昨夜のNBAプレーオフNo. 1 Los Angeles Lakers対No. 3 Denver Nuggetsの第4戦の試合後に、NuggetsのHCが試合の終盤にエースのJamal MurrayとLeBron Jamesが幾度か接触しながらLeBronに対して反則がコールされなかったことを問題視する発言をしています。

これには伏線があって、この一つ前となる第3戦後にLakers側がNBAに対して審判のコールについて「正しいチャンネルを通して」説明を求めたという経緯があります。過去、コーチや選手が審判の判断について不満を記者会見などでぶちまけて罰金対象になったことはしばしばあり、ここで言う正しいチャンネルというのは公開の場で審判をあげつらわずに、NBA本体に直接「説明を求める」という形で不満を表明することを指してます。

Lakersの内々の不満表明のかいあったか、第4戦の勝負どころの時間帯にLeBron Jamesが若きエースJamal Murrayのガードに付いて、何度も接触があってMurrayが倒れる場面があったのに一度も反則はコールされず。それでNuggetsのHCが「それならこちらも正しいチャンネルを通じて説明を受けたい」と発言したというわけです。本心では今すぐブチギレたいところだが、それは避けて手続き遵守するよと言ってるわけです。

第4戦でLakersの2枚エースLeBron JamesとAnthony Davisの2人で稼いだフリースローが28投で24本成功。Nuggetsがチーム全体で稼いだフリースローの機会は23機会、20点。最終スコアが114-108ですからフリースロー機会の差が試合の行方に大きく関わったのは事実でしょう。
それがLakersの第3戦後の「説明を求め」たのが影響したか?それはわかりませんが、ありえないことでもないのでしょう。

今季のNBAプレーオフは中立地でのバブル隔離開催。同じコートですべての試合が行なわれています。コート上に示されたスポンサー名であるとか、ユニフォームの色であるとか、背後に映し出されるファンの映像であるとか、若干のホームコートらしさの演出はありますが、事実上ホームコートアドバンテージは存在しないと言って良い。
例年ならば下位シードのNuggetsが第3戦第4戦を地元開催していたはず。もしDenverの地元がファンで埋まっていたとして、あのLeBronとMurrayの接触プレーの連続に笛が吹かれないままで済んだでしょうか。一回目がノーコールだったらファンから津波のような罵声が審判には浴びせられていたはずで、その中で審判が二回目のMurrayの転倒も笛を吹かずに済ますことができたかはかなり疑問です。

正論を言えばホームコートアドバンテージの判定などあってはイケナイ。ファンの歓声からの変な圧力を受けずに審判は試合を裁くのが正しいのであって、もしホームコートアドバンテージがあったら、という仮定自体が問題のある仮定ではあります。
が、実際の話、NBAにおいてそうしたホームコートアドバンテージに影響されたらしき判定を我々ファンは何度も見てきている。だからこそチームもアドバンテージを得るべくレギュラーシーズンで順位にこだわったりもする。だからもしあの第4戦の終盤がNuggetsのホームPepsi Centerで2万人満員のファンが応援する中、審判があの場面をすべてノーコールで突っぱね得たかというと、そうはならなかった気がします。少なくとももし審判がすべてノーコールだったならば試合後疑問判定として今頃大いに話題となっていたと思えます。現場のファンの不満の声は審判にも影響するでしょうし、視聴者にも、取材をするマスコミにも影響するでしょうから。


全体として(全国では数少ないであろうNuggetsファンを除き)皆がLakersのFinals進出を想定しているようなところがあり、今後問題化紛糾することもないと思えますが、どのスポーツでもそうですが試合の勝負所で審判のコールが問題化する事態は気持ちの良いものではないですよね。