アメリカスポーツ三昧

アメリカ永住コースか、または第三国に出国か!?スリルとサスペンスの人生とは別にアメスポは楽しい。

Rugby

3-Wideでハナ差の決着

個人的にもいろいろありまして更新ができておらず失礼してます。今日は久々に興奮の場面を観戦できたので短めにさっさと書いてみようかと。

NASCARシーズンの今季の第2戦となったAtlantaでのレースが最後に3台が真横に並んでゴールラインをつっきる緊迫のフィニッシュとなり、外のラインを走ったメキシコ人ドライバーのDaniel Suárezがハナの差、公式発表で0.003秒差での勝利。この差はNASCAR史上3番目の僅差だそうで、その上今回の場合は横一線の3着もミリ秒差、ライブの目視では誰が勝ったのかまったくわからず。解説陣も「こんなのは初めて見た!」と興奮していた極僅差で良いものを見たなというフィニッシュになってます。3台横一線はさすがに珍しいです。

このレースはクラッシュが多く無傷の車体がレースの経過とともにどんどん減っていくサバイバルの様子の強いレース。
先週の開幕戦のDaytona 500。Daytonaはいつもそんなものでクラッシュに巻き込まれないことがDaytona 500に勝つ最大の要素でかなりの部分が運次第。Daytona 500というレースのネームバリューがあるから多くの人が見ますがレースとしてはあまりおもしろいレースにならないことが多いというのが私の感想です。今年も終盤の多重クラッシュで上位のドライバーが大量に脱落してのイマイチのフィニッシュとなってます。

そういう先週の消化不良を吹き飛ばす好レースとなった今週のAtlanta。先週よりもイエローフラッグは多かった。レースに残っているもののレース途中でダメージを受けた車体が粘って最終盤まで熱い展開となり昨季以来やっと久しぶりにちゃんとしたNASCARのレースを見た気分になりました。


ついでなので書いてしまいます。これはアメスポとなんら関係がないので毎年ほとんど触れないのですがアメリカでフットボールシーズンが終わるのとほぼ入れ替わりで始まるのが欧州の6 Nationsラグビーです。
今日は6 Nations最弱イタリアが敵地でフランス相手に健闘。最後の時間切れ間際にフランス代表の反則を引き出して、ペナルティキックを決めれば歴史的勝利という展開。それがキックする直前にTVではよく見えなかったんですが何か邪魔が入ったかなにかで焦ってキック。これがゴールポストに当たって失敗。30年ぶりだかのイタリアの@フランス勝利を逃して13-13の引分となってます。

この試合はフランス側にハーフタイム直前にレッドカード退場者が出て後半をフランスが14人で戦うハンディキャップ戦。それでも崩れなかったフランスの方が上なのは見ていて確かだしイタリア側には稚拙なプレー判断が何度もあってやきもきする試合ではありましたが、このカードにしては大いに楽しめたという試合になってます。

私はアメリカ在住者としては極々少数派であろう6 Nationsを見て喜んでいる人間ですが、今頃他のフットボールファンは虚脱しているんですかね。サッカーのEPLは好カードがけっこうあってそれを見る気のある層はそちらでしょうし、またバスケに移行している人がたぶん一番多いのではあろうかと思いますが、NBAはまだシーズン半ば。

これもちょっと書きかけてアップしそこなった話ですが、先週末にNBAのオールスター戦があったわけです。そしてオールスターの周りにはNBAは一週間試合がありませんでした。その時分というのはアメリカの3大プロスポーツが不在ってことになったわけです。カレッジバスケとプロだとNHLしかないという空き状態になっていました。NFLロスが強調されるような状態とも言えます。
NBAは労使協定での取り決めで近年はオールスター周りの休暇となっているわけですけど、NFLが終わってすぐ次の週末にNBAのオールスター休みがすぐ入ってしまうのでNHLだけになっちゃうんですよね。

米代表とタイだったポルトガルがW杯初勝利

ラグビーW杯フランス大会のグループリーグの最終日。C組でフィジー対ポルトガル戦が行われポルトガルが最後に再逆転で24-22で勝利。ポルトガルのW杯での史上初勝利となっています。ライブで観戦していて見て良かったという試合になってます。

ポルトガルは世界最終予選で米代表をラストプレーで同点引分として本大会進出を決めた相手であり、今大会に出場失敗した米代表の上位国との力量の差を測るためには(他の米州代表国とともに)見ておきたいチームでした。この一つ前の試合となったジョージア対ポルトガル戦も観戦済み。その試合は接戦の末に引分で終わってますが好試合。他にもポルトガルの試合はC組をトップ通過したウェールズ戦でも見ていて、これは優勝候補国を相手に28-8と健闘追従して及第点として既に当ブログでも触れました。

試合前の状況はポルトガルはトーナメント進出の可能性はない。フィジーの方は2位通過に勝点1不足でオーストラリアを追う状況。よってフィジーは勝てば文句なし、引分=勝点2でも通過。ラグビーにはそれ以外のボーナス点がありますから僅差敗戦しての1勝点でも、4トライでの1勝点のいずれでも追加できれば勝点でフィジーとオーストラリアが同点。その場合は直接対決で勝っているフィジーが2位通過。

フィジーはオーストラリアとの試合で7点差で勝った終了間際に得たペナルティキックを決めに行き外していたという経緯がありました。あれを決めていたらオーストラリアの敗戦勝点が1点削られていてこの最終戦を待たず2位通過が決まっていたという巡り合わせになってます。あの試合はフィジーがW杯優勝経験国のオーストラリアをアップセットで破ったというアングルで語られて最後の勝点1点削りの失敗があまり語られませんでしたが、あの最後のキックが失敗したことで今日の最終戦のサスペンスが発生したことになります。

米代表の力量の観測ポイントとしてのポルトガルは今大会大健闘であったと思います。世界最終予選を経て最後にW杯に出場が決まったチーム。アップセットの起こる可能性の低い競技であるラグビーですから本大会は全敗でもしかたない立場です。

それが米代表を相手に感心しない試合内容で引分だったあのポルトガルが1勝2敗1分、首位のウェールズ戦でも好試合で大会終了。選手たちも会場に詰めかけたポルトガルファンも歓喜。もし米代表が本大会でこれぐらいやれたら恥ずかしくはない中身だと思えます。あの世界最終予選のポルトガルと今大会のポルトガルの試合の中身に大いにギャップを感じます。チームの内部事情などはまったくわかりませんが、どこでこんなに変わったんでしょうか。

他の米代表との比較ができるチリはあまり芳しくなく、同じく米州から出場したウルグアイは層の薄さは露呈してしまったもののなかなかでした。最終戦でニュージーランドに73–0で敗戦したので傍目には弱そうに見えたでしょうが試合の中身は20分過ぎまで0-0で粘って(ウルグアイ側のビデオ判定での取消トライもあり)など最終スコアよりもずっと健闘してました。
その辺を踏まえて米代表が次回大会でどこまで行けるのかなというのをいろいろ想像させるグループリーグだったかと思います。

なお今日はNFLの裏番組として地上波NBCでスコットランド対アイルランドの試合の録画放送をやってました。私はこれはストリーミングで前夜に既に見ていた試合だったんですが、ああこの試合を地上波放送するんだという感じでした。可能性としてはスコットランドが勝てば南アフリカをかわして2位通過できる可能性があり、ボーナスポイントの具合ではスコットランドとアイルランド両国通過も有り得た状況だったので急に放送したのだと想像してます。

ラグビーのマイナー度合い再確認

この週末はNFLをあまり見てないです。理由ははっきりしていてラグビーW杯の方を見ていたからです。日曜日のNFL放送の真裏の時間帯にラグビーW杯のグループリーグのオーストラリア対フィジー戦、日本対イングランド戦が重なっていたのでそちらを優先。それでもNFL New York Jets@Dallas Cowboysは見ましたし数試合は横目で見てはいましたが。

アメリカでラグビーW杯は見ている人はかなり少なそうです。私の事前の予想をさらに下回っていそう。NBC系列のPeacockで全試合がストリーミングされているんですけど、そもそもPeacockは他系列のストリーミングサービスと比較して加入者が少ない。
そのPeacockの中でもぱっと見て見えるところにはラグビーW杯は配置されていません。「Sports」のタブをクリックしても目立つところに出てくるのはNFLのトーク番組とサッカーEPLと自転車ロードレース。さらに深く掘っていかないとラグビーW杯の試合に辿り着けません。前もってラグビーW杯をやっていると知らずたまたま見てしまうようなところには出てこない。これは相当にマイナーな状況だなと感心。自転車ロードレース(スペイン開催のLa Vuelta)より扱いが下というのはマイナーが過ぎる。アメリカで自転車ロードレースの観戦ファンは相当にマイナーかと思いますがさらにその下とは。

日本代表が出場していますから日本では報道もそこそこあるでしょう。もともと日本ではラグビーが人気だった時代の方もまだ多く生き残っていらっしゃるかと思うし近年の復興と自国開催もあった。ラグビーが普及したことが一度もないアメリカとは意味が違う。今回は米代表もカナダ代表もW杯出場に失敗してますから放映する側も力の入れようもないのはわかります。
Peacockではスペイン語放送の放映権もあるのでスペイン語話者にそれなりに加入者があるやもしれませんが、それでもスペイン語国最大勢力のメキシコもキューバもラグビーには縁がない。今回のラグビーW杯でスペイン語国というとアルゼンチンとウルグアイとチリが出場してます。3カ国は1999年以来(アルゼンチン・スペイン・ウルグアイ)。


個別の試合ではA組ウルグアイの対フランス戦は惜しかった。ウルグアイが後半に1点差に迫った直後のポゼッションでウルグアイ側のパントミス、蹴った選手の前にいた自軍の選手に当たって跳ね返りそれがフランスのトライに直結して勢いが消滅。アップセットの期待が膨らんだ直後だったので残念。
D組の開幕戦ではアルゼンチンがイングランドに前半健闘したものの失速。
そういうアップセットの香りのある試合がいくつかあった上で最激戦のC組でフィジーが69年ぶりの対オーストラリアの勝利。それに続いた日本もイングランドを相手に前半健闘。

一昔前のラグビーW杯と違って優勝候補国がメンバーを落としてもボーナスポイントまで楽に取れた時代は完全に終わったようです。フルメンバーでというだけでなくパフォーマンスが落ちた先発はごっそり入れ替えるのは当たり前、パフォーマンスが落ちる前にサブを投入するタイミングのさじ加減が勝敗に直結する。私なんかは古いですからラグビーと言えば負傷以外の選手交代が許されない時代を知ってるので今大会での選手の戦術交代のベンチワークという新しい概念は新鮮に感じます。

ベンチの選手の戦術的交代投入が当然となってくると今弱いアメリカやカナダは追いつけるんでしょうか。15人揃えるだけではまったく足りないということでもあります。Tier Iの強豪国の背中は遠いままでその次のレベルがどんどん上がって行ってしまってないか。アメリカが世界最終予選で直接対決で引き分けたポルトガルがウェールズ戦で拙いながら食らいついて28-8。ウェールズ側がボーナスポイントに照準を合わせてそれ以上深追いしなかったという面はあったもののこの試合のポルトガルは及第点でしょう。
一方米州予選で米代表が敗退した相手・拮抗した実力であるチリは日本とサモアに大敗連敗。見ているのがしんどい試合でした。ポルトガルとチリを観察基準とすると米代表が出場できていたとしても期待しづらかったのでしょう。チリってキックが戦術的にまったく使えない。米代表もそうです。(これが外国人選手がかなり混じる国内プロリーグだと気の利いたキック技も代表よりずっと出るので差が目立つ)

大会に出れば全敗覚悟だった時代は日本にもありました。そこから日本は脱出に成功。今大会のフィジーの対豪勝利がノックアウトラウンドへの進出につながるならフィジーも日本に続いてTier Iから警戒されるチームになっていくのか。そこへ米代表はいつか食い込めるのか。いつかじゃない、2031年までにか。

1勝が遠いW杯。米代表は2031のW杯自国開催に向けて2027年のオーストラリア大会では何とか浮上の足がかりを掴まないといけないわけなんですけど今大会のグループの戦いを見て何を思っていることか。

北米置き去りのラグビーW杯開幕 バスケW杯より扱いが良い?

ラグビーW杯フランス大会が9月8日金曜日に開幕。アメリカもカナダも米州予選・最終予選で敗れて今大会は北米からは参加がない大会となります。それでも放映はあります。

一昔前は存在さえろくに認知されていなかったラグビーW杯が今大会はNBC系列のストリーミングPeacockで全試合視聴可。それも米代表が出場していないのに。決勝を含む4試合は地上波NBCで放送予定もあります。ストリーミング時代になったのでお金さえ出せばいくらでも見られる。ありがたいことではあります。私が渡米した頃なんてラグビー放送はほとんど存在していなかったもんです。
多チャンネル化時代を経ていまはストリーミングサービス乱立戦国。この状況下ではラグビーW杯は十分に価値のあるコンテンツとみなされているということなのでしょう。開幕戦は地元フランスと優勝候補ニュージーランドの激突という好カード。

米代表が出場しないのでアメスポというテーマとしては語ることがなくなりそうですがしかたない。個人的にはラグビーは割とよく見ていて6 Nationsの他にも英Premiershipなどは毎年見ています。特に6 NationsはNFLシーズンが終わって虚脱する時期にちょうど始まるので良いです。これらは放映権契約が細切れなのかよく放映局が変わります。


比較として語ったみたいのが現在決勝トーナメントが進んでいる男子バスケットボールのW杯。日本は開催国だったので意味は違うんでしょうが米国内では扱いはかなり悪かったわけです。ESPN系列が放映権を持っています。

バスケW杯の同時期にテニスの全米オープンもありそれもESPN系列で放映。カレッジフットボールの開幕週でもあった。そういう時期なのでESPN系列のTV枠には余裕は少なかった。
そういう同時期のイベントがなくてもバスケに限らずどのスポーツでも予選やグループリーグから注目が高いということは稀という傾向がアメスポ市場にはあります。バスケの場合だと優勝して当たり前ぐらいに思ってる一般スポーツファンが多数なはずで準々決勝程度では注目を集めるには不足。二次グループまであるという大会の仕組みも馴染みがなくよろしくなかった面がありそうです。

こちらの時刻でいうと今朝準々決勝の残り2試合が終わり、2日後の準決勝は米代表 x ドイツ、カナダ x セルビアのカードと決定。準々決勝の最後の枠をカナダが勝ち取った試合の段階で既にカナダ戦は未明の試合開始、米代表の試合は830AMからの試合開始と紹介されていました。準々決勝の消化順のままなら米独戦が先でも良いはずですが米独戦の方が北米で見やすい時刻に放送。これは先日のサッカー女子W杯でもそうですがアメリカからの要請でそうなっていると思った方が良いのでしょう。

ただ平日の朝8時台から10時台とか人々は寝てはいないでしょうがあまり多くの人がテレビの前に2時間座れるような時刻でもなさそうです。放映自体がストリーミングのESPN+での放映なので視聴者が各々オンデマンドで後から見れば良いわけですけどそこまでしてドイツとの準決勝を見たいというのは奇特なファンかなという気はします。決勝戦は日曜日の同じ830AMからの枠での試合でそれもESPN+での放送。

バスケとラグビーの比較ではアメスポ市場での規模は何十倍(数百倍かも)バスケの方が上なのにバスケのW杯はストリーミングサービスESPN+に丸投げで地上波放送なし。ラグビーのW杯は米代表は出場しないのに4試合も地上波放送がある。いかにバスケW杯の注目度が低いのかという解釈をすべきでしょうか。各系列ともストリーミング契約でどれだけ視聴者を囲い込めるかの乱戦の最中。ESPNとしてはESPN+に誘導する道具に今回のバスケW杯を使ったのかもしれませんが、決勝戦までESPN+一本槍というのは私も気づかなかったです。決勝戦ぐらいは見てみるかとなってからESPNですらTV放送がないと気づいたその視聴者はその1試合のためにESPN+に加入するもんでしょうか。

MLRがアメリカラグビーを牽引するか

15人制ラグビーのプロリーグMajor League Rugby(MLR)の今季の優勝戦が行われました。場所はSeatGeek Stadium(収容2万人)で。ここはサッカーMLS Chicago Fireや女子サッカーNWSLのChicago Red Starsのホームスタジアムです。今季からMLRに12チーム目として加入したChicago Houndsがここをホームとしています。中立地での決勝戦。San Diego Legion x New England Free Jacks。それぞれ東西のカンファレンスで他を圧倒して勝ち抜いてきたチームです。
MLRのひとつ前の国内リーグだったPRO Rugby時代のひなびた会場での草ラグビーっぽさからするとこういうスタジアムで試合をやれること自体がアメリカラグビーの進歩であるのでしょう。収容2万人のスタジアム、目測で観客動員は4000人程度でしょうか。これがMLRの6シーズン目。

昨季もこの時期にMLRの事は書いてます。今日も試合の中身はずいぶん良くて楽しめました。夏のラグビーのせいか後半にはバテている選手もいましたけれど全体としてはMLR初期から大きくレベルが上がってるのは確実。試合のフローも細かいプレーもこなれている。アメリカラグビーで過去目立ったルールの理解がいっていないかのような明らかな反則もほぼ消えました。キックの混ぜ方のセンスも悪くない。試合の最終局面でSan Diegoが1点差で追う展開でのドロップキックの隙を狙う両軍の選手の気配りの感じもわかってるなぁと。こういう風にこなれた試合がアメリカ国内でも見られるのようになっているのは大きな進歩でしょう。たぶん実況のアナは南ア出身者ではなかったかと思います。サッカーなどもそうですが彼の地にその競技が解ってるアナの人材がいるというのは大いにTV観戦の助けになります。審判も外国人。これも正しい措置と思います。

審判や報道陣だけでなく両軍のロースターを確認するとラグビー国からの選手で米国カナダ出身の選手はチームロースターの半分程度。要のポジションは外国人選手で固められてます。これならプレーのレベルが上がるわけです。New England Free Jacksが25−24で勝って初優勝。

以前からアメリカの次に勃興する可能性のあるチームスポーツとしてバレーボールとラグビーとラクロスを並列で何度か語ってます。それぞれのジャンルの強みと弱みがあるのですがラグビーからの回答の一つの形としてMLRのような外国人選手の大量導入でのレベルアップというのはアリだなと思えます。
2031年には米国でのラグビーW杯地元開催も待っています。できうれば米国人選手で固めた陣容で地元開催に臨みたいところでしょうが、今年2023年は米代表はW杯にも出場できないという低迷期にある。あと8年で地元開催。自前の選手がそれまでに育てば良いですが楽観はできない。自前で選手が揃わなければMLRでプレーしている外国人選手を取り入れて恥ずかしくない力量の米代表を組んで地元W杯にするという二段構えのプランってことでその二段構えのためにもMLRは存続し続ける必要がある存在ということになります。

ラクロスについては先週まで世界選手権がらみで何本も記事を書きました。バレーボールについては気になっていることがあって下書きしてます。またお目汚しします。


【追記】主催者からMLR決勝の動員の発表がありました。10,103人とのこと。TV画面で映らない手前のスタンドがたまに映るとガラガラだったので1万人はちょっと盛ってる気がしますがまあ良いでしょう。

英ラグビーPremiershipの経営が苦しそう

脈絡がない話題です。書いてあったのですが出しそびれていた文です。
英プロ15人制ラグビーのPremiershipが今季苦戦しているようです。今季開幕後に既に2チームが財政問題から活動を停止して開幕時に13チーム編成だったのが、離脱チームが発生して11チームに減ったままでシーズンを戦ってます。リーグ戦自体はシーズン開始後に撤退した2チームとの試合はなかったことにしてリーグは継続されています。

ラグビーのプロが多くの国で人気面・財政面で脆弱なのは以前から隠れもないことです。が、離脱した2チームのひとつはWasps。老舗名門であるWasps辺りでも経営難で潰れてしまうのかというのはPremiershipの問題にとどまらずプロラグビーというジャンルの将来性に不安を抱かせるものであるかと思います。2031年の米国でのラグビーW杯の時期を目指して米国内ではラグビーをマイナースポーツから脱出させよう、プロスポーツとして成立させていこうと活動しているところですが、その流れで見ると英Premiershipの不振は良いニュースとは言えません。

以前にちまちまと書いていたのですがPremiershipの放送はマイナー局での放送がアメリカでもあり、そこへ近年はTV各系列や新規参入大手(AppleTV+、Amazon Prime Videoなど)がスポーツコンテンツの奪い合いをしていることもあって英Premiershipラグビーも毎年のように放映状況は変わりながらなんとか見られる状態が続いています。今季はNBC系列のストリーミングPeacockで見られます。

米国内にはMLRという国内リーグもあってそちらもほそぼそと放映もありますが、プレー内容は英Premiershipの方が上なのでちょっとラグビーが見たいなという気分ならそっちを見てしまう感じです。個人的にはニュージーランドとか南アフリカなど南半球の国内リーグの試合やSuper Rugbyも見たいなあと思うこともあるんですが、それらの国からアメリカに渡ってきている移民の絶対数が欧州移民と比較して少ないせいでしょう、さらにマイナー扱いで尋常の視聴環境では見られないです。


過去私はPremiershipの観戦ではさしたる意味はなくイメージだけの理由でExeter Chiefsを応援していました。最近Exeterのサイトを見たらロゴが以前のインディアン風のものから変更になってました。今年変わったばかりだそうで、今回この記事を書き始めてから初めて知りました。アメスポではインディアン風ロゴやチーム名が現在進行系で絶滅危惧なのですが、それが海の向こうのチームにも影響してしまったのかもしれません。ラグビーが極マイナーでPremiershipの放送がアメリカで見られるようになっていなかったらインディアン風のロゴは存続できたのかもです。
うーん。今のロゴはなんなんですかね。これはいつかどこかの欧州風なのか蒙古軍風なのか私には判断しかねます。少なくともこれならアメリカの一部からケチをつけられる見かけではなくはなってますが、地元ファンはどう思ってるのか。あまりかっこいいとは言えないような。


ラグビーという競技。ラグビーW杯は相当に盛り上がる大きな大会ですし、英国やフランスでも6 Nations六カ国対抗大会は大スタジアムを観衆が埋めますがクラブレベルはイングランドのようにラグビー人気が比較的高いとされる国、経済力上位の国でもプロが栄えていっているわけではない。なにがダメなのか。ラグビー国でもプロが儲からない競技なのに果たしてラグビー新興国アメリカでプロとして成立しうるのか。


ちょっと話が飛びますが、サッカーのW杯が始まる直前頃のスポーツ番組で英国人コメンテーターが「クリケットW杯でイングランドが優勝したばかりで、サッカーでも勝つぞー」云々とやけにウキウキして話していました。クリケットと言ってもT20大会なんですけど、英国人スポーツファンは独自の視点で注目しているものがあるんだなと聞いていました。(T20は近年盛んになった野球で言う1イニング表裏だけで決着を付ける簡略版のクリケット)

そんな具合で一般スポーツファンにも注目されるらしいイングランドのクリケットも、これが国内リーグになると「T20 Blast」(イングランドおよびウェールズ)があるだけで国内プロとしてはさほど。
これ、似てるかなと思うのはアメリカの女子サッカープロリーグとかがそれかなあと。サッカー米女子代表戦は人気が高く大スタジアムを埋められるけれど、女子プロサッカーのNWSLはこじんまりとしてますし儲かってる感じは薄いです。

米代表 ラグビーW杯最終予選ラストプレーで敗退

2023年のラグビーW杯フランス大会への最後の一枠を決める4カ国・地域による世界最終予選。アラブ首長国連邦のドバイで開催。実質上開催前から欧州のポルトガルと米州アメリカ代表のいずれかの争いとされていました。その直接対決で米代表が敗退。北米全滅の幕切れとなってます。

このミニ総当たり戦では引分が存在します。よってもし事実上の決勝戦である米代表対ポルトガル戦が引分で終わった場合にタイブレーカーは他の2戦(対香港、対ケニア)でのボーナスポイントの差異、それでもタイなら得失点差での勝負になるため、ポルトガルも米代表も前哨戦の2試合ではカリカリになって大量得点を目指した戦いをしていて、その結果ポルトガル 85-0 ケニアというような無慈悲なスコアが残ってます。ま、ラグビー日本代表がかつて145点取られて負けた試合なんてのも世の中には存在したことを知ってますから85点ぐらいならまだ60点分もマシではありますが。

最終決戦を前にして勝点で並ぶポルトガルが得失点差+113、米代表が+96。よって引分ならポルトガルが2023年W杯への最終切符を得る状態でスタート。

米代表のペナルティキック成功先制から始まり、ポルトガルがラインアウトから2パスで反対側まで展開してのデザインプレーでトライ。その後一進一退の攻防となりました。30分過ぎのポルトガルゴール前に米代表が攻め込んだときのノットリリースザボールでチャンスを失った辺りがなんとも拙くもったいない。10−9ポルトガルリードで前半終了。
後半に入って43分の意味不明な米代表のラインアウトからのボール取り落しでピンチを招いたのもうあぁと声が出てしまう。全体としてはやっぱり両軍ともあんまり強くないよなという試合内容でしたが、最後に山が来ました。

上述の通り引分ならポルトガルが勝ち抜けの状態で、ポルトガルが3点差を追う最終盤。ポルトガルボール。80分を超えたところで20メーターライン付近から本大会進出を賭けてポルトガルがドロップゴールに行く。これがポストに当たって跳ね返り失敗、米選手がボールを押さえたのでこれで米代表が逃げ切りかとも思えました。しかしペナルティが宣告。ライブでの観戦中はわかってなかったですがたぶんドロップゴールに行った時点で既にポルトガルがアドバンテージを持っている状態だったんでしょう。ドロップゴールでもその後に蹴るペナルティでも2本のうちどっちかがが入れば同点=ポルトガルがW杯進出ってことだったんでしょう。
ペナルティは難なく決まって16−16でノーサイド。引分でポルトガルが世界最終予選通過となってます。結果的にはポルトガルがケニアをけちょんけちょんにしておいた分が効いての本大会進出。

米代表側からすると悔しい敗退とも言えますが、どのみち内容はいただけない試合だったようにも思えます。これで2023年フランス大会進出失敗。次の2027年のオーストラリア大会、さらにその次の2031年の米国開催へ強化に励むことになります。
今サイクルでは今日の引分のポルトガル戦、また最後に合計1点差をさし負けしたチリ戦と接戦での敗戦が続きました。その前に米州予選で逆転負けを喰った対ウルグアイ戦も含めてW杯のホスト国になろうという米代表がこの辺りの国に連敗するのでは2031年の地元開催が怖いです。やはり海外出身者をかなり取り込むなど促成強化策を取らざるを得なさそうです。今大会はともかく2027年は本大会出場は絶対命題でしょうから。


サッカーのW杯が始まる直前に同じ中東での国際試合。お金がたっぷりある方々はサッカーでカタールに観戦に行く前にドバイで華麗な休日を過ごしつつチラとこの試合を見たりさせる意図でここで開催なのかなと思ったんですが、洟も引っ掛けない感じですか。なにやらのどかな芝生席のある小スタジアムでした。

ラグビー世界最終予選はドバイで

米代表も出場するラグビーW杯の世界最終予選の開催場所はアラブ首長国連邦ドバイでの開催と決定になってます。開催時期は11月6日〜18日。出場国はアメリカ、ポルトガル、ケニア、香港の4カ国・地域。

ドバイの11月の平均気温を見ると最高気温平均が摂氏31度となってますからけっこう暑いです。昼か夜かでコンディションは違いそう。
元々セブンスラグビー用に建てられたらしい会場の写真を見ると照明施設のあるメインスタジアムも一応あるようです。試合時刻がどうなるか不明です。照明施設のあるピッチが一面だけだったりすると(写真を見る限り可能性あり)最終戦は同時に試合をしないと有利不利が出ますから昼間開催ってことになるか。夏の糞暑い時期のラグビーは大変です。

今年の11月、中東で、といういうとサッカーのW杯がお隣のカタールで大々的に開催されます。そちらは開幕が11月21日。その直前にこっそり隣の国でラグビー最終予選があるという形ですね。両方ともに出場するのはアメリカとポルトガルです。
サッカーW杯の観戦のついでにドバイの世界に誇る超高層ホテルに陣取るようなリッチな訪問者もありそうです。

ラグビー米代表 W杯世界最終予選へ

チリの気迫 プラス戦略勝ちですね。ほぼ試合を通してリードしていた米代表を後半に捉えて逆転勝ち。最終スコアはチリ 31−29 米代表。2試合合計で52-51でチリが米州代表2枠目として2023年ラグビーW杯フランス大会に進出決定です。これで米州からはウルグアイとチリと南米勢がW杯へ。チリはW杯初登場決定。米代表は11月の世界最終予選で最後のチャンスに賭けることになりました。

ホームの米代表がリードを守りきれなかったのは直接的には後半にオープンフィールドでチリ側のスピードと接点での強さに負けたから。チリ側は体格で劣りながらも気迫で個々の接点でフィールドをゲインしていきました。そしてそれを可能にしたのはチリ側の戦術的な選手マネジメントもあったでしょう。

米代表は先週の@チリでの試合から先発メンバーを換えたのは2名のみ。チリは7人代えてきた。この意味するところは高地デンバー郊外での試合で終盤の息切れを避けるために主力メンバーを後半まで温存して後半スパートを狙ったということです。そうであれば米代表は前半からリードをつける必要があったのですが、瞬間最大19点リードしたものの、前半終了直前のチリのトライもあって差がつききらない。 

29−28米代表リードで迎えた終盤残り10分強。米代表が第1戦を1点リードで終えているので合計で米代表2点リードの場面。チリは大事なペナルティキックのチャンスをミスして逆転に失敗。
対する米代表もダイレクトタッチを連発するなど凡ミスもありチャンスを広げられない。

73分に米ボールのスクラムをチリが押し勝ちして反則でポジションを奪ったのがこの一戦の最大のハイライトでしょう。ここからのキックが決まって31−29チリが逆転この試合初のリード。2戦合計でもチリ1点リード。
その後も5分を切ってから米代表ボールのラックでチリはボールを奪取するなど気迫がこもったプレーが続く。残り3分の段階でチリ陣内でのラックでの反則のコールが当初チリ側の犯した反則と判定されたのが、ビデオ判定で覆って米代表の反則となったところでほぼ米代表の命運は尽きました。

戦前にはチリ側の酸素の薄い高地での試合での息切れの可能性を指摘しておいたのですが、結果からみればホームの米代表の方の運動量が落ちて競り負けしたと言えるように思います。気温も今日は高かった中での逆転勝ち。息切れを避けるべく選手マネジメントに成功したチリコーチ陣の判断も良かったですが、それにこたえた選手たちの気迫が素晴らしかったですね。ラグビーの世界に南米という新たな血が導入されることは喜ばしいことだと思います。W杯本戦でどれだけやれるかはまた別の話ではありますが。

この日の動員は4000人満員。さすがに以前の試合の倍入っていたのは良かったですが、チリの応援団もけっこう入っていました。今日のチリのアウェイでの選手の気迫、第1戦での19,000人というチリ地元ファンのファンの集まりぶり。フィールド上でもスタンドでも急速にチリがアメリカラグビーを追い抜こうとしているのか。


米代表の戦術的なことを書くと、後半序盤の追加点となった右斜行するドライビングモールを押しながら、最初から狙っていた大型2番がカウンターで左方向単騎特攻トライをとったところなんかは、最初から決めていたセットプレー。こういうのが得意っていうのはとてもアメリカ人っぽいかなーという感じですね。他方オープンフィールドや密集からのリサイクルには工夫の足りない面が目立ったようにも思います。フライハーフからの人数をとばしての展開もうまく決まらない。
点差が競り合いのまま推移したので試合としてはおもしろかったですが、技術的には見るべきものが少ない試合でもあったように思います。

米代表が回ることになった11月の世界最終予選の相手はケニアとポルトガルが確定。4カ国目はトンガと香港の敗者。4カ国での総当りでボーナス点も絡んで勝者1カ国を決めます。さすがにこれは勝ってくれるんじゃないかと思いたいです。世界最終予選に勝った場合は本戦ではC組に入ることになりました。ウェールズ、オーストラリア、フィジー、ジョージアと同組となります。
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