少年野球LLWSで米国決勝・インターナショナル決勝が行われルイジアナ代表とキュラソー代表が勝って日曜日のLLLWS優勝戦へ進んでます。連覇を狙ったハワイ代表、一昨年以来の優勝を目指した日本と強豪を下しての堂々の進出です。

日本代表はもったいない負け方で4-5で敗戦。選手に非がないもったいなさだっただけに残念さを感じてしまいます。こと少年野球なので細かいことをあげつらうのもどうかと思いましたが昨夜コメントで触れてしまったので一応こういう事情だったと書いておきます。
LLWSは6イニング制で、この日は日本は後攻。でリトルリーグには全員出場ルールというのがあります。ベンチ入り全選手が1打席完了、6アウト連続で守備出場というのが義務付けられています。皆がプレーできるようにというルールですね。で、後攻のチームは全選手の1打席完了義務を5回までに遂げる必要があります。6回=最終回裏は存在しない可能性があるのでこういうルールです。
さて5回裏の日本の攻撃。2-5で追う展開。この回は1番からの打順でここは大事なところ。先頭バッターが左中間を割る二塁打で無死2塁と絶好のスタート。ここでベンチは2番打者にバント指示。細かいことは存じませんが小柄な子でもあったのでたぶん打撃でベンチの信頼がなかったのでしょうが、3点差のラス前回、ここでバントという作戦もどうかと思いましたがまあ良いでしょう。たぶん日本以外はここでバントにはいかないような気がしますが。監督さんは大声でバントをしっかりやれと叫んでましたね。あえなく2番打者は凡退ランナーは2塁のまま。そして中軸のチームの強打者3番4番を迎えて点差を縮めたい場面。
と、ここで運営からクレームが入りました。日本の全員打席完了義務が果たされていないという指摘が入り3番打者に替えてベンチの子が打席へ。ランナーがいるのでダブルプレーの可能性=義務完了できないままでの5回終了の可能性があるので強制的に交代を余儀なくされました。
そして中心打者に代わって出てきた子は小柄な子。ボールについていけず凡退。結局この回無死2塁を生かせず無得点。2-5のまま最終回へ。
この事情を日本の監督さんが意識していたのなら2番の子に代打を出してバントでもさせておくべきだったのでは。ルールを忘れていたか、知っていたけれど運営や相手チームが気づかずそのまま攻撃が継続できるかもと期待して放置したか。3点差の無死2塁でのバントは戦術面のことですから善し悪しの判断はミスとは言いません(賛成しません)が、出場義務を果たしていないばかりに中心打者をベンチの一番打撃が弱いであろう子に差し替えさせられたマネジメントは大人のミスですよね。

最終回は下位打線に回る日本が粘って4-5、2死3塁で5回にバントを要求されて追い込まれてしまった子が左中間へ快打を飛ばしたのですがキュラソーのレフトが反応よく走って打球に追いつきレフトライナーで試合終了となってます。日本代表選手たち号泣。よく頑張ったな、いい試合だったと見ていてよかったと思いました。

以下戦術のことなのでアレですが補足。野球の戦術進歩と日本の対応の遅れが出たようにも見えるので。
日本以外のほとんどのチームは既に自軍の最強打者を打順1番2番に配置しています。6イニングまでの短い試合、最強打者に3度4度と打順がより多く回る可能性が重要だからでしょう。しかし日本は見るからに最強打者は3番4番に配置。好機にバントを強要しなくてはいけない子を他チームは最強打者をおいている2番に置いていたのがミス、そのミスが顕在化する試合展開になってしまったと言えるんじゃないでしょうか。なにやら20世紀的な古臭い野球観で長打の選手は3番4番、2番は器用な子、というような固定観念でいまもこういう打順を組んでるのかなと言う気がして残念に思われました。