一週間前にNHLがプレーオフの集中開催をするならすぐにやった方が良いのでは、ということを書きました。やったもん勝ちだからです。最悪感染を広げる結果となっても感染が明らかに広がったとわかるまでの1ヶ月強での試合消化でTV放映権料も入ってくるしStanley Cup優勝チームも決められるなら地元の消費効果もでることでしょう。他のアメスポが動いていないだけに例年以上の宣伝効果も見込めます。

と思っていたのですが、どうもNHLより先にやったもん勝ちを狙ったところが出てきてしまいました。テキサス州です。
全米2位の人口と全米2位のGDPを誇る、誇り高きカウボーイ州南部テキサス州の知事が全米で最初に外出禁止令を解除すると発表しています。テキサス州の政治家の好きな言い回しで言うと世界第10位の経済圏テキサスでもあります(州のGDPが世界10位カナダ以上、9位イタリアとほぼ同規模なので)。4月27日以降に解除だそうです。
狙いを考えるとこれはやったもん勝ちというより一発逆転の勝負手という感じでしょうか。解除しても感染が許容範囲にとどまれば、そして経済がうまく回るならば、テキサス州およびトランプ大統領の勝ち、感染が広がり再度外出禁止令を発令し直さなくてはいけなくなれば負けです。
この時点で勝負手を出さなくてはならないという認識なんだなあ、と。

テキサス州の外出禁止令の解除はNHLのプレーオフ集中開催などとは比較にならない大きな感染の増加を招く可能性のあるリスキーな賭けです。既に蔓延しているニューヨーク・ニュージャージー州などなら症状なしの感染者も含めて集団免疫が一部で形成されつつある可能性もありますが、テキサスはまだ本格的な感染が広がっていない州に私には見えます。これからまずくなるその前に規制解除はかなり危険な一手のはずです。
が、知事とその支持者が人柱になりたいっていうんだから、じゃやってみて、という感じです。冷たいみたいですが、私の住んでるところから遠いですから他人事です。東部からテキサスって、それこそ日本と北京ぐらい離れてますからまさに他人事。近隣の州だったらマジやめて、ですけど。

予定通りに今月末から解除するなら感染者や入院者の数が増えてくるなら5月中旬から下旬ということでしょう。そのときになってこれはマズいということになったらNHLやMLBの集中開催への影響も避けられないような。いえいえ我々の集中開催は細心の注意を払って全員を隔離してテキサスの例とは違う云々と開催地元を説得しなくてはいけなくなります。実際に全然意味合いが違うのですけれど、テキサスに失敗されると他州の住民の警戒感は間違いなく上がりますから。