地味なニュース記事がESPNで報じられています。米国の資本がフランスのBordeauxへの出資を取りやめ、同クラブは管財人下に置かれるということになるようです。

タイミングがSuper Leagueが潰れた大きなドラマがあった直後なので、その動向と関係があるのか疑ってしまうところです。欧州の5大リーグの中では最もネームバリューの劣るフランスリーグの1チームにすらアメリカ側の資本が介入していたりするんですね。確かにアメリカ国内のスポーツチームの価値はどこも高騰していて、ちょっとやそっとの金額ではメジャースポーツのオーナーになれません。その価格と比較すると欧州のサッカークラブを実質コントロールできる金額というのは割安に感じられるのかもしれません。これまでに当該投資家がつぎ込んだ金額はUS$50 million程度とか。これで実質オーナーになれてしまうらしいです。$50 millionというとアメスポメジャーではチームの1年の人件費にもまったく足りない金額です。

Super Leagueのドタバタの後でLiverpoolのオーナー(MLB Boston Red Soxのオーナーでもある)Fenway Sports GroupがLiverpoolファンに平謝りのビデオを出してました。平謝りするなら早い方が傷が浅いという意味ですぐに謝罪をしたんでしょうが、今回の騒動でSuper League型のクラブの資産価値の爆上げはもう将来に渡っても見込みにくくなったはずで、それでもアメスポオーナーたちは欧州サッカークラブの経営に興味を持ち続けられるんでしょうか。

UEFA Champions Leagueの改革の再論議というのが次の欧州サッカーのアジェンダであろうと思いますが、よほどの譲歩をUEFA側がしない限りクラブの資産価値に大きく跳ね返りはしにくそうです。既にSuper League構想が完全に粉砕された後なのでUEFAが大きく譲歩する理由がない。欧州クラブのオーナーであり続けることの将来の含みの旨味は相当に損なわれた状態に見えます。

今回のSuper League騒動で反米の情緒も刺激されたこともあるし、アメリカ資本が欧州サッカーから逃避する可能性はあるのでしょうか。あっても不思議じゃないところですが、かと言ってBordeauxなどとは違って損切にするような金額ではなく、買い手を見つけないと撤退もできないわけですが。