アメスポ業界全体で無観客を前提とした再開の動きが急になっています。MLBもいよいよシーズン開幕の具体策を選手会に提示して一歩前進。既報の通りWWEは唯一疫禍の中で継続的に活動を維持した他、UFCが249で復活、NASCARも次週からシーズン再開。IndyCar、PGAも6月からの活動開始を発表済み。

他にこの時期にシーズンが開催されているべきところではサッカーMLSは選手にチーム施設を開放して個人練習を可にしたばかりで、まだシーズン再開へ舵を切りきれてない。
試合への参加人員の多さ、身体接触の有無などを考えるとサッカーは上記の再開済み・再開に目処をつけたジャンルと比較すると不利な面がありますが、既に欧州メジャーサッカーで具体的に再開の動きが出ているのと比較するとMLSの動きは鈍いようにも見えます。

それはなぜかなということを考えるとMLSの収益構造が現地での動員により多くを依存しているからではないのか、という可能性が推測できそうです。言い方を変えると無観客のTVでの放映権料だけでは帳尻が合わないからということではという推測です。
欧州サッカーのメジャーの放映権料は自国にとどまらない広範な収入があり、残りのスケジュールを完遂するかどうかでの経済的メリットが大きい。同じ欧州サッカーでも群小国のリーグが残りスケジュールをキャンセルするのとブンデスリーガなどが再開に舵を切るのの差はそこにあるんだろうと考えられそう。つまりMLSは欧州群小国と似た判断をしているということかなと。もちろん欧州サッカーは既にシーズンの最終局面にあったところでの強制中断で残り試合数も少ない。MLSはまだほぼ丸1シーズン残っているという違いもあります。


昨日Indy 500をさっさとやれば、ということを書いたんですが、どうも延期した10月開催で観客動員を狙う方向のようです。他にはテニスのUS Openが例年の夏開催から12月への延期を発表済み。ニューヨーク市の12月なんて極寒でとてもテニスができそうな気がしませんがとにかく延期とされてます。

延期にしておくと既に販売済みのチケットの払い戻しをその時期まではしなくても良いことになる。このメリットが巨大なので無観客化なんて、ということなのでしょうとIndy 500については前言撤回、考え直しました。Indy 500の会場であるIndianapolis Motor Speedwayは25万席以上を誇る巨大建造物。それ以外にトラック内の席なしの入場も含めると40万人を動員するアメスポ有数のスーパーイベントです。Indy 500は全席常時予約販売済みだと理解してます。何年も入場の待ちリストに名を連ねている人もいるとされます。転売市場が充実した昨今ではもう予約待ちの人たちにチケットが回ってくることはないのかも。
さて25万席を半年でも払い戻しするか手元にカネを置いておけるかは大いに差がある。無観客化して強行開催するとこのチケット販売の売上がすべて吹っ飛ぶことになってとてもすぐにそんな決断はできない、ということなんでしょう。名より実をとるなら延期でカネをキープすべきという判断。たぶんその判断は正しいのでしょう。

収益構造としてはたぶんテニスUS Openも同じ。高額の継続購入の顧客へのチケット販売で常時完売。昨年の動員実績は73万人以上。12月に実際に開催できるかどうかではなく、どう既に販売済みのチケット代金を手元に維持しながら、できればそのカネを手元に置いたままで来年につなげられるかを考えれば可能な限り大きく後ろへ延期にしたのは上策なんでしょう。同じ延期の単発メジャーイベントでもゴルフのMastersは開催を本気で考えているような気がします。Mastersの動員は3−4万人程度。Indy 500やUS Openテニスとは文字通り桁違いです。