さてNFLもシーズンが終了。次のアメスポメジャーイベントは次週のDaytona 500ですが、それは単発イベント。シーズンの移り変わりという意味ではNFLが終わったら次はMLBのキャンプ開始かカレッジバスケがMarch Madnessに向けて加速していくところ。その辺は視聴者側のお好み次第となります。MLBの方はまだごたごたしていて本当に予定通りことが進むのかわからないですが、カレッジバスケの方は大丈夫のはずです。

カレッジバスケも他のジャンルと同様、各地で試合中止や延期が多発するなどコロナ疫禍の影響を逃れられていませんが、March Madnessは昨年中止になっているためNCAAとしては絶対に今年は開催を成功させるのだと気合が入っています。最悪予定されているスケジュールが遅れるようなことがあっても延期で対応する腹づもりと推測できます。
昨夜はESPNで放送予定だったMiami-FL@North Carolina戦が直前になってキャンセルされてます。なんでもNorth Carolinaの選手がコロナ対策手順書破りのパーティをやっていたビデオが拡散したからとか。プロスポーツでは聞かないタイプの中止騒ぎになってます。全国放送予定もいきなり穴を開けました。これからもまだ紆余曲折はありそうですね。

さて今日発表されたAPランキングでBig XIIのエリート校であるKansasが2009年以来のランク外に転落しています。今シーズンはエリート校が皆大苦戦となっているのが目立ちます。Kansas(12-7)より先にDuke(7-7)、North Carolina(12-6)、Kentucky(5-12)といった強豪校が軒並み不振でランク外に転落済み。西の古豪であるUCLA(13-4)もランク外で、なんでもこの5校が揃ってランク外となるのは1961年以来だそうで、異例のシーズンとなっています。
Kansas/Duke/Kentuckyは毎年シーズン冒頭のメジャーイベントであるChampions Classicの参加校としてカレッジバスケットボール界のエリート中のエリート校なのですがそれが揃って不振。KansasやNorth Carolinaはランク外とは言えat largeでMarch Madnessに当選圏内ですが、Dukeは苦しい。Kentuckyに至っては同校史上最悪レベルの成績に終わる可能性が高くなってきてます。Dukeはちょっと前まではFirst Fourから出場のぎりぎりの当選圏内で、DukeがFirst Fourに出る?そりゃすごい、と思っていたのですが、今となってはそこへも届かなさそうになってきました。

カレッジバスケットボールの仕組みではレギュラーシーズン後にある集中開催のカンファレンストーナメントで優勝できればシーズン中の成績に関わらずMarch Madnessに出場できるのでDukeもKentuckyにもシーズン末に向けて調子を上げられればチャンスはゼロではないのですが、その調子が上がっていかない。DukeはホームのCameron Indoor Stadiumではほぼ勝ってるんですがアウェイで負け続け。週末のライバル対決North Carolina戦に敗戦してついに勝率5割まで落ちてきてしまってます。
KentuckyはSECカンファレンス戦の開始から3連勝をしてここから反転攻勢かと期待させたのですがその後1勝6敗。いよいよダメかというところまで落ちてきてます。

DukeにせよKentuckyにせよスーパー高校生を1年だけ預かって勝つという近年のルーチンがパンデミックで練習不足・試し斬りのnon-conference戦不足で高校生をカレッジレベルに引き上げられずに苦戦のままシーズン終盤に入ってきてしまってます。この時点まで来るとカレッジには1年在籍するだけのつもりだったプロ志望の選手たちはチームで勝つことより自身のスタッツを気にしだすなど問題行動も起こってくる危機でもありそうです。

一方上級生で固めた学校がランク上位を固めている。ここ数年、March Madness本戦も将来のプロ向きのスーパースター候補のいる学校よりも上級生を鍛え込んだ学校がトーナメントを勝ち進む例は増えていて、それはそれでおもしろいのですが、その傾向がパンデミックでより顕著になり、新一年生偏重のエリート校がそれらの学校においつけないままになっている、というのが全体の情況です。

考え方次第で、1-and-doneの学校が勝っていたのが異常だったのだ、歪んでいたのだという考え方もあっていいので、今シーズンはこんな風なのだとそれもよしというところでしょうか。