テニス全豪オープンの女子単準決勝が史上最多タイとなる24度目のグランドスラム制覇を狙うSerena WilliamsとNaomi Osakaのカードと決定してます。現時点で時刻が決まっていないのですがアメリカ的にはぜひプライムタイム、悪くとも人口の多い東部で人が起きている時間帯に放送したいはずの試合でしょう。放映権はESPN系列が持っています。

その試合予定の水曜日というのはESPNではNBAの定時放送の日。予定通りなら東部時間のプライムタイムにはHouston Rockets@Philadelphia 76ers、西海岸のプライムタイムに当たる時刻にはMiami Heat@Golden State Warriors戦がESPNで放送され、全豪オープンの試合は第2チャンネルであるESPN2での放送となります。

James HardenとRussell Westbrookを放出してタンクモードに入ったRocketsの試合と、2人とも知名度抜群でアメスポ視点でたぶん(テニスに限定せず)最強の女子スポーツの試合となるであろうSerena Williams x Naomi Osaka戦。注目度話題性でテニスの方が良さそうな気がします。

ここのところESPNは一段と女子スポーツの放送に力をいれています。視聴率でほぼ常に苦戦する女子スポーツの放送の増量は営利企業としては痛し痒しの面もあるかとは思うのですが、公平性というアメリカ社会の大きなテーマに沿って努力はしているという実績作りのために女子スポーツの放送を増やしているはず。
そういう局面でこのSerena x Osaka戦。契約上NBAとテニスの放送チャンネルを入れ替えてテニスの方を視聴者数の格段に高いESPNに持ってこられるのかどうかわからないんですが、可能ならESPNとしてはやりたいんじゃないでしょうか。アメリカ女子アスリートで知名度最高超ベテランでいまもTVCM出演多数のSerena、国籍は日本ながらほぼ準アメリカ人のような頻度でマスコミに取り上げられるOsaka。

Osakaは昨年の全米オープンで、当時アメリカ社会が大荒れだったBLMをソフトにサポートする言動でアメリカ社会の(一方の)価値観を共有する存在として存在感を高めたと思います。政治的な意見は様々あって良いのですが日本国籍のOsakaがアメリカ社会と価値観を共有していることを発信できたことは(彼女はそんなことは意識していないでしょうが)日米が価値観を共有できていることの表現になっていたように思えます。そして彼女の語りがソフトなところがまた良かったような。
ちょうどいま日本から伝わってくるスポーツニュースは東京五輪の責任者のアメリカの価値観と大いにズレた発言で、日本は本当にアメリカと価値観を共有できてるのか?と疑問を抱かれるところ。私は日本育ちですからなぜそうなってしまっているのかは感覚的にわかるんですけど、問われるととても説明しにくい。どこの国も国内で価値観の相違があるのは自由の確保という意味で悪いことではないですが、あまりに同盟国間でかけ離れているといかがなものかとは思えます。

今、ESPN.comで更新があってこの試合は東部時間の7PM試合開始と決まったようです。現地は朝の試合になります。米国側から強い要請があった可能性を感じます。まだ放送チャンネルの予定は発表されていません。


【追記】その後一度7PM試合開始の表示が消えて、アメリカの水曜朝の段階で東部時間10PM試合開始、放送はESPN2ということに変わっていました。女子の試合ですから東部時間でなんとか寝る前に最後まで見られそうという感じですか。フルセットの熱戦だときついですが。