March Madness NCAAトーナメントが全面的に無観客化に舵を切りました。Final Fourはアトランタの大会場Mercedes-Benz Stadiumで予定されていたんですが、あそこで空でやるんですかね。まだ時間的に余裕があるので大会後半の会場変更はまだありうるのでしょう。

ここ数日、アメリカ国内で大規模集会禁止が打ち出されているわけですが、この措置の根拠として100年前のスペイン風邪の流行時に早い段階でSocial distanceを打ち出したSt. Louis市と、その措置が遅れたPhiladelphia市の感染者数の推移の差が提出されています。Social distanceとは大規模集会を避け、会う場合でも6 feet = 2mの距離をとること、と定義されているようです。リンクはその流布されている解説記事のひとつです。Social distanceを最初の患者が見つかってから2日後に実施したSt. Louisでは総患者数もピークも、それが遅れたPhiladelphiaよりも遥かに低かったということになってます。これを根拠に感染の初期段階である今の時点で思い切ったSocial distanceを実施することが有効という結論で、それに沿ってMarch Madnessを含むスポーツイベントはほぼすべて無観客化となるということです。同時に中止という話は現時点で出ていないのも特徴といえるでしょう。

このスペイン風邪を理由としたSocial distance政策をとって時間を稼いでいる間にワクチン開発や既存の薬剤が有効であるかどうかの臨床実験が行えるということでもあるのでしょう。人々の流れのスピードが違うので確たることは言えませんがスペイン風邪のときの例だとSocial distanceを迅速に行ったSt. Louisの方がPhiladelphiaよりも長く患者を出し続けたというのも事実で(まだその点を指摘する報道はほとんどない)先の見通しはつきません。


Philadelphia型になってもSt. Louis型になってもMarch Madnessを含む男女のバスケシーズンはもうあと3週間強でありもうこのまま無観客化でフィニッシュ。NBAとNHLはあと3−4ヶ月のシーズンはもう諦めの境地でシーズン終盤とプレーオフをフィニッシュするしかなさそうです。4月中にシーズンを終える予定だった新興XFLにとってもどうしようもないまま終わりとなりそう。TVスケジュールだけはどこも消化してテレビっ子が増えて視聴率が上がることを期待ってところでしょうか。

一方3月にシーズンが始まったところであるサッカーMLS、そして開幕が近いMLBはどうなるか。野外開催(一部ドーム球場もありますが)でもあり室内型のバスケ・ホッケーよりは防疫面では有利ではありますし、可能性として夏に向けて感染力が弱まる可能性にも期待を寄せて様子見しながらシーズンを消化していく他ないのか。しかしながらSt. Louis型を志向しているということは感染者は長く発生し続ける可能性があり、そうなると長いMLBのシーズン全部に重なる可能性も否定できないのでしょう。
ほぼ週一開催のMLSはともかく、MLBは開催試合数が極端に多いだけに無観客化ではなく中止試合もかなり出ることになりそうですが、一旦シーズンを中止にしてしまうといつ再開できるかもわからないだけにどう舵取りをするかは大変むずかしい判断になりそうです。最悪シーズンキャンセルなんてのもありなのか。
(そういえばすっかり忘れていましたがMLBはまだ対Boston Red Soxへのサイン盗みの調査結果を発表してなかったですね)

ほんの半年前ぐらいに、いつかはMLBの全球場をのんびり車で旅してまわる巡礼みたいなことをしてみたいななんて言っていたのが、いまとなってはそんなことをするのは狂気の沙汰ってことになってしまいます。