国内プロリーグの盛り上げなどもからんで日本でも注目されていたかと思われる男子バスケットボールのW杯中国大会で米代表が準々決勝で早々に敗退しています。

他国の事情は存じませんが、米代表の場合、NBAのスーパースター選手も含めたドリームチーム風になるのは4年に一度の五輪。FIBA W杯、以前は別名でFIBA World Championshipと呼ばれていたものが開催タイミングもずらして五輪の前年に開催されるこの大会は五輪チーム入りのオーディション的な扱いの面が強いです。言ってみれば二軍に近い。今大会は選考段階・壮行試合の前後もニュースになるのは誰それがW杯チーム選考から辞退しただの、キャンプから離脱したとかそんな話題ばかりでしたし、大会が始まってからもJayson Tatumがケガで欠場するなどファンの関心を買うにはインパクトの欠ける大会だったのは間違いありません。
放映もTV放送はなく、ESPN+による有料ネットストリーミングのみ。いくら昨今NBAの勢いがメジャースポーツの中で一番あると言っても時期外れ、メンバー二軍、時差ありで早朝の試合ばかり、そして有料ネットストリーミングのみ、これで盛り上がれというのはさすがにムリだったところで、準々決勝での敗退。せっかく夏休みを返上して代表に参加してくれた選手たちには気の毒な結果となってます。

大会が始まってもろくに報道もなかったのに、負けたとなったらしたり顔の敗因分析の記事が急に並んだりするのも私の個人的な意見としてはちょっといただけないような気もします。そこで指摘される分析というのがメンバーが二流だ、的なそんなことは始まる前からわかってたことで、じゃあ事前にもっと煽って選手たちが出場する気がおきるような盛り上がりにしておけばよかったではないかとも思ったり。

前回の2014年のFIBA W杯のときの米代表には全国区ブレイク直前のStephen CurryやKlay Thompson、他にもKyrie Irving、James Harden、Anthony Davisと、5年後の今から見るとリーグMVP級の選手が大量に参加していたわけです。けっこう豪華なメンバーに見えますが、そう見えるのは5年後だからで、当時のCurryやThompsonはやっと永年弱小のWarriorsを2年連続で西の6位シードでプレーオフチームに入り込めるようになった程度の時点で全国区の知名度は極低かった時代です。KyrieにしてもLeBron JamesがCleveland帰還をする直前で、Cavaliersで勝てないチームの孤軍奮闘エースをやっていた時期です。だから2014年当時のチームが一般的なNBAファンから注目を浴びたかというと、浴びていなかったと断言して良いです。

なので失敗の結果に終わった今回のW杯米代表チームを二軍だとくさすのはちょっとフェアじゃないかもなとも思います。ま、ただ今回のメンバーはスターも足りない上に若くもないんですよね。Donvan Mitchell 22歳、Jayson Tatum 21歳、Myles Turner 23歳辺りはまだこれからの伸びしろも大いに期待できますが、他のメンバーはアラサーが多い。若手選手から出場辞退が多かったんでしょうか。
その上その若手のうち前述の通りTatumはケガで欠場。Myles Turnerは昨季のDefensive POY賞争いでフランス代表のRudy Gobertと争いながらGobertに賞をさらわれたのを根に持っていたようで、フランス戦の前にそのことをボソっとツイート。それがGorbertの癇に障ってGorbertの試合に臨むモチベーションを高めてしまったとかなんとか。Donovan Mitchellは奮戦していたようですがチーム全体の火力が足りず敗戦。Mitchellは田舎のチーム所属で損をして、NBAの新人賞も逃して、代表に入れば奮戦すれどもチームは踊らず敗戦の憂き目に、という感じになっちゃってます。
いまのMitchellの状態っていうのは5年前に代表に参加していた当時のKyrie Irvingと似たような立ち位置な気もします。選ばれるかどうかはわかりませんがMitchellには来オフの五輪メンバーに入れてあげたいような、そしてその目立つ場で他のスーパースター連中に負けない活躍で米代表を引っ張るような活躍をしてほしいようにも思います。