シーズン中のバスケやホッケー、スプリングトレーニングが進むMLBよりもオフシーズンのNFLの話題がスポーツニュースのトップを飾るのがいい事かどうかが少々気になるところですが、相変わらずNFLの話題が豊富です。今日のトップニュースはPittsburgh SteelersとQB Ben Roethlisbergerが2021年シーズンのサラリー改変に合意して来季もBig BenはSteelersの正QBとして戦うこととなった、という話題。

しかし私の興味をひいたのはまったく違う話題です。なんでもNFLが再び延長戦のルールをいじるのだとか。いくつか改変案が出ているのですが、いずれも基本的には延長戦を短くする方向での改変になるようです。それはわかるような。
NFLの現行の延長戦はサドンデスを廃して少なくとも両チームが一度攻撃権を持てる形にしていますが、これが長い。お好きな方はそれで良いのですがNFLは大衆に開かれた娯楽でありどうも現行の延長戦では一般スポーツファンは長すぎると感じてるらしい。実際長いことはしばしば。

それで改変案の一つは真っ向から長さを制限、延長戦を7分半に限るという案が出てるそうです。これは時短という意味では意味があるのでしょうが、現実的にどうか。その昔15分だった延長戦が現行10分になってるのですが、それをさらに2分半削る。
この案の問題は先攻になったチームがランの得意なチームだったら5分6分使えちゃうのではないのかという点ですね。10分を1ドライブで使い切るのは大変ですが5分なら十分可能。それをやられると後攻のチームは2ミニッツオフェンスを余儀無くされることになります。
ということで単純に延長戦の時間を今以上に削れば良いというものではないということがおわかりになると思います。

そうなるとサドンデスを復活させないと時短は難しいことになるわけです。ただ元々サドンデスを廃止した理由は、延長戦で最も重要なプレーが先後攻を決めるコイントスになってしまっていたのがいびつだという理由でした。キックオフを受けて1stダウンを1−2つとればすぐにFG圏内到達だったため圧倒的に先攻有利だったからです。ではどうする。

そこでひねった案が検討されているようです。一方のチームがドライブ開始地点をコールし、相手がそこから攻めるかどうか決めるというのがそれです。わかりにくいと思うので例を言えばコイントスに勝ったChiefsが自軍10ヤードラインからドライブを開始と決める権利があり、それを受けて相手のBucsは10ヤードから攻撃開始しても良いし、そこからでは不利だと考えればChiefsにそこから攻撃させる。10ヤードラインから攻撃開始ではFG圏内に到達するのに50ヤード以上進まねばならず簡単ではない。ターンオーバーすれば即相手がFGのチップショット圏内でもある、というわけです。

いろいろ考える人がいるもんですね。それとともにアメスポ人気No.1のNFLが手を緩めず商品の改善に勤しんでいるという点は評価すべきところでしょう。