NBAドラフトが近づいてきています。盛り上がりはいまひとつ。昨季のMarch Madnessが開催されなかったことでカレッジのスター選手たちが全国お披露目の機会を失ったことや、そもそも飛び抜けたドラフト大注目の選手がいるわけでもないこと、エリート校のスター選手からドラフトの上位指名予想される選手もいないこと、さらには全体1位指名候補の一人であるLaMelo Ballはカレッジの選手ではなく海外リーグのプロ選手で米国内での露出がゼロにほど近いことなども盛り上がらない理由です。よほどカレッジバスケをよく見るファンでもなかなか楽しみにくい今年のドラフトと言えるでしょう。

全体1位の指名権を持つMinnesota Timberwolvesの指名予想としてはPG LaMelo BallとGeorgiaのSG Anthony Edwardsが予想されています。早い段階ではEdwardsを推す声が多かったのが公開練習でのできの悪さから評判を落として、結果LaMelo Ballという予想が多くなっているようです。Timberwolvesのニーズから言うとPG D'Angelo Russellが既にいるのでEdwardsの方が合ってるんですが、BallにせよEdwardsにせよ全体1位としては小粒な補強となりそう、というのが評判です。


全体2位の指名権を持つのはGolden State Warriors。この指名権を使ってWarriorsはMemphisのセンターJames Wisemanを指名するという支持が多いようです。私はこの選手をカレッジの試合で見たことがないので能力については言うべきことがないのですが、7feet 1という超長身センターというところが目を引きます。

2019-20シーズンを主力選手のケガで捨てた形になった元王者Warriors。2020-21シーズンには皆元気に復活して再びチャンピオンを目指すシーズンになるという理解ですが、そのタイミングでいままで手持ちにいなかった超長身センター指名に行くのか、というところが意外です。
Warriorsが5年連続でFinals到達、3度の優勝を遂げているわけですが、その強みとされたのは各ポジションが交換可能な部品で作られたディフェンスでした。身長は6 feet 6しかないDraymond Greenが出場しているうちで最長身というメンバーで勝負どころを戦い、相手の長身フロントコートの選手を蹂躙して圧勝し続けた印象がとても強い。機動力のある攻めで相手の長身選手たちの高さのメリットを無に帰するような一種革命的な王者だったわけです。相手の長身選手たちがでくのぼうに見えさえした。他のチームもそのWarriorsに対抗すべく高さに頼らないチーム編成へと変革を迫られたのが過去5−6シーズンだったはず。

ところがWarriorsがいっかいやすみとなった2019-20のチャンピオンとなったLos Angeles LakersはAnthony Davisを中心に、サブにもJaVale McGee、Dwight Howardと高さで相手をゴリゴリと攻める場面が多数。Anthony Davisは高さだけでなく機動力もシュート力もブロックの脅威も備えたMVPクラスのスーパースターですから特殊な存在とは言え、なんか前年までと話が違わないか?という気もしました。前年まではポジションレスのWarriorsはスゴイ、だったのが、高さとスピードでAnthony Davisはどうやっても止められない、に話が変わってしまった。

きたる2020-21シーズンには高さと才能のLakersとポジションレスのWarriorsの激突かと思われていたところに、Warriorsが7フッターの選手を獲る可能性が取りざたされる。新人一枚の高さでAnthony Davisを止められるわけもありませんが、それでもこの機会に獲ってみようと思うんだなあ、Warriorsもポジションレスの限界を感じてるのか?と考えたりもします。
もちろんWarriorsはガード陣が充実していて新人を獲っても使えない陣容だからというのもあるんでしょうが。