カレッジフットボールはすっかり大人の都合の世界だなあという感じです。
今日になってBig Tenカンファレンスは自らが決めていたカンファレンス優勝戦への出場ルールをレギュラーシーズンが終わろうとするこの時点になって変更して、元のルールのままでは出場できないはずだったNo. 4 Ohio Stateを東地区の代表とすることにしてます。この変更によりOhio Stateは西地区優勝のNo. 14 Norhwesternとの試合に臨むことになりました。もうなんでもアリだなあという決定です。後から変えるようなルール作りなら最初からしなきゃ良いじゃないか、という。

また今日発表された新CFPランクでBig XIIの2敗校Iowa Stateがマイナーカンファレンス所属の全勝Cincinnatiを抜いてNo. 7に上昇。なにがどうあっても、いかなる場合でもマイナーカンファレンスの学校にはプレーオフに出場させないぞというCFP選抜委員会の強い阻止の意思表明になってます。

やれやれという感じです。もう誰も止められないカレッジフットボールの人工的寡占化。長年カレッジフットボールファンと自認してきた私ですが、さすがにここまで好き勝手やって良いものなのかなとあきれちゃう感じですね。私が愛していたカレッジフットボールはこういうものではなかったはずなんだけど、と愚痴。

プレーオフ時代になってからほぼ毎年4枠のうち3枠がAlabama/Clemson/Oklahoma/Ohio Stateの4校で占められており、Ohio StateがBig Ten優勝での6戦全勝でまた進出を決めればまた寡占トップ4で3枠を占めることになりそう。

人工的寡占化。言い方を変えればやってることはプレミアリーグ化で、ビジネス的視点ではプレミアリーグ化がよりカネを生むという判断はありうるとは思いますが、これ、あくまでもカレッジスポーツなんですよね。アメスポのどのプロスポーツよりも寡占化がすごいというのはどうなんですか。ここまでやっちゃって良いのかという気持ちがあります。
元々FBSの優勝というのはNCAAの管轄の優勝とは別物で、これほどやりたい放題やっていてもNCAAは口を出せない。

アメスポのプロにはドラフト制度やFAシステムを通して強いチームが解体を余儀なくされたり、弱いチームが好選手を積み上げて浮上していく可能性がありますが、カレッジスポーツにはそんなものはないのでここまで人工的に寡占を強めてしまうと完全に情況が硬直化してしまう可能性があります。本当にそれで続くんですかね?NFLというアメスポナンバーワンジャンルとシーズンがかぶっていても、スキルで明確に劣るプレーでも、いやカレッジの方がおもしろいと言う厚く熱いファンに支えられてアメスポナンバー2のジャンルとしてカレッジフットボールは存続してきたわけですが、この硬直化はカレッジフットボールの恐竜化になってしまいそうでこわいです。

マイナーカンファレンスのプレーオフからの排除については以前も指摘したことがあるかと思いますが、マイナーカンファレンスを入れろという世論の喚起を狙った意図的な冷遇で、もしその世論が盛り上がったらその世論をプレーオフを8チーム化に拡大するために利用する、という遠謀深慮があるとは思いますが、こんなことをやっていたらそこまで行かなくなってしまうんじゃないかな。寡占側の特定校以外のファンが白けてしまったらそんな幅広い世論は形成されないのでは。