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MLB/Baseball

MLBの契約期間の縛りのなさが生んだ悲劇は長い

Ben SimmonsとAnthony Rendonのケガのニュースを読むとなんとも言い難い気持ちになります。
NBA Brooklyn Nets所属のBen Simmonsが背中の調子が思わしくなく今季残りの不出場が確定と報道が出ました。既に3月ですし所属先のBrooklyn Netsは今季25勝37敗と低迷。東カンファレンスの11位なので現行のplay-in制度では10位までプレーオフ進出の可能性があるため10位まで3ゲーム差、まだプレーオフ進出の可能性はなくなったわけではないですが、ただSimmonsは今季15試合しか出場してませんから宣言しようがしまいがどうせ出ないだろうしもういいやってことでしょう。

Simmonsの長かった最悪契約も来季が最終年。もう無の心境で今年はシャットダウン決定。来季にどこかのチームがトチ狂ってシーズン中に来季の$40 millionのサラリーの一部でも引き受けようと思う程度に健康でいてくれればってとこでしょう。なんともならなければ来季$40 million払って次だ次ってことで。


MLB Los Angeles AnglesのAnthony Rendonの場合はもう本人が開き直ってますからね。Ben Simmonsは少なくとも本人は口をつぐんで報道陣の質問を無視するだけですが、Rendonの場合は「コレは仕事で俺にはもっと大事なものがある」とか言っちゃうんでヤレヤレ度はさらに高い。たぶんRendonの心理カウンセラーからもうそう言っちゃいなさいとアドバイスが出てたりするんじゃないですかね。言わないとRendonが病むので。この春の発言の感じはそういう印象を受けました。

Rendonがまた脚の付け根部分のケガだそうです。何度目かわからないしどうせ出ないでしょと思ってるから驚く人ももういないでしょう。出ても成績は上がらないし。
問題はRendonの契約がまだ3シーズンも残ってることです。$38 million x 3年で総額$114 millionの残額。その存在自体がFAのShohei Ohtaniに逃げられた一因で、MVP3度のMike Troutのチームが好成績を残せるチャンスをこれからまだ3年も削り続ける存在であろうかと思うとファンにとってはうんざりどころではない。その上耳障りなことを言うんだからどうしようもない。

確かにお金は大事なんでRendonから引退するとは絶対に言わないのはまあわかる。この状況では不人気が過ぎて引退後にお仕事はまず来ないですから取れるだけ取るんだという人生設計。
それともWorld Seriesを勝ったWashington Nationalsの地元に行けばこんなぼろぼろのキャリア晩年でもNationalsには被害を及ぼしてないし西のALのチームの成績なんて東海岸からは見ようとしなきゃわかりゃしないし暖かく迎えられたりするんでしょうか。

Ben Simmonsはオーストラリア人選手。東京五輪のときもオーストラリア代表入りするかも云々やっていました。まさかですがオーストラリアではパリ五輪へのBen Simmonsの登場への待望論とかあったりするんでしょうか。Rendonと違ってNBA引退後はオーストラリアに引っ込んで悠々自適生活に逃げられそうではあります。将来オーストラリアのプロリーグNBL関連で名前を聞いたりすることもあるんでしょうか。

Adam Jonesが語る

MLB Los Angeles Dodgersのビッグクラブ化が止まらなくなってきたようです。NPB OrixからポスティングでYoshinobu YamamotoがDodgersに移籍することが発表。金額もはずんで12年$325 millionと巨額。金額はMLBの大エースGerrit Coleの$324 millionを超えてますから評価としては史上最高額。この金額にはOrixに支払うポスティングフィー$50 millionが含まれていないので支払い額は一球も投げていないうちにMLB史上最大の契約。
まあ今のアメリカってここ数年ですべてのものが値上がりしているのでそのインフレ額も考慮に入れると単純に史上最高額の投手とは言えないのかもしれませんがとにかく最大級の評価を受けてのMLB入りとなります。

これでShohei Ohtani、OhtaniがDodgersと契約をした後にFAで加入したTyler Glasnowの5年契約も含めて大補強に成功しています。Ohtaniの契約の方がニュースバリューは明らかに高かったんですが、Ohtaniはあまりその辺を気にしないのか土曜日にDodgersとの契約を公開しましたよね。NFLシーズン中に土曜日にスポーツネタのニュースを出すのはイマイチセンスが悪いんですが野球しか眼中にない方にとってはそんなものか。Dodgersの方はその辺はわかってるので正式記者会見は次週の週中まで待ちましたよね。

OhtaniがYamamotoとのDodgersの面談交渉にも同席したとか、Glasnowにも直接メッセージを送って勧誘したとかと報じられていてOhtaniがDodgersで勝ちたいんだなという意思は強く感じられます。
予算的には既報の通りOhtaniは常識外のサラリーの後払いとなっておりDodgersにとっては贅沢税面で強く助けとなっており、それで浮いた額でYamamotoとGlasnowの両取りに成功したとも言える。
これだけ陣容が整ってスーパーチーム化するとベテランFAがリング欲しさに短期でもDodgersへの加入を考える可能性も十分考えられてこれでDodgersの今オフの補強が終わりとは言い切れないところもおもしろいです。

表題はOrixでYamamotoとチームメイトだったAdam Jonesがベースボールマスコミでいろいろ喋らされているのが目立ったので。Adam Jonesと言えばIchiroとSeattle Mariners時代にチームメイトだったりとなにかと日本通の部分があります。移籍してからMLBのトップヒッターの一角に食い込んだBaltimore Orioles時代にはKoji Ueharaともチームメイトだったんじゃないかな。

Adam Jonesに言わせるとYamamotoがOrixでリーグ連覇、World Baseball Classicでも優勝とここ数年で優勝の美酒を味わうことが連続していて、MLBでもそれを再び味わえる可能性が高いチームを選んだんじゃないかなという推測をしていてなるほどなと思わされました。JonesはBoston Red SoxのMasataka Yoshidaも元チームメイト。NPBでのプレー経験でNPB選手たちの練習ぶりなどもよく見知っているためMLBマスコミで重宝されている様子が見て取れます。けっこう喋りもうまい。MLBべったりでもなくNPBべったりでもなく双方の差異をうまく解説できる。

アメスポのマスコミ記者やライターって過去は大半はシーズンごとの契約で、オフシーズンには書き手も記者も激減する、関係者のお仕事の機会も減る、当然マスコミ情報も激減するのが当たり前だったのですが、今はMLBテーマのYouTuberが多数存在しているためなにかと情報が多いですね。Adam Jonesなんかはこの旬の話題にぴったりでそれがすぐ出演に結びついてお金になるわけですね。

Rangersが打ち勝ってWorld Series制覇

緊張感のある投手戦。6回までノーヒットノーランで抑えられていたのを打順3巡目で捉えたTexas Rangersが終盤に畳み掛けて5-0。第5戦で勝負をつけてWorld Seriesを制しています。最後の9回裏のストライクゾーンが広がっていてあっさり試合が終わったのはご愛嬌ですか。レギュラーシーズン中から怖かったMarcus SemienとCorey Seagerの1−2番が今日も見事に良いところで打ってます。

絵面の見栄えがするのは勝負を決めた9回表のSemienの豪快2ランホームランの方でしょうが、0−0の均衡、ノーヒットノーランに抑えられてた場面でRangersの初ヒットを記録したSeagerのしぶとさの方に私は惹かれました。シフトの逆方向で三塁手の左を抜いて口火を切ると3連打で先制点。

Diamondbacksも粘ったんですが最後までホームベースは遠かった。Rangersはクローザーも投入の必要もなく余裕を持ってのフィニッシュとなりました。投げる方では先発のNathan Eovaldiの粘投が素晴らしかったです。味方打線がノーヒットに抑えられている間、Eovaldiは苦しい場面が多かったのを切り抜けて0-0のまま6イニングを投げきってます。


このポストシーズン、NLではPhiladelphia Philliesが、ALではこのTexas Rangersが打棒で勝ち上がってきていて、それもPhilliesはBryce Harperが、RangersはCorey Seagerが中心打者の貫禄十分の打ちまくり。Harperは惜しくもWorld Seriesに届かなかったんですけど、Seagerはレギュラーシーズン終盤に失速して首位打者のタイトルを獲り損なった残念はもう忘れられる素晴らしいポストシーズンになってます。

PhilliesはNLCSで打線が湿ってしまった。Rangers打線の方は湿ったタイミングはレギュラーシーズンの終盤。苦しい終盤戦だったんですが今となってはあの時期に苦しかったのも良かったねポストシーズンじゃなくてという感じです。

Seagerは堂々のWorld Series MVP。第1戦の土壇場のno doubterの一撃には声が出ました。これでSeagerは2020年のLos Angeles DodgersでのWorld Series MVPに続いて2度目のWSMVP。別のチームでWSMVPを獲得したのはReggie Jackson以来2人目。

スモールボールの差でDiamondbacksが逆転World Series進出

ここまで豪打を誇ってきたPhiladelphia PhilliesがNLCSの第6戦1得点、今夜の第7戦で2得点に終わってホームでの2試合を落として敗退。NLを勝ち上がったのはレギュラーシーズンの最終盤をへろへろ4連敗でぎりぎりでポストシーズン進出したArizona Diamondbacksとなりました。最終スコアは4-2。

象徴的な差になったのが5回の表裏の攻防でした。5回表Diamondbacksはこの回2得点をあげて3−2と逆転に成功したんですが、単打→送りバント→タイムリー単打→盗塁→タイムリー単打と2得点。特に2死後の盗塁の直後のタイムリーヒットで逆転、これが効きました。

その直後の5回裏のPhilliesは先頭の1番Kyle Schwarberがライト越えの2塁打で攻撃開始。しかし2番のTrea Turnerが送りバント失敗の後に3塁ゴロでランナーを進塁させられず。3番のBryce Harperはレフトフェンス際まで飛ばすフライアウト。Turnerのところでランナーを3塁へ進塁させていれば脚の遅いSchwarberでも確実に帰ってこれる飛距離だったので残念感が強かったです。そのまま無得点で終了。
表のDiamondbacksの小技が効いていたその直後だけにPhilliesの誇る強打の1〜3番で追いつけなかったところがこの裏表で象徴的になったと。

そのPhillies上位打線にはもう一度チャンスが7回裏に回ってきましたが1死1塁2塁でのTurner、Harperが倒れてそこまで。これが最後の機会で8回9回は6連続アウトで強打の上位打線にはもう打順が回ってきませんでした。

第6戦第7戦と2試合連続4盗塁のDiamondbacks。シリーズ後半になってこうなったのはPhillies投手陣のクセをどの時点かで掴んだってことでしょうか。この小技の冴えがWorld Seriesでも発揮できるか。

DiamondbacksのWorld Series進出はあのLuis GonzalezがMariano Riveraを打ったあのとき以来。2001年なので22年ぶり。

NBAも開幕して4大メジャー全部シーズン中に

昨夜MLB ALCSが第7戦で決着。7戦すべてビジターが勝ってTexas RangersがWorld Seriesに進んでいます。RangersのWorld Series進出は2011年の対St. Louis Cardinalsとのシーズン以来。David FreeseがWorld Series MVPになった年ってことですね。かなり昔のような気がしますがまだ12年前ですか。

今夜はNLCSの第7戦が予定。これが今夜開幕のNBAのシーズン開幕戦にかぶります。
NBAの方のカードはLos Angeles Lakers@Denver Nuggets戦が早番で。Nuggetsの優勝旗掲揚リング贈呈式などがあって、第2試合はPhoenix Suns@Golden State Warriors戦。西の人気の優勝候補チーム4チームが開幕日に登場してシーズンが始まることになってます。

MLBはALCS/NLCSともに第7戦まで伸びるとは事前には予測はできないわけでNBA開幕戦とかぶるのはNBA/MLBどちらにとっても仕方がない。NLCSはTBSで放映、NBAの開幕戦はTNTで放送。TNTとTBSは同系列の姉妹局なので共食い状態になります。

この混み合った日・時刻にスポーツメディア最大手のESPNはNHL放送で対抗となります。ホッケー人気の高い都市のチームのカードを3試合連続で放送して抵抗というところか。Toronto Maple Leafs@Washington Capitals、Boston Bruins@Chicago Blackhawks、Philadelphia Flyers@Vegas Golden Knightsの3試合。

どうでしょう。ALCS第7戦は地上波FOXの放送だったので裏がNFL Monday Night Footballでもそこそこ視聴率の数字は出たかもしれませんが、今夜のNLCS最終第7戦はTBS。TBSの見られる家庭はほぼもれなくTNTも見られる家庭だと思われるので試合展開が昨夜のALCSのように大差になると厳しい数字になるかもしれません。

意図しないスモールボール

NLCSが進行中。第3戦は場所を移してPhiladelphia Phillies@Arizona Diamondbacks。Philliesの2戦2勝で迎えた試合。6回まで両軍無得点。7回表にPhilliesが先制点を入れたのですがこれが意図しないスモールボールでの得点となってます。ここまでポストシーズン7勝1敗のPhillies。1イニング4本塁打も含めて打ちまくって勝ってます。敗れた試合は例のダブルプレーでの幕切れでの紙一重敗戦のみ。

しかし今日はDiamondbacksは先発投手のBrandon Pfaadtが6回途中まで2安打9奪三振で好調Phillies打線を止める好投で0-0。緊張感のある試合となりました。

その均衡を破ったのが7回表のPhilliesの攻撃。先頭の3番Bryce Harperが四球で出塁。次打者のAlec Bohm
が内野安打、Bryson Stottが併殺打の間にHarperが3塁へ。そこで暴投でHarper生還となってます。ボールは一度も内野を超えて飛んでないままで先取点。
0−0の緊張感のある試合で、ここまで豪打で勝ってきたPhilliesのこの地味な先制点の入り方は逆に盛り上がります。これでPhilliesがこの接戦を獲って、さらに優勝したら語り草になるような勝ち方だなあと。でまたホームインしたのがHarper。

この前の対Atlanta Braves戦でのダブルプレーでの幕切れもHarperが1塁に帰塁しようとしてアウトになったものだったしやたら良いところでHarperのシーンが多い。今日の暴投も打者は止まれのサインを出しているのをHarperは無視して突入してヘッドスライディングでセーフ。また名場面を作ったなあという。

つい2試合ぐらい前だったかにもHarperは3塁コーチの制止を無視して突入してセーフになった場面がありましたよね。めぐり合わせもHarperになんでも来てる上に本人の気合の入り具合も違って超積極的。
例のダブルプレーでの試合終了も1死1塁で1点差で負けていて打球が外野手を超えたら絶対に本塁突入すると1塁から離れた時点から決めてかかってたからああいうプレーになったはずです。このポストシーズンがHarper自身のキャリアの集大成だといきり立ってるようです。

このいきいきとしたHarperをMike Troutはどう思って見てるんでしょう。メジャーデビューしたのが同時期で「この2人がこれから10年MLBを牽引する」と言われたあの頃。あれから月日が流れてHarperにはキャリアで最も輝いている躍動する今が遂に来たわけですがTroutはいまだにポストシーズン出場1度だけで今日も自宅で家族と過ごしてるのか。こんな燃える瞬間は得られないまま。このままAngelsに骨を埋めるんでしょうか。


あのまま1−0でPhilliesが勝っていたらおもしろかったんですが、現実はそうはならず。2−1でDiamondbacksの逆転勝利。Craig Kimbrelが四球内野安打などで満塁としてDiamondbacksで一番当たっているKetel Marteに廻してしまいサヨナラ安打。ベテランKimbrelはピッチクロックに負けた感じもありますね。今はピッチカムもあるのだから必要のないサインを覗く例のポーズで時間を食って自ら墓穴を掘ったようにも見えました。1シーズン既に過ごしているのですから通常モードで投げればそのポーズをやっても時間はあったはずですが、ポストシーズンの接戦場面で数秒を余計に消費してしまっていたのだと思います。フルカウントでピッチクロック違反になりそうでしたよね。

MLBのポストシーズンスケジュールに難癖

MLBは今日日曜日からALCSが開始。翌月曜日からはNLCSもスタート。カードはALCSがHouston Astros x Texas Rangersの同州内同地区内対決。NLCSはPhiladelphia Phillies x Arizona Diamondbadks。4チームのうち地区優勝をしたのはAstrosのみ。既報の通りレギュラーシーズンで100勝以上を挙げた3チームは合計1勝9敗の惨敗で消えてます。

優勝の期待も高かったそれらのチームのファンからは一回戦が回避となって期間が空きすぎてチームの調子が狂ったなど未練がましい不平から現行の一回戦回避の制度への不満を言う向きもあります。それはコミッショナーは一蹴。私も関係ないだろと思います。一回戦回避でも唯一残ったAstrosはなんらのブランクも感じさせず戦っていましたし。

Astrosはレギュラーシーズン最終段階までAL西地区優勝争いで全力で戦っていて一回戦回避が良い休養になった面はあるでしょう。100勝以上の3チームはレギュラーシーズンの最終週はもう流していた。それも含めて一回戦回避で調子が落ちたということはありえるでしょうがそうであればそれは調整失敗と呼ぶべき事態でしょう。
そうでなくても野球という競技の競技性からして短期決戦はなにが起こるかはわからないのはプレーオフの仕組みが変わる前から同じですし。


ところで今季のポストシーズンは試合のない日が多いです。過去5戦制なら移動日となる第2戦と第3戦の間には空き日はあったけれど今季は1戦と2戦の間にも休みがあったりする。DSとCSの間の休みも長い。それぞれ3日間完全休養となってます。RangersはALDSを勝ち抜いてから4日間空き。
興行日程をTV放映スケジュールとして最適化するために従来のMLBのポストシーズンの試合開催パターンを崩したということですね。伝統主義者からすれば不満も出るところでしょう。

休みを増やしたことで先発投手のローテーション面でも3人のローテで回せる可能性が発生してますから戦況戦術にはっきり影響するスケジュール変更です。実際Atlanta Bravesは第4戦に第1戦先発の20勝エースSpencer Striderを持ってこれました。それでも負けちゃったわけですが。
Striderは炎上したわけではないですが結果はエースを立てた試合で2敗してシーズン終了。

私見では一年中でアメスポが一番混み合う10月にそれが伝統だからというだけで自らのスケジュール構成を縛るのは思考停止であろうと。こうやってMLBの露出にベストを模索する態度の方を支持したいです。これはNBAやNHLも過去様々やって最適化をはかっていることです。MLBだけが伝統だからと改変に怠慢になるのは正当化し難い。

新しいパターン

ESPN.comのニュースの一行見出しの中に「Japanese HS phenom Rintaro Sasaki skips NPB, will play NCAA baseball」というのが出ていました。日本のドラフト上位指名が予想される高校野球選手が日本NPBのドラフトには参加せずに米国NCAAでプレーする。中身を読んだら打者なんですね。いろいろおもしろいことが書いてあります。

たぶん日本語で記事を検索するとこの選手のことはいっぱい出てきそうですしそちらはそちらでややこしい問題があるだろうな(過去の田澤ルール制定の経緯とかアメリカの法律常識だとまごうことなき違法ルールなのは知ってます)と想像できますが、とりあえず事情を知らないままの私がこのESPNの記事を読んでわかることを要約してみます。

Shohei Ohtaniと同じ高校出身。こういう大物日本人選手が留学してMLBドラフトにかかった例はないとしています。行き先については日本側の報道ではVanderbiltが有力と報道されていると。

また記事の最後の方ではNILがあるのでいまは学生アスリートもお金を稼ぐことが可能ですが海外からの留学生の場合は別の問題があるとも書いてあります。通常留学生はF-1ビザで入国するんですがF-1ビザには強い労働制限がかかってます。留学生を装った就労希望の移民を排除するためでもあります。これがあるためNILでNCAAの視点ではお金を稼ぐ道は開放はされていても国の移民法上で制限がかかる可能性があるってことですね。

ただNIL自体が新しい仕組みなのでF-1の制限運用の前例は少ないであろうと想像できます。米国内の他の選手の就労機会を奪うようなのは問題が大きいでしょうが、例えば海外からお金が米国内に一方的に流入するような形のNIL契約なら違法とならない可能性はあるかもなと想像できます。その辺も含めて積極的に動いたらおもしろいことが起こるかもしれないなと思います。


Vanderbiltですか。Vanderbiltは確かにカレッジベースボールでは現在勢いのある学校だし当ブログでも何度も触れてます。これだと2021年にMLBドラフトの上位指名候補の投手が2名同時に在籍した話ですし、2019年当時の記事だと同年にVanderbiltから13人がMLBドラフトで指名されたということを書いてます。なのでNCAAベースボールでは上位校なのは間違いないんですけどテネシー州自体は南部のSEC校ですよね。

記事に書いていないことになりますがNCAAには学業の成績のガイドラインがあります。これが学校ごとにも異なるしDiv-IならDiv-IIよりは足切りが高い。これに達しないとプレーができません。アスリート向けの(語弊のある言い方をわざとすると)バカでも合格点がとれそうな授業課目を準備している大学も存在していたりもするんですがVanderbiltはどうなっているか。SEC校だしSECの中では学業で定評がある学校なんで低いということはないはず。
成績以前に留学生の場合は英語能力の査定基準もあります。Div-Iの学校にすんなり入れるぐらいの語学力があれば良いですがそうでないと時間がかかる可能性もあります。

野球じゃないですがバスケだとNCAAからNBAに進んだYuta WatanabeにせよRui Hachimuraにせよカレッジ初年度やその前年はプレーがどうのこうのよりも環境適応に当てられたと理解してます。でもそれは人目につかないところだったから良かったと思うんですよね。そうできたのは日本のバスケ人気が低いからできたことではないでしょうか。語学学校にに行ったり1年目は指示が聞き取れないからと意味のある時間帯にはプレーさせてもらえなかったりというようなことが実際彼らにもあったわけです。そういう苦労が日本に逐一報道されたということはなかったのだと理解してますが、これが日本で報道量の多い野球でNPBドラフトを蹴ってアメリカに行ったトッププロスペクトの選手となると細々と報道されて修行の妨げになったりしないんですかね。

もし学業や適応で問題がなく良いレベルのNCAAベースボール校に行けたとしても、そもそもNCAAの野球シーズンは短いです。概ね2月から5月がシーズン。ポストシーズンで勝ち進めばそれに1ヶ月強プラス。
シーズンが短いのでプロ志望のカレッジ選手たちは夏の間は学生アスリートを集めて行われるCape Cod Leagueなどへ参加するんですけど、それに海外留学生選手にも参加できるのかがよくわからない。大学生参加のそれらの興行の建前は選手へは住居アゴアシのみ提供なので就労に当たらないという理屈でNIL以前から存在してます。その建前ならF-1ビザの就労制限にも抵触しない可能性はありますが、もし留学生が参加できないと野球を練習する環境さえ夏秋はないってことになりかねないです。その辺の事情も調査済みだと良いですが。

野球以外の部分でNCAAでのプレーを経験しておくことが将来MLBを目指すときに生きるからという頭があるのであろうと想像します。住み慣れた環境から外に飛び出して知見を広めることは人生におけるいい経験になることは請け合いますが、それが他人の目に晒されてそれをやるのは余分なことできついかもしれません。

なお現行のNCAAベースボールのドラフトルールは一旦NCAAに進むと3年経過後まではMLBドラフトの対象にならないことになってます。また野球ではスポーツ奨学金は全額は出ません。半額までです。

Dodgersスイープで敗退 Bravesは

MLB NLDSでLos Angeles Dodgersが3戦全敗で敗退。勝ったのはレギュラーシーズン最終日前日までポストシーズン進出が決まらなかったArizona Diamondbacks。レギュラーシーズンの最後は4連敗とへろへろになりながらなんとかポストシーズン進出。NL西地区で16ゲーム差がついていた両軍でしたがあっさりとDiamondbacksが勝ち抜け。
これが野球のポストシーズンの残念なところですね。

こうなってしまうとClayton Kershawが第1戦で先発炎上したこととセットで語られ続けるポストシーズン未勝利での敗退となったようです。
Kershawは35歳。いまどきはこの年齢からでも何年も投げる熟年投手はいますがKershawはケガがちな選手。ほかの鉄人エースたちと同じ様に選手寿命が長いと想定して良い投手ではないかも。契約上は今季終了後に無制限FAなのであの大炎上KOがDodgersでの最後のプレーになった可能性が残ります。闘志があるならあれが自分のキャリア最後の投球だったというのは受け入れ難いと感じるかもしれませんが、それだけの闘志は残ってるのか。Dodgersの来季以降のチーム編成事情は知らないのですが功労者のKershawとの関係をさらにひっぱるんですかね。


もうひとつのNLDSは昨夜Philadelphia Pilliesが勝って2勝1敗、今季最高成績104勝を記録したAtlanta Bravesが苦しくなってます。BravesもDodgersもいないNLDSとなりかねない。Bravesから見れば今1勝2敗で踏みとどまれているのは例のめったにないフェンス激突からのダブルプレーで紙一重逃げ切ったからです。あのぎりぎりのプレーがなければDodgersとともに3連敗でNLDS敗退があり得た。

こちらも同地区NL東地区で14ゲームの大差があった両軍。ただ印象だけなんですがDodgers-Diamondbacksの16ゲーム差よりは、実力派のPhilliesは意外性は低いような。PhilliesにはBryce Harperという顔もいて実際にHarperが打って勝ってるのも強そうに見えます。
あのフェンス激突ダブルプレーで一塁帰塁で滑り込みアウトになったのもHarperでなにかと絵になります。

Braves@Philliesの第4戦は今夜。第4戦まで引っ張れたこと(プラス今プレーオフは試合の間の空き日が多い)でBravesは先発投手に再び奪三振王20勝投手Spencer Striderが登板できます。前回登板第1戦は7イニング投げて1自責点2失点で敗戦。敗戦はStriderのせいではない。Striderの再度の奮投がBravesを救うか。
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