アメリカスポーツ三昧

アメリカ永住コースか、または第三国に出国か!?スリルとサスペンスの人生とは別にアメスポは楽しい。

Rugby

アメスポメディアにガン無視されるラグビーのプロ化

私は日本語の報道を通じて知った話ですが米ラグビー協会が2016年からラグビーのプロリーグをスタートさせるとか。えーっと思って英語で検索したらおもしろいことがわかりました。確かにそういう事実はあるようなのですが、それを伝えているのがことごとく.au、.nz、.ukのサイトばかりなのです。.comは当事者である米ラグビー協会からの発表があるのみ。あとはラグビー国の報道のみという状態。実際に試合をしようというアメリカのスポーツメディアに完全に無視された形になっています。こんなので本当に来年成立するんでしょうか?

意図はよくわかります。来年はリオ五輪。ラグビーが7人制で五輪競技として復活します。セブンスの米代表強化は成果を上げつつあり、また五輪ラグビーではアメリカはディフェンディングチャンピオンでもあります。リオでメダルに届くかは楽観できませんがそれでもラグビーにとっては大きな露出のチャンスではある。その露出や、ひょっとしたらメダルに届いてラグビーへの一般の意識がブレイクするかもしれないチャンスなので、うまく行った場合の受け皿として無理にでも2016年にプロリーグを作っておきたいということでしょう。その部分ではビジネスセンスとしては間違ってはいない。準備不足でもとにかくタイミングが大事だというのは一つの見識でしょう。また対立団体となる可能性のあるNRFLが今年2015年に試合をし始めるのを妨害した手前、自前のリーグ結成を急ぐという事情もあるでしょう(この点は今回は深くは突っ込みません)

ただそれにしてもアメスポマスコミにここまでガン無視されてどうなるのか。リーグを作るぞとアナウンスしたもののどの都市にチームができるのかすら発表できないというのですから意図のみ先行しているのは明らか。打ち上げ花火にしても形がなさ過ぎる。チームの所在地もわからなければ誰が選手として参加するのかもまったく不明。シーズンの時期もわからない。五輪露出の受け皿になりたいとすれば五輪後も試合をしている必要があるわけです。リオ五輪の予定ではラグビー競技の開催期間は8月6日~11日。新プロリーグは(いつも言うアメスポマイナー競技の定番である春夏シーズンで)8月いっぱいまで試合をするつもりでしょうか。ラグビーを真夏にやって試合として、そして見せる興業として成立するんでしょうか。

それに誰が試合をするのか。例えば日本のラグビーの場合、Super Rugbyとシーズンが入れ子になっているので掛け持ちで好選手が日本に来てプレーしてくれることもあるでしょう。それ以前に実業団チームが長い歴史を持って安定的にリーグも存続しているから選手もいるし、チームも組織も存在する。最悪外国リーグからの選手がいなくてもリーグは成立します。

ところがアメリカはそうではない。完全にまっさらから作るという話です。Super Rugbyは7月まで試合をやっているわけです。8月のリオ五輪にSuper Rugby所属の選手が出るのかどうか知らないですが、時期的にその直後にやってるようなアメリカ新リーグに海外有力選手が参加できますか?それとも現在あるアメリカ国内のクラブチームからの国内の選手を集めてやるのでしょうか?まったくの無名のラグビークラブチームのアマチュア選手達が戦う新プロリーグにアメスポファンが興味を示してお金を払って来てくれるのでしょうか。大いに疑問です。なにか根本的に企画が間違っているような気がします。走りながら考えるというのはアメリカのスポーツ起業にはありがちな話で、それはいいんですがそれにしてもとにかく発足するのだというアナウンスをしただけで中身がない。ものすごく雑な話だなあという気がします。言ってみただけっぽいです。

ラグビーW杯プール戦終了 米代表も終了

ラグビーW杯B組最終戦となった日米戦を観戦しました。結果は皆さんご存じの通りで日本の快勝、28-18。日本の勝ちっぷりは安定感があったですし、同時に3トライ目を取ってから4トライ目に若干色気を見せるとやはり危ういという意味でまだまだTier 1国のようには米代表を蹴散らせないのかなという差は感じつつも、そんな贅沢な悩みを持てる事自体が夢のようではあります。開幕前は南ア戦に二軍を立てて試合を捨てるかどうかという話をしていたのが嘘のような快勝でのフィニッシュとなりました。スポーツというのはやってみなくてはわからないですが、ラグビーのようなフロックが発生しにくいスポーツで強豪に勝つというのは本当に強くなったんだなと、その昔日本のラグビーの末端でプレーしたものとして感慨にふけってしまいます。

日本代表については様々な報道その他あるかと思いますがので当方ではこの程度で。

米代表は既に反省会モードですが、その中で「どうやって日本はこんなに強くなったんだ?」「なぜ我々にはそれができないのか?」という話が出てこないのが不満です。Eddieジャパンがやった意識改革・戦術向上をアメリカもぜひと思うんですが、国内ラグビーの環境すら混沌としてますからジャパンの真似もできる状況ではない。こういう時には日本の企業スポーツの伝統が羨ましいところです。

試合の方では途中交代で入った選手たちを含めてセブンスで活躍した選手たちが好結果を出しているのが気になります。この日のアメリカ側のベストは11番Zach Test 25歳。ジャパンをインゴールに追い込んで三人連続タックルしたのなんかは出色でした。サブで入ったDanny Barrettも良い動きでジャパンを慌てさせる場面もありましたし、結局いまはカネのテコ入れが入ったセブンス仕込みの選手たちの方が15人制のレギュラーよりも魅力ある動きができている。来年のリオ五輪でセブンス米代表が戦うのが一般のスポーツファンに見える形でのラグビーのお披露目になる(残念ながら今大会はほとんど報道がない)わけで、そちらでアメリカラグビー文化を牽引してもらうことになるのかなと思われます。15人制へのテコ入れはその先の課題でしょうか。

ラグビーW杯 日米戦迫る

あと数時間でラグビーW杯の日本の初のGL突破の可否が決まるスコットランド x サモア戦があります。そして翌日曜日には日米戦が。南ア戦でのラグビーW杯史上最高のアップセットを決めた日本代表の余波が当ブログにも来ているようで過去の日米戦の記事へのアクセスが増えています。今年の対戦の記事昨年の対戦の記事を見ていただいているようです。アメリカラグビーを日本語で書いているところはきっと少ないんでしょうね。いま自分で読んでみてもなかなか興味深いです。当時は日本が本大会で2勝以上できるなんて誰も思っていなかったですよね。

Eddie Jones HCは英語でそのまま発言を発信できるので単に対南アでアップセットしただけでなくその後も英語メディアに抑揚の効いた、焦点の合った情報発信できているのが良いです。彼の退任後、日本人が後を承けるのか外国人監督を続けるのか。日本での2019年のW杯開催を考えると情報発信塔としても英語が使える監督の方が日本には良いような気もします。

さて対米国戦ですが、米代表は先日のGL第3戦の対南アフリカ戦でメンバーを落として戦いました。最終戦の対日本戦が今大会唯一の勝利のチャンスと見て主力を休ませたわけです。9月27日にあった第2戦対スコットランド戦から試合に出ていない選手は丸二週間と休み過ぎなほどの間を取っての対日本戦。最近の直接対戦と今大会の戦いぶりを比較すると日本が有利とは思いますが、北米全敗(既にカナダが全敗で全日程終了)のピンチでもありアメリカ側も必死に突っ込んでくるかと思います。ただ米代表の対サモア戦対スコットランド戦を見るとラインアウトやスクラムの凡ミスが多いし、パス回しなども前回大会より悪くなったんじゃないか?とすら思わせる芸のなさ。日本の大勝の可能性は十分あるかと思います。

米代表はセブンスの方がラグビーらしくなってきているのに15人制が停滞するのは残念ですが日本のような周到な準備をできなかったのですから結果がそれに沿うものになるのは仕方ないのでしょう。ラグビーには偶然の勝利はないですから。いずれにせよ意地のぶつかり合う好試合を(その上での日本の三勝目を)期待したいです。日本がW杯で3勝できる機会なんて金輪際ないかもしれないのですから是非。

ラグビーW杯米代表は凡戦で初戦落とす

昨日は日本代表の熱い戦いのおかげでスポーツ観戦欲はおなかいっぱい。向こう三日ぐらいなにも見なくてもあの試合のビデオを見ていれば幸せなぐらいだったんですが、それを許してくれないのがアメスポで土曜日は一日中カレッジフットボール、今日日曜日はNFL。それに早朝のラグビーアメリカ代表のW杯初戦(ビデオでさっき見ました)もあり余韻にひたっているわけにもいかず。

残念ながら米代表は日本に続いてB組を混戦の極に導くことはできず16-25でサモアに順当敗戦。敗戦は良いんですが内容が良くない。ダイレクトタッチキックを連発したり、ラインアウトでノットストレートを幾度もとられたりと避けられるミスが多い。タックルも甘くサモアの突進に苦戦の連続。サモアの方も反則が多くキレに欠け凡戦となりました。まあ普通の試合ですね。アメリカの多くないラグビーファンを興奮させるような場面はほぼ皆無という感じで残念。次戦はスコットランド戦。スコットランドは日本・アメリカと連戦なので休みの長い米代表にとっては有利ですが、今日の延長ではB組全敗コースになってしまいます。

いまアルゼンチンが優勝候補ニュージーランドを相手にハーフタイムリードで奮戦していた試合がニュージーランドにねじ伏せられようとしています。ラグビーはアップセットが起こりにくいスポーツですから結果は不思議でもなんでもないんですが、それを考えると昨日のジャパンの世紀の大アップセットの価値はさらに高まります。真っ正面から倒す以外、ラグビーにはないわけで。

ラグビーW杯前哨戦で日米対決

昨夜ラグビーのPacific Nations Cupの第二節があり、来月開幕のW杯でも同組となる日米の対戦がサクラメント市Bonney Field(収容11,000)でありました。結果は熱戦の末23-18で米代表の勝ち。同所ではもう一試合あってサモア対フィジーが30-30での引分の好勝負で、満員となった観衆も満足の観戦になったことかと思います。ラグビーは西海岸カリフォルニアでの人気が定着しつつありこの手の試合でもコンスタントに1万人を集められるようになったのはラグビーにとってはありがたいことでしょう。

最後ジャパンの攻撃が続き同点トライを目指す、対する米代表はペナルティを喰っても痛くない(日本側はPGを拒否してトライ狙いで攻撃継続)状態。会場はUSA!USA!のコールで盛り上がる。今大会の第一節の対サモア戦では終了間際に5点差を追う逆の展開で相手陣深くに攻め込んで同点ないしは逆転が見えた展開で観客を沸かせましたし、好ゲームが続いています。残念ながらどちらの試合も一般に見える形では放映がありませんでした(ESPN3.comでのウェブキャストのみ)。

W杯本番での対戦も控えていることもあって双方手の内隠しがあったであろうタイミングでの対戦なので勝敗にさほどの意味はないですが、昨年の今頃対戦したときにはスクラムで日本に蹂躙されていた米代表がその部分で負けていなかったのは米代表にとっては朗報。両チームともフォワードのモール・スクラムで押し込んでそのままトライを狙う場面があって、ドライビングモールやスクラムトライ好きの私としては個人的に燃えました。ボール廻しでは日本の方がオプションが多くて良い。左端で一人余してトライにつなげたプレーはたぶんアメリカ側のミスでしょうが(画面の切り取り方が悪くてよく見えないしリプレイが少ない)そのミスを逃さないジャパンを讃えるべきか。

全体としては若干よくわからない反則を取られたりしていて本番だったら審判批判が飛び交いそうな場面もありましたが、両チームの良いところが見られて満足でした。残念なことはこの好チームとなった両チームも本番のW杯に行くとお互いの対戦で1勝を挙げるのが精一杯かもしれないところ。ラグビーW杯はその仕組みを少し考え直した方が良いような気がします。

多分最小会場 Man U夏のアメリカ巡業

夏の欧州クラブのアメリカ巡業の季節です。お馴染みとなった感があります。数年前からは単に巡業の各クラブの単独巡業興業ではなく全体をセットにしてInternational Champions Cupという体裁にして(でもほぼ内容は同じですが)開催中です。今年はManchester United, PSG, Chelsea, Barcelona他が参加中。また次週のMLSのオールスター戦の相手としてはTottenham Hotspurが参戦します。この巡業なんか見ていると毎度思いますが欧州サッカーの選手は短いオフでよくやるなあ…と感心します。オフが短いのに代表での活動はあるわ、プレシーズンでアメリカだ中国だと遠くまで巡業に追われる。プレシーズン巡業はサラリーのうちだから否応なしに帯同・出場しなくてはいけないんでしょうが、代表での活動なんてホント、合理的に考えたらなんで出るの?って聞きたくなるほどのもののような。

まあそれは良いとして昨夜はMan UがMLS San Jose Earthquakesの新本拠であるAvaya Stadiumで試合をしていたのがFOX Sports 1で放送になっていました。私はこの夏巡業の試合は好きです。新加入の大物戦力と従来の選手とのからみが見られるし、将来を嘱望されながらシーズン中にはプレータイムが貰えない才能ある若手が目一杯のプレーをしかけてくるのでメリハリがあっておもしろいのです。この試合も毎年の期待に違わずMan Uの新戦力・従来戦力が早くも噛み合っていく様が楽しかったです。しかしまあRooneyなんて毎年感心しますが、こんな試合でもちゃんと汗かいてくれるんですよねえ。

表題の件です。Avaya Stadiumは今春開場したばかりの新しい施設。EarthquakesはMLS創設当時からのメンバー(実際は途中消えたり色々ですがそれは端折って)なのにずっと地元大学の施設を間借りしてきていたのが、やっと自前のホームスタジアムを得たところ。但しEarthquakesはMLSの中でも動員では弱いチームなので新スタジアムのキャパも控え目で18,000人となっています。よってこの日はMan Uを迎えて満員ですが動員数は18,000人。たぶんMan Uがアメリカ巡業をやるようになって以来断トツ最低の数字でしょう。箱が小さいんですからどうしようもないです。たぶん企画した時点でこの試合自体は損切りということでしょう。通常この手の特別試合はホームチームのシーズンチケットホルダーに購入優先権があります。私がシーズンチケットホルダーだった頃にもそうでしたし、一部の対外試合はシーズンチケットのセットに組み込まれていました。上述の通りEarthquakesの動員は弱く、シーズンチケットの売上も悪い。それをこのMan U戦を目当てで買うダフ屋に売る戦術かなと思いました。そうでもなければ毎年5万席など楽々売るMan Uを18,000人のスタジアムに押し込む理由がありません。同エリアには大箱の美麗な新しいNFLスタジアムもあるのですからことチケットを売って儲けるだけならそちらにしたはずでしょう。客席はSan Joseのファンが多くMan Uファンは少数。例年はMan Uファンが大挙押しかけるのとかなり違う風景でした。

Avaya Stadiumはつい先週末にも試合をやっているのを見たのです。そちらはラグビーのPacific Nations Cup。米代表がサモアを相手に後半追い上げて16-21で敗戦。終了間際に相手ゴールライン10m辺りまで攻め込んでアップセットかという熱戦だったんですけど。で、それがAvaya Stadiumだったわけです。動員1万人。ラグビーなんていうアメリカではまだまだマイナーなスポーツもAvaya、スポーツの世界最強ブランドのMan UもAvayaかぁ…とちょっと変な感じでした。

協会側のEaglesは海外クラブチームとの試合もOK!

スケジュールを確認してみてちょっと呆れてしまいました。8月末にラグビー15人制の米代表USA EaglesがW杯へ向かう壮行試合として英PremiershipのHarlequinsとPhiladelphiaで対戦する予定となっています。場所はサッカーMLSのPhiladelphia UnionのホームグラウンドであるPPL Park。ピッチは全面天然芝です。

先日来書いている通りアメリカでラグビーのプロリーグの結成を目指して活動中のNRFLがIndependence Cupと銘打って同市で開催を企画していたのを米ラグビー協会は承認せず試合が消滅しています。NRFL Rough Riders(多数の元NFL選手や外国人選手を含む)が英PremiershipのLeicester Tigersを迎えての興業でした。これを協会が承認拒否して、同市内で協会側の手持ちの代表チームEaglesは同じくPremiershipからのチームを迎えて興業。手持ちですから当然のように協会の承認はうけられる。

これはなにを意味するんでしょうか。公正な興業戦争ならそれは市場経済では善とされうることですが、同市内で数ヶ月のうちに行われる興業のうちの一方の興行主(米ラグビー協会)が他方の競合興業の許認可権を持っていてそちらの興業を阻止したのですからこれは公正とは言い難い。それを正当化すべき理由を米ラグビー協会が示せないと重大な法律違反でその許認可権自体を司法から差し止められる可能性があります。そしてその判例は他の競技にも飛び火しかねない大きなものになり得ます。ラグビーについてのマスコミ記事はほぼ皆無ですが一般がまったく存在も知らないところで事態がヒートアップしているようです。

そうか、数年前からNFL出身選手からラグビー選手への転身を勧めてリクルートしていた動きがあったのに米代表にはちっともNFL出身者が上がってこないなあと思ったらそこも協会と新興勢力との勢力争いでの壁があったということですか。

話を大きくすっ飛ばすと、この対立の最後の終着点はUSA Ealges対NRFL Rough Ridersですか?さすがにそれはプロレスみたいでやり過ぎのような。それとも法廷バトルを突き詰めるところまでやって競技統括団体の在り方にメスが入るのか。

そういえば日本でもバスケの地域協会とチームが許認可でもめていたんでしたっけ。

NRFLとラグビー協会の暗闘は続く

アメリカ国内でラグビー15人制のプロ活動を目指すNRFLが米ラグビー協会を非難する声明を出してます。またです。今回の理由は先日少しコメント欄で触れた英・NZのプロチーム(Saracens x Crusaders)によるNew Orleansでの興業を協会が承認しないため開催キャンセルに追い込まれたから、だそうです。承認拒否の理由は会場であるMercedes-Benz Superdomeの人工芝とのこと。

先日英Leicester Tigersを迎えてNRFLの唯一のチームであるNRFL Rough Ridersが行うはずだった試合も米ラグビー協会に承認を拒否されてキャンセルされたばかり。それに続いて海外のメジャープロリーグ(Super RugbyとAviva Premiership)からチームと招いてのThe Hemisphere Cup(Hemisphereは半球の意、南北半球対決という企画・命名でしょう)も承認拒否でキャンセルに追い込まれたことに。先日も書いたんですが米ラグビー協会がアメリカ国内でのラグビーの普及活動への抵抗団体化してきています。今回は人工芝が云々というもっともらしい理由を付けてきたのは訴訟への予防策かもしれません。

サッカーだと米サッカー協会とSUM(国内リーグMLSの別働隊で国際試合の企画運営マーケティング担当)は良好な関係で毎年夏には世界各国の有名クラブが多数アメリカ国内でプレシーズンマッチを行いますし、また隣国メキシコの代表チームもアメリカ国内で興業する。これらの企画の多くはSUMを通じて開催されている(ここからのマージンはMLSの隠れた大きな収入源)し、米サッカー協会もそれを後押ししています。試合会場にはAT&T Stadiumのように人工芝でFIFA W杯は開催できない条件のところもありますが問題なくそこでも海外チームは試合をしています。細かいことを言わずにサッカー協会は承認を出している。その結果、華やかな世界のトップチームがNFLの巨大スタジアムを埋めてサッカーのイメージアップに貢献してきました。

それがラグビーになると人工芝だからダメと協会からストップを喰って試合中止にまでなってしまうわけですね。これに対してNRFL側はどういう対応をとってくるんでしょうか。訴訟で勝負付ける方向に行くのかどうか。そうであればそもそも論でラグビー協会の独占的な試合開催許認可権自体の違法性を訴えそうなんですが、その場合のラグビー協会側の抗弁に興味があります。


自分向けメモ追記です。NRFL Rough RidersとLeicester TigersとのIndependence Cupが開催される予定だったNFL Philadelphia Eaglesの本拠地であるLincoln Financial Fieldは自然芝に人工ファイバーを埋め込んだハイブリッド芝の会場です。

ラグビー協会は誰と戦っているのか

15人制ラグビーのNRFL (National Rugby Football League)がこの夏からアメリカ国内でプロラグビーの活動を開始するという話だったのが頓挫しています。発表があったのは先週だったようで、NRFLの唯一のチームであるNRFL Rough RidersがEngland PremiershipのLeicester Tigersを迎えて戦うIndependence Cupという企画のキャンセルが先週発表になっていたようです。マイナースポーツのこと、一般スポーツマスコミには乗らないので今日まで気づきませんでした。試合は八月に予定されていたのですが、なんでも米ラグビー協会が試合の開催に同意しないためLeicester Tigersが渡米して試合をすることができないことになったとか。既にチケットの販売も開始していたようですがフイになりました。場所はPhiladelphia Eaglesの本拠地Lincoln Financial Fieldを予定していました。

NRFL Rough RidersはNRFLがパイロットプログラムとして立ち上げたチーム。ラグビー先進国から30人のラグビー選手を呼び、それに30人の元NFLのアスリートを加えて60人で結成されています。Leicester Tigersは英Aviva Premiership(全12チーム)で今季3位(タッチの差ですが)でフィニッシュ。立ち上げたばかりのRough Ridersの手に合うような相手ではありません。よほどTigersがメンバー的に手抜きをするとかでなければ大惨敗を喫するはずです。それでもNRFL側からするとその存在の宣伝のための大事なイベントだったはずですがこれが消滅。現在Rough Ridersが唯一のチームなのでNRFLの今季の試合が全消滅ということ…ですか。国内のチーム同士ならばラグビー協会の同意は必要がないはずですから例えば大学のチームであるとか、アマチュアのクラブを相手に試合をすることは可能ですが、NRFLの打ち上げ花火イベントとしてはそれでは不足でしょうし大箱のスタジアムを埋めることも不可能でしょう。

で、なぜラグビー協会がこの試合の開催に反対したのかがよくわからない。主導権争いでしょうか?米側にはまるで情報がありません。Leicester Tigersの英国内のファンは既にチケットを購入、渡米の手配をした人もいたようでクラブもこのキャンセルを余儀なくした米ラグビー協会を非難しています。

先日も少し別の記事で触れましたが大学のセブンスの方でも米ラグビー協会主導の「Division 1-A」と五輪ラグビーに積極的に投資しているNBC主導の「Varsity Cup」が数年前から分裂して二つのカレッジセブンス王者が存在する事態となっています。こちらは間違いなく主導権争いですね。五輪の目玉競技にセブンスを育てたいNBC(五輪の放映権の長期契約を持つ)が来年のリオ五輪に間に合わせるべく過去カレッジラグビーセブンスを積極的にプッシュしてきていたのがなぜか三年前に分裂。裏事情はネット上のファンボードを見ても詳らかではありません。

ところでセブンスの方は来年のリオ五輪での米代表の活躍次第、そしてスポーツファンへのウケ次第でアメリカでのラグビーの方向性が決まっていくとは思います。が本来の形である15人制ラグビーの方はそれほど単純ではない。

その15人制のテコ入れ策として日本も参加する南半球のSuper Rugbyからアメリカにも参入のお誘いが来ていたんですがそれも米ラグビー協会はあっさり却下。この件だけならアメリカ人の性向として持参金持って他国のリーグに参加するぐらいなら自前でやるわと考えるのは不思議ではないです。そういう考え方をする国民性ですから。しかしながら上記のカレッジセブンスでの分裂、NRFLの企画を阻止と続くと、一体米ラグビー協会は何と戦っているのかが読めなくなってきます。Super Rugbyも入らない、国内で立ち上げようとしているNRFLにも非協力的とは。アメリカでのラグビーの発展に寄与するのが協会の最大の仕事のはずですがなにやら抵抗団体化しているような。

ひょっとするとこれは別件で最近何度か触れているスイスに巣喰う競技の国際統括団体(その米国支社である米ラグビー協会)とアメリカ資本主義(NFLとNBCがこの場合バックにいる)の対立が起こっているということではないのかと読むことも可能です。

FIFAを相手にいまアメリカは国家を挙げて断罪に走っているわけですけれど、ラグビーのIRBもその手持ちイベントであるラグビーW杯ではあこぎに開催国から多額の上納金を吸い取る形をとっています。ラグビー人気が世界最高レベルに高いニュージーランド開催ですら赤字だったとされるラグビーW杯。2019年の日本開催も大赤字必至で日本ラグビー協会が破産する(正確には違いますが)ことすら想定しなくてはいけないとされる無理な上納金を要求するIRB。なぜそんなことが可能なのかというと国際統括団体という悪習・巣窟がそこにあるという話になるわけです。

そういうことで当ブログの二つのまったく別の興味(ラグビーのアメリカでの発展 と 国際統括団体対アメリカの暗闘)がここにクロスしているのかなとも思えます。今後の展開を見守りたいです。

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