今季レギュラーシーズンを独走でNL西を制したLos Angeles DodgersがNLDS第5戦を逆転負けで落としてあえなくポストシーズン一回戦で消えています。106勝を楽々積み上げて勇躍ポストシーズンに登場、NLDSでも勝ち星を先行していたのにここで消えることに。この日の最終スコアは7-3、シリーズWashington Nationalsの3勝2敗で決着。

レギュラーシーズン終盤からDodgersのクローザーKenley Jansenが最大の不安材料とされていました。この日延長10回に決勝の満塁ホームランを被弾したのはJansenではないですが、そもそもクローザーがシーズンの運命のかかった場面でマウンドにいない、チームの信頼を完全に失っているということがこの事態を招いたといえるのでしょう。7−3となってからJansenは登板しています。
Dodgersはここ数年の事情から言ってWorld Series制覇が命題だったチーム。それが誰からも見えた弱点をもろに晒しての逆転負けですからこれはいよいよDave Roberts監督のクビは飛ぶのか飛ばないのか。106勝を積み上げてクビだったら記録ものなのではないでしょうか。

日本視線だとKenta Maedaが奮戦、NLDSの5試合中4試合に登板、4回1/3を1安打無四球無失点7三振。この最終第5戦も対した打者3人を全員三振に切って取る快投だっただけにもっとMaedaを勝負どころでつかっておけばという感想も出そうです。

それよりも試合のハイライトビデオで繰り返し報じられているのはDodgers大エースのClayton Kershawが8回に連続被ホームランでしゃがみ込む場面。この時点で3-3の同点に追いつかれています。Clayton Kershawさん、またもポストシーズンで大バスト、というこのイメージ。エースのKershawが痛打されての敗戦ですからDodgersも成仏するしかないんですが、うーん、という。

この日のKershawは7回のピンチにリリーフ登板。ポストシーズンならではの先発エースのリリーフ投入で盛り上がります。あの時点では本来のクローザーのJansenも、このシリーズ絶好調のMaedaも投入可能だったはずですがDave Roberts監督の決断はKershaw。2死2走者、2点リード。まさに勝負どころ。登場したKershawはここで3球三振でピンチを脱する。エース投入が成功して試合は最終盤へ。
ここでKershawを回跨ぎで8回も続投させたのですが、この回の先頭打者のAnthony Rendonが2球目を叩いてレフトへ、続いてJuan Sotoが初球を右中間スタンド中段にぶちこんで試合は3−3のフリだしへ。Kershaw、全部で6球。7回は3球でピンチを脱したのが、8回は3球で2被弾。そして繰り返し報じられるのは8回の2被弾ばかり。

これねえ。Dave Robertsはその前の試合のこともあるので続投させたような気がします。前の試合というのは絶好のリリーフ登板をしたMaedaを変えた途端の次の投手が崩れて第4戦を落としたこと。ファン・地元マスコミからはなぜMaedaに続投させなかったという批判は大きかった。それがあってもなくてもKershawの続投という判断はあったかもしれませんが、影響がなかったとも言い切れないような。たらればを言えばクローザーさえしっかりしていれば7回のピンチはKershaw、8回は好調Maeda、9回クローザーで勝ちパターンのはずが、Jansenがとても頼りにならないためその分Kershawを引っ張ったとも言えそうです。


ついでなのでもうひとつのNLDS第5戦の方もここで。
St. Louis CardianlsがMLBポストシーズン記録の初回10得点であっという間に勝負を決めてNLポストシーズン第2シードだったAtlanta Bravesを葬り去ってます。これ、気の毒だったのは転売市場で決戦第5戦のチケットを勝ったお客さんたちでしょう。2017年開場のBravesの現在のホームスタジアムはAtlanta市街から北へ大きくはずれた立地。この日はNLDSが2試合開催という都合もあってCardinals@Bravesの試合は通常よりも試合開始が早く、その上平日の郊外なので試合開始時にはまだお客さんが集まりきっていない状態。まだお客さんが来る前に10-0となって試合はこわれてしまっている。転売市場で良い金額を払って入場してみたら既に10−0とか11-0(2回3回にもCardinalsは加点)とか唖然とさせられたことでしょう。
これでNLは106勝Dodgers、97勝Bravesとレギュラーシーズンを賑わせた2チームが早くも退場。