アメリカスポーツ三昧

アメリカ永住コースか、または第三国に出国か!?スリルとサスペンスの人生とは別にアメスポは楽しい。

MLB/Baseball

LLWS観戦に行ってきました

Little League World Seriesを現地観戦に行ってきました。場所はペンシルバニア州South Williamsport。Portというからには元々は港の街として拓かれた街なのでしょう。河川交通の要衝だったのかもしれません。Williamsportは山深い同州中部の人口3万人の小都市。LLWSの会場は川向うのSouth Williamsport市の方にありますが、LLWSのロゴにはWilliamsport, PAと書かれてますね。PAはペンシルバニア州の略です。
遠いアパラチア山脈にある街。タイミングを考えると今回が一生に一度の観戦のチャンスかなと思い、少々無理をして行ってみたわけです。行ってよかったです。

日曜日にはPhilliesのマイナーAチームであるWilliamsport Crosscuttersの本拠地でNew York Mets対Philadelphia Philliesの公式戦が開催。これは昨年から始まった「MLB Little League Classic」の試合として開催。昨年はWilliamsportから一番近い同州内のPittsburgh Piratesが、今年は距離は少しありますが同じく同州内のPhilliesがホームチーム扱いで登場。Mets所属のTodd Frazierは少年時代にLLWSでの優勝歴があり、他にもPhilliesに1名、Metsにも1名、LLWS出場経験者がいてLittle League Classicのホスト役としては適任のチームでもあったのでしょう。アメリカの野球人気にとって草の根を支えるLLWSを補強するためにMLBが採算度外視して一試合を提供している状態だと理解してます。

スケジュールの都合上私は日曜夜のこの試合まで現地にとどまることはできませんでしたのでそちらの試合の方は現地では見ていません。MLBコミッショナーのRob Manfredもこの日はLLWSの試合会場にも顔を出しており、LLWS出場の子供たちと直接交歓するなどずいぶんとサービスしてます。子どもたちにとってはコミッショナーなんてただのオジサンでしょうが。他にはMets所属のJose Bautistaは親がスペイン生まれなんだとかで、後述するスペインチームの面々にとっては格好のホスト役。他にもMLB屈指の先発投手であるJake Arrieta、Noah Syndergaard、Jacob deGromといった面々が昼間のLLWSの試合をスタンドで観戦しながら少年選手たちにボールの握り談義を延々していたりとのどかな感じで野球文化の良さを感じさせてくれていました。

LLWSの試合の方の感想。今回は欧州アフリカ代表としてスペイン・バルセロナ市の少年野球チームが参加。初戦の日本(川口市)とも途中まで接戦を演じ(投球数制限で先発投手が降りたあとに滅多打ちにあって1-11でコールド負け)、次戦でもカナダを相手に延長戦を戦って好試合を連発したのが良かったです。スペインで野球をやっている子たちがいるんだなあというのは大いに意外でしたし、日本カナダと言った野球の強い国のチーム相手にも一方的にやられるわけでもなく戦っていたのは心強いものがあります。細かいことを言うと後攻のカナダがランナー二塁・単打でもサヨナラ勝ちかという場面で外野手を前に移動の指示を出せない監督さん(または自主的にそうしない選手)を見ると野球の機微がわかるほどには野球に馴れてないんだろうなぁとは思うものの、そんな環境下で練習して大過なく打撃守備などこなしていく少年選手たちを頼もしく感じたりもしました。
日本チームは第2戦でもパナマの大型好投手の100時速マイル相当の速球に苦戦しつつも競り勝って開幕2連勝で好位置につけてます。次戦は水曜日に対韓国戦。
国際側も米国側も熱戦接戦逆転の試合が例年以上に多く、大変楽しめました。

会場は自然の丘陵を利用して建てられており、LLWS名物外野席の芝のスロープを雨天試合中断中にも滑り降り、泥だらけになっている子どもたちがあちこちに歩いていたり。会場自体は入場無料なので近所の子はみんな来てる感じで、高校のフットボールの試合のような雰囲気(と言ってもおわかりいただきにくいでしょうが)でお祭りっぽい感じです。

Jr. NBA さすがにまだまだ

バスケットボールがアメスポ内でその存在感を増して、夏侵攻でMLBのシーズンを侵食しようとしているということを昨年来当ブログではなんどか書いています。その文脈で野球の夏の一大人気コンテンツであるLittle League World Series(LLWS)に対抗しようというのでしょう、NBAが少年少女バスケの世界大会を企画。Jr. NBA World Championshipとして今週末に決勝戦が行われます。今日土曜日は全米優勝チームと国際優勝チームが決まり、翌日曜日にその優勝チーム同士が戦い世界チャンピオンを決めるという段取り。男子・女子同時進行です。

過去当ブログでは何度もLLWSが野球の露出にとって大きな役割を担ってきていることを書いてきています。アメリカの野球人口・人気の根っこの部分を支える大事なイベント、人気イベントです。米国内から8チーム、国外から8チームが集い毎年熱戦を繰り広げます。全試合がESPN系で生中継。動員良好、視聴率も立派な夏のアメスポの定番イベントです。現在は米国内の出場チームを決定する地区決勝戦が各地で行われているところ。既に出場の決まっている国外の代表チームも続々と会場であるWilliamsport PAに到着してくるところ。

その野球人気の根っこに挑戦しようという今回のJr. NBA World Championship。初の試みでどうなることかというものなのですが、様々課題がありそうです。いま女子の方の国際優勝戦としてEurope対Asia-Pacificの試合が行われてますが、率直に言えばこれは観戦に耐えないです。LLWSなら技術体力は子供ながら試合は試合として拮抗して楽しめる攻防になるのですが、Jr. NBAの方はつらい。第1Q(各Q8分)のスコアが9−2。シュートがまるで入らない。昨夜男子のアメリカ側の試合もちらっと見ました。そちらはさすがにこれよりはシュートは入ってましたし、動きの良い子もいたんですが、男子の方の国際の試合のレベルはどうなっていることか。女子のアメリカ側の試合も見ていないので想像ですが、男女ともアメリカ側のチャンピオンが国際側のチャンピオンに圧勝してしまったら締まらない。
また現在プレーしているEuropeチームは欧州各国からのオーディションを経た各国からの選抜チーム。Asia-Pacificはオーストラリアのクラブチーム。両チーム全員白人の子のように見えます。アジアと言ってもオーストラリアか‥ 14歳ぐらいだとオーストラリア以外のアジア人のチームだと高さで全然話にならないのかも。

まだ試合は残っていますのでなにか面白いことが起こるのかもしれませんし、二回目以降回を重ねることで大会形式などが練られていって良いものになる可能性もあり、まずは一回目やってみたというところでしょう。近い将来にLLWSを脅かす可能性は薄いとも思えました。

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追記・男子の国際決勝を見て意見が変わりました。今時間がないのでまた別途書きます。LLWSとは意味合いは違ってしまう面はありますが、有能な選手が多くて、というか有能過ぎるというか。

セイバーメトリクスで見直されて殿堂入り

Alan Trammellが野球の殿堂入りするという記事を見ました。正直この方を知らなかったです。Detroit Tigers一筋で20年のキャリアを過ごした。守備は主にショート。打率.285 ホームラン185本 打点1003 通算安打2365。打撃成績で目立ったところはありません。オールスター6度 World Series MVPを1984年に獲得したのがたぶんキャリアとして最も輝かしかった瞬間の選手と言えそう。殿堂入りの投票(75%以上で当選)では資格最終年度に40%に届かず、投票の対象から外れた方です。

そのTrammellがなぜ今になって殿堂入りするかというと、彼のキャリア成績をWAR(Wins Above Replacement)で示すと70.7という大変高い値が出るから、というのものです。過去のMLB全選手のWARをランク付けしたページによれば現時点でTrammellは93位。Trammellより下に新旧多々の殿堂入り選手・殿堂入り確実な選手たちなどの名前が並びます。目立つところを挙げると同じ遊撃手だったBarry Larkin、Scott Rolen、Gary Carter、Carlos Beltran、Tim Raines、Manny Ramirez、現役Miguel Cabrera、Tony Gwynn、John Smoltz、Eddie Murray、Ivan Rodriguez、Carlton Fisk、Edgar Martinez、Kenny Lofton、Robinson Cano、など。これらの名選手以上のWARを通算20年で達成したその実績が見直されての殿堂入りというわけです。
WARという概念は彼の現役中には存在しなかったのが、後年になって新しい評価方法が確立してこのような再評価を受けられたというのは不思議な旅という感じであります。事細かにデータでその成績が残る野球ならではの事態と言えましょう。

ちなみにTrammellよりかなりWARランクで下になるEdgar Martinezは今年の殿堂投票で70.4%まで得票を上げてきており次点、もう一息。来季が10年目で投票対象有資格での最後の挑戦になります。届くか。DHだったことが最後まで響いて届かずか。
今回Trammellが当選して、もし来季の最終挑戦でEdgerが殿堂入りに届くと、その次はKenny Loftonが救済対象になっていくのかもしれません。Loftonは現役当時個人的にお気に入りの選手だったので再評価されることがあるなら嬉しいところ。2013年に資格対象となり初年度に得票3.2%で翌年の投票対象から除外(5%未満)となっています。Lofton自身は自分の現役キャリアがステロイド全盛期にかぶったことが自己の評価を相対的に下げられたと落選後悔しい心の内を吐露していたことがありました。

また雨で試合中止

ESPNのMLB定時放送のWednesday Night Baseballが試合途中で雨天中止となり、これで日曜日のNew York市内対決に続いてESPNのレギュラー放送が二試合とも流れてMLBの試合の中継がなくなりました。日曜日の試合中止決定までも粘ったのですが、今日も午後10時近くまで試合中止の最終決定がずれ込み。試合は開始されてビジターのBoston Red Soxが5−0でリードしたのですが2回で中止決定。これでMookie Bettsが打った今季25本目のホームランも幻と消えました。
これまであまり大きな問題とは思っていなかった興行としての野球の雨天での弱さはMLBの将来を考えるとそこそこ問題なのかなと思わされる全国放送の二試合連続消滅です。

一方ドーム球場で行われたNew York Yankees@Tampa Bay Rays戦でおもしろいことがあったみたいですね。RaysのクローザーSergio Romoが8回表一死で投入されてその回は締めたのですが、9回表にRaysは別のリリーフ投手を投入、Romoをサードベースの守備に廻したのです。つまりRomoに5死を任せるのを躊躇ったというわけです。Yankeesの左打者に対する極端なシフトで二塁ベースより左に一人だけになるサードに投手を入れる。どうするのかなとなったら打者が三塁側にバント、これが内野安打に。あれはRomoが守っていなくても内野安打になった打球ですが。一死後にRomoを投手に戻してそこからも投手前のゴロをRomoが勇んで取りに行ったけどダメとか少々ぐだぐだしたのですが、なんとかRomoが投げ切ってRaysが勝ってます。
これに似たケースはMLBでは1991年以来だとか。Romoの投手としての負担軽減とか、または契約上5アウトのリリーフはさせられないとか事情があったのかもしれませんが、でもしかしなぜサードをやらせたんですかね?外野レフトなら攻めるYankees側も狙い撃ちはできなかったと思いますが。
おもしろいのは各メディアのBox Scoreが投手の二度登板という事態に対応できなくて、Romoが最後に登板していないように見える状態になっていること。最後に投げた投手ではない投手にセーブが付いたように見える形になってます。

ESPN Sunday Night Baseballの努力の跡

昨日NBAとの比較で触れたMLBの全国放送における人気チームへの依存度・偏向具合について少し観察をまとめてみたいと思いました。MLBの全国放送はESPN系列でも週二度、地上波を含めてFOX系列も放送するので量はかなり多いです。MLB Networkでも定時放送があります。放送開始以来29年目となるESPNのSunday Night Baseballを例に見てみます。SNBは解説にAlex Rodriguezを起用するMLB放送の看板番組です。

これがESPN Sunday Night Baseballの今季の当初の放送予定
でした。これが全試合ではなく、放映予定カードがここに載っていない日曜日の分は放映日の二週間前に決定すると但書き付き。そこに放映カードの自由度をもたせて、予想外の話題・活躍となったチームの試合を全国放送に乗せる仕組みになっています。
2018シーズンの18週分がSunday Night Baseballで試合をすることが事前に発表になっていて、昨年優勝チームであるHoston Astrosが4試合に登場で最多タイ。他にNew York Mets、New York Yankees、Washington Nationals、Chicago Cubsが各4度登場。St. Louis Cardinalsが3度登場(3度ともCubsをホームに迎えた同一カード)。2度登場がSan Francisco Giants, Los Angeles Dodgers, Los Angeles Angels, Boston Red Soxの4チーム。Texas Rangers、Arizona Diamondbacks、Cleveland Indiansが1度。全部で14チームがSNBには登場が決まっていた。MLB全30チームのうち過半数の16チームは放映予定がありませんでした。

Cubs x Cardinals戦はNLの伝統のライバルカードと認識されているようでSNBだけで3度も放映予定。その他にも先週のオールスター(火曜日)明けの木曜日にMLB唯一の試合として組まれたのもこのカードでした。他の28球団はお休みで金曜日からリーグが全面再開。28チームのオールスター出場選手はオールスター戦から2日間の休養日が確保されたということです。それをMLB代表試合として全国カバーする役目に起用されたのがCubs x Cardinalsだったと。
St. LouisでのCardinalsの地元での人気は抜群で全国放送でもCardinalsの試合は数字がはっきり上がるとされます。そしてCubsは同地区内の最大のライバル。Cardinals地元ファンの意識ではCardinalsはNew York Yankeesに次ぐ野球のプレミアチームという意識で、地元で抜群の人気。NFLも結局St. Louisでのビジネスを諦めて転出したし、NBAもリーグ拡張の話題になってもSt. Louisは名前があがりません。全国区で考えてCubs x Cardinalsがどれほど魅力的なのかは計りかねますが、とにかく3度も組んでしまうのですからESPNとしてはこれ以上のカードは他にあまりないのでしょう。
他に同一カードが複数回組まれていたのはYankees x Metsの同市内インターリーグ対決のみ。(とこんな風にシーズン前からプレミア感のあるESPNとしては大事な試合だったのにそれが雨天中止になってしまったわけです)

先に説明した通りシーズン中に放映試合が決まっていく週もあり、例えば二週間後の8月5日は上のリンク先の予定表にないYankees@Red Sox戦の放映が発表されています。伝統のライバルでもあり今季ポストシーズン登場が確定的な好調な両軍の試合放送登場回数は最終的には全体でトップクラスの数にのぼるのでしょう。その次の8月12日分はまだ発表がありませんが予定試合を眺めるとNationals@Cubsか、Seattle Mariners@Astrosですか。たぶん後者。

とまあそんな具合でMLBとESPNもそれなりに好カードを全国放送で提供すべく人気チームに寄せる努力はしている様子は見て取れます。でもまだ弱いかもなあ、と思うのは私にMLB観戦への情熱が足りないからでしょうか?それともMLBに全国区の人気チームが存在していないからでしょうか。
人気チームというよりは大都市圏のチームに寄せてそれぞれの地元のファンが見てくれることで視聴率が上がることを期待するという感じに見えます。都市圏人口で言うとNew York, LA, Chicago, Dallas, Houston, Washington DCの順で6大都市圏となってます。18週すべての予定された試合の少なくとも一方はこの6大都市圏のチーム、9週は両軍ともが6大都市圏のチームのカードになってます。

ESPN、Yankees粘るも中止

日曜夜のESPNのMLB定時放送でNew York Mets@New York Yankeesの試合が放送予定でしたが結局雨天で中止となっています。この試合は期待の試合だったので雨で試合がやっていないのにESPNはさんざん粘って1時間以上生放送を続けたのですが遂に断念、その後は今年のホームランダービーの再放送に切り替えていました。
サブウェイシリーズの市内対決。両軍の先発はMetsがJacob deGrom、YankeesがMasahiro Tanakaの予定。deGromについては今季以前に触れました。無援護が続く散々なシーズン。この試合前の段階で防御率1.68と抜群の成績を維持しておりNLトップ。しかし勝敗は5勝4敗。6月に当ブログで記事にした時点からの8試合で防御率を1.49からは少し落としたわけですが、その間の勝敗がなんと1勝4敗。自責点で見るとその8度の先発で順に2-1-1-3-3-1-0-2。防御率1点台ということは2自責点の完投でも防御率が悪化するという大変な状況なので、実際には完投することはない現在のMLBでは自責点1でもほとんど防御率は下がらない、そういう状態です。そういうMLBの屈指の好投手が大苦戦中のシーズンというわけです。
対するTanakaは防御率4.64で7勝2敗。Yankees打線の援護を背景にまずまず見栄えの良い勝敗実績となってます。そのYankees打線を相手にdeGromがどんな投球をしてくれるか、という期待の全国放送だったのでした。しかし結局は雨天中止。メジャースポーツで雨天中止があるのはMLBだけ。フットボールは野外ですが雷や竜巻でなければ試合は続行するのが当然となってます。

この3連戦の第一戦ではMetsがもう1人のエース格Noah Syndergaardを立てての試合が全国放送になっていてそちらも全編ではないですが見ました。MLBを代表するエース格の投手が優勝候補チームの強打線を相手に戦うというのはやはり魅力があります。見たいと思わせる。
比較としてNBAの放送を考えます。NBAの全国放送は人気チームの放送に大きく偏っています。WarriorsやLeBron Jamesの所属チームがどちらも出ない週末の全国放送なんてありえない。対戦相手もHouston、Boston、Oklahoma Cityなど人気チーム・人気選手の所属先が圧倒的に多い。プレーオフでLeBronを苦しめた大健闘Indiana Pacersは昨季の全国放送は驚きの1試合。それぐらい大胆に人気チームを全国的に推し、そこから漏れると放送もほとんどない。
それに比べるとMLBの全国放送のカードは偏りが少ない。思い切ってそれをNBA並に人気チームを大々的に取り上げるように変えるべき時期に来ているのかも。視聴意欲が全然違ってくると思うんですよね。

MLBコミッショナーがTroutを批判

なにを言い出すかと思えばこんなことをMLBのコミッショナーが言い出すとは。MLBの未来は暗いなと思わせるものがあります。少なくともこのコミッショナーでは展望が開けることはないのでは。
MLBコミッショナーのRob ManfredがLos Angeles AngelsのMike Troutについて批判しています。コミッショナーの発言は迂遠なので適当に意訳して話を進めますが、要はTroutがホームランダービーに出場しなかったことにManfredは不満であり、またTroutの認知度が他のジャンルのスター選手に大きく劣っているのはTrout自身の努力不足のせいだと指摘してます。
ここで言うTrout以上の認知度を持つ他のジャンルというのは主にはNBA選手であり、次いでNFLや、さらには下位ジャンルであるサッカーのCristiano Ronaldoにすら顔と名前の一致でTrout以上(というかすべてのMLB選手以上)だというデータがあることに基づきます。(Ronaldoの通常の試合はマイナー局での放送なので視聴率は0.1%レンジの世界ですが、こと顔から名前を認識する認知度では高い)

一般アメリカ人の認知度不足の責任をMike Trout本人の努力不足だと言ってるんですね。とんでもない勘違い発言かと思いますが、これがいまのMLBのコミッショナーの認識なのです。
いや違うだろ、と。MLBがタコ壺化して野球ファンだけがMLBのベストプレーヤーであるMike Troutを知っているようになってきている、そういう問題だと私には思えますが、コミッショナーはそうは思っていないそうです。

この発言が飛び出たのはオールスター戦のときの話で、ホームランダービーへの大量参加拒否にコミッショナーがムカついていたタイミングであったでしょうから、言わずもがなな余計なことを言った面もあるのでしょう。確かに先日も当ブログで指摘した通りMLBの選手たちにはファンサービスイベントとしてのMLBオールスター戦やホームランダービーの意義を既に忘れてしまっていると思われるところはあり、コミッショナーが選手たちに苦言を呈したいという気持ちはわからないではない。MLB選手たちの危機感のなさは異常です。それは試合の時短への抵抗など他の面でも現れていて一向に改善のスピードはあがらない。このままではMLBが、ひいては野球がバスケットボールに完敗する将来は避けがたいように見えます。既に若い世代は野球をまるで見なくなってきている。それなのになぜそんなに危機感がないのか、理解不能です。

今日もMLB Networkの名物コメンテーターが嘆いていましたが彼の息子たちですらポストシーズンぐらいしか野球を見ないし、16歳の息子が「Cy Young」という文字を見て「シーワイヤングって何?」と彼に訊ねたというのです。野球の専門家の家庭でこのざまなのだと彼は自虐的に言って笑いをとってましたが、MLBへの若年層での興味の低下は笑い事では済まないレベルまで落ちている可能性があります。そして彼らはMLBのベストプレーヤーMike Troutの顔を知らない。こんなのはMike Trout本人の努力とかそういうレベルの問題ではないはず。

確かに選手側も問題があります。労使協定の交渉で「提供するオムレツは調理人が調理したものとすること」とか「移動のバスは選手一人当たり2席を割り当てる」とかジョークとしか思えない要求をしていたりする。オムレツが何だって?そんな要求はするが「オールスターでは投げたくない」「ホームランダービーに出て成績が落ちたら嫌だ」。MLB機構が推進する時短策にことごとく抵抗する。ああ、MLBの衰退は外から来るのではなく内からなのだなと思わせるものが多々あります。

だからと言ってコミッショナーがTroutを責めてどうなるのか、という点はどうでしょう。MLBという商品自体がそのアピールを失いつつあるから一般人が誰一人MLBの選手を顔認知できないのです。Troutがダービーに出ないなんていうのは枝葉の問題です。出た方が良い。良いですがそれは問題の矮小化です。MLBという商品の魅力低下の問題の核はそこにはありません。

MLBの現在地の縮尺版か

さきほどMLBオールスター戦が終了。終盤になって両軍ともに激しく得点を重ねたので遅い時刻まで付き合った観衆や視聴者は楽しめたかと思います。昨年のWorld Seriesの再現のようなチャンピオンHouston Astrosの選手がLos Angeles Dodgersの投手からホームラン連打。今年もHoustonなのかなあと思わせる持ってるぶりでした。

オールスター戦における最多試合ホームランの記録を大幅に更新。昨年のポストシーズンもそうでしたけれどホームランばっかりですなあという感じ。もうこういうものなのだと割り切って馴れるしかないのか。
他のスポーツでもそういうことはあります。NFLは現在パス全盛で、20年前30年前とはラン・パスの比率が完全に変わってしまってゲームのフローが変質している。NBAでは3ポイントシュートの割合が遥かに高まり、これまた試合の質が変わっている。それと同じようにMLBの試合がホームランと三振ばかりになっても仕方ない、馴れるべきなのかどうか。まだ議論が必要な気がします。

あと今日思ったのですが、オールスター戦なのだからレギュラーシーズンの試合とルールは別ものでも良いはずで、一度ベンチに退いた選手が再登場できるルールにしたらどうでしょうか。ファン投票で選ばれた選手が先発するというルールもあるため、試合が後半に行けば行くほど人気のスター選手抜きでの試合になってしまう。普段の試合では当たり前ですが、オールスター戦なのだから特別ルールで良いはずかと。それぐらいの工夫はあっても良いように思います。

ホームランダービーと愛国

昨夜のMLBホームランダービーで地元Washington NationalsのBryce Harperが優勝。決勝はかなり時間が苦しくなってきたところから一気にスパート、打ちまくって同点。ボーナスタイムの30秒で1本打てば優勝というところから2球目を文句なしの一発で決めてます。スター選手が大量辞退となって出場メンバーが寂しかった今回のホームランダービーを見事に地元のスターが救ったことに。
追い込まれてからの集中力がすごかったです。8本9本?連続で叩き込んで一気に追いつきました。投げていたのはHarperの父親。息子のスイートスポットである若干インコースを狙って投げ込むのですが、決勝までに既にかなりの球数を投げていたせいかうまくボールが来てくれないので息子が苦戦。つらい場面だったかと思いますが、そこから二人とも波に乗ってフィニッシュへ。本物のスターは違うわと感嘆させられるイベントとなりました。決勝で敗れたKyle Schwarberも納得の拍手。
Harperは今季後にFAでNationalsからの転出が有力視される中でのこの快勝。出ていくにせよ出ていかないにせよ、ひとつ武勇伝が増えたことは確実でしょう。

あと目立ったのはHarperが公式戦では使えない星条旗柄がプリントされたバットで打ちまくったところですか。イベント前からヘルメットを着用せずバンダナ姿。アンダーシャツも星条旗柄と愛国全開モード。
MLBとアメスポ第2位の地位を争うバスケNBAがほぼリーグ全体でアンチトランプの方向なのと対称的に、首都ワシントン地元で開催のMLBオールスターはそのような方向性はなし。
イベント前の米軍機によるフライオーバーは、出場選手紹介後にフィールド内で炸裂した花火の煙がたまったままで機影がまったく見えないというアクシデントもありましたが、無事終了ということになってます。あの煙はひどすぎる。事前にリハーサルとかしてないのか、観客席からは選手の姿も見えなかったみたいですね。
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