更改期には31~32歳。それがキャリア最後の長期契約になる。つまりチームを変える機会は今回を含めて二回かもしれなかった。その一回目をThunderに留まることに使う。それもかなりの確率で二年目以降はWestbrookのいないThunderで。Westbrookを来期中までにトレードされれば一年目にすらDurantの残留決断は完全にムダになる。なかなかしんどい決断ではないでしょうか。

一方Golden Stateは1+1と呼ばれる2年契約選手オプション付きをすんなり提示した。確かに既にトップチームであり、西で激闘を繰り広げた相手の軍門に下るようなFA移籍には批判も出るのはわかりますが、同じ1年だけの腰掛け契約ならThunderでもう一回チャレンジ(もしThunderが1+1を提示していたとしても)するのと、Golden Stateに加入して一回だけ優勝にチャレンジするのとでは、後者の方があきらかに優勝に近い(Warriorsから見て難敵のThunderは解体しているわけですから)。Westbrookが来季前や来季中にトレードされて戦力がガタ落ちになるような未確定の契約上の事情もGolden Stateにはない。まず一回優勝はしたい。その上でWestbrookの来オフの動向を確認してからLeBronパターンでOklahoma Cityに帰還しても決して遅くはないというところではないでしょうか。短期契約にしたことで、まだキャリア内で二度ほどチームを変える機会を維持してこのFAを切り抜けることができたとも言えますから。

Boston CelticsもDurantを獲得するチャンスがあったとされますが、BostonではGolden StateやThunderほどすぐに勝てるチームになるイメージが湧かないというのもまたわかります。すぐというところがポイントです。Celticsは地味ながら戦力を積み上げているし、近い将来のドラフト指名権も良い所を持っている。若くして早くも名将の可能性の高いBrad Stevensが指揮する。好チーム好選択肢であったでしょう。ただし来季勝てるかというと、Cleveland Cavaliersが東のトップとして居座る中、簡単なこととは思えない。向こう3年以上の見通しならBostonはかなり良い移籍先だと思えましたが、前述したDurantの思惑からすると気が長い話に見えてしまったのではと思うんですがどうでしょうか。

まとめると向こう1~2年のことを考えた場合、Thunderは不確定要素と下ブレリスクが高過ぎる、Bostonでは迂遠。Golden Stateとの契約が一度キャリアの仕切り直しにもなり優勝にも最短距離で、最もリスクが低く、その後のキャリア立て直しFAという選択肢も二度分手の内に残る。そんなところではないでしょうか。



早くも次の難題 Westbrookをトレードするかどうか

Kevin DurantのFA移籍が決まりその興奮が冷めていない中、早くも次の難題を抱えるのがOklahoma City Thunderです。今オフのFAの目玉がDurantなら来季後のオフでの最大のFAの目玉はRussell Westbrook。Thunderの最良シナリオとしてはDurantをキープ、そこそこの長さの契約を受けてもらうことで、来オフのWestbrookのFA化も思いとどまって貰いダブルエースを維持してNBAのエリートチームとして残りたかったはず。しかしそのシナリオはもう不可。Durant抜きのThunderに来オフのFAでWestbrookが残ってくれるかはThunderにとっては大きな悩みでしょう。Durantの残留を願って契約最終年にDurantの放出をしなかったためタダでDurantを失ってしまったわけです。同じ事がWestbrookとの間に起こったらThunderにはもうスターがいないただの地方チーム。Durant、WestbrookだけでなくJames Hardenもいたのに結局、ひとりまたひとりと去っていき何も残らないとしたらあまりにも寂しい。よってWestbrookの契約最終年にWestbrookをトレードで放出してなんらかの対価を得ておくべきなのかもしれない。そういう悩みがいまThunderの首脳部を悩ませているはずです。

Durantが去ったことでWestbrookに割かれるオフェンスの機会はさらに増えるでしょう。得点王も狙えるかもしれない。Durantをケガで欠いた時期のThunderの過去の成績を考えるとWestbrook一人エースでThunderが勝ち込めるかどうかは懐疑的にならざるを得ないですが、コントラクトイヤーでもありWestbrookの得点はかなり伸びるのでは。Westbrookの成績は伸びるわ、Thunderの成績は奮わないわという来季前半戦になったらもうこれはWestbrooのトレード待ったなしの状況といえましょう。

さらに先回りして今オフのうちにトレードでWestbrookを欲しがるチームがあればThunderは当然これを考慮するでしょう。対価として上位ドラフトピックを複数オファーしてくれるチームがあれば。

でももしそうなるとThunderは、あの壮絶な西カンファレンス決勝での激闘を最後にDurantもWestbrookもThunderとしてのキャリア終了ということにもなります。うーん。

Durant離脱のショックも冷めないのにWestbrookの処遇を考えるThunder背広組。悩みで禿げそうなオフですね。




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